空調設備士・衛生設備士(学会設備士)って何?試験や活かせる仕事をご紹介します。

機械設備工事に携わっている方は「空調設備士」や「衛生設備士」、「学会設備士」という資格の名前を耳にしたことはありませんか。

新型コロナウイルス感染症の流行後、空調・換気設備はその重要性やあり方に注目が集まり、日々のお仕事が増えた方もいらっしゃると思います。そして同時に、空調設備士は信頼度が高まってきている資格の一つです。

今回はこれらの設備士になる方法や、取得後にどんな企業で働くことが可能となるかご紹介していきますので、機械設備に対する専門性を高めて転職市場で有利になれるよう、ぜひご一読ください。

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空気調和・衛生工学会とは?

空気調和・衛生工学会とは?

『空気調和・衛生工学会』は、暖冷房・換気、給水・排水、衛生設備など一般市民の生活と密着した設備やその仕組み・原理などを扱う学問領域で活動する学術団体です。

この学会はこの領域の研究者と実際にこれらの設備の設計や施工を行う設計者・技術者、装置を制作するエンジニア、運転・管理技術者等の会員で構成され、日本にある工学系の中では10番目の規模の学会です。

また、創立時より「学理と工業は両論である」との理念と「空気調和と衛生設備に関する専門学会」との立場をもって運営されており、現在もこれを継承しています。

空気調和・衛生工学会は、空衛学会やSHASE(シャセ・シャッセ)とも呼ばれています。

空調設備士・衛生設備士(学会設備士)とは?

空調設備士の正式名称は「空気調和・衛生工学会設備士」です。この資格には呼び方がいくつかあります。

一番よく使われるのが【学会設備士】という呼び名です。

設備士と名のつく資格には他にも「建築設備士」や「消防設備士」、「浄化槽設備士」などがあります。それらと区別するため省略して【学会設備士】と呼ばれています。【空衛学会設備士】や【空調衛生工学会設備士】というやや長い省略のされ方もあります。

続いて【空調設備士】【衛生設備士】ですが、「空気調和・衛生工学会設備士」は2部門に分かれており、そのうち片方の部門にのみ合格した人を俗称でこのように呼んでいます。

この記事では、これ以降「空気調和・衛生工学会設備士」を【学会設備士】と省略して記していきます。

学会設備士とは?

学会設備士の会員数は2021年3月時点で以下の表の人数の方が登録されています。

個人法人合計
正会員名誉会員特別会員学生会員小計賛助会員
14,534名30名48名284名14,896名488社15,384名

参照:公益社団法人 空気調和・衛生工学会「賛助会員リスト」

『賛助会員』には大手から中堅まで様々なゼネコンや、サブコン、設備系メーカー、エネルギー供給会社が名を連ねています。

建築設備士との違い

建築設備士との違い

建築設備士は建築士法第2条にてその役割が明記されています。

5 この法律で「建築設備士」とは、建築設備士に関する知識及び技能に付き国土交通大臣が定める資格を有する者をいう。

建築技術教育普及センター

一方で学会設備士は空気調和・衛生工学会が実施する設備士資格検定試験に合格した者の称号であり、民間資格です。

この2つの資格の違いは他にもあります。

学会設備士は暖冷房・換気、給水・排水、衛生設備に特化した資格でありますが、建築設備士はそれらにプラスして電気設備についての知識も必要とされます。

また学会設備士は、資格取得の前後を問わず、通算2年以上の実務経験年数があれば建築設備士の受験資格を得られます。

学会設備士検定試験について

学会設備士検定試験について

受験資格

区分最終学歴空気調和・給排水・衛生設備に関する
実務経験年数
(イ)大学理系課程
(1)新制大学
(2)旧制大学
(3)旧制専門学校
卒業後満0年
(ロ)短期大学理科系課程
(1)短期大学
(2)高等専門学校
卒業後満1年以上
(ハ)A.高等学校理科
  ・工業系課程
(1)高等学校
(2)旧制中学校
  (実業系)
卒業後満4年以上
B.高等学校建築設備系卒業後満3年以上
(ニ)(イ)(ロ)(ハ)(ホ)に該当しない者満18歳以上で7年以上
(ホ)(イ)(ロ)(ハ)に該当しない各種学校を卒業した者設備士資格検定委員会で実務経験年数を認定

