2級ボイラー技士とは?取得するメリットから試験の概要、合格するための勉強方法まで

「2級ボイラー技士はどういう資格?」

「試験の難易度と合格率は?」

「取得したら何ができる?」

今回の記事では2級ボイラー技士の資格について徹底解説します。2級ボイラー技士の業務内容や職場の種類、資格を取得するメリット、試験の概要と合格率についても分かりやすくまとめました。

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2級ボイラー技士とは

ボイラー技士とは、ボイラー設備の操作と保守管理を担当する資格です。さまざまな種類のボイラー設備がありますが、2級ボイラー技士は、すべての種類を扱うことが可能であり、伝熱面積の合計25㎡未満のボイラーについては取扱作業主任者になれます。

2級ボイラー技士の仕事内容は、主に設備の点検や調整、燃料の供給管理、安全装置の監視です。正しく取り扱わないと重大な事故につながる設備なので、ボイラー技士は事故防止に欠かせない存在です。

ちなみにボイラーとは、水や熱媒体を入れて密閉した容器を加熱し、その蒸気や温水の圧力をエネルギーとして他に供給する設備装置のことを指します。ボイラーで発生したエネルギーは、建物の給湯設備や機械の稼働に欠かせません。

2級ボイラー技士と1級ボイラー技士の違い

2級ボイラー技士は「取扱作業者」としてすべてのボイラーを扱えますが、「取扱作業主任者」として仕事ができるかどうかは、特級、1級、2級によって違います。

級ごとの違いは、労働安全衛生法の「ボイラー及び圧力容器安全規則第24条」に基づいて、以下のように分類されています。

資格取扱作業主任者
特級ボイラー技士すべて
1級ボイラー技士伝熱面積の合計500㎡未満
(貫流ボイラーのみは500㎡以上も可)
2級ボイラー技士伝熱面積の合計25㎡未満
(貫流ボイラーのみは250㎡未満)

2級ボイラー技士とボイラー設備士の違い

ボイラー技士に似ている資格にボイラー設備士があります。どちらもボイラー設備に関連していますが役割は違うので注意してください。とはいえ、業務としての相性はいいので、次なる資格として目標にするのはおすすめです。

2級ボイラー技士:ボイラーの取り扱い・管理・運転・保守

ボイラー設備士:一定規格以上のボイラーの第一種圧力容器に関する点検・整備・内部の分解清掃

2級ボイラー技士の資格を取得するメリット

2級ボイラー技士の資格を取得することで、どのようなメリットを得られるのでしょうか?代表的な3つのメリットについて解説します。

  • さまざまな施設で働けるようになる
  • 経験がなくても採用してもらいやすくなる
  • 資格手当がもらえる

さまざまな施設で働けるようになる

大きなメリットの1つは、さまざまな施設で働く選択肢が増えることです。2級ボイラー技士は「ビルメン4点セット」の必須資格に含まれている通り、ビルの設備管理が定番の職場といえますが、その他にもいろいろな活躍の場があります。いくつか例をあげてみましょう。

・ビルの設備管理

管理会社が契約しているビルに定期的に出向いて点検とメンテナンスを行うケースと、ビルの防災センターや管理室に常駐するケースがあります。

・建設現場

ボイラーを設置する施設が建設される際は、立ち会いのために現場に出向きます。ボイラーの種類や設置場所について有資格者としてアドバイスをします。

・ホテルや病院

温水プールのあるホテルや大規模な総合病院は、大型ボイラーになるので対応できませんが、ビジネスホテル・旅館・中規模な病院であれば2級ボイラー技士の対応範囲内です。

・その他

製造工場・発電プラント・熱供給プラント、ショッピングセンターの防災センターなど。

経験がなくても採用してもらいやすくなる

2級ボイラー技士には経験が無くても採用されやすいというメリットもあります。設備管理の求人では、実務経験が無くても有資格が優先されます。

また、応募資格に2級ボイラー技士の記載が無い会社でも、「2級ボイラー技士尚可」「歓迎資格:2級ボイラー技士」などと補足する会社が多いです。どちらにしても資格があれば倍率は下がるので、有利な就職・転職活動が可能となります。

資格手当がもらえる

2級ボイラー技士は資格手当の支給対象になることが多く、月に1,000円から3,000円程度ですが専門職として評価される実感を得られます。

2級ボイラー技士に資格手当を支給する会社であれば、当然上位資格にあたる1級ボイラー技士や関連資格にも手当の上乗せが期待できるでしょう。

2級ボイラー技士の年収相場

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(2019年)」によると、特級、1級、2級ボイラー技士すべての年代の平均年収は382万円でした。平均月収にすると約27万円になります。

国税庁の「民間給与実態統計調査」では日本人の平均年収は約443万ですから、トータルではさほど高くない印象です。しかし、年代が上がるにつれ着実に収入は増えています。また、賞与(ボーナス)が出る会社に勤めてるかどうかが重要なポイントとなります。

年代平均賞与平均年収
~19歳3万円251万円
20~24歳49万円374万円
25~29歳80万円459万円
30~34歳84万円430万円
35~39歳56万円422万円
40~44歳60万円403万円
45~49歳82万円481万円
50~54歳62万円429万円
55~59歳32万円341万円
60~64歳40万円330万円
65~69歳59万円311万円
70歳~13万円260万円
出典:e-Stat 賃金構造基本統計調査 を元に四捨五入で表記

