デベロッパーって何?不動産開発との違いは?仕事内容と他の仕事との違いを解説

近年、都市部での再開発事業が行われるようになったことから、不動産や不動産業界に興味や関心を持っている方は、「デベロッパー」という言葉をよく耳にしたかもしれません。

デベロッパーとはどのような業務を行っている企業なのか、一般的な不動産会社やゼネコンなどの企業とはどのような違いがあるのか、興味を持った方もいるのではないでしょうか。

本記事では、デベロッパーについての知識や、不動産会社やゼネコンとの違いまでを詳しく解説します。

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デベロッパーとは

デベロッパー(ディベロッパーとも表記される)とは「開発者」を意味する英単語です。ビジネス的な意味として捉えるなら「土地や街を開発し、地域の価値を高める企業」となります。

具体的にいえば、マンションやビル・商業施設の開発などをはじめ、地域全体の開発をともなう都市開発を専門的に行う企業です。

デベロッパーは開発事業を手がけており、代表的なものは以下の5つです。

  • 都市開発
  • マンション開発
  • 複合商業施設開発
  • リゾート開発
  • 大規模宅地開発

デベロッパーには、「マンションだけ」や「ビルだけ」のように、1つ乃至は2つの分野に特化した不動産だけを扱う「専門デベロッパー」と、マンションやビルにとどまらず、商業施設やホテルなど、さまざまな不動産を扱う「総合デベロッパー」があります。

多様な不動産の企画・開発をする「総合デベロッパー」

オフィスビルや商業施設、マンションの開発にとどまらず、ホテルやリゾート、都市開発まで多彩な不動産を企画・開発するのが総合デベロッパーです。

その土地の雰囲気や街の持つ雰囲気を損なうことなく、施設などの企画・開発を行います。

多種多様な不動産を取り扱い、地域や街づくりの役割を担っているのが特徴です。

特定の不動産に特化した「専門デベロッパー」

総合デベロッパーが、マンションやビルだけに限らず、ありとあらゆる不動産を取り扱うのに対し、ある特定の分野における開発に力を入れているのが専門デベロッパーです。

総合デベロッパーのように広範囲にわたる開発は行っていないものの、事業を限定しているため専門性が高く、独自のブランドを確立しているのが特徴です。

専門デベロッパーは、はっきり線引きがされている訳ではありませんが、主にマンションや一戸建て住宅の分野に特化している場合を指すといわれています。

デベロッパーの仕事内容

地域全体の開発を行い、その地域の価値を向上させる役割を担うデベロッパーですが、どのような仕事をしているのか、具体的にご存知でしょうか。

デベロッパーが行っている仕事は大まかに5つに分類されており、次の通りとなります。

  • 用地取得
  • 企画・開発
  • マーケティング
  • 営業販売
  • 管理

それぞれの仕事内容について、以下で解説します。

用地取得

用地取得とは、地域の開発において必要となる土地を取得する仕事です。用地取得は開発プロジェクトの第一歩と考えることができます。

デベロッパーは、開発事業において重要な土地に関する情報を収集し、その土地の将来性を考え、収支計算をして採算が取れる見込みがあるかを考慮し、施設開発を行うかどうかの判断をくだします。

購入する土地を選定したら、地権者と繰り返し交渉を行い、信頼を得た上で土地を購入します。

プロジェクトによっては広大な土地が必要となり、複数の地権者と交渉を行うため、なかなか用地取得がうまくいかず、開発に長期間を要することもあるようです。

企画・開発

取得した土地の歴史や周辺環境の調査を行います。調査結果を受けて、取得した土地のある地域の雰囲気に適した建物や施設のデザインを考え、まちづくりのコンセプトについて決定します。これが、企画と呼ばれる段階です。

まちづくりの方向性やコンセプトが決定すれば、設計図を作成し、その設計図に沿うように建設会社が施工し、実現していきます。

デベロッパーは品質保持などを目的としたマネジメントや、プロジェクトが円滑に進むように進捗管理を行いますが、施工に直接関わることはありません

マーケティング

マーケティングとは、一般的には「モノやサービスを売るための戦略を策定し実施する」ことです。デベロッパーにおけるマーケティングとは、どのようなものでしょうか。

デベロッパーが行うマーケティングは、マンションの販売価格や商業施設のテナント料の決定、テナントの誘致などが挙げられます。

デベロッパーは、これらのマーケティングによる値段設定や販売戦略を入念に行うことで、事業の出口戦略の見定めを行います。

営業販売

用地取得後、時間を費やして完成させたマンションやオフィスビルも、利用又は購入してもらわなれば、デベロッパーの利益になることはありません

デベロッパーは、オフィスビルや商業施設にテナントとして入居してもらえそうな企業、マンション等の購入候補者を探します。

候補として挙がった購入者や企業側のメリットを提案しながら、テナントとして入居してもらえるように、マンション等であれば実際に購入してもらえるように営業活動を行います。

