「現場代理人とはどんな仕事をするのだろうか」
「現場監督や主任技術者との違いがわからない」
このように現場代理人というポジションについて、仕事内容や必要な資格などが分からない人も多いのではないでしょうか。
本記事では現場代理人の仕事内容やルール、必要な資格などを詳しく解説します。建築・建設業界を目指したい人や現場代理人の仕事に興味がある人は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
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目次
現場代理人とは
現場代理人とは、所属する建設会社の代理人として、工事現場の全責任を担う責任者のことです。
工事現場では、工程管理や安全管理など、管理・確認業務が多く存在します。本来であれば、工事を行っている企業の経営者が責任を持って指揮をするのが望ましいです。
しかし、複数の現場を同時進行している場合、経営者一人で全現場を確認するのは困難です。そのため現場代理人が、経営責任者の代わりになり現場の指揮にあたります。
現場代理人の仕事内容
現場代理人の仕事内容は、主に以下の3つです。
- 工程表の作成や工程管理
- 工事内容の情報収集や関係者などへの周知徹底
- 建設機器や建材の適切な配置と作業における安全確認の徹底
工事が行われる当日だけではなく、工程表の作成や人員確保、関係者との協議などを含めて、事前に動き始める必要があります。
また、管理が主な業務である現場代理人は、直接的な施工作業には加わりません。その代わり、作業内容や工事進捗を確認するため、建築や土木工事に関する幅広い知識が求められます。
現場代理人になるのに必要な資格
現場代理人になるのに、建築士や宅地建物取引士のような特定の資格は必要ありません。ただし、現場代理人と工事の元請け会社との間に、3ヵ月以上の直接的な雇用関係があることを条件にしている場合もあります。具体的な要件は、発注者によって異なるため、必ずしも雇用関係が必要とは限りません。
現場代理人は立場上、主任技術者や現場監督を兼務するケースがあります。その場合は、それぞれ求められる資格が必要です。
現場代理人になる方法
前述の通り、現場代理人になるために特別必要とされる資格はありません。
法律には、現場代理人の配置に関する規定はないので、資格がなくても現場代理人として仕事をすることができます。
規定上では、資格は不要とされていますが、実際には現場代理人が主任具術者や管理技術者を兼ねているケースが多いです。そのため、施工管理技士の資格を持っている人材が現場代理人として配置されることが一般的となっています。
現場代理人が守るべき仕事のルール
現場代理人が守るルールには、以下の5つがあります。
- 現場代理人を選任したら発注者に通知する
- 工事現場に常駐する
- 原則として途中で他の人に変われない
- 兼務について
- 現場代理人の配置義務
それぞれ詳しく解説します。
現場代理人を選任したら発注者に通知する
現場代理人を選任したら、基本的に発注者に通知する義務があります。(参照:建設業法 第十九条の二)
なぜなら、発注者と現場とで円滑なコミニケーションをとる必要があるからです。発注者も現場の責任者が分からなければ、現状の確認や指示だしなども行えません。誰が何を代理するのかを明確にすることが大切です。
工事現場に常駐する
現場代理人は、工事現場に常駐する必要があります。常駐する期間は、基本的に着手日から受注者の工事完成後の検査が終了するまでの期間です。(期間は市区町村によって異なる場合があるので、確認が必要です。)
ただし、発注者と現場代理人との連絡手段に問題がない場合や、工事進捗に問題がない場合は現場に常駐する必要がありません。例えば、工事が一時的に中断する場合や現場事務所の設置、資材の搬入時などが該当します。
原則として途中で他の人に変われない
現場代理人は、担当する現場の施行中に他の人に変われない決まりです。
以下のような理由から、基本的に変更は認められません。
- 引き継ぎに時間がかかってしまう
- 工程管理や安全管理での情報共有にモレが発生してしまう
- 共有モレや認識違いが発生することで、工期の遅れや事故に繋がってしまう
自治体によってルールに違いがあるため、必ずしも変更できないわけではありません。
兼務について
法律上の制限がないため、現場代理人と主任技術者や監理技術者との兼務は可能です。ただし、契約内容によっては個別に認めない可能性もあるので、確認する必要があります。