2級ボイラー技士のキャリアプラン

2級ボイラー技士はキャリアアップのスタートラインに立てる資格です。上位資格の1級、特級のボイラー技士資格や設備管理の関連資格も取得すれば、責任ある立場と役割を求められる機会が増え、必然的に年収も上がっていくでしょう。2級ボイラー技士だけで年収アップは難しいですが、設備関係の第一歩にはふさわしい資格といえます。

2級ボイラー技士試験の概要

2級ボイラー技士試験は、全国7カ所にある安全衛生技術センターと各地域の出張試験場で実施されます。受験資格は特にありません。センター試験はほぼ毎月1回、出張試験は年に1回(都道府県ごとなので実質年に数回)です。

センターも出張試験も定員になる可能性があるため、公益財団法人安全衛生技術試験協会のこちらのページで日程と定員状況を確認しておきましょう。受験料はどちらも8,800円です。

2級ボイラー技士試験の合格基準は【各科目の得点が40%以上かつ合計が60%】です。1科目10問のうち4問は正解しなければなりません。

試験科目試験内容試験時間
1.ボイラーの構造に関する知識
2.ボイラーの取扱いに関する知識
3.燃料及び燃焼に関する知識
4.関係法令
各10問(100点)
1.熱及び蒸気、種類及び型式、主要部分の構造、附属設備及び附属品の構造、自動制御装置
2.点火、使用中の留意事項、埋火、附属装置及び附属品の取扱い、ボイラー用水及びその処理、吹出し、清浄作業、点検
3.燃料の種類、燃焼方式、通風及び通風装置
4.各種法令・条項・規則
3時間
13:30~16:30

なお、2級ボイラー技士試験に合格するための受験資格は無いのですが、実務経験がない場合は3日間のボイラー実技講習を受講して修了証を受け取る必要があります。

ボイラー実技講習は試験日の前に受けても後に受けてもかまいません。詳しくは一般社団法人日本ボイラ協会のこちらのページでご確認ください。

2級ボイラー技士試験の合格率と難易度

2級ボイラー技士試験の合格率は以下の通りです。

年度受験者数合格者数合格率
202223,97812,22751.0
202124,26012,95353.4
202016,0989,40058.4
201925,19212,80350.8

2級ボイラー技士試験の合格率は、例年50%前後。比較的合格しやすい資格といえるでしょう。ビルメン4点セットのボイラー2級技士以外の合格率(2022年度)と比較してみてください。

第二種電気工事士:学科が55.95%・技能が72.59%

危険物取扱者乙4種:27.0%

第三者冷凍機械責任者:22.8%

2級ボイラー技士試験に合格するのに必要な勉強時間の目安

一般的に、2級ボイラー技士試験に合格するためには約100時間〜200時間ほどの学習時間が必要といわれています。日中働いている人であれば、毎日勉強したとしても数カ月はかかる計算です。土日だけでなく平日にも勉強の時間を組み込むとよいでしょう。

仕事と勉強を両立するモチベーションが維持できないときは、インターネットやSNSで資格勉強のコミュニティに参加するのもひとつの方法です。

2級ボイラー技士試験の勉強方法

2級ボイラー技士試験の勉強方法には通信講座、参考書、スマホアプリ、動画サイト、ネットで公開されている過去問といったさまざまな選択肢があります。

通勤時間はスマホアプリ、休憩時間は参考書、土日は過去問を解くなど、その日の体調や学習の進み具合で上手に組み合わせると効率的です。

なお、本格的で専門的すぎる参考書は、むしろ試験範囲からピントがずれる恐れがあるため、解説が分かりやすい問題集の方が試験対策としては有効です。疑問を抱え込む時間は無駄になるので、悩むより解答を読んで疑問を解消することを優先しましょう。

また、有料となりますがボイラ協会では受験準備講習会を実施しています。費用や日程は会場によって違うため、興味のある人は一般社団法人日本ボイラ協会のこちらのページでお住まいの地域の講習予定を確認してみてください。

2級ボイラー技士試験に合格するための勉強方法

一通り参考書が終わったら、多少不安があってもどんどん過去問を解いていきましょう。2級ボイラー技士はメジャーな試験なので、過去問の解答と解説をしているサイトが多いです。答え合わせや補足教材として積極的に活用しましょう。

過去問は最低でも3回は繰り返し、だいたい7割から8割をコンスタントに得点できることを目標としてください。出題傾向から離れてしまうので、あまりにも古い過去問には手を出さない方が無難です。関係法令は一覧表にして暗記するのがおすすめです。

繰り返しますが、2級ボイラー技士試験の合格基準は【各科目の得点が40%以上かつ合計が60%】です。10問のうち正解が4問以下の科目が1つあると、他の3科目が満点でも不合格となります。苦手な科目は早めに対処しておきましょう。

まとめ

2級ボイラー技士は、すべてのボイラーを扱うことが認められた資格です。近年はボイラー技士設置の必要がない施設が増えていますが、求人情報サイトではまだまだ募集が多く、上位資格を取得すればさらなるキャリアアップが見込めます。設備管理の仕事に興味がある人なら、2級ボイラー技士は最初に取得する資格として最適です。

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