現場監督は「見てるだけ、暇そう」と言われることがありますが、実はそうではありません。
この記事では、現場監督が見てるだけに見える理由とこなしている仕事内容、見てるだけに見えて優秀な現場管理の特徴を紹介します。最後に現場監督のきつい面、やりがいについても触れているので、ぜひ最後までお読みください。
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目次
現場監督が「見てるだけ」に見える理由
現場監督が「あの人は見てるだけだ」と思われる理由は、職人からのイメージです。現場では職人が主に作業を担当し、現場監督は巡回が主な仕事です。実際の作業は行わないため、職人からすると「現場を見て、指示出しだけしている」と思われてしまいます。
しかし、実際は現場監督は朝早く来て当日の工程を確認して朝礼で伝達し、安全対策を実施しています。また現場作業が終わった後は帰社し、膨大な事務作業をしているため、決して見てるだけではありません。
現場監督の仕事はかなり多いのですが、現場ではあくまで監視役で、人が見ていない部分での仕事が多いため、悪口混じりに職人から「見てるだけ」といわれます。
「見てるだけ」じゃない！現場監督の仕事内容
先述したように、現場監督は決して「見てるだけ」ではありません。具体的にどれだけの仕事を抱えているか、5つのジャンルに分けて解説します。
- 工程管理
- 品質管理
- 安全管理
- 原価管理
- その他の業務
工程管理
現場監督は工期までに作業を終わらせるための工程管理をしています。工程管理とは工期までに作業が終わるように工程と人員配置を組み立てるスケジュール管理のことです。
工事現場は天候や資材搬入トラブルなどの影響で日程が頻繁に変更になるため、工程管理自体がかなりボリュームのある仕事となります。
品質管理
品質管理とは、建設物の品質を保ち施主に満足してもらうための品質をチェックするための管理です。品質が悪いと施主からの信頼失墜に繋がり、将来的に受注案件にも影響が出かねません。
使用する資材の品質チェックはもちろん、日々施工箇所をチェックしてミスがないか確認したり、引き渡し前に手入れが必要な箇所がないかなどを入念に管理します。
安全管理
安全管理とは、現場で働く作業員の命を守るための管理です。工事現場では重機や高所作業など、怪我や命の危険がある作業もあります。あらかじめ事故が起きそうな場所を見回りして安全対策したり、安全帯やヘルメットの着用を促し、確認するのも現場監督の仕事です。
また、雨の日の翌日は現場が滑りやすいため滑り止めマットを敷いておくなど、作業員が見ていない箇所での対策も現場監督がしています。
原価管理
原価管理とは、工事現場で使用する資材や機械などの原価を管理するための作業です。施主へ提示した見積りと相違がないよう作業を済ませ、自社利益を確保するために欠かせない作業です。
毎日使用する資材、機材の原価を予算と相違がないかチェックし、万が一差が生まれた場合は修正します。
その他の業務
現場監督は上記4つの業務以外にも、細かな書類作成やクレーム対応、関連業者との打ち合わせなども実施します。施工図や竣工図の作成や報告書などの事務書類を作るのも、現場監督の大事な仕事です。
また、近隣住民から騒音や振動についてのクレームが入った際に謝罪したり、理解を得られるよう説得するのも現場監督の役目となります。さらに協力業者や施主と打ち合わせするための資料作り、打ち合わせ対応なども現場監督がしています。
本当に「見てるだけ」の現場監督の特徴
現場監督はたくさんの業務を抱えていますが、中には本当に「見てるだけ」の現場監督もいます。どのような現場監督が「見てるだけ」なのか理解し、反面教師にしましょう。
- 次にやるべきことがわかっていない
- 態度がでかい
次にやるべきことがわかっていない
現場監督は当日の工程だけでなく、全体の工程を把握して作業進捗を確認するのが仕事です。遅れがあれば確認したり、適切な指示を出さなければなりません。しかし、経験が浅い現場監督はまだ先を見通す力がついていない現場監督は、次に何をすべきかわからず、ひとまず現場をうろうろしているだけになりがちです。
職人からすれば現場に来て、ただ作業を「見てるだけ」と思われてしまうでしょう。
態度がでかい
現場監督は現場の責任者ですが、決して下請け業者より格上というわけではありません。しかし、中には現場監督というだけで自分が偉いと勘違いし、過度に威圧的に接する現場監督がいます。スキルや経験に自信がなく、会社では偉そうにできないので下請け業者へ威圧的に接し、ストレスを解消しているのです。
そもそも現場監督は現場の作業員の安全を守り、工期を守るための監督者の役割です。作業員は協力してくれている人たちなので、現場監督からすれば感謝を持って接しましょう。
「見てるだけ」に見えて実は優秀な現場監督とは
職人から「見てるだけ」に見えても、それは優秀さの裏返しなのかもしれません。実は優秀な現場監督の特徴を2つ紹介します。
- 仕事が早い
- 現場のマネジメントができている
仕事が早い
