一級土木施工管理技士とは?試験の概要や具体的な勉強方法まで

一級土木施工管理技士は、主任技術者及び監理技術者として、すべての土木工事で施工管理に携わることができる国家資格です。 

現在、建設業界では慢性的な人手不足と高齢化から、需要に対して一級土木施工管理技士が不足しています。 

一定以上の金額の工事を受注するには、資格のある人材を専任で配置しなければならないため、企業は躍起になって資格取得者を求人しているのが現状です。 

ただ、一級土木施工管理技士の資格を取得するためには、第1次、第2次の2つの検定試験に合格する必要があります。 

この記事では、一級土木施工管理技士の概要や資格取得のメリット、及び勉強法を含む検定試験全般について解説しています。 

一級土木施工管理技士の資格取得を検討している方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

参照サイト|技術者制度を取り巻く現状

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一級土木施工管理技士とは

一級土木施工管理技士とは、指導的技術者として土木工事の施工管理を担う職務です。特に公共工事では、主任技術者や監理技術者になるための必須資格となっています。 

土木工事は、道路やトンネル、橋梁など社会インフラの整備、あらゆる建築物の造成工事や基礎工事など私たちの生活を支える社会的貢献度の高い仕事です。 

このようなやりがいのある仕事で、中心的な立場で活躍するのが一級土木施工管理技士です。 

また現在の土木工事は、新規の築造はもとより、老朽化した社会インフラの改造や修繕の需要が大きく伸びています。 

土木の仕事は安全で快適な生活に必要不可欠なので、将来性があることは間違いありません。

土木施工管理技士の種類

土木施工管理技士には一級と二級の2種類あります。大きな違いとして挙げられるのは、一級は主任技術者と監理技術者の職務を担うことができるのに対して、二級は主任技術者のみという点です。 

この違いを含め、一級と二級では業務内容にどのような違いがあるのか理解しておく必要があります。 

まずは一級と二級の業務をそれぞれ説明し、その次に一級と二級の違いについてポイントをまとめますので参考にしてください。

一級土木施工管理技士

土木施工管理技士は、工事を5つのポイントで管理します。品質、工程、安全、原価、環境の5つです。これは一級と二級で違いはありません。 

施工計画書の作成から、発注者との協議や周辺住民との連携についても同様です。 

ただ一級土木施工管理技士は、監理技術者としての立場で、より規模の大きな工事を指導・監督しなければなりません。そのため幅広い知識や経験、高い調整力が求められます。 

また監理技術者は、建設業者が元請として一定金額以上の工事を請け負う場合に、現場に専任で常駐させることが義務づけられています。

二級土木施工管理技士

二級土木施工管理技士の資格を取得すると、主任技術者の立場で現場に携わることができます。主任技術者は、比較的規模の小さな工事で、現場の施工管理と技術的指導を行います。 

仕事内容は、施工計画書の作成からはじまり、品質、工程、安全、原価、環境の5つのポイントでの施工管理と、下請業者などに対する技術的指導です。 

二級土木施工管理技士は、「土木」、「鋼構造物塗装」、「薬液注入」の3つの種別に分かれています。ただ、ほとんどの方が土木を選択しているのが現状です。 

種別ごとに、専任技術者になれる業種をまとめました。 

・土木
土木工事、とび土工工事、石工事、鋼構造物工事、舗装工事、しゅんせつ工事、水道施設工事、解体工事

 ・鋼構造物塗装
塗装工事 

・薬液注入
とび土工工事 

主任技術者として働くことは、キャリアアップしていくための第一歩です。また勤務先や転職先での評価は高まり、給与など条件面でのアップにつながります。

一級土木施工管理技士と二級土木施工管理技士の違い

一級土木施工管理技士と二級土木施工管理技士との違いで一番大きいのは、携わることができる工事の請負金額です。 

一級土木施工管理技士は、請負代金4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上の工事で監理技術者として施工管理することができますが、二級土木施工管理技士ではできません。 

