主任技術者になるのに資格は必要?4つの要件をわかりやすく解説!

「主任技術者ってどうやってなればいい?」

「資格を取れば主任技術者になれるって聞いたけどほんと?」

主任技術者とは、工事を請け負ったそれぞれの企業が建築現場に配置しなければならない工事の責任者のことです。

主任技術者は、建設業を営む企業には切っても切れない存在で多くの企業から求められています。

ただし、一定の実務経験や資格がないとなれない職務のため、誰でも簡単になれるというものでもありません。

本記事では、主任技術者になるために必要な4つの要件を詳しく紹介します。

主任技術者に興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。

・公開 / 非公開求人多数掲載!
・転職後に収入380%の実績アリ!
・アドバイザーによるサポートも充実!

トントンでは様々な方に向けた求人を多数掲載!
初めての就職やキャリアアップのために適した企業に、
全て無料で応募可能です!

お名前

電話番号

メールアドレス

会員限定!
サイト掲載不可の
限定求人をご紹介!

主任技術者とは

主任技術者とは、建築現場における施工や技術上の管理を行う者のことをいいます。

請負金額の大小に関わらず、すべての企業が現場ごとに配置しなければなりません。

主任技術者は元請業者、下請業者を問わず必要です。

元請業者の場合、下請業者への発注額が4,500万円(建築一式工事の場合7,000万円)未満の場合にのみ主任技術者が配置されます。

一部、例外として、4,000万円未満の「型枠工事」「鉄筋工事」を行う下請業者で、元請業者の主任技術者が職務を代行することを書面により合意すれば、主任技術者の配置を免除することができます。

主任技術者と監理技術者の違い

施主から直接工事を受注する元請業者で、4,500万円(建築一式工事の場合7,000万円)以上の下請け契約をする場合、主任技術者に代えて監理技術者を配置しなければなりません。

主任技術者と監理技術者の職務、役割には大きな違いはありません。

いずれも工程管理、安全管理、品質管理など責任者としての業務を行います。

加えて監理技術者は下請負人の指導、監督、現場全体の総合的な管理も行わなければなりません。

監理技術者になるための資格要件も、主任技術者と比較して高く、限られた人間しか監理技術者になることはできません。

主任技術者になるための4つの要件

主任技術者になるためには以下の4つの要件のうち、一つを満たしている必要があります。

  1. 一つの業種で必要な実務経験をつむ
  2. 複数の業種で必要な実務経験をつむ
  3. 必要な国家資格を取得する
  4. 登録基幹技能者の講習を受ける

順に解説していきます。

1. 一つの業種で必要な実務経験をつむ

建設業を行う企業は、建設業法で定められた29業種のうち、いずれかの業種の建設業許可を取得しています。

主任技術者となる場合、建設業許可を受けた業種に対応した指定学科を終了し、必要な実務経験を得る必要があります。

それぞれの業種に対応する指定学科を下記にまとめました。

許可を受けようとする建設業指定学科
土木工事業舗装工事業土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科を含む。以下同じ。)都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科
建築工事業大工工事業ガラス工事業内装仕上工事業建築学又は都市工学に関する学科
左官工事業とび・土工工事業石工事業屋根工事業タイル・れんが・ブロック工事業塗装工事業解体工事業土木工学又は建築学に関する学科
電気工事業電気通信工事業電気工学又は電気通信工学に関する学科
管工事業水道施設工事業土木工学、建築学、機械工学、都市工学又は衛生工学に関する学科
鋼構造物工事業鉄筋工事業土木工学、建築学又は機械工学に関する学科
しゅんせつ工事業土木工学又は機械工学に関する学科
板金工事業建築学又は機械工学に関する学科
防水工事業土木工学又は建築学に関する学科
機械器具設置工事業消防施設工事業建築学、機械工学又は電気工学に関す学科
熱絶縁工事業土木工学、建築学又は機械工学に関する学科
造園工事業土木工学、建築学、都市工学又は林学に関する学科
さく井工事業土木工学、鉱山学、機械工学又は衛生工学に関する学科
建具工事業建築学又は機械工学に関する学科
引用:国土交通省

指定学科を卒業したものは、以下の実務経験を満たすことで主任技術者の資格を得ることができます。

  1. 大学の指定学科の卒業者:実務経験3年以上
  2. 高等専門学校の指定学科の卒業者:実経験3年以上
  3. 高校の指定学科の卒業者:実務経験5年以上
  4. それ以外の学歴の:実務経験10年以上

