フリーランスの施工管理・現場監督の働き方とは?独立する方法やメリット・デメリットを解説

施工管理や現場監督の働き方として、フリーランスという選択肢があります。しかし、独立は怖いというイメージがあり、踏み出せない方も多いのではないでしょうか?

この記事では、フリーランス施工管理・現場監督の働き方と年収、独立する方法、フリーランスになるメリットとデメリット、身につけておくべきスキルを説明します。

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フリーランス施工管理・現場監督の働き方

フリーランスで施工管理や現場監督として働く際の働き方を紹介します。

  1. フリーの現場監督
  2. 施工管理の特定の業務を請け負う
  3. スキルを活かしてさまざまな業務を請け負う

フリーの現場監督

建設事業者と委託契約を締結し、フリーランスの現場監督として勤務できます。これまでの現場実績が豊富かつ上級工程に関わっているほど給与は高くなり、高年収を目指せる可能性があるでしょう。これまでの実績が評価される働き方であるため、スキルに自信がある方はぜひ挑戦してみましょう。

施工管理の特定の業務を請け負う

施工管理の業務全般ではなく、特定分野の仕事を請け負うこともできます。たとえば、施工図や竣工図の作成のみを担当したり、図面から資材数量の拾い出しと積算だけを担当するフリーランスの施工管理もいます。全面的に業務を請け負わないため労働時間も調整しやすく、残業もない点がメリットです。

スキルを活かしてさまざまな業務を請け負う

フリーランスの施工管理や現場監督は、所持している資格やスキルに応じて幅広い仕事を担当できます。施工管理や現場監督の枠にとらわれず、専門学校の講師として勤務する人もいます。また、施工管理技士の資格以外に建築士などの資格を持っている方は、他職種の仕事を請け負うことも可能です。

フリーランスの施工管理・現場監督の年収

厚生労働省が運営する「jobtag」のデータによると施工管理の全体平均年収は620万円と高額です。

同サイトによると全体の16%がフリーランスとして勤務しており、年収平均はフリーランスの施工管理や現場監督の年収を含めた金額です。一般的に会社勤めしている施工管理や現場監督の年収は498万円程度が平均となっています。

上記の平均値の差額を考えると、フリーランスの施工管理や現場監督は受注する案件の単価、数量によって年収に差が出ますが、受注案件の単価が高ければ会社員よりも年収を上げることが可能です。

施工管理・現場監督でフリーランスとして独立する方法

施工管理や現場監督でフリーランスになる方法を紹介します。

  1. 最低限必要な資格を取得する
  2. 人脈を作っておく
  3. フリーランス向けエージェントを利用する

最低限必要な資格を取得する

フリーランスの施工管理や現場監督になるには、より客観的にスキルを示す指標が必要です。事業者から優秀な人材だと判断してもらうために資格を取っておきましょう。最低でも二級施工管理技士の資格を取得しておくことで、フリーランスとして独立後に個人で案件を受注できます。

人脈を作っておく

フリーランスの施工管理として安定して収入を得るには、会社員時代に人脈を作っておきましょう。施主や関連事業者とコミュニケーションを取って関係を構築しておけば、独立後にフリーランスとして案件を依頼してくれるかもしれません。

独立して実績がないうちは、営業をかけても全く知らない事業者からの受注は難しいため、可能な限り人脈を作り、退職後に独立した旨を連絡して受注機会を増やしましょう。

フリーランス向けエージェントを利用する

独立してすぐはなかなか案件が受注できないこともあります。そんなときに役立つのは、フリーランス向けのエージェントです。フリーランス向けエージェントに登録すれば、現場の経歴やスキルに応じて、現場監督や施工管理の仕事を外部委託したい企業とマッチングできます。

一度受注すれば継続して案件を獲得できるようになるため、最初のうちは積極的にエージェントを活用してください。

フリーランスで施工管理・現場監督をする4つのメリット

フリーランスの施工管理技士には、以下のようなメリットがあります。

  • 働く時間や曜日を調整できる
  • 仕事内容や現場、クライアントを自分で選べる
  • 会社員時代よりも収入アップが期待できる
  • 人間関係で悩むことがなくなる

自由な働き方、仕事の選択肢の広さ、そして収入面での可能性です。それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

働く時間や曜日を調整できる

フリーランスの施工管理技士の最大の魅力は、自分のペースで仕事ができることです。会社員として働く場合、決められた勤務時間や休日に縛られがちですが、フリーランスならそれらを自由に調整できます。

例えば、朝型の人なら早朝から仕事を始め、夕方には自由時間を確保できます。逆に夜型の人は、午後からゆっくり仕事を始めることも可能です。また、平日に私用の時間を作り、休日に仕事をするなど、柔軟な働き方が実現できます。

この自由度の高さは、仕事とプライベートのバランスを取りやすくし、結果として仕事の効率や生活の質の向上につながります。

仕事内容や現場、クライアントを自分で選べる

フリーランスの施工管理技士は、自分の興味や専門性に合わせて仕事を選ぶことができます。例えば、住宅建築に特化したい人は住宅関連のプロジェクトを中心に選び、大規模な商業施設の建設に携わりたい人はそういった案件を探すことができます。