詳細は申込み案内で確認してください。

申込み~学会設備士になるまでの流れ

申込み・書類提出は例年8月です。

1部門のみ(空調部門、衛生部門のどちらかのみ)を受験するか、両部門を受験するかはこの時に選択し申込みます。インターネットで手続き後に書類を郵送します。

試験 例年11月末

空調部門は土曜日、衛生部門は日曜日に実施。

合格通知 例年2月上旬

空気調和・衛生工学会に入会し、学会設備士となる

合格者で空気調和・衛生工学会の非会員の方は、指定される期日までに入会することで合格者として認められます。手続き未了の場合は、合格を辞退したとみなされます。

出題範囲

空調部門

  • 暖房、冷房、換気空気調和の計画、設計・施工に関する専門知識および環境、エネルギー、安全などに関する専門知識
  • 給水、給湯、消火、排水、衛生器具、し尿浄化槽その他の計画、設計・施工に関する基本的知識

衛生部門

  • 水、給湯、消火、排水、衛生器具、し尿浄化槽その他の計画、設計・施工に関する専門知識および環境、エネルギー、安全などに関する専門知識
  • 暖房、冷房、換気その他の計画、設計・施工に関する基本的知識

どちらか1部門のみを選択しても、難易度は異なりますが両部門(機械設備全般)について問われることとなります。

勉強方法

各種施工管理技士や、建築士、建築設備士は試験期間で過去問と合格基準等が無料公開されていますが、学会設備士の過去問は無料公開されていません。

インターネットで検索しても情報が非常に少なく、勉強方法や合格のコツがわからずに受験を諦めてしまっている人も多いのではないでしょうか。

学会設備士の過去問と参考書は一般社団法人の建築設備技術者協会で販売されており、ホームページからオンライン購入することができます。

過去5年分の問題と解答が掲載された問題集と「設備士受験の総合対策」という建築設備士と学会設備士のどちらでも使える参考書の2種類で、多くの受験生はこれらを利用して学習しています。

建築設備士との類似問題も多いため、建築設備士の参考書を利用しての学習も有効です。

難易度・合格率

学会設備士は、設備系資格の最難関建築設備士に比べてやや容易で、1級管工事施工管理技士よりは難しい資格です。

過去5年の受験者数と合格率は以下の通りです。

空 調 部 門衛 生 部 門
受験者数(人)合格率(%)受験者数(人)合格率(%)
平成29年度1,40833.01,30628.7
平成30年度1,47731.11,41629.4
令和元年度1,39528.51,28429.3
令和2年度1,50132.61,40831.5
令和3年度1,54234.61,46033.4

※受験者数は受検申込者数を指し、当日の出席・欠席を問わない人数です。

合格率は30%程度と低いですが、合格基準は6割が目安とされており、過去問を繰り返し解いて対策をすれば十分合格可能な資格です。

学習のポイント

学会設備士の資格は「空調部門」と「衛生部門」に分かれており受験者は1つの部門のみを受験するか、両部門を受験するかの選択ができます。

空調部門

空調部門では以下の内容の出題傾向が高いとされています。

  • 環境・伝熱
    ├室内の温熱環境・空気環境基準
    ├汚染物質・室内空気汚染
    ├伝熱・断熱
    └結露

  • 空気と湿り空気線図

  • 空調負荷と送風量
    ├熱負荷計算
    └送風温度と蒸気加湿量計算

  • 配管とポンプ
    ├流体の定理と公式
    └配管方式の特徴(冷温水配管、負荷-流量制御方式(VWV、CWV)など)

  • ダクトと送風機
    ├各種吹出口の特徴・気流分布
    ├ダクトの施工
    ├ダクト内の静圧・動圧
    ├ダクト内の風速と圧力損失
    └各種ダンパの特徴

  • 機器
    ├冷凍機の特徴
    ├ボイラ(特徴・蒸発量・燃料量計算)
    └冷却塔と冷却水

  • 騒音と振動
    ├音の基礎と騒音
    ├ダクト系の消音
    └防振・耐震・免震

  • 施工と維持管理
    ├SHASE-S※から機器据付、耐震施工
    ├ネットワーク工程
    ├建築基準法上の各種設備基準
    └配管材料と弁類などの付属品

※SHASE-S 空気調和衛生工学会規格

受験者の方が壁と感じることが多いのは、上記のうち「空気と湿り空気線図」です。

湿度や結露は日頃空調設備の設計や施工管理をされている方にとってもクレームに繋がりやすい重要な分野で、マスターすることで業務への理解が深まり、設計・施工管理の精度を上げることが可能となります。

ぜひこの機会に湿り空気線図を一から学んでみてください。

衛生部門

衛生部門では以下の内容の出題傾向が高いとされています。

  • 給水設備
    ├SHASE-S206(給水設備)関連
    ├SHASE-S010(給水設備)関連
    ├水質基準
    ├受水槽容量・水道引込管径・高置水槽容量の算定
    └負荷流量の算定(水使用時間率と器具給水単位・器具給水負荷単位法)

