ハウスメーカーはブラックって本当？ブラックと言われる理由やホワイト企業を見極めるポイントを解説

ハウスメーカーはブラックと呼ばれますが、本当でしょうか？そもそもブラック企業に明確な定義はなく、個人の主観によってもブラックと感じるかどうかが分かれます。一般的にブラック企業とは極端な長時間労働やきついノルマ、賃金の不払いやパワハラなど、コンプライアンス面で問題がある企業を意味します。

以上をブラック企業と定義したうえで、この記事ではハウスメーカーがブラックと言われる理由や本当にブラックなのか、ホワイトなハウスメーカーを見極めるポイントを紹介します。

ハウスメーカーがブラックと言われる理由

ハウスメーカーがブラックだといわれる理由を5つ紹介します。ハウスメーカーだからといってすべての企業がブラックとは限らないため、業種だけで判断しないようにしましょう。まずは、ブラックなイメージがついた理由を理解しておきましょう。

1. 長時間労働や残業が当たり前
2. 厳しいノルマが課せられる
3. 体育会系の職場環境
4. 幅広い分野の知識が要求される
5. クレームを受けやすい

長時間労働や残業が当たり前

ハウスメーカーは勤務時間や休日は決まっているものの、住宅を販売するという性質上、顧客が休みの日に行動をせざるを得ません。ハウスメーカーによりますが、水曜日や木曜日などの平日に休みを取る会社が多いです。

ハウスメーカーの営業は住宅購入希望者が休みであることが多い土日に出勤をしたり、平日の夜の電話営業やDMを送る作業が発生したりします。

そのため営業はたとえ規定の労働時間が18時までだったとしても、残業をして顧客が帰宅して家にいたり、スマホを見ている時間帯を狙って営業をかけているのです。また土日祝日の展示場イベントに合わせて出勤し、顧客を返した後に清掃作業や翌日の資料作りや、アンケート結果の集計作業があるため、休日出勤であっても早く帰宅できるわけではありません。

その他、住宅の契約や地鎮祭への同行、各種決済なども顧客の休みに合わせて発生するため、労働時間は長くなる傾向があり、ブラックといわれます。

厳しいノルマが課せられる

ハウスメーカーの営業には厳しいノルマが課せられています。営業所によりますが、原則として年間と月間それぞれの契約本数が決められており、営業担当はそのノルマをこなすために必死に営業をかけなければなりません。

住宅は高額なため、毎日のように住宅の契約が取れることはほぼなく、ノルマを達成できない月が続いたりもします。月末はノルマ達成をかけて特にピリついた空気が流れることもあるでしょう。

営業担当も成績が悪いと叱責を受けたり、昇進させてもらえなかったりして、給与やボーナスが著しく減ってしまいます。また、同僚で営業契約をどんどん取るライバルがいるとさらにプレッシャーになり、焦ってしまうのです。

ハウスメーカーの営業担当はノルマからくるプレッシャーからオーバーワークになることもあります。厳しいノルマをこなすために必死に働く必要があることから、ハウスメーカーはブラックだというイメージがついています。

体育会系の職場環境

ハウスメーカーなどの不動産業界は体育会系気質が強く残っている業界です。上下関係に厳しく、また売上ノルマを達成できる営業が偉いという風潮があり、マウントやライバル関係に苦しむこともあります。パワハラ気質の上司がおり、営業が罵声を浴びせられるようなケースもあるでしょう。

体育会系気質は悪いことばかりではなく、後輩を大事にしたり面倒見が良いというメリットはあるのですが、コミュニケーションを大事にするあまりに飲み会参加への強要があるなど、若い世代にはいづらい環境かもしれません。

また根性論を語る上司も多く、ノウハウは見て学べという風潮もあるので、新人が成長しづらい環境でもあります。「やる気がないから契約が取れない」などと理不尽なことを言われ、悩んでしまう営業もいるでしょう。

幅広い分野の知識が要求される

高額な住宅販売の契約を獲得するためには、商品知識だけでなく幅広い知識が必要となります。住宅のメリットを把握しているだけでは、購入意思に乏しい潜在顧客に購買を決意させられないからです。

具体的には不動産全般に関する知識や施工、デザインや内装についてなどの知識が必要とされます。また、高額な買い物であるだけに資金計画の相談に乗ることもあり、住宅ローンなどについての知識も必要です。

営業トークや人当たりだけでは務まらない仕事のため、常に住宅契約に結びつく勉強をしたり、資格取得を目指す必要があります。

ハウスメーカーの営業には宅建士の資格や建築士、インテリアコーディネーターやファイナンシャルプランナーの資格を取得している人も多いです。これらの資格を取得するために、残業したあとや休みの日を使って勉強していると思うと、かなり大変な仕事だとわかるでしょう。

