建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)とは?仕事の内容や年収から試験の概要までまとめて解説!

「建築物環境衛生士(ビル管理士)はどんな仕事?」

「年収はどのくらい?」

「試験の難易度は高い?」

本記事では、「ビル管」と呼ばれる建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の日々の仕事内容や試験の概要についてまとめました。また、平均年収だけでなく、資格手当や歓迎される業界についても詳しく解説しています。

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建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)とは

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)は、特定建築物に必ず選任することを法律で定められた国家資格です。

特定建築物とは、店舗や事務所、映画館といった多くの人が利用する建物(床面積3,000m2以上)のことを指します。特定建築物には衛生的環境の確保が法律で定められています。

衛生的環境の確保が適正に行われるよう維持・管理・監督することを建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の選任といいます。

第二章 特定建築物等の維持管理

(建築物環境衛生管理基準)

第四条 特定建築物の所有者、占有者その他の者で当該特定建築物の維持管理について権原を有するものは、政令で定める基準(以下「建築物環境衛生管理基準」という。)に従つて当該特定建築物の維持管理をしなければならない。

引用:e-GOV 法令検索 建築物における衛生的環境の確保に関する法律

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の仕事内容

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の主な仕事内容は大きく3つに分けられます。

  • 建築物の衛生環境を適切な状態に保つための管理業務
  • 建物の設備点検や清掃業務
  • 保健所による立入検査への立会などの対応

ここからは、それぞれの場面に応じた建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の役割と業務内容を詳しく解説します。

建築物の衛生環境を適切な状態に保つための管理業務

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)は、建物と建物に関わるすべての人のために、衛生的で安全な環境を維持管理、点検、検査します。衛生管理とは単に清掃だけでなく、水質や空気の清潔さも含みます。

管理業務計画の立案管理業務の全般的実施測定・検査・評価
空調や給排水設備の整備計画、空気環境の測定計画、水質検査の実施計画など計画に基づく帳簿や図面の記録、施設管理と実施状況の監督、設備担当者への技術指導、営繕工事の発注と監督など計画に基づく測定と検査およびデータの評価と活用など

建物の設備点検や清掃業務

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)が管理会社の社員だった場合、各種設備の点検やメンテナンス、建物の清掃担当者としての役割を兼任するケースがあります。ただ、一般的には設備会社や清掃会社に委託して、一連の作業の監督と指示出しをすることが多いでしょう。

保健所による立入検査への立会などの対応

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)には、数年ごとに実施される行政および保健所による立入検査の立会という役割もあります。

立入検査では空気環境の測定のほか、それまで測定・検査・評価してきたデータや図面、調査記録、帳簿(保存義務5年)などが検査されます。

なお、立入検査を拒否、違反したり改善命令に従わない場合は罰せられるため、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)には普段から管理業務を間違いなく遂行することが求められます。

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)が求められる業界

続いて、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の需要について詳しく見ていきます。主な業界や業種と仕事内容を以下の表にまとめました。

  • ビル管理・ビルメンテナンス
  • ビルマネジメント
  • 設備管理
業界・業種仕事内容
ビルメンテナンス業界・ビル設備管理さまざまなビルの選任として設備管理・警備・保守・点検・清掃を行う。ボイラー技士や電気工事士など関連資格があると有利。
ビルマネジメント業界・ビル施設管理ビルのオーナーが本来行う管理業務を代行する。テナントの誘致や経理、自治体への書類提出なども行う。プロパティマネージャーとも呼ばれる。
不動産業界・建物の設備管理不動産会社が所有する自社物件の設備管理。ビルに限らず、商業施設や病院なども含まれる。巡回業務も求められることが多い。

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の年収は?

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の年収は雇用先の業種や勤続年数によって異なりますが、350万以上600万以下が目安です。

求人検索エンジンのindeed(インディード)では、ビル設備管理は3,677,350円、清掃スタッフは3,336,974円となっています。低く感じるかもしれませんが、セミリタイアした時短勤務者も含まれています。

一方、設備工事は6,320,694円、施工管理は6,111,769円です。こちらが高く感じるのは、電気工事士やボイラー技士などの関連資格を持っているケースが多いからでしょう。

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建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の資格を取得するメリット

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)には、将来独立を視野に入れられる、転職先が見つかりやすい、年をとっても働けるといった特徴があります。中でも大きなメリットは以下の2点。それぞれ内容を詳しく解説します。

  • 選任義務によって需要が高く、雇用が安定しやすい
  • 国家資格保有により年収に期待できる

選任義務によって需要が高く、雇用が安定しやすい

前述した通り、床面積3,000m2以上の特定建築物は建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の選任が義務付けられています。

特定建築物にあたるビル、百貨店、事務所は日本中にありますから、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の需要はなくならないでしょう。

