
「型枠組立ってなんのこと?」
「型枠ってどうやって組むの?」
型枠組立とは、建物を作る際に基礎や柱にコンクリートを流し込む型枠を組み立てる作業のことです。
この記事では型枠組立の流れや型枠組立の注意点などを解説します。
記事の後半では型枠組立に必要な資格も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
型枠組立(型枠工事)とは?
型枠組立とは、コンクリートを流し込む型枠を組み立てる作業のことです。
型枠組立は、建築物全体を構造的に支える骨組み部分をコンクリートでつくり上げるために必要な重要な作業です。
型枠を組み立てる職人を「型枠大工」といいます。
建物の基盤を作る大切な工事
型枠組立は、基盤を作る大切な工事です。
建物の基盤となる基礎や柱にコンクリートを流し込むための枠を、合板や鋼材を加工して組み立てていきます。
型枠に歪みがあったり、凹凸があると建物全体に悪い影響が出ます。
そのため、型枠工事は建物の基盤を作る重要な工事のひとつと言えます。
精密な作業ができる熟練の技術が必要です。
鉄筋コンクリートの建物だけではなく、木造の一般家屋でも家屋と地面の間の基礎を作るために型枠工事が必要です。
型枠工事の流れ
型枠工事の流れを紹介します。
1 | 拾い出し作業 | 必要な材料の数量寸法を拾い出す作業 |
2 | 加工作業 | 型枠に必要な合板を加工する作業 |
3 | 墨出し作業 | 現地に型枠の設置位置の印をつける作業 |
4 | 組み立て作業 | 合板や鋼材で型枠を組み立てる作業 |
5 | 締め付け作業 | 型枠が崩壊しないように締め付け固定する作業 |
6 | コンクリート打設 | 型枠にコンクリートを流し込む作業 |
7 | 型枠解体作業 | コンクリート打設後に型枠を解体する作業 |
拾い出し作業
拾い出し作業とは、設計図から建物の柱や床や壁などの寸法などを拾い出し、加工図を作成することです。
手作業で行うこともありますが、パソコンの専用ソフトを使って加工図を作成することもできます。
型枠に歪みがあったり凹凸があると建物全体に影響が出るため、精密な加工図の作成が必要です。
加工図を作成したら、型枠工事に必要な資材を拾い出して資材を発注します。
加工作業
加工作業とは、加工図をもとに型枠に必要な合板や板材の加工を行う作業です。
合板やベニヤ板・桟木と呼ばれる材料を、加工図に基づいて切断・加工します。
加工作業は専用の作業場で行われることがほとんどですが、建築現場で加工する場合もあります。
加工作業には、型枠大工としての知識や経験が必要です。
墨出し作業
墨出し作業は、建設現場で型枠を設置するための位置に線や印をつける作業です。
以前は墨壺に浸した糸をまっすぐに張り、糸を弾いて墨出しを行っていました。
現在はこの方法に加え、レーザー式の墨出し機などを使って、墨出しを行います。
型枠がずれると基礎や柱の位置がずれ、建物に大きな影響を与えます。
墨出しはとても重要で精密さを求められる作業です。
組み立て作業
組み立て作業は加工しておいた型枠資材を、現場で組み立てる作業です。
墨出し作業でつけた線や印に合わせて、型枠資材を組み立てていきます。
型枠の位置の誤差は、一般的に3ミリ程度が許容範囲です。
型枠工事では組み立てを行いながら、位置ズレが起きていないか点検や確認をしていきます。
必要に応じて、墨出し作業も繰り返し行い組み立て作業を行っていきます。
締め付け作業
締め付け作業とは、組み立てた型枠の変形を防ぐために型枠を鋼材やチェーンなどで締め付けて固定する作業のことです。
型枠の中にコンクリートを流し込むと、型枠の内側から外側へ圧力が掛かります。
型枠同士が十分に固定されていないと、圧力によって変形・崩壊してしまうかもしれません。
締め付け作業を行うことで、型枠の変形を防ぎます。
型枠の崩壊は建物の基礎や柱の歪みや凹凸を発生させるだけでなく、作業者を巻き込んだ重大な事故につながる恐れもあります。
しっかりと締め付け作業を行うことで、これらのリスクを回避できます。
コンクリート打設
コンクリート打設とは、組み立てた型枠の中にコンクリートを流し込む作業のことです。
コンクリート打設時は型枠に異常がないか、繰り返し点検を行います。
打設時の点検でズレや歪みを見逃してしまうと、建物の基礎や柱に異常が出てしまいます。
型枠工事の中でも、型枠大工がもっとも神経をつかう作業のひとつです。
型枠解体作業
型枠解体作業とは、コンクリート打設後の養生期間を経てコンクリートの強度が出た後に型枠を解体する作業のことです。
ベニヤ板や合板などを工具を使って解体していきます。
型枠に使われる資材は再利用が可能なため、丁寧な解体作業を行う必要があります。
型枠工事での注意点

型枠工事での注意点を紹介します。
- 丸ノコやくぎ打ちなどの器具を使用する際
- 高所にある足場や脚立で作業をする際
- KYT(危険予知)をしないとき
丸ノコやくぎ打ちなどの器具を使用する際
丸ノコやくぎ打ちなどの器具を使用する際は、特に注意が必要です。
型枠に必要な資材の加工には丸ノコを使用します。
建設現場で型枠を組み立てる際には、くぎ打ちなどの器具を使用します。
