土方(ドカタ)の意味とは|仕事内容・年収・偏見について調査してみた

「土方(ドカタ)はどんな仕事?」

「土方(ドカタ)はきつい?」

世間には建設業イコール「3K」のイメージが根強く残っていますが、中でも特に偏見を向けられやすいのが土方(ドカタ)です。

本記事では土方(ドカタ)という名前の由来から具体的な仕事内容、平均年収まで詳しく解説します。また、キャリアアップしたい場合におすすめのスキルや免許についても紹介します。

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土方(ドカタ)とは

土方(ドカタ)とは、建築業の現場であらゆる雑務をこなす仕事です。

建設現場には、絶え間なく資材や機械が運び込まれ、さまざまな職人が持ち場を移動しながら働いています。そうした変化が激しい状況で、臨機応変に雑務をこなしていくのが土方(ドカタ)の役割です。

各業種の見習いが土方(ドカタ)の役割をするケース、あるいは日雇いとして派遣されるケースなどがあります。

土方は差別用語なのか

日本の差別用語は、単語ではなく文脈で判断するという曖昧なものなので、マスメディアの放送禁止用語や放送注意用語と呼ばれる自主規制の観点から、土方(ドカタ)が差別用語なのかを考えてみましょう。

自主規制では土方(ドカタ)を差別用語として認識する事例が多く、過去には土方(ドカタ)を題材にした『ヨイトマケの唄』という曲が日本民間放送連盟の要注意歌謡曲になりました。

また、土方(ドカタ)の言い換えに、土工(どこう)、雑工、日雇い人夫などがありますが、昨今はすべてを「土木作業員」に統一するのが好ましいと考える向きもあります。

土方(ドカタ)や言い換えを差別用語と捉える人たちにはある種の偏見があるようです。詳しくは「土方(ドカタ)に対するよくない風評」で後述します。

名前の由来

古くは普請(ふしん)の職人たちが土方(ドカタ)のルーツとされています。江戸時代に建築業と土木業が分類され、その土木業が土方(ドカタ)にあたります。普請とは、今で言う公共工事のことです。

当時の土木業者たちは、主に埋立地の造成(土手の造成)を手掛けたため、「土手人足方(どてにんそくがた)」と呼ばれました。やがて略して「土手方(ドテカタ)」「土方(ドカタ)」になったと考えられています。最後の「方」は、奥方、〇〇の方のような敬称です。

なお、昔の土方(ドカタ)と鳶職人は火消しの役割も担っており、現代の求人情報で「鳶・土工」と一緒に記載されることが多いのは、その名残だといわれています。

土方(ドカタ)の仕事内容

土方(ドカタ)の具体的な仕事内容は以下の通りです。

・仕上げ物や通路の養生
・ネコ(手押し一輪車)による土砂や石材の運搬
・アスファルト剥がし
・重機が資材を搬出、搬入する際の人力補助
・コンクリートをスコップでならす
・シャベルによる倔削、残土処理
・各専門技術者の手元作業員
・清掃と片付け
・その他

建築、河川、道路、山など現場によって業務内容は変わります。また、土方(ドカタ)の仕事は基本的に屋外作業です。

土方(ドカタ)の平均年収

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(令和4年)」では、(ドカタ)の平均年収は約417万円となっています。下記は従業員数による分類です。

従業員数平均年収
10人から99人402万円
100人から999人463万円
1,000人以上525万円
10人以上:上限無し総平均:417万円
参考:令和4年賃金構造基本統計調査

ただし、上記の数字は特に資格を持たない土方(ドカタ)の場合なので、役職手当や資格手当などは一切含まれていません。

例えば、ショベルマシンなど建設機械の運転スキルがあれば、平均年収は約417万円から439万円へとアップします。

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土方(ドカタ)のキャリアアップに必要なスキル・資格

ここからは、土方(ドカタ)で働く人がキャリアアップする際、おすすめのスキルと免許を5つ紹介します。年をとって体力が落ちたときの助けにもなるはずです。

・小型車両系建設機械の運転スキル

・車両系建設機械運転スキル

・締固め用機械操作スキル

・玉掛けスキル

・クレーン・デリック運転士免許

小型車両系建設機械の運転スキル

小型車両系建設機械の運転スキルがあると、ブルドーザー、トラクターショベル、油圧ショベルなどに乗れます。

小型車両系建設機械とは、労働安全衛生法に定められた「整地、運搬、積込み用機械と掘削用機械の建設機械」のうち「機体質量が3トン未満の機械」を指します。

このスキルを身につけるためには、「小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の運転の業務に係る特別教育」を受講する必要があります。受講資格は特にありません。

特別教育はコマツ教習所のような全国の登録教習機関の他、各企業の事業所でも実施されます。

車両系建設機械運転スキル

車両系建設機械運転スキルがあると、労働安全衛生法に定められた「整地、運搬、積込み用機械と掘削用機械の建設機械」のうち「機体質量が3t以上の機械」に乗れます。

具体的には、ドラグ・ショベル、ドラグライン、スクレーパー、モーター・グレーダー、バケット掘削機、ずり積機、スクレープ・ドーザ、パワーショベルなどです。

このスキルを身につけるためには、「車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習」を受講する必要があります。

受講資格は特にありませんが、スキルや持っている資格で免除科目が異なるため、詳細はコマツ教習所のこちらのページでご確認ください。スキルや資格がまったく無い場合は、38時間の講習が必要です。
講習は全国の登録教習機関で実施されます。