検定試験の受験資格にも違いがあります。一級土木施工管理技士の受験資格は、たとえば大学卒業後、最短で3年以上の実務経験が必要です。 

二級土木施工管理技士では、第一次検定には細かい受験資格はありません。第二次検定は学歴や実務経験によって違ってきます。 

二級土木の第二次検定の受験を検討するとき、学歴によって必要な土木施工に関する実務経験年数が違ってくることを覚えておいてください。

一級土木施工管理技士の主な転職先

一級土木施工管理技士の資格を取得することで転職先の幅は大きく広がります。主な転職先としては、国や自治体の土木職、近年増加している海外事業を行う企業、総合建設業として発展するゼネコンなどです。 

・土木職の公務員
土木職の公務員は、国民や地域住民の安全で快適なインフラの整備を担当します。道路、トンネル、上下水道、ダム、河川の整備、環境保全、ダム、災害復旧などです。 

・海外事業を行う企業
グローバル化が進み、海外での土木工事を受注する企業が増加しています。海外赴任は大変なことも多いですが、国内に比べて収入面が優遇されますし、自身のスキルアップにもつながります。 

・ゼネコン
一級土木施工管理技士の資格を取得することは、中小ゼネコンから大手ゼネコンまで、転職する際に有利になるとされています。収入や働き方はゼネコンによって違いますが、大手に転職できれば収入や福利厚生などが大きく向上することは間違いないでしょう。

一級土木施工管理技士の資格を取得するメリット

 一級土木施工管理技士の資格を取得する主なメリットとしては、以下の4点が挙げられます。 

・転職しやすくなる
・昇給や昇格につながる
・携われる業務が増える
・将来性がある 

それぞれ詳しく解説していきます。

転職しやすくなる

一級土木施工管理技士は国家資格であり、土木業界のなかでは最高峰の資格です。取得することで企業からの評価は格段に上がり転職しやすくなります。 

また、一級土木施工管理技士の資格を持っていないと転職できないような企業にも転職できるようになります。大手ゼネコンや官公庁の技術者採用では、一級土木施工管理技士の資格を必須にしていることが多いです。 

建設業界では施工管理が常に不足している状況です。特に一級土木施工管理技士の資格を取得している方は優遇されることは間違いないでしょう。

昇給や昇格につながる

一級土木施工管理技士の資格のある求職者を集めるため、資格手当を支給して優遇する企業が増えています。 

また、一級土木施工管理技士は工事を受注するために必要であると同時に、経営審査事項の点数が5点プラスされるので企業にとって大きなメリットとなります。 

このため企業の中には、さまざまな優遇策を実施して資格取得者を募集していることが多いです。給与は各企業で違いますが、「土日祝休み、残業なし、月収80万円」で募集している企業もあります。 

未経験の方は最初から高給というのは無理かもしれません。とにかく建設業界は慢性的な人手不足です。研修制度や資格取得支援制度を設けて、未経験の方をサポートする企業も多いです。

携われる業務が増える

一級土木施工管理技士の資格を取得して監理技術者になると、請負金額4,000万円以上の大規模な建設現場で指導・監督することになります。 

規模が大きくなると下請や作業者の数は増えて、車両や建設機械の出入りは激しくなります。携わる業務が増えるので、工事全体をいかにスムースに回すかを常に検討し、施工を進めていかなければなりません。 

施工管理の5つのポイント(品質、工程、安全、原価、環境)を念頭に、大規模工事を竣工させることができればスキルと自信が身につきます。そして、より大きな案件をこなせるようになっているはずです。

 将来性がある

建設業界は、深刻な人手不足の状況にありますが、社会インフラを支える重要な仕事であるため需要は伸びているのが現状です。そういう中、一級土木施工管理技士は貴重な存在です。 

