
建設現場や土地の測量現場などにおいては、正確なデータがプロジェクトの成功の鍵を握っていると言っても過言ではありません。そしてその中心にあるのが、トラバース測量。
この記事では、トラバース測量の基本から、その種類、使用される機器、測量方法、さらには測量技師の実務に至るまで、詳しく解説していきます。
トラバース測量に対する理解を深めることで、建設や土木工事の現場での作業効率と安全性の向上に貢献することができるでしょう。
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目次
トラバース測量とは?
トラバース測量は、土地や建設現場の測定に不可欠な技術。一連の点を連結して形成される折れ線(トラバース)に沿って、角度と距離を測定することにより、土地の形状や特徴を詳細に把握することができます。
トラバース測量は、地図作成、土地開発、建築計画など、さまざまな分野でその価値を発揮します。
トラバース測量を用いることで、土地の利用計画や建設計画を立てる際の重要な基礎データを提供することができます。
トラバース測量の種類
トラバース測量には、主に以下の3つの種類があります。
- 開放トラバース測量
- 閉合トラバース測量
- 結合トラバース測量
トラバース測量の種類は、測量の目的や測量する土地の環境などに応じて選ばれ、それぞれに得意なことや苦手なことがあります。
これらの種類の異なる測量方法を理解することは、適切な測量技術の選択と、測量データの精度を高めるうえでとても重要なことです。
次に、トラバース測量の種類ごとの特徴について、それぞれ詳しく解説していきます。
①素早く測量できる「開放トラバース測量」
開放トラバース測量は、始点と終点が異なる測量方法です。
この方法は、特に直線的な土地や、一方向に伸びるプロジェクトに適しており、迅速な測量が可能です。開放トラバース測量は、測量の開始点から終了点まで直線的に進むため、測量作業が比較的簡単であり、時間とコストを節約できるというメリットがあります。
しかしその反面で、開放トラバース測量には、測量値の誤差が蓄積しやすいというデメリットがあります。
そのため開放トラバース測量では、測量値の誤差が終点に向かって蓄積するため、長距離の測量では特に注意する必要があります。
②精度が確保されている「閉合トラバース測量」
閉合トラバース測量は、始点と終点が同じで、ループを形成する測量方法です。
閉合トラバース測量では、測量の誤差を最小限に抑えることができるため、特に高い精度が要求される土地測量や建設プロジェクトに適しています。
閉合トラバース測量は、測量の始点と終点が同じであるため、測量の誤差を効果的に検出し、補正することができます。この方法は、特に複雑な地形や大規模なプロジェクトにおいて、測量の精度を高めるために重要です。
③開放と閉合の中間「結合トラバース測量」
結合トラバース測量は、開放トラバース測量と閉合トラバース測量の中間的な特徴を持っている測量方法です。
結合トラバース測量は、複数の開放トラバースを組み合わせ、最終的に閉合トラバースで終了することで、測量の精度と効率のバランスを取ります。
結合トラバース測量は、特に中規模のプロジェクトや、開放トラバース測量だけでは不十分な場合などに適しています。
結合トラバース測量により、測量の柔軟性と精度を同時に確保することが可能です。
トラバース測量に必要な測量の機器・機械について

トラバース測量をおこなう際には、主に以下のような測量機器や機械が使用されています。
- トランシット
- トータルステーション
- プリズム
- レベル
これらの機器は、測量の精度を高め、作業の効率化を図るために必要不可欠なものです。
現代の測量技術は、トランシットやトータルステーションなどのような機器の進化によって大きく変化し、より正確で迅速なデータ収集が可能になっています。
それぞれの機器や機械の特徴や用途などについて詳しく解説していきます。
トランシット
トランシットは、角度を正確に測定するための一般的な測量機器です。
このトランシットは、特に開放トラバース測量で有効に使用されます。
トランシットを使用することで、測量技師は地点間の角度を精密に測定し、測量の基本データを収集することができます。トランシットのメリットは、その手軽さと信頼性にあり、長年にわたって多くの測量プロジェクトで使用されてきました。
現在では、トランシットよりも「セオドライト」と呼ばれることがほとんど。トランシットとセオドライトは、基本的に同じものです。
トータルステーション
トータルステーションは、目標とする点に光を発射し反射して返ってきた光を解析することで目標物との距離を測定する光波距離計と、角度を測定するトランシット(セオドライト)を組み合わせた機械です。