該当する指定学科を卒業しているかどうかで、必要な実務経験は大きく異なります。

指定学科の大学を卒業しているものは実務経験は3年ですみますが、いずれの指定学科も卒業していないものは、主任技術者になるまでに10年以上の実務経験が必要です。

2. 複数の業種で必要な実務経験をつむ

建設業法で定められている29業種のうち、複数の業種にまたがって実務経験を積んだ者は、一定の実務経験を満たすことで主任技術者の資格を得ることができます。

指定された2種類の業種で12年以上の実務経験を有し、該当業種の実務経験が8年以上あれば主任技術者の資格が得られます。

許可を受けようとする建設業実務経験
大工工事業1. 建設工事業及び大工工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、大工工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務経験を有する者
2. 大工工事業及び内装仕上工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、大工工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
とび・土工工事業1. 土木工事業及びとび・土工工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、とび・土工工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
2. とび・土工工事業及び解体工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、とび・土工工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
屋根工事業1. 建築工事業及び屋根工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、屋根工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
しゅんせつ工事業1. 土木工事業及びしゅんせつ工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、しゅんせつ工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
ガラス工事業1. 建築工事業及びガラス工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、ガラス工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
防水工事業1. 建築工事業及び防水工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、防水工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
内装仕上工事業1. 建築工事業及び内装仕上工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、内装仕上工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
2. 大工工事業及び内装仕上工事業に係る建設工事に関し、12年以上の実務経験を有する者のうち、内装仕上工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
熱絶縁工事業1. 建築工事業及び熱絶縁工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、熱絶縁工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
水道施設工事業1. 土木工事業及び水道施設工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、水道施設工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
解体工事業1. 土木工事業及び解体工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、解体工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
2. 建築工事業及び解体工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、解体工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
3.とび・土工工事業及び解体工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、解体工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
引用:国土交通省

例えば、水道施設工事業の主任技術者となる場合、水道工事業と土木工事業で合計12年以上、水道工事業で8年以上の実務経験があれば主任技術者の資格が得られるということです。

複数の業種で実務経験を得て主任技術者となれるのは、建設業法で定められている29業種のうち上記、10業種のみです。

3. 必要な国家資格を取得する

定められた国家資格を取得すれば、実務経験に関係なく主任技術者となることが出来ます。

必要な国家資格は該当する業種によって異なります。

それぞれの業種で必要な国家資格を以下にまとめました。

建設業の種類資格名
土木工事業2級建設機械施工技士、2級土木施工管理技士
建築工事業2級建築施工管理技士、2級建築士
大工工事業2級建築施工管理技士、2級建築士、木造建築士
左官工事業2級建築施工管理技士
とび・土工工事業2級建設機械施工技士、2級土木施工管理技士、2級建築施工管理技士
石工事業2級土木施工管理技士、2級建築施工管理技士
屋根工事業2級建築施工管理技士
電気工事業2級電気工事施工管理技士、第1種電気工事士、第2種電気工事士、電気主任技術者
管工事業2級管工事施工管理技士、給水装置工事主任技術者
タイル・れんが・ブロック工事業2級建築施工管理技士、2級建築士
鋼構造物工事業2級土木施工管理技士、2級建築施工管理技士
鉄筋工事業2級建築施工管理技士
舗装工事業2級建設機械施工技士、2級土木施工管理技士
しゅんせつ工事業2級土木施工管理技士
板金工事業2級建築施工管理技士
ガラス工事業2級建築施工管理技士
塗装工事業2級建設機械施工技士、2級土木施工管理技士
防水工事業2級建築施工管理技士
内装仕上工事業2級建築施工管理技士、2級建築士
機械器具設置工事業該当なし
熱絶縁工事業2級建築施工管理技士
電気通信工事業2級電気通信工事施工管理技士、電気通信主任技術者
造園工事業2級造園施工管理技士
さく井工事業該当なし
建具工事業2級建築施工管理技士
水道施設工事業2級土木施工管理技士
消防設備工事業甲種消防設備士、乙種消防設備士
清掃施設工事業該当なし
解体工事業2級土木施工管理技士、2級建築施工管理技士
参考:国土交通省

