建設コンサルタントは激務でブラックだといわれていますが、本当でしょうか？転職を検討している方は、なるべくブラックな企業を避けて優良な企業を見つけたいはずです。
この記事では建設コンサルタントの離職率やブラックだといわれている5つの理由、ブラック企業の見極め方と転職を成功させる2つの方法を紹介しています。
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目次
建設コンサルタントの離職率
建設コンサルタントがブラックかどうか、離職率から判断してみましょう。離職率の高さで、労働環境や賃金面での待遇の良さがわかります。
実は建設コンサルタントを含む技術サービスの離職率は11.9％と著しく高いわけではありません。（参考：－令和４年雇用動向調査結果の概況－）
同年度の離職率の全体平均が15％なので、全体平均を3.1％下回っています。一概に建設コンサルタントはブラックだと言い切れるほどの確証は離職率からは確認できませんでした。もちろん企業単位で建設コンサルタントのブラック度は違いますが、全ての建設コンサルタント企業がブラックであるとは限りません。
建設コンサルタントがブラックだと言われる理由5選
建設コンサルタントは離職率がさほど高くないにも関わらず、ブラックだといわれています。それではどうして建設コンサルタントはブラックだといわれるのでしょうか？その理由は以下のようなものです。
- 残業や休日出勤が多い
- 担当する業務が多く忙しい
- 責任が重くプレッシャーがかかる
- 人間関係の構築が大変
- 忙しさや専門性高さ、大変さの割に給料が安い
1. 残業や休日出勤が多い
建設コンサルタントがブラックといわれる理由は、残業や休日出勤の多さからです。企業によって残業時間の長短に差がありますが、規模が大きいほど受注案件数も多いため建設業の繁忙期には月間50時間以上の残業が発生する場合があります。
一般的な企業の残業時間は20時間未満と考えると、残業が多く平日なかなかプライベートの時間が取れません。また、繁忙期は業務量の多さやクライアントの都合に合わせて打ち合わせや説明の機会などの休日出勤も増えるため、休日返上で仕事をしなければならない傾向にあります。
2. 担当する業務が多く忙しい
インフラ全般の企画やアドバイスを実施する立場である建設コンサルタントは、構造物の企画や計画、事前調査や設計、施工管理や維持管理まで担当します。セクションごとに担当者は分かれていますが、1つ1つの業務のボリュームが非常に多いためどの部署も忙しい状況です。
規模の大きな工事であるため業務量も膨大で、限られた人員と工期で施工前から維持管理までの業務を分散できず、一人一人にかかる負荷が非常に高いです。業務負荷が高く常に目まぐるしく働かなければならない環境から、建設コンサルタントはブラックといわれます。
3. 責任が重くプレッシャーがかかる
建設コンサルタントが受注する工事は、公共インフラなどの公共性の高い構造物です。そのためやりがいも高いのですが、公共施設の安全性や工事のミスが許されないプレッシャーも強く、ストレスを感じる人も多いです。
また協力業者も多いため、コンサルタントとしてしっかりした立案や施工管理ができなかった場合の影響範囲が大きく、常に気を張っているため精神的に疲れてしまいます。特に真面目で考え込んでしまう人は「工事が失敗したらどうしよう」などと不安を抱えてしまうこともあるでしょう。
4. 人間関係の構築が大変
建設コンサルタントは人間関係の構築で苦労することも多いです。基本的に建設コンサルタントは公共から工事を請け負い、元請けとして下請けへ発注します。クライアントとの折衝や下請けの会社との調整でトラブルが起きるなど、対人面でストレスを感じることも多いです。
たとえばクライアントから無理な内容の注文が入り、その旨を現場へ伝えると現場から怒られるなどのトラブルが発生します。また、社内にも多くの部署や人員がいるため関連部署との連携や上司との関係に疲れてしまう人も多いです。た周辺住民への配慮、工事に関しての事前説明会の開催など人と接する機会が多いことも、建設コンサルタントのストレスが多い原因です
5. 忙しさや専門性の高さ、大変さの割に給料が安い
建設コンサルタントは先述した通り多忙であり、技術面でのサポートがメインの仕事であるため専門性の高い職種です。しかし、業務量や専門性の高さと比べると給料が安いといわれています。
建設コンサルタントの平均年収は約500万円程度と、他の業種と比べて極端に高いわけではありません。業務や労働時間の長さの割には、安いと思っている人が多いです。
働いている人からすれば「割に合わない仕事」と評価されることも多く、待遇の低さからブラックだといわれます。