1つの機械で距離と角度を同時に計測することができ、測定データを出力することもできるため、測量作業の効率化が可能となります。
プリズム
プリズムは、トータルステーションと連携して使用される反射器です。この機器は、トータルステーションからの光を反射し、正確な距離測定を可能にします。
プリズムを使用することにより、測量技師は遠距離の点を正確に測定することができ、トラバース測量の精度を大幅に向上させることが可能です。
プリズムは、その耐久性と信頼性で知られており、多くの現場で広く使用されています。
レベル
レベルは、水平や高さの測定に使用される基本的な測量機器です。
地形の起伏を測定する際に特に重要で、トラバース測量の精度を高めるために使用されます。
レベルを使用することで、測量技師は地面の傾斜や高低差を正確に把握し、土地の特性を詳細に分析することができます。この機器は、そのシンプルさと高い精度で、多くの測量プロジェクトで重宝されています。
現在は、ある程度平らにセットすることで、自動的に水平を決めてくれるオートレベルが一般的に使われています。その他に、レーザーの光を使って測量をすることができる、レーザーレベルなども広く使用されています。
トラバース測量のやり方と計算方法
トラバース測量のプロセスは、まず測量地点の選定から始まります。次に、各測量点で角度と距離を測定し、これらのデータを基にして座標を求めます。
このデータは、トータルステーションやトランシットなどの機器を使用して収集されます。次に、収集したデータを基にして、角度の補正や距離の計算を行います。これらの計算結果をもとにして、最終的な測量地点間の正確な位置関係を描き出すことで、全体の地図を完成させます。
実際の測量の仕事とは?
実際の測量の仕事は、ただ単に機器を操作するだけにとどまりません。
測量技師には、地形や環境の分析、データの精度を確保するための計算スキル、そして最終的な地図の作成に至るまで、多岐にわたる専門知識と高い技術力が求められています。
測量技士は、具体的には以下のような仕事をこなしています。
業務 | 作業内容 |
土地測量 | 土地の境界線や面積などを測定し、地図などに記録する作業。不動産取引や土地利用計画、土地価格の評価などに活用される。 |
建築測量 | 建物の設計や施工において、建築物の高さや位置、形状、水平、垂直などを測定する作業。建物の基礎や柱、壁などの位置を決めたり、建物の歪みや傾きなどがないかを確認したりといった役割がある。 |
地形測量 | 土地や地表の形や地勢を測定し、地図やデジタルモデルで表現する作業。都市計画や道路・鉄道の計画、防災、環境保全などのために必要なデータとなる。 |
水路測量 | 河川や湖などで、形状や水深、流速などを測定する。水資源の管理や治水対策、航行の安全確保、環境保全などに役立てられる。 |
測量機器の操作とデータ解析 | 計測機器から取得したデータの後処理や解析などをする作業。計測データをもとに、正確な位置情報や地図データに変換される。 |
測量技師は、測量地点の選定から始め、地形や周囲の環境を詳細に分析します。
この分析は、測量の精度を高めるだけでなく、将来の建設プロジェクトや土地利用計画において重要な情報を提供する役割を担っています。
測量データの収集には、高度な技術と精密な機器操作が必要です。測量技師は、トータルステーションやトランシットなどの機器を使用して、正確なデータを収集し、そのデータを基に計算を行います。
計算プロセスでは、測量データの精度を確保するために、さまざまな数学的手法が用いられています。これには、角度の補正、距離の計算、地形の起伏の分析などが含まれます。
これらの計算結果をもとに、測量技師は最終的な地図を作成します。この測量技士が作成した地図は、土地の形状や特徴を正確に表現しており、建設プロジェクトや土地開発計画において重要な情報となります。
測量の仕事は、現場での安全管理やチームとのコミュニケーションも重要です。測量技師は、現場の安全を確保し、チームメンバーと効果的にコミュニケーションを取りながら、作業を進めます。
また、測量結果の報告やデータの管理も、測量技師の重要な役割です。これにより、プロジェクトの進行状況を正確に把握し、必要に応じて迅速な対応を行うことができます。
まとめ
トラバース測量は、土木工事や建築プロジェクトにおいて必要不可欠な技術です。
トラバース測量の種類や、使用する機器、具体的な測量方法と計算方法、そして実際の測量の仕事に至るまで、この記事ではトラバース測量の全体像を詳しく解説しました。
正確な測量は、安全で効率的な建設作業を実現するための重要な基盤となります。測量技師の専門知識と技術は、建設プロジェクトの成功には必要不可欠なものであり、その重要性は今後も増していくことでしょう。
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