管理

デベロッパーの仕事が完了するのは「土地や街の開発を終え、建物が完成したとき」という訳ではありません。完成した建物や施設を管理し、運用していくのもデベロッパーが担う重要な仕事です。

完成した施設の管理や運用を通して、施設の魅力を上げて収益を向上させることはもちろん、開発した街の価値の向上に努めることもデベロッパーの役割といえるでしょう。

イベントなど、さまざまな取り組みを行うことで、地域住民や関係者と良好な関係を築き、開発した街の価値向上につなげます。

デベロッパーの代表的な会社一覧

デベロッパーとはどのような仕事をしている企業なのか、ご理解いただけたと思います。

ここでは、日本における代表的な不動産デベロッパーを紹介ます。きっと一度は聞いたことがある企業が出てくるのではないでしょうか。

  • 旧財閥系のデベロッパー(三井不動産、三菱地所、住友不動産)
  • 商社系のデベロッパー(住友商事、三井物産、三菱商事、丸紅など)
  • 鉄道系のデベロッパー(東急不動産、阪急不動産、近鉄不動産など)
  • ハウスメーカー系のデベロッパー(積水ハウス、大和ハウス、トヨタホームなど)
  • 独立系のデベロッパー(森ビル、タカラレーベン、穴吹工務店など)
  • その他のデベロッパー(金融:野村不動産、電力:関電不動産など)

デベロッパーと不動産会社の違い

デベロッパーと不動産会社には何か違いがあるのでしょうか?結論として、デベロッパーと不動産会社に、はっきりとした違いがあるとは断言できません

不動産業は、大まかに6つの事業(企画、開発、販売、仲介、賃貸、管理)があります。デベロッパーが、この6つの事業の中で主に行っているのは、「企画」、「開発」事業です。不動産会社は、その他の4つの事業をメインとしています。

賃貸物件の情報を入り口に貼っている賃貸仲介の会社が、ビルや商業施設などを開発するとは考えられませんし、デベロッパーが賃貸の仲介を行うことはほとんどないでしょう。

デベロッパーと不動産会社の違いは、「川上の仕事(企画、開発)をデベロッパーが行い、川下の仕事(販売、仲介、賃貸、管理)を不動産会社が行う」と考えるとイメージしやすいかもしれません。