また、クライアントとの相性も重要です。フリーランスなら、自分と価値観が合うクライアントや、良好な関係が築けそうな企業と仕事をすることができます。これにより、ストレスの少ない環境で仕事に集中でき、より高いパフォーマンスを発揮できる可能性が高まります。

そして会社員として働いている以上は、割り振られた現場を拒否することはよほどでない限りできません。しかし、フリーランスの施工管理なら現場の場所や内容を選べます。

単身赴任で家族と離れて数ヶ月暮らすような現場は断り、自宅から通える範囲だけに限定して仕事を選ぶなど、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。

会社員時代よりも収入アップが期待できる

フリーランスの施工管理技士として活躍すれば、会社員時代以上の収入を得られる可能性があります。会社員の場合、給与は会社の規定に縛られがちですが、フリーランスなら自分の経験や実力に応じた報酬交渉ができます。

特に、専門性の高い分野や需要の多い地域では、高単価での仕事を獲得しやすくなります。また、複数のプロジェクトを並行して進めることで、収入を増やすチャンスも広がります。

ただし、これは努力次第であり、自動的に収入が上がるわけではありません。営業力や技術力の向上が不可欠です。

人間関係で悩むことがなくなる

フリーランスの施工管理や現場監督になれば、社内の人間関係の悩みがなくなります。会社で上司に叱責されたり、同僚とのコミュニケーションに行き詰まっている方には大きな利点ではないでしょうか?

また、図面作成など業務の一部のみを請け負う場合は自宅での勤務も可能となるため、現場で職人に気を使ったり、さまざまな調整をする必要もありません。

フリーランスで施工管理・現場監督をする5つのデメリット

フリーランスの施工管理技士には魅力的な面がある一方で、注意すべき点もあります。

  • 営業をし続けないといけない
  • 収入が安定しない
  • 主任技術者と監理技術者に慣れない
  • 社会的信用が低い
  • 確定申告などこれまで必要なかった手続きが必要になる

以下では、主なデメリットについて詳しく解説していきます。

営業をし続けないといけない

フリーランスの施工管理技士にとって、継続的な営業活動は避けて通れません。会社員のように仕事が自動的に割り当てられることはないため、常に新しい仕事を探し、クライアントとの関係を築く必要があります。

これには多くの時間と労力がかかります。例えば、自分のスキルや実績をアピールするためのウェブサイトやポートフォリオの作成、ネットワーキングイベントへの参加、既存クライアントへの定期的な連絡など、様々な活動が求められます。

特に仕事がない時期は、次の仕事を見つけるための営業活動に多くの時間を割かなければならず、精神的な負担も大きくなります。

収入が安定しない

フリーランスの施工管理技士の収入は、プロジェクトの有無によって大きく変動します。会社員のように毎月決まった給与が入るわけではないため、財務管理がより重要になります。

繁忙期には十分な収入が得られても、閑散期には収入が激減する可能性があります。特に建設業界は季節や景気の影響を受けやすいため、この収入の波は避けられません。

また、病気やケガで働けない場合、収入が途絶えてしまうリスクもあります。このため、計画的な貯蓄や保険加入などの対策が必要不可欠です。

主任技術者と監理技術者に慣れない

フリーランスの施工管理技士として働く場合、主任技術者や監理技術者としての役割を担うことが多くなります。これらの役割は、工事全体の品質や安全性に対して大きな責任を負うものです。

会社員時代に十分な経験を積んでいない場合、この責任の重さに戸惑う可能性があります。例えば、複雑な工程管理や予算管理、様々な関係者との調整など、高度なマネジメント能力が求められます。

また、法令遵守や安全管理についても深い知識が必要となり、常に最新の情報をキャッチアップし続けなければなりません。この負担は、特に経験の浅いフリーランスにとっては大きなストレスとなる可能性があります。

社会的信用が低い

施工管理や現場監督に限らず、フリーランスは会社に属していない点で社会的信用が低くなります。

そのため引越しで審査に通りづらくなったり、ローンが組めなくなるリスクがあるでしょう。

社会的信用を高めるためには収入面を安定させ、一定額以上の貯金を作るなどの工夫が必要です。

確定申告などこれまで必要なかった手続きが必要になる

フリーランスの施工管理や現場監督になった場合、税務関係も自分で処理しなければなりません。会社員時代は税金関係は給与から天引きされていましたが、今後は確定申告をして自分で住民税や所得税を納める必要があります。

もちろん税理士に依頼することはできますが、費用がかかる点に注意しましょう。これまで会社でしてくれていた事務作業などが増える点は、施工管理や現場監督のデメリットです。

フリーランスの施工管理・現場監督として独立するために必要なスキル

フリーランスの施工管理や現場監督として独立するためには、以下3つのスキルが必要です。

  1. 施工管理技士としての技術・スキル
  2. 高いコミュニケーションスキル
  3. 会計や帳簿作成のスキル

施工管理技士としての技術・スキル

独立してフリーランスの施工管理になるには、施工管理技士としての技術がスキルが必要です。会社に属している場合は、知らないことや足りないスキルがあっても先輩社員に助けを求められます。しかし、独立した以上委託する事業者は「プロの施工管理技士」と認識するため、ミスや知識不足は許されません。