クレームを受けやすい

ハウスメーカーが大変なのは契約の獲得の難易度だけでなく、顧客とのトラブルが多いことも原因です。ハウスメーカーの営業担当は、契約からアフターフォローまで施主と長い付き合いをするため、その過程でトラブルが起こりやすいです。

展示場に来場した潜在顧客へ営業活動をし、後追いをして契約に至るまでに「しつこい」などとクレームを受けることもあります。また、契約を締結したとしても施工の打ち合わせ段階や施工がイメージと違う、資材の遅れによる工期遅れなどのトラブルにより、施主から叱責されることも多いです。さらにアフターフォローの連絡漏れ、内容についてのクレームも発生します。

お客様と信頼関係をうまく築けないと強い口調でクレームを言われたり、営業所の上司に対してクレーム連絡が入るなど、ストレスを感じることも多いでしょう。中には理不尽な施主もいますが、契約のためと歯を食いしばって我慢しなければならない場合もあり、辛い思いをすることもあります。

ハウスメーカーは本当にブラック？

確かにハウスメーカーの仕事はブラックと思われる要素もありますが、全ての会社がブラックとはいえません。会社によってブラックかどうかには差がありますし、労働環境への考え方や気質も違います。営業はノルマなどもあり、かなりきつい仕事ですが、事務やその他の部署では労働環境や仕事のキツさに差が出るため、一概にブラックとはいえないでしょう。

また成果主義の営業職だからこそ、自由裁量で仕事をしノルマを達成すれば多額のインセンティブが入ったり、スケジュールをコントロールできたりする会社もあります。大手ハウスメーカーではかなり待遇も良く、年収が同年代と比べて100万円以上多いなど、かなりの高待遇です。

ハウスメーカーだからブラックだと判断するのではなく、部署や会社によって環境や働き方は異なることを理解したうえで転職先を探してください。

ホワイトなハウスメーカーを見極めるポイント

ハウスメーカーの中でもホワイトな環境で働ける企業を見極める3つのポイントを紹介します。求人情報を探す際に以下の3つをチェックし、自分が働きやすい環境かどうか判断しましょう。

1. 離職率が高くないか確認する
2. 実際に働いている人の話しや口コミを確認する
3. 転職エージェントに登録する

離職率が高くないか確認する

志望先のハウスメーカーの情報を調査し、離職率を確認しましょう。離職率が高い企業は社員が定着しづらい環境であることが推測できます。ノルマがキツすぎて新人が辞めてしまう、パワハラ気質の所長がおり人が定着しないのかもしれません。

離職率は四季報や有価証券報告書、就職情報サイトなどで調べられます。業界によって離職率の高低の基準は異なりますが、厚生労働省による「令和3年雇用同行調査結果の概況」によると、離職率の平均値は13.9％です。

毎年数値は異なりますが、15％を超えるなど極端に離職率が高い企業は避けると良いでしょう。

実際に働いている人の話しや口コミを確認する

志望先のハウスメーカーがブラックかどうか判断するには、実際に働いている人の話を直接聞くのが良いでしょう。働いている人から労働時間や休日取得や社風について聞けば、その会社がブラックな環境かどうか判断できます。

営業職についている人が「働きやすい」といえば、かなり信憑性があるでしょう。

とはいえ、実際に志望先企業で働いている人とコンタクトが取れないこともあります。その場合はインターネットで会社名を検索し、口コミを検索すると良いでしょう。

転職エージェントに登録する

ハウスメーカーへの転職を検討している方は、転職エージェントを利用しましょう。転職エージェントのカウンセラーは業界に詳しく、企業の社風や内情についても知っています。

そのためホワイト企業やブラック企業の評判も入っているので、転職エージェントに相談して転職先を決めると良いでしょう。

また転職エージェントを使えば、求人紹介だけでなく履歴書の添削や面接練習、また内定確定後の条件交渉など転職活動をフルサポートしてもらえます。ハウスメーカーがホワイトかどうか見極めるだけではなく、転職活動を効率化するためにもぜひ利用してみてください。

まとめ

ハウスメーカーはノルマもきつく、ハードワークになりがちなため、ブラックな印象もあります。ですが全てのハウスメーカーがブラックというわけではありません。また人によってはハウスメーカーの成果主義なところが心地よく感じる場合もあります。

ハウスメーカーへ転職する場合は、部署や企業を厳選して働きやすい環境を選ぶのが重要です。記事で紹介したホワイト企業を見極める3つのコツも活用して、働きやすいハウスメーカーで働きましょう。