不動産開発とは

不動産開発とは、用地を取得し、取得した土地に最適な建物を企画・開発し、完成した建物を販売・管理することで、地域全体の開発及び価値向上を図る仕事のことを指します。

土地の仕入れから、土地の価値を最大限に高めるための企画を立て、開発し、販売・管理までの一連の仕事を手掛けているのが不動産開発です。

不動産開発の重要なポイントは、建物や施設を建設してしまえば終わりなのではなく、地域全体を開発し価値を高めることにあります。

不動産開発の仕事内容

簡潔に不動産開発の仕事内容について説明します。

土地の取得:取得する土地の情報を収集・分析し、事業に適しているとの判断した場合に、土地の購入を決定します。購入予定の土地の地権者との交渉も用地取得の仕事です。

企画・開発:取得した土地の価値を最大限に発揮するための企画を立案し、開発を行います。

販売:完成した建物や施設に関して、購入者や事業者の立場からメリットを提示し、営業活動を行います。不動産開発の主要な収入源を得るための仕事です。

管理:周辺の住民やテナントとの関係を良好に保ち、エリア全体の価値を向上させるため、施設等の管理を行います。

大手の不動産会社5社

ここからは、不動産開発を手がける大手不動産会社5社を紹介しましょう。

・三井不動産株式会社

紹介するデベロッパーの中でもトップの売上を誇っている会社です。まちづくりを念頭に置いた地域開発に強みを持っています。東京ミッドタウンなどを手掛けました。

・三菱地所株式会社

オフィスビル事業に強みがある会社です。海外事業の展開に積極的な点が特徴として挙げられます。丸ビルや横浜ランドマークタワーを手掛けました。

・住友不動産株式会社

オフィスビル事業とマンション事業に強みがあります。特に、マンション供給戸数についてはトップを誇っています。営業利益率が高いのが特徴の会社です。

・東急不動産ホールディングス株式会社

幅広い分野で事業展開をしているのが特徴的な会社です。鉄道系グループ会社の強みを生かしていることが特徴です。近年では渋谷の再開発に携わっています。

・野村不動産ホールディングス株式会社

マンション事業に強みを持つ会社です。建設・販売・管理を一貫していることに特徴があります。「PROUD」ブランドのマンションや戸建てを手掛けています。

デベロッパーとゼネコンの違い

デベロッパーと不動産会社が似ていると感じるように、デベロッパーとゼネコンも似ているので、どのような違いがあるのか疑問に感じる方は多いのではないでしょうか。

デベロッパーとゼネコンの違いは明確です。デベロッパーは、不動産開発を行う企業のことを指し、ゼネコンは実際の工事を請け負う企業のことを指します。

すなわち、デベロッパーは街の開発に関する企画を立案する役割、ゼネコンはデベロッパーが立案した企画を実現するための工事を行う役割を担っています。

ゼネコンとは

ゼネコンとは、「ゼネラル・コントラクター」の略称です。英語で「全体的・総合的(General)」な「請負人(Contractor)」を意味しており、日本語では総合建設業者と訳されます。

マンションやビルだけに限らず、テーマパークや商業施設など大型建築物を建設する企業です。

明確に定義されている訳ではありませんが、一般的に「設計・施工・研究」の3つを自社で行うことがゼネコンと呼ばれる条件とされています。

ゼネコンの仕事内容

次に、ゼネコンの仕事内容にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。

・設計:ゼネコンの設計部門では、クライアントの要望により「意匠設計」「構造設計」「設備設計」を行います。

・施工管理:ゼネコンでは、工事のスムーズな進行のために施工管理を行います。ゼネコンの業務の中でも主要な部分です。

・研究開発:ゼネコンでは、業務の効率化や建設物の強化を図る研究開発を行っています。具体的には、耐震性に優れたコンクリートなどの研究開発が挙げられます。

・営業:ゼネコンの営業先は企業や官公庁です。営業先が限定的なため、いかに相手との人間関係を築けるかがポイントとなります。

・調達:建設工事、土木工事に使用する資材を買い付ける仕事です。調達の仕事のポイントは、いかに原価を抑えながら高品質の資材を調達できるかです。

・事務ゼネコンの業務を裏から支えるのが事務の仕事です。一般の企業と同様に、総務や人事、経理などの事務職が存在しています。

大手のゼネコン会社5社

最後に、大手ゼネコン会社5社を紹介しましょう。紹介する会社は規模も大きく、いわゆる「スーパーゼネコン」と呼ばれています。

・株式会社大林組

東京スカイツリーや六本木ヒルズを手掛けたことで有名な大林組。海外事業(PFI事業)でトップシェアを占めています。再生可能エネルギー等にも力を入れています。

・鹿島建設株式会社

グループ234社が協力して事業領域を拡大している鹿島建設は、業界のパイオニアです。フジテレビや新国立美術館建設を手掛けました。

・清水建設株式会社

医療福祉施設の受注が国内ゼネコンの中でトップを誇るのが清水建設です。建築工事だけでなく、メンテナンスにも強み持っています。歌舞伎座タワーなどを手掛けました。

・大成建設株式会社

海外のインフラ整備を行っていることでも知られる大成建設は、スーパーゼネコンで唯一、非同族経営の会社です。羽田国際ターミナルなどを手掛けています。

・株式会社竹中工務店

竹中工務店は、建築工事に特化していることが特徴的な会社です。比率としては、建築工事が90%以上を占めているといいます。東京タワーや、あべのハルカスを手掛けました。

まとめ

デベロッパーを表す言葉として、「まちづくりの総合プロデューサー」という言葉があります。街の開発プランを立て、工事の進行を管理し、完成した施設を管理し、地域住民との関係を大切にしながら地域の価値向上を実践する。まさにデベロッパーは、プロデューサーのような存在です。
私たちの住む街のランドマークには、きっとデベロッパーが関わっています。そこには、デベロッパーの「地域を活性化したい」という強い思いが詰まっているのかもしれません。

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