また一級土木施工管理技士になるには、難易度の高い検定試験に合格し、一定の実務経験も必要であるため社会的な信頼度は高いです。 

就職・転職先として建設現場はもちろん、経験を活かして、設計やCADオペレーター、コンサルタントなどの選択肢もあります。 

以上のことから、一級土木施工管理技士は将来性についての不安を抱く必要はないと言えるでしょう。

一級土木施工管理技士試験の難易度

一級土木施工管理技士試験は、国家資格ということもあり難易度は高いです。合格するためには、相応の学習時間と適切な勉強方法を知っておくことが必要です。 

ここでは、試験の概要や合格率、勉強時間の目安や合格するための勉強方法を紹介しますのでぜひ参考にしてください。
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一級土木施工管理技士試験の合格率

以下に、一級土木施工管理技士の1次検定の合格率と2次検定の合格率を紹介します。 

実施年度区分受験者数合格者数合格率
令和4年度
第一次検定
第二次検定
27,915人
32,916人
17,814人
12,409人
63.8%
37.7%
令和3年度
第一次検定
第二次検定
30,160人
29,112人
21,876人
11,838人
72.5%
40.7%
令和2年度
第一次検定
第二次検定
33,625人
29,640人
23,562人
13,014人
70.1%
43.9%
令和元年度
第一次検定
第二次検定
27,374人
32,303人
17,506人
12,768人
64.0%
39.5%

引用元|CIC日本建設情報センター

一級土木施工管理技士検定試験の合格率は、4年間の平均で、第一次検定は67%、第二次検定は40%です。合格率だけで考えると、二級と大きな差はないのですが、一定の実務経験を積んだ施工のプロの受験が多いことを考えると難易度は高いと言えます。
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一級土木施工管理技士試験に合格するのに必要な勉強時間の目安

一級土木施工管理技士試験に合格するのに必要な勉強時間の目安は、500〜700時間程度です。未経験の方や初めての受験の方は700時間程度、それ以外の方は自分の経験値から判断して調整しましょう。 

重要なのは、計画的な時間配分です。試験日から逆算して、前半は網羅的に、後半は自分の苦手とする分野や経験記述を中心に取り組むなどの工夫が必要です。 

また、第一検定と第二次検定では出題形式が違いますから、それぞれに合った勉強のやり方を考えてスケジュール化しましょう。

一級土木施工管理技士試験の概要

ここでは令和5年度を例に、一級土木施工管理技士検定試験の概要を紹介します。 

・試験日程

 試験日合格発表日
第一次検定令和5年7月2日(日)令和5年8月9日(水)
第二次検定令和5年10月1日(日)令和6年1月12日(金)

・試験地
札幌、釧路、青森、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、岡山、広島、高松、福岡、那覇の13地区 

・受験資格<第一次検定> 

次のa、b、c、dのいずれかに該当する者

区分学歴又は資格実務経験年数
a大学卒業者

専門学校速業者(高度専門士)

短期大学・高等専門学校卒業者

専門学校卒業者(専門士)

高等学校卒業者

専門学校卒業者(高度専門士・専門士を除く)

その他の者
指定学科卒3年以上

指定学科以外卒4年6ヶ月以上

指定学科卒5年以上

指定学科以外卒7年6ヶ月以上

指定学科卒10年以上

指定学科以外卒11年6ヶ月以上

15年以上
b高等学校卒業者・専門学校卒業者
(高度専門士・専門士を除く)
指定学科卒業のみ
卒業後8年以上の実務経験
(指導的立場の実務経験1年以上、
かつ、専任の監理技術者による指導を
受けた実務経験2年以上を含む)
 
c専任の主任技術者の実務経験が
1年以上ある者のうち
高等学校卒業者
専門学校卒業者
(「高度専門士」「専門士」を除く)
 
その他の者
 
 
 