これらの器具を使用する際は、一歩間違えると大怪我をしてしまう可能性もあります。
器具の適正な使用方法を熟知し、決められた手順通りに安全に作業する必要があります。
高所にある足場や脚立で作業をする際
高所にある足場や脚立で作業する際には、転落事故に注意しましょう。
型枠組立作業は、足場や脚立を使用して作業することが多いです。
高所からの転落は、即重大災害につながる恐れがあります。
また、足場や脚立の上から資材を落としてしまうと、下にいる作業員に大けがを負わせてしまう可能性もあります。
足場や脚立を使った作業では強風にも注意が必要で、転落や落下災害に巻き込まれないように十分注意しましょう。
KYT(危険予知訓練)を実施しておく
事故を未然に防ぐために、KYT(危険予知訓練)を実施しましょう。
KYT(危険予知訓練)とは、「危険・予知・トレーニング」の頭文字をとった用語のことです。
型枠工事を始める前には、現場で起こりうる危険を作業員全員で予知して、想定した危険に対する対応策を練っておくことが肝心です。
「足場上では落下の可能性があるので、安全帯を必ず使用する」
「丸ノコを使用するときはノコギリの歯が手や指に接触する可能性があるので、回転方向に手を入れない」
型枠組立作業を行う際は、このように起こりうる危険と対策を考えるのがKYTの役割です。
型枠工事を行う前には、必ずKYT(危険予知訓練)を実施しましょう。
型枠の種類
型枠には、いくつかの種類があります。
- 殺し型枠
- 化粧打放型枠
- ラス型枠
- 鋼製型枠
それぞれの特徴を紹介します。
殺し型枠
コンクリートの打設後も、型枠の解体を行わない型枠。
基礎などの土の中に埋まるコンクリートを打設する際に使用されます。
化粧打放型枠
コンクリートの表面にタイルやボードなどの仕上げを行わず、素地のままで仕上げる際に利用される型枠。
通常の型枠と異なり、杉板などの特殊な資材や表面を加工した資材が使用されます。
ラス型枠
通常の型枠と異なり、合板の代わりに特殊な金網を用いた型枠。
資材の加工や組み立てが容易で、コンクリート打設後の型枠解体も不要な型枠材です。
鋼製型枠
鋼製の鉄板を使用した型枠。
合板などの木製の型枠と比べ、型枠自体の強度が高いため締め付け作業などが不要なのが特徴です。
型枠工事に必要な資格
型枠工事に必要な資格を紹介します。
資格名 | 受験資格 | おすすめ度 |
---|---|---|
型枠施工技能士 | ・1級:7年以上の実務経験または2級合格後2年以上 ・2級:2年以上の実務経験または養成学校の卒業 ・3級:作業の基本的な技能を有していること | ★★★ 型枠工事をするなら必ず取りたい資格 |
型枠支保工の組み立て等作業主任者 | ・型枠支保工の組立て又は変更に関する作業に3年以上従事した経験を有する方 ・学歴および実務経験による | ★★ 型枠工事の現場責任者を目指す人は取りたい資格 |
玉掛作業者 | ・18才以上であること | ★★ 受験資格のハードルも低く最初の資格としておすすめ |
建築施工管理技士 | ・学歴や実務経験による | ★ 難易度は高いがさらなるステップアップを目指す人におすすめ |
型枠施工技能士
型枠施工技能士は、組み立ての技能を認定する国家資格で型枠の組み立て図を作成します。
型枠工事ではもっともおすすめな資格のひとつです。
型枠施工技能士には、1級と2級の2種類の資格があります。
1級、2級ともに合格率は約50%で、難易度は高めの資格と言えます。
型枠施工技能士を取得すれば、型枠大工としてのスキルが証明されます。
型枠支保工の組み立て等作業主任者
型枠支保工の組み立て等主任者とは、型枠を支持するために必要な支保工の組み立て・解体
作業を行う際の現場責任者となるための資格です。
講習と試験を受験すれば、ほぼ100%合格することができます。
ただし、型枠支保工の組み立て等主任者を受験するためには21歳以上かつ3年以上の実務経験が必要です。
型枠工事の現場責任者を目指す人にはおすすめの資格です。
玉掛作業者
玉掛け作業者とは、クレーンを使用する際に資材をフックに掛けたり、外したりすることができる資格のことです。
型枠工事の現場では、型枠材の搬入にクレーンを使用します。
玉掛作業者の資格をとることで、クレーン作業に従事することができます。
受験資格は18歳以上のみで、合格率も90%以上と比較的簡単な資格です。
型枠大工になったら、最初に取っておくべき資格としておすすめです。
建築施工管理技士
建築施工管理技士は、建築工事の施工計画の作成や安全・品質・工程の管理を行う施工管理に必要な国家資格です。
建築施工管理技士には、1級と2級の2種類の資格があります。
試験の難易度も高くおすすめ度は低いですが、働く幅を広げるためにチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
まとめ
型枠組立の流れや注意点などを紹介してきました。
型枠工事は、建物の基礎を作るための重要な工事の一つです。
工事を行う際は事故を未然に防ぐため、KYTの実施などをしっかり行いましょう。
必要な資格を取得することで、型枠大工のスキルアップも可能です。
型枠組立に興味がある方は挑戦してみてください。