会社員時代に施工管理技士としての技術やスキルを磨き、独立しても問題なく現場を回せるようになっておきましょう。

高いコミュニケーションスキル

フリーランスの施工管理や現場監督になったあとは、毎回違う現場へ行って作業員とコミュニケーションをとったり、営業活動を自身で行います。そのため、会社員時代よりも高いコミュニケーションスキルが必要です。

どの現場へ行っても現場に溶け込む雑談力はもちろん、自身のスキルをクライアントへプレゼンするスキルも磨きましょう。

会計や帳簿作成のスキル

独立後に事業所得の確定申告をしたり、財務状況を把握するには会計や帳簿作成のスキルが必要です。確定申告を税理士に依頼するとしても、日頃の帳簿付けができなければ収支がわからず、知らぬ間に赤字になる可能性があります。

最近はフリーランス向けの会計ソフトもリリースされているので、ツールの力も借りながら正しく帳簿を作成できるようにしておきましょう。

フリーランスの施工管理技士になる上で大切なこと

フリーランスの施工管理技士として成功するためには、いくつかの重要なポイントがあります。以下では、そのポイントについて詳しく解説していきます。

人脈を広げる

フリーランスの施工管理技士にとって、幅広い人脈は仕事獲得の重要な鍵となります。建設業界は人と人とのつながりが大切な業界であり、信頼関係に基づいた仕事の紹介が多いからです。

人脈を広げるには、積極的なネットワーキングが欠かせません。例えば、業界のセミナーや交流会に参加したり、オンラインの専門コミュニティに加入したりするのも効果的です。また、過去の同僚や取引先とも良好な関係を維持することで、将来の仕事につながる可能性が高まります。

ただし、単に知り合いを増やすだけでなく、互いに価値を提供し合える関係性を築くことが重要です。自分の専門性や強みを明確に伝え、相手のニーズに応えられる存在になることで、より強固な人脈を構築できます。

即戦力として活躍できるスキルと知識を身につける

フリーランスの施工管理技士には、高度な専門性と幅広い知識が求められます。クライアントは即戦力となる人材を求めているため、常にスキルアップを心がける必要があります。

具体的には、最新の建設技術や管理手法、関連法規などの知識を常にアップデートすることが大切です。また、コミュニケーション能力や問題解決能力など、ソフトスキルの向上も重要です。

自己学習だけでなく、各種セミナーや講習会への参加、資格取得なども効果的です。例えば、建築施工管理技士の上位資格である一級建築施工管理技士の取得や、専門分野に特化した資格の取得は、自身の市場価値を高める良い機会となります。

事務仕事の内容を把握しておく

施工管理技士の仕事は現場だけではありません。事務作業も重要な業務の一つです。フリーランスとして働く場合、これらの業務も自身で行う必要があるため、事前に内容を把握しておくことが大切です。

主な事務作業には、工程表の作成、材料の発注、各種書類の作成と管理、予算管理などがあります。また、クライアントや協力業者とのやり取りも多くあります。これらの業務を効率的に行うためには、パソコンスキルやビジネス文書の作成能力も求められます。

特に、建設業界特有の書類や手続きについては、しっかりと理解しておく必要があります。例えば、施工計画書の作成や工事日報の管理、安全管理に関する書類の作成などは、施工管理技士の重要な業務です。

仕事を獲得するための仕組みを作る

フリーランスとして安定した収入を得るためには、継続的に仕事を獲得できる仕組みづくりが重要です。これには、自身のブランディングと効果的な営業戦略が欠かせません。

まず、自分の強みや専門性を明確にし、それをアピールするためのウェブサイトやポートフォリオを作成しましょう。SNSを活用して情報発信を行うのも効果的です。また、クラウドソーシングサイトに登録して仕事を探すのも一つの方法です。

さらに、過去のクライアントとの関係を大切にし、リピート案件や紹介案件の獲得を目指すことも重要です。定期的に近況報告や業界情報の共有を行うなど、コミュニケーションを継続することで、信頼関係を築き上げていきましょう。

まとめ

施工管理の働き方は正社員だけでなく、フリーランスとして独立する方法もあります。フリーランスになれば自分で仕事量や時間を調整できるうえ、頑張りがお給料としてかえってきやすい点がメリットです。

今後独立してフリーランスの施工管理や現場監督を目指す方は、必要なスキルや人脈作り、エージェントのピックアップなどをしておきましょう。

また、本稿では施工管理職や現場監督にフォーカスしましたが、エンジニアなど全く別職種でフリーランスとして働き続けるという選択肢も存在します。

フリーランス向けのマッチングサービスもあるため、別職種フリーランスとなりたい方はチェックしてみてもいいかもしれません。

参考サイト:【ハイクラス向け】フリーランスにおすすめのマッチングサービス6選|テックゲート

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