中には、さく井工事業や清掃施設工事業など、国家資格の有無では主任技術者になることができない業種も存在します。

4. 登録基幹技能者の講習を受ける

登録基幹技能者とは、熟達した能力と豊富な知識を持ち、効率的に作業を進められる技能者のことで、専門工事業団体から資格認定を受けたものを言います。

登録基幹技能者の認定を受ければ、主任技術者の資格を得ることが出来ます。

該当する業種に必要な登録基幹技能者を以下にまとめました。

建設業の種類登録基幹技能者講習
土木工事業該当なし
建築工事業該当なし
大工工事業登録型枠基幹技能者登録建築大工基幹技能者
左官工事業登録左官基幹技能者登録外壁仕上基幹技能者
とび・土工工事業登録橋梁基幹技能者登録コンクリート圧送基幹技能者登録トンネル基幹技能者登録機械土工基幹技能者登録PC基幹技能者登録鳶・土工基幹技能者登録切断穿孔基幹技能者登録エクステリア基幹技能者登録グラウト基幹技能者登録運動施設基幹技能者登録運動施設基幹技能者登録基礎工基幹技能者登録標識・路面標示基幹技能者
石工事業登録エクステリア基幹技能者
屋根工事業登録建築板金基幹技能者
電気工事業登録電気工事基幹技能者
管工事業登録配管基幹技能者
タイル・れんが・ブロック工事業登録エクステリア基幹技能者登録タイル張り基幹技能者
鋼構造物工事業登録橋梁基幹技能者
鉄筋工事業登録PC基幹技能者登録鉄筋基幹技能者登録圧接基幹技能者
舗装工事業登録運動施設基幹技能者
しゅんせつ工事業登録海上起重基幹技能者
板金工事業登録建築板金基幹技能者
ガラス工事業登録硝子工事基幹技能者
塗装工事業登録建設塗装基幹技能者登録外壁仕上基幹技能者
防水工事業登録防水基幹技能者登録外壁仕上基幹技能者
内装仕上工事業登録内装仕上工事基幹技能者
機械器具設置工事業該当なし
熱絶縁工事業登録保温保冷基幹技能者
電気通信工事業登録電気工事基幹技能者
造園工事業登録造園基幹技能者登録運動施設基幹技能者
さく井工事業該当なし
建具工事業登録サッシ・カーテンウォール基幹技能者
水道施設工事業該当なし
消防設備工事業登録消火設備基幹技能者
清掃施設工事業該当なし
解体工事業該当なし
参考:国土交通省

土木工事業や建築工事業など、登録基幹技能者では主任技術者の資格を得ることができない業種も、いくつか存在します。

主任技術者を目指す前に知っておきたい2つのポイント

主任技術者を目指す前に、知っておきたいポイントを2つ紹介します。

派遣やアルバイトはNG

建設工事の適正な品質を確保するため、現場の責任者である主任技術者は、建設業許可を取得している企業と直接的かつ恒常的な雇用関係がある者しか行うことができません。

つまり、企業と直接的かつ恒常的な雇用関係があるとは言えない派遣職員やアルバイトは主任技術者になることはできないということです。

主任技術者として責任ある立場で現場をまとめたいと考えている人は、建設業許可を取得している企業の正社員になる必要があります。

派遣やアルバイトではいくら知識や経験が豊富でも、主任技術者にはなれないということは覚えておきましょう。

直接的な雇用という観点では、同じ正社員でも他社からの出向の場合も出向先の企業で、主任技術者となることはできません。

現場の兼任はできない

公共施設や駅・百貨店など不特定多数のものが利用する施設の工事で、請負金額が4,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上の工事を請け負う場合、元請、下請にかかわらず配置する主任技術者は現場ごとに専任としなければなりません。

主任技術者の専任とは、同時期にほかの工事と兼務せず、配置された工事のみに従事している状態を言います。

専任とは、必ずしも現場への常駐を必要とするものではなく、休暇や研修、社内行事など合理的な理由で現場を離れることは認められています。

例外として、密接な関係のある工事を同じ企業が同じ場所、あるいは隣接する場所で工事を行う場合、ひとりの主任技術者が複数の現場の主任技術者を兼任することができます。

まとめ

主任技術者とは、工事を請け負ったそれぞれの企業が建築現場に配置しなければならない工事の責任者です。

主任技術者になるためには、国家資格や実務経験など満たさなければならない要件があります。

派遣やアルバイトでは主任技術者になることはできず、基本的には他の現場の主任技術者を兼任することはできません。

主任技術者になれる資格を持っている人は、建設業許可を持っている多くの企業から必要とされています。

建設業界の転職求人サイト「トントン」では、主任技術者を必要としている建設関係の企業を多数掲載しています。

興味のある方は、ぜひ「トントン」を利用してみてください。

おすすめの記事