また、現場代理人として、2つ以上の現場を兼務できるケースもあります。ただし、兼務するための条件があり、兼任する工事の数が少ない場合や現場間の距離などが考慮されるため、事前確認が必要です。
現場代理人の配置義務
現場代理人には、法律で定められた配置義務は存在しません。
そのため、絶対に配置しなければならないというものではありませんが、配置することが望ましいとされています。
なぜなら、現場代理人は契約上のトラブルを防止し、適正に請負契約をおこなうという役割を担っているからです。
責任が思い請負契約を、問題なく進めるためには、配置することが望ましいという位置付けなのです。
現場代理人に必要なスキル
現場代理人には守るべきルールとして、以下の4つが存在します。
- 管理能力
- コミュニケーション能力
- 契約に関する知識
- お金に関する知識
それぞれ詳しく解説します。
管理能力
現場代理人の仕事としては、現場を取り仕切る管理業務が大部分を占めます。そのため、的確な指示を出して作業員を管理する能力は欠かせません。もしも管理ができていない場合は、工期通りに作業が進まず、さらに事故のリスクも高まります。
社内研修などを通して、建築現場を管理するポイントを把握することが大切です。ただし、現場管理を行うのには管理能力だけでは足りません。なぜなら、作業は人が行うことであり、どれだけ管理を徹底していても不測の事態が起きる可能性があるからです。
その時々に合わせた適切な判断が求められるため、管理能力に加えて判断力も必要になります。
コミュニケーション能力
現場代理人には、コミュニケーション能力も必要なスキルの一つです。なぜなら、作業員とだけやり取りをするわけではなく、協力会社や発注者などの工事関係者ともしっかりとコミュニケーションを取る必要があるからです。
また、トラブルが発生した際には、トラブルへの対処や関係各位・近隣住民からの質問に対応する必要もあります。コミュニケーション能力があることで、トラブルへの対応もスムーズに行えますし、普段から工事関係者と積極的にコミュニケーションをとっておくことで、工事を円滑に進めやすくなります。
契約に関する知識
工事発注者との請負契約において、現場代理人が責任者として代わりに契約する必要があります。「代理人だから大丈夫だろう」と、安易な気持ちで契約内容を確認せずに契約してしまうと、重大なトラブルに発展する可能性もあります。
場合によっては、契約違反として損害賠償を請求される恐れもあるでしょう。
そのためにも、契約に関する正しい知識を身につけて、書面を確認するポイントを把握するのが大切です。
お金に関する知識
工事代金の請求や受領に関しても、現場代理人の業務であるため、金銭感覚も現場代理人として身につけておくべき知識の一つです。請負金額が数億・数十億円といった高額な工事現場では、資材や人件費の金額が大きくなり、取引する業者も増えていきます。そのため、現場管理と同様に、金銭管理も非常に重要です。
また、請求や受領に遅れが発生するなど、代金の受け渡しに問題が発生すれば、自社の資金繰りに影響が出るケースも少なくありません。そうなると、協力業者などのほかの工事関係者にも迷惑がかかってしまいます。
工事をスムーズにトラブルなく終わらせるには、お金に関する知識も必須ということです。
現場監督・主任技術者・管理技術者との違い
現場代理人と似ている業務として、現場監督・主任技術者・管理技術者があります。
それぞれ詳しく解説します。
現場監督とは
現場監督とは、工事現場に常駐し、工程管理や品質管理、安全管理を行う者のことです。特別な資格や法律上の定義はなく、主任技術者や監理技術者が兼任するケースがあります。
具体的には、以下の仕事があげられます。
- 建設工事における技術上の管理
- 工事施工計画の作成
- 工程管理
- 品質管理
- 安全管理
- 施工費用の管理
- 技術上の指導 など
担当する工事がスケジュール通りに進んでいるか、品質は問題ないかを確認します。現場全体を取り締まったり請負代金の金額変更や請求のやりとりをする権限はありません。
現場代理人 | 現場監督 | |
役割 | 工事請負人の代理人であり、工事全体の責任者の役割がある。 | 建設現場の工事責任者 |
業務内容 | ・工程管理 ・安全管理 ・工事全体の統括 ・金銭面の管理 ・協力会社への連絡 など | ・建設工事における技術上の管理 ・工事施工計画の作成 ・工程管理 ・品質管理 ・安全管理 ・施工費用の管理 ・技術上の指導 など |