指定学科卒8年以上
指定学科以外卒9年6ヶ月以上
 
 
13年以上(学科に関係なく)
 
d2級合格者

第一次検定に合格すると、一級土木施工管理技士・技士補としての資格を得ることができます。また、一度、第一次検定に合格すれば何度でも第二次検定に挑戦することができます。 

受験資格<第ニ次検定> 

次のe、f、gのいずれかに該当する者

 e1級土木施工管理技術検定・第一次検定の合格者
※ただし、上記表(1)のdに該当する者として受検した者を除く 
 f1級土木施工管理技術検定・第一次検定において、
上記表(1)のdに該当する者として受検した合格者のうち
上記表(1)のa、b、c又は所定の実務経験を有する者 
 g 第一次検定免除者第2次試験(技術士法による)のうちの該当部門に合格し、
1級土木施工管理技術検定(第一次検定の合格を除く)の第二次検定受検資格を有する者 

※その他、詳細については試験実施機関のサイトか「受検の手引」をご確認してください。 

・受検手数料 

第一次検定:10,500円
第二次検定:10,500円 

・試験の内容 

第一次検定は四肢択一のマークシート方式です。土木一般、専門土木、法規、共通工学・施工管理、施工管理法からの出題となります。 

第一次検定の合格ラインは、「得点が60%以上かつ「施工管理法(応用能力)」の得点が60%以上」となっています。 

第二次検定は、すべて記述式です。必答問題として、施工管理経験の記述(安全管理)、コンクリート、施工計画について3問。

選択問題は、以下の2種類です。

土工、品質管理、安全管理、建設副産物から2問
土工、コンクリート、安全管理、施工計画から2問 

第二次検定の合格ラインは、60%以上の正解となっています。

参照サイト
試験実施機関|一般財団法人全国建設研修センター
1級土木施工管理技術検定

一級土木施工管理技士試験に合格するための勉強方法 300

一級土木施工管理技士に合格するための勉強方法としておすすめしたいのは、以下の3つになります。 

・独学で学ぶ方法
・通信講座で学ぶ方法
・資格の学校に通う方法 

それぞれについて説明します。 

・独学で学ぶ方法
独学で学ぶ方法としては、5〜10年の過去問とその解説を詳しく記述した書籍を選ぶのがおすすめです。書籍を購入すると、無料で講習動画を見ることができるものもあります。5〜10年分を何回か繰り返して学習するうちに、少しずつ正解率が上がると達成感があって、モチベーションも上がります。ただ、二次検定では、専門的な知識を求められることも多いので、土工やコンクリートなどの専門書に目を通すことも必要です。 

・通信講座で学ぶ方法
通信講座やオンライン講座で学ぶ方が増えています。自分のライフサイクルに合わせて勉強できるので、忙しくて学校に通えないという方におすすめです。また通信講座では、分からない部分を質問することができるので独学よりも効率的だと言えます。 

・資格の学校に通う方法
資格の学校に通うと、勉強時間をしっかりと確保できるうえに、データに基づいた出題傾向や優先順位などを考慮した効率的な授業に参加できるのでおすすめです。また質問や疑問を講師に直接聞くことができるのも大きなメリットです。

まとめ

ここまで、一級土木施工管理技士とその検定試験について解説してきました。

近年、土木業界は慢性的な人手不足のため、一級土木施工管理技士の資格があれば引く手あまたの状況です。また資格を取得することでメリットも多く、将来性もあります。

一級土木施工管理技士の検定試験の概要についても詳しく解説しました。一級土木施工管理技士の検定試験は、国家試験ということもあり難易度は高いです。

合格に必要なのは、相応の勉強時間を確保し、自分に合った勉強方法を見つけることです。そのためのおすすめの勉強方法についても紹介しました。

社会的貢献度が高く将来性もある土木業界で活躍するには、一級土木施工管理技士の資格を取得することが近道になります。

資格取得には多大な時間と労力を必要としますが、それに見合う以上の代価があることは間違いありません。

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