  • 給湯設備
    ├SHASE-S010(給湯設備)関連
    ├給湯設備の基礎
    ├給湯温度と使用温度
    ├レジオネラ対策
    └各種計算(貯湯槽の容量・給湯循環ポンプの循環湯量と揚程・膨張水量と膨張水槽の容量など)

  • 排水設備
    ├SHASE-S206(排水通気設備)関連
    ├SHASE-S010(排水通気設備)関連
    ├間接排水と排水口空間
    ├排水槽と排水ポンプ
    ├排水管・通気管の必要管径の算定(器具排水負荷単位法・定常流量法)
    └雨水(排水管径・敷地の雨水量の算定)

  • 消火設備
    ├各種消防設備の消火原理
    ├各種消防設備の設置基準・技術基準
    ├屋内消火設備の各種計算(水源容量・加圧送水ポンプの送水量と揚程)
    ├スプリンクラー設備の各種計算(水源容量・ポンプの送水量と揚程)
    ├泡消火設備の各種計算(ポンプ容量・原液タンク容量)
    └不燃性ガス消火設備の計算(容器本数の算定)

衛生設備では他にも浄化槽などの排水処理設備について、ガス設備について、関係法規として建築基準法や建築物衛生法、消防法についても幅広く問われます。

機械設備一式で仕事を請け負っていても、浄化槽やガスは専門業者に依頼して任せっきりになりやすい部分ですので、浅く広くであっても一般的な事項についてしっかり学んでおく必要があります。

また、空調部門に比べ衛生部門は覚えるべき公式が多くあります。これらの公式は暗記するだけでなく、問題から数値を読み取って適切に計算に利用できるように学習してください。

コロナ禍で注目される学会設備士の取得メリットと今後の役割

空気調和・衛生工学会は2019年12月から流行し始めた新型コロナウイルス感染症に対し、2020年3月から換気の専門家として日本建築学会らと共に感染症制御や感染対策の提言を行っています。

東京都公式noteでも一般向けに「おうちの換気」のポイントや、「オフィス・通勤時の感染予防」を紹介しています。

コロナ禍以前の空調・換気というと、2003年7月からシックハウス対策に係る法令等が施工されてその重要性が改めて周知されてはいますが、空気調和・衛生工学会らの2020年4月8日の提言には『シックハウス対策の換気設備は常時換気を原則とするが、(一部省略)帰宅後再運転を忘れている場合がある』とあります。

空調設備はよく冷えて、よく暖まれば良く、換気はそれほど重要でないという考えの人も多かったように思われます。

学会設備士の資格を取得すると、空調設備・衛生設備についての正しい知識を持っていることの証明になります。

コロナ禍で一般の多くの人も換気の重要性を再認識しており、公的にアドバイスや意見を求められることも増えてきています。

住宅においても断熱性・気密性の高まりにより、機械換気で効率的な換気を行うことが必須となっていますので、学会設備士の知識や経験は今後も必要とされていくことでしょう。

前半の賛助会員の紹介で、大手ゼネコンやサブコンなどが登録していると紹介しましたが、学会設備士を取得することでそれらの企業への転職も有利に働くことがあります。

学会設備士の活躍する業界や企業と平均年収

学会設備士の活躍する業界や企業と平均年収

「学会設備士」で求人検索をすると、様々な業種が紹介されています。設備設計職や、機械エンジニアが特に多いようです。

以下は求人サイトからの一例です。

職種・雇用形態地域年収
設備設計(正社員)東京都450~850万円
設備設計(正社員)東京都500~800万円
機械エンジニア(正社員)東京都600~850万円

賛助会員として登録されている企業の平均年収は以下の通りです。

企業名平均年収
東京都S社(サブコン)889万円
東京都O社(ゼネコン)1024.9万円
東京都T社(サブコン)889万円
福岡県T社(メーカー)679万円

2021年の世代別平均年収は20代が341万円、30代で437万円、40代で502万円、60代は613万円だそうです。

学会設備士を取得すると高収入の企業への就職が期待できることがわかります。

まとめ

学会設備士について、資格概要や試験概要、取得後の平均年収などを紹介しました。

社会人として働きながら資格の勉強をすることは、相当の努力を要します。

しかし、学会設備士のように取得後に高収入を望める資格であれば数ヶ月の努力はとても意味のあるものになるのではないでしょうか。

まずは「学会設備士」にチャレンジし、次のステップとして「建築設備士」を受験するも良いでしょう。その上で、大手企業への転職を狙うなど選択肢は広がっていきますよ。

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