優秀な現場監督は仕事が早く、現場開始前にほとんどの段取りが終わっているため、いざ現場が始まったあとは「見てるだけ」に見えます。現場監督の仕事は人材の手配や申請作業、重機の手配や危険箇所の確認と対策です。
仕事の早い現場監督は、作業開始前にこれらの業務を終わらせているため、いざ現場が開始した後に作業をしません。
そのため職人から見ると「あの人は見てるだけ」と思われてしまう可能性があります。
現場のマネジメントができている
現場監督が朝礼で当日の工程や指示出しを正確にできていれば、巡回中に改めて指示を出す必要はありません。工程管理も同様で、前日までの進捗を確認したうえで的確なスケジュールを組み直していれば、慌てて作業をする必要もないでしょう。
マネジメントスキルが高い現場監督は、仕事ができるがゆえに現場開始後にバタバタ指示を出したり、作業を急かす必要がないのです。
「見てるだけ」の現場監督と言われないように取り組むべきこと
現場監督として働くなら「見てるだけ」などと、不名誉な悪口は言われたくないものです。どうすれば見てるだけにならないのか説明します。
- できるだけ早く現場監督の仕事を覚える
- 先回りして仕事に取り組む
- 積極的にコミュニケーションを取る
できるだけ早く現場監督の仕事を覚える
できる現場監督になるにはまず、現場監督の仕事の要領を掴みましょう。現場の段取りや書類作成など一通り業務を覚えれば、隙間時間に進められる作業や工程の組み方、安全管理の注意点などがわかってくるはずです。
あの人は仕事ができると思われるためにはまず、仕事を覚えて的確に実施できるようになりましょう。
先回りして仕事に取り組む
見てるだけの現場監督にならないために、先回りして仕事をしましょう。現場が始まってから工程をチェックして変更したり、資材の搬入が遅れていることに気づくようでは、現場監督失格です。
常に次の日、1週間後、完成までのイメージを予測しながら仕事に取り組むことでスムーズに工程を完成させ、できる現場監督として認められます。
積極的にコミュニケーションを取る
見てるだけと思われる現場監督は、コミュニケーション不足なことがあります。職人と関係を築けていないために、何をしているかわからないと思われてしまうのです。
職人は現場作業を終わらせるための大切なスタッフなので、日頃から声をかけて雰囲気を良くしたり、人間関係を構築しておきましょう。
現場監督の仕事の辛いところ
現場監督の仕事で辛いところも理解しておきましょう。
- 仕事量が多く残業や休日出勤は当たり前
- 責任が重い
- 屋外での作業で体力的にきつい
仕事量が多く残業や休日出勤は当たり前
現場監督は仕事量が多いため、残業や休日出勤をしなければなりません。現場の巡回だけでなく、冒頭で紹介したように事務作業なども抱えているためです。
労働時間の長さからライフワークバランスがとりづらく、休日が友達や家族と合わないため、リフレッシュしづらいでしょう。
責任が重い
現場での事故防止や品質管理、施主が満足するものづくりなど、現場監督が背負う責任は非常に重いものです。常に品質管理や安全管理に気を使わなければならず、精神的に負荷がかかることも多いでしょう。
屋外での作業で体力的にきつい
現場監督は日中はほぼ屋外で過ごす必要があり、夏は暑さ、冬は寒さに耐えなければなりません。屋外での作業で体力が奪われ、また長時間労働で十分な休息が取れないために体力的にきついこともあるでしょう。
また、危険作業も多く命の危険もあることも、辛いと思ってしまう要因となります。
現場監督の仕事の魅力
現場監督の仕事はきつい部分もありますが、やりがいもある仕事です。具体的に施工管理の仕事の魅力を3つ紹介します。
- 工事が完了した時の達成感
- 自分の成長を実感できる
- 実際に現場監督として働いている人の口コミ紹介
工事が完了した時の達成感
現場監督のやりがいは、工事が完了した時に得られる達成感です。業務自体は非常に大変な仕事ですが、その分建設物が完成して施主が喜ぶ顔を見た時に感じる嬉しさは一層のものがあるでしょう。
自分の成長を実感できる
現場監督は経験を積むほどスキルやノウハウが身につき、円滑に現場を回せるようになります。経験を積めばより大規模な工事現場を任される機会も増え、スキルアップした自分に気づくはずです。
実際に現場監督として働いている人の口コミ紹介
こちらの現場監督さんは、1年間従事した現場が竣工し、構造物に名前が残ったことを投稿しています。自分が関わった建設物に名前が残るのも、現場監督のやりがいです。
こちらの施工管理の方は、大金を扱って工事をすることや職人さんとの交流、施主から感謝の言葉をもらうことがやりがいと述べています。
以上のように、実際の現場監督もきつい・辛いというだけでなく、やりがいを持って仕事をしています。
まとめ
現場監督は職人から「見てるだけ」と思われることもありますが、工事を円滑に進める段取りや膨大な事務作業をこなしています。仕事の多さから長時間労働になりやすいなど辛い面もありますが、建造物が完成した時のやりがいは何ものにも変えられません。
記事の内容を参考に本当に見てるだけの現場監督にならないよう、仕事を覚えて優秀だけど「見てるだけに見える」現場監督を目指しましょう。