試験の難易度が高いことから資格者の数は慢性的に不足しており、職にあぶれることも考えにくいです。

なお、「選任」の定義は特定建築物の所有者との間に法律上の関係(委任など)が結ばれていることを意味し、常駐は必須ではありません。

国家資格保有により年収に期待できる

難易度の高い国家資格である建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)は、就職や転職で採用されやすいだけでなく給料の面でも有利です。関連資格を取得すれば、さらなる昇格や昇給にもつながります。

転職サイトをリサーチしてみると、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の資格手当は他の資格より比較的高くなっています。

資格手当には選任手当(名義料とも呼ばれる)という別途手当がプラスされるからです。

資格手当の例

1級ボイラー技士建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)
資格手当8000円/月資格手当8,000円+選任手当7,000円=15,000円/月

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)資格の2つの取得方法

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の資格を取得するには、講習会を受講する方法と国家試験を受験する方法があります。試験については後述するので、ここでは講習について解説します。

講習会は、厚生労働大臣の登録を受けた講習機関「公益財団法人日本建築衛生管理教育センター教務課」が実施しており、受講費用は108,800円です。約3週間かけて以下の7科目を101時間で受講します。

講義科目

  1. 建築物衛生行政概論:10時間
  2. 建築物の構造概論:8時間
  3. 建築物の環境衛生:13時間
  4. 空気環境の調整:26時間
  5. 給水及び排水の管理:20時間
  6. 清掃:16時間
  7. ねずみ、昆虫等の防除:8時間

なお、講習の最終日に50問の修了試験に合格しなければなりません。合格率は公表されていませんが、9割程度は合格するといわれています。

受講資格は学歴・経験年数で受講する場合と免許・経験年数で受講する場合で条件が違うため、詳細は公益財団法人日本建築衛生管理センターのこちらのページで確認してください。

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験の概要

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験は、厚生労働大臣が指定する指定試験機関「公益財団法人日本建築衛生管理教育センター国家試験課」が実施する国家試験です。

試験の費用は13,900円。試験日は年に1回、例年10月の第一日曜日に札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、福岡市で実施されています。

受験科目は前述した講習の講義内容と同じ7科目で、全科目合計180問で(1問1点)。

受験にあたって学歴は問われませんが、受験資格を得るためには2年以上の実務経験が必要とされます。実務経験の規定を次の表にまとめました。

建築物における環境衛生上の維持管理に関する実

建築物の用途環境衛生上の維持管理に関する実務
ア)興行場(映画館、劇場等)、百貨店、集会場(公民館、結婚式場、市民ホール等)、図書館、博物館、美術館、
遊技場(ボーリング場等)
イ)店舗、事務所
ウ)学校(研修所を含む)
エ)旅館、ホテル
オ)その他アからエまでの用途に類する用途
空気調和設備管理
給水、給湯設備管理 (貯水槽を含み、浄水場を除く)
排水設備管理 (浄化槽を含み、下水処理場を除く)
ボイラ設備管理
電気設備管理 (変電、配電等のみの業務を除く)
清掃及び廃棄物処理
ねずみ、昆虫等の防除
出典:公益財団法人日本建築衛生管理教育センター

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験の合格率と難易度

令和4年第52回建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験の受験者数は9,413人、合格率者数1,681人、合格率17.9%でした。ちなみに前年は17.7%、前々年は19.5%、過去51回の平均は18.5%です。

試験の合格基準は、180問中65%以上(117点以上)の得点であること、7科目それぞれが出題数の40%以上の得点であること、この両方をクリアしなければなりません。

例えば、合計点119点の人が合格するのに対して、合計点120点の人が不合格になるケースもあります。7科目のうち得手不得手を作らず、いかにバランスよく得点するかが合否の分かれ目といえるでしょう。

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験の合格するのに必要な勉強時間

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の資格取得に必要な勉強時間は、一般的に1,000時間前後といわれています。実務経験を積みながら試験勉強するケースがほとんどです。働きながら学ぶ場合は1年程度が目安となります。

平日の仕事がハードなら夜は休んで朝活で学ぶ、土日に集中して学ぶなど、社会人は自分に合った勉強スタイルを見つけることが大切です。また、通勤時間や休憩時間に試験対策アプリを活用するのもひとつの方法です。

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)とあわせて持っておきたい4つの資格

最後に、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の資格をよりいっそう活かすために、ビルメン4点セットと呼ばれる資格を紹介します。

第二種電気工事士:一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の電気工事が可能

2級ボイラー技士:冷暖房を使用する建物の空調管理を取り扱う

危険物取扱者乙種4類:引火性液体を取り扱う

第三種冷凍機械責任者:高圧ガス製造保安責任者(1日の冷凍能力100t未満)

4点セットを求人の条件にしている会社もあるため、ビル管理の業界では強みとなるでしょう。

まとめ

資格取得までの道のりは簡単とはいえませんが、取得すれば一生役に立つのが建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の資格です。資格の活かし方でキャリアチェンジする選択肢も豊富ですから、興味のある方はぜひ検討してみてください。

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