もちろん企業規模によって年収は変わります。建設コンサルタントの中には平均年収900万円以上の企業もあるため、年収などの待遇を含めて求人を探すべきでしょう。
建設コンサルタント業界のブラック企業の見極め方
建設コンサルタントがブラックといわれる理由を説明しましたが、全ての企業に当てはまるわけではありません。重要なのは建設コンサルタント業界の中で、ホワイト企業を見極めることです。具体的にブラック企業とホワイト企業の見分け方を説明します。
- 平均勤続年数が短い
- 離職率が高い
- 求人の内容
平均勤続年数が短い
建設コンサルタント業界におけるブラック企業の特徴は、平均勤続年数の短さです。平均勤続年数が短い企業は労働環境や待遇面で不満が多く、社員がすぐにやめてしまう傾向にあります。
平均勤続年数の平均は13.4年（参考：―令和５年毎月勤労統計調査特別調査の概況―）となるため、平均値を超えていればホワイト企業と判断して良いでしょう。
ホワイト企業は平均勤続年数が長く、社員満足度が高いことが予測できます。例えば、業界大手の「株式会社FCホールディングス」の平均勤続年数は23.3年（参考：株式会社ＦＣホールディングス）、「構造計画研究所」の平均勤続年数は15年間です。
離職率が高い
離職率が高い建設コンサルタント企業もブラック企業の可能性が高いです。離職率は会社全体の人口から見る退職者の割合で、当然退職者数が多ければ離職率も上がります。退職者の数が多い企業は労働環境の問題があったり、賃金面で不満を抱いている人が多い企業と推測できます。反対にホワイト企業は離職率も低く、社員が長く働き続けたい環境であることがわかるでしょう。
離職率の平均15％程度のため、15％を上回る企業の場合は注意が必要です。離職率は四季報や有価証券報告書で確認できるので、事前にチェックして極端に離職率が高い会社は避けましょう。
求人の内容
勤続年数や離職率の他に注意したいのが、求人内容です。まず、頻繁に求人広告を掲載している建設コンサルタント企業は常に人手不足で入れ替わりが激しい企業です。人が定着しない、または評判が悪くて求人に応募してくる人材が少ない可能性があります。
試用期間が長く設定されている会社も、人が辞める確率が高いことから試用期間を長めに設定している可能性があるため、要注意です。
また平均残業時間や有休取得率についても確認しましょう。平均残業時間が20時間を超える場合は、繁忙期にさらに長時間の残業をしなければならないケースが多いです。また、有休取得率自体が低い会社は、休みを取る風潮がなく休日取得に対して意識が低い可能性があります。
その他福利厚生、給与や待遇などが満足いくかもチェックしてホワイト企業を探しましょう。
建設コンサルタント業界での転職を成功させる方法
建設コンサルタント業界での転職に成功するには、先ほど紹介したブラック企業を回避する他に以下2つの方法があります。ブラック企業をデータだけで完璧に回避するのは難しいので、実際に働いている人の口コミや転職エージェントなどを利用するのがおすすめです。
- 口コミサイトを参考にする
- 業界に精通した転職サービスを積極的に活用する
口コミサイトを参考にする
企業が公開している情報は、どうしても自社をよく見せる方向へ偏りがちなため、求人内容だけを鵜呑みにしないようにしましょう。
建設コンサルタント業界で転職したい企業を見つけたら、まずは口コミサイトを見てみましょう。口コミサイトには現職または退職済みの社員から、社風や待遇、労働環境についての情報が寄せられています。
登録制のサイトが多く、隠すことなく実際の会社内情について述べている意見が多いため、転職前の情報収集に非常に有効です。
業界に精通した転職サービスを積極的に活用する
建設コンサルタント業界でホワイト企業を探すなら、業界に精通した転職サービスを利用しましょう。転職サイトや転職エージェントを利用すれば、建設コンサルタント企業の非公開求人を見つけられます。
また、エージェントにはすでに転職した人や勤務している人からの情報が集まるため、会社内情にも詳しいです。実際の残業時間や労働環境、休みを取りやすい雰囲気かなどを聞き出せるので、建設業に精通したエージェントを利用してみましょう。
まとめ
建設コンサルタントは離職率だけを見るとブラックだとは言い切れません。しかし、長時間労働や責任の重さ、人間関係の大変さなど確かに激務ではあるでしょう。
ただし、建設コンサルタントは公共事業に関わる仕事であり、やりがいが高いことも確かです。ブラック企業を避けて待遇の良い企業へ転職すれば、より充実した毎日を過ごせます。この記事で紹介した転職成功のコツを参考に、働きやすい建設コンサルタント企業を探しましょう。