資格や要件の有無 | 資格は必要なし。 ただし、基本的に工事の元請会社と直接的な雇用関係が3ヵ月以上ある人という条件がある。 | 資格は必要なし。法律上の定義はなく、現場代理人や主任技術者、監理技術者を現場監督として配置するケースが多い。 |
主任技術者とは
主任技術者は、品質管理や安全管理、工程管理などの管理・監督を行ない、作業員にとって適切な施工ができる環境を整えるのが仕事です。請負金額に関係なく、すべての工事現場に配置が義務付けられています。
主任技術者になるには、担当する工事の種類に応じて、1級または2級の国家資格を取得する必要があります。
具体的には、以下の仕事があげられます。
- 施工計画の作成
- 工程管理
- 品質管理
- 技術的指導
管理がメインの仕事であるため、現場代理人と兼務することも少なくありません。
現場代理人 | 主任技術者 | |
役割 | 工事請負人の代理人であり、工事全体の責任者の役割がある。 | 施工に関する技術の管理・監督をする者。請負金額を問わず、すべての工事現場に配置が義務付けられている。 |
業務内容 | ・工程管理 ・安全管理 ・工事全体の統括 ・金銭面の管理 ・協力会社への連絡 など | ・施工計画の作成 ・工程管理 ・品質管理 ・技術的指導 など |
資格や要件の有無 | 資格は必要なし。ただし、基本的に工事の元請会社と直接的な雇用関係が3ヵ月以上ある人という条件がある。 | 工事の種類に応じた1級・2級の国家資格を有する必要があり、かつ実務経験者。 |
管理技術者とは
管理技術者は、請負金額が4,500万円以上(建築一式工事であれば、7,000万円以上)の下請契約を契約した工事において、配置が義務付けられています。役割は、主任技術者と同じく、施工技術における管理・監督です。
主任技術者になるには、担当する工事の種類に応じて、1級の国家資格を取得する必要があります。
具体的には、以下の仕事があげられます。
- 施工計画の作成
- 工程管理
- 品質管理
- 安全管理
- 技術的指導
- 下請け業者への指導・監督
仕事内容は主任技術者と大きな違いはありませんが、下請け業者への適切な指導・監督も業務に入ります。立場は主任技術者よりも上になるため、求められるレベルが高くなるのが特徴です。
現場代理人 | 管理技術者 | |
役割 | 工事請負人の代理人であり、工事全体の責任者の役割がある。 | 施工に関する技術の管理・監督をする者。発注者から直接工事を請け負い、4,500万円以上の下請契約を締結した工事で配置が義務付けられている。 |
業務内容 | ・工程管理 ・安全管理 ・工事全体の統括 ・金銭面の管理 ・協力会社への連絡 など | ・施工計画の作成 ・工程管理 ・品質管理 ・技術的指導 ・下請け業者の指導 など |
資格や要件の有無 | 資格は必要なし。ただし、基本的に工事の元請会社と直接的な雇用関係が3ヵ月以上ある人という条件がある。 | 工事の種類に応じた1級国家資格を有する必要がある。 |
現場代理人に向いている人の特徴
現場代理人には、どのような人が向いているのでしょうか。
現場代理人に向いている人の特徴を紹介します。
- 仕事に対する熱意がある人
- 現場に関する理解がある人
それぞれ詳しく解説していきます。
仕事に対する熱意がある人
現場代理人の仕事は、工事現場に来て偉そうに指示を出しているだけでは務まりません。
周囲からの信頼を得るためには、仕事に対して熱意をもって取り組み、しっかりと現場代理人としての役割を果たしているということを認めてもらう必要があります。
コミュニケーションだけでなく、仕事に対する姿勢も見られているので、ひたむきに努力できる、仕事に対する熱意を持っている人は、現場代理人に向いていると言えるでしょう。
現場に関する理解がある人
現場代理人は、工事を統率するという重要な役割を担っています。
そのため、法律上は誰でもなれる現場代理人ですが、現場に関する一定の知識や理解を持っておく必要があります。
なぜその作業が必要なのか、作業員は何を求めているのかを理解することや、理解しようとすることが現場代理人に求められるのです。
まとめ
本記事では、現場代理人の仕事内容や他の仕事との違いについて詳しく解説しました。
現場代理人とは、所属する建設会社の代理人として、工事現場の全責任を担う責任者のことです。現場代理人として働くのには、特別な資格は必要ありません。しかし、工事関係者や近隣住民から説明を求められたり、スケジュール通りに安全な施工を実施するには、建築や工事に関する深い知識を必要とします。
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