締固め用機械操作スキル

締固め用機械操作スキルがあると、すべてのローラー、具体的にはロードローラ、タイヤローラ、コンバインローラ、振動ローラなどに乗れます。

締固め用機械とは、道路、ダムなどの盛土の締固め、道路舗装材、建築構造物の基礎の締固め、地下埋設物の覆土の締固めなどに用いられる機械です。

このスキルを身につけるには、「締固め用建設機械の運転特別教育」を受講する必要があります。

特別教育はコマツ教習所のような全国の登録教習機関の他、各企業の事業所でも実施されます。なお、機械の質量や大きさなどによる制限はありませんが、全長4.8m以上、全幅1.8m以上、全高2.1m以上の機械で公道を走行する場合は大型特殊自動車免許が必要です。

玉掛けスキル

クレーンや移動式クレーンなどで荷をつる用具の準備、フックへ用具を掛け、フックから用具を取り外すまでの一連の作業を「玉掛け」といいます。

制限荷重1トン以上の揚貨装置およびつり上げ荷重1トン以上のクレーン、移動式クレーンもしくはデリックの玉掛け業務のスキルを身につけるには、「玉掛け技能講習」の受講が必要です。また、1トン未満の場合は「玉掛け特別教育」の受講が必要です。

講習も特別教育も、コベルコ教習所のような全国の登録教習機関で実施されます。

クレーン・デリック運転士免許

クレーン・デリック運転士免許(限定無し)があると、すべてのクレーン・デリック、具体的には、つり上げ荷重が5トン以上の天井クレーン、橋形クレーン、ジブクレーン、ガイデリックなどを運転操作できます。

このスキルを身につけるためには、「クレーン・デリック運転士免許(限定なし)試験」を受験する必要があります。

受講資格は特にありませんが、スキルや持っている資格で免除科目が異なるため、詳細は試験が行われる公益財団法人安全衛生技術試験協会でご確認ください。また、一般社団法人クレーン協会のような全国の登録教習機関で教習を受けると実技試験が免除されます。

土方(ドカタ)に対するよくない風評

ガテン系というワードがおおむね好意的に定着した今でも、土方(ドカタ)に関してはいまだによくないイメージを持つ人が少なくありません。そうした風評被害の理由は、主に以下の3つの偏見からきているようです。

  • 「ヤンキーが多い仕事だろう」
  • 「3Kの仕事を選ぶなんて意味がわからない」
  • 「ヤンキーが多い仕事だろう」

「体力があれば誰でもできる仕事だろう」

屋外で暑さや寒さと対峙する土方(ドカタ)の仕事には、体力が必須条件です。

加えて、マルチタスクで臨機応変に雑務をこなす手際の良さも求められます。

さらに、作業音の響く現場でのコミュニケーションは大声で簡潔になるため、ハキハキした率直な対応も必要とされるでしょう。

「3Kの仕事を選ぶなんて意味がわからない」

「きつい、汚い、危険を意味する3K」は、土方(ドカタ)に限ったことでなく、建設業全体に対するイメージといえます。しかし、2015年から行政が「給料、休日、希望を意味する新3K」を提唱しているように、建設業の労働環境や福利厚生は日々改善しています。

ただ、今も昔も土方(ドカタ)には体力が必要という事実は変わりません。それでも建設業の仕事を選ぶ意味は、「モノ作りが好きだから」でしょう。

「ヤンキーが多い仕事だろう」

土方(ドカタ)の求人で髪色やピアスが自由なケースが多いのは、現場では見た目よりも働きぶりが重視されるからです。実際には、普段は物静かなイケメンもいます。

ヤンキーが多いというイメージには、戦後の高度成長期、手配師と呼ばれるヤクザとつながりのある土方(ドカタ)が不法労働していたことが影響しているようです。

労働者派遣法や労働基準法がしっかり整備された現在では、派遣会社も建設会社も身元不明者と雇用関係を結ぶことはありません。

土方(ドカタ)仕事のよいところ

悪いイメージを持つ人もいますが、土方(ドカタ)の仕事にはいいところがたくさんあります。

・社会への貢献度が高い

・高い技術が身につく

・収入が安定している

・独立するチャンスがある

社会への貢献度が高い

土木工事は公共工事が大半なので、道路、ダム、橋、トンネルといった社会への貢献度が高い仕事に関われます。人々が暮らす上で欠かせない大規模なインフラ工事は誇らしく、やりがいがあります。

高い技術が身につく

建設現場は、重機を操作する人や各種の技術者の近くで働くため、高い技術を身につけやすい職場です。自分が磨きたいスキルもイメージできるでしょう。「土方(ドカタ)のキャリアアップに必要なスキル・資格」で前述したように、試験ではなく講習だけでスキルアップすることも可能です。

収入が安定している

スキルを身につけて熟練した土方(ドカタ)になれば、独立して一人親方になるというキャリアチェンジも選択肢となります。仕事量を調節できる上に、収入は自分だけのものです。

また、現場で培った職人ネットワークを活かし、一人親方をまとめ上げてマネージメントすれば会社の設立に一歩近づきます。

まとめ

建設現場でさまざまな仕事をこなす土方(ドカタ)は、学歴や資格を問わずに採用され、未経験でも活躍しやすい仕事です。

また、関連スキルの講習費用を補助してくれる会社も多いでしょう。

体力は必要ですが、働きながらスキルアップする環境が整っています。

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