
建設業界におけるコンクリート技士の役割は非常に重要であり、その専門性は建築物の品質と安全性を大きく左右します。
この記事では、コンクリート技士とは何か、彼らがどのような仕事を行い、どのような知識や技術が求められるのかを詳しく解説。また、コンクリート技士の資格を取得することのメリットや、資格取得後のキャリアパスについても掘り下げていきます。
コンクリート技士という職業に興味がある方、建設業界でのキャリアアップを考えている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
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目次
コンクリート技士とは
コンクリート技士は、公益財団法人日本コンクリート工学会が認定する資格のこと。建築物や土木構造物の品質と安全性を保証するために、コンクリートの製造から施工、検査に至るまでの全過程に関わる専門家です。
コンクリート技士資格の取得者は、コンクリートの品質管理、施工の監督、検査など、コンクリートに関するあらゆる工程において重要な役割を担います。
コンクリート技士とコンクリート主任技士の2種類があり、それぞれに業務の内容が異なります。
さらに、コンクリート技士によく似た資格にコンクリート診断士というものもあります。
それぞれの資格の特徴や違いについて見ていきましょう。
コンクリート技士とコンクリート主任技士の違い
コンクリート技士とコンクリート主任技士は、似ているようでいて、その職務内容と責任範囲において大きな違いがあります。
コンクリート技士は主にコンクリートの品質管理や施工の監督を行うのに対し、コンクリート主任技士はプロジェクト全体の管理や指導を行い、より高度な技術と知識が求められます。
コンクリート主任技士は、プロジェクトの成功を左右する重要なポジションであり、技士よりも広範な知識と経験が必要とされるのです。
コンクリート技士とコンクリート診断士の違い
コンクリート技士とコンクリート診断士は、それぞれ異なる専門性を持っています。
コンクリート技士は製造や施工の段階に関わるのに対し、コンクリート診断士は既存のコンクリート構造物の健全性を診断し、補修や補強の提案を行います。
コンクリート診断士は、建築物の長期的な安全性と維持管理を担う重要な役割を果たし、特に老朽化した建築物の評価や改修計画の策定において重要です。
コンクリート技士の主な仕事内容
コンクリート技士の仕事内容は多岐にわたり、建設プロジェクトの成功には必要不可欠です。
コンクリート技士の主な仕事内容は以下の通りです。
- コンクリートの製造
- 製造したコンクリートの検査や管理
- コンクリートの施工
ひとつずつ詳しく解説していきます。
コンクリートの製造
コンクリート技士は、コンクリートの品質を左右する製造段階において、材料の選定、配合比の決定、品質管理を行います。
コンクリート技士はコンクリートの強度や耐久性、環境への影響などを考慮し、最適な配合を決定します。
また、製造過程での温度管理や混合方法など、細部にわたる品質管理も重要な役割です。
製造したコンクリートの検査や管理
製造されたコンクリートは、その品質が基準を満たしているかを確認するために検査されます。
コンクリート技士はこれらの検査を行い、品質が保たれていることを保証します。この段階では、圧縮強度試験や浸透性試験など、様々な試験が行われます。
コンクリートの施工
コンクリートの施工においても、コンクリート技士は重要な役割を果たします。
コンクリート技士は、適切な施工方法の選定や施工中の品質管理を行い、安全で耐久性のある建築物の建設に貢献しています。
施工段階には、コンクリートの打設、養生、仕上げなど、多くの工程があり、コンクリート技士は、これらの工程が適切に行われるよう監督し、環境条件や材料の特性に応じた最適な施工方法を選定します。
また、コンクリートが適切に硬化するための環境を保つための養生方法の選定や、仕上げの品質を確保するための監督もコンクリート技士の仕事です。
コンクリート技士の年収相場

コンクリート技士の年収は、その経験や勤務する企業の規模、地域によって異なりますが、一般的には年収400万円から600万円程度が相場とされています。一般的なサラリーマンの平均年収が約460万円ほどなので、年収400から600万円というのは、平均的かやや高いと言えるのではないでしょうか。
技術や経験が豊富な技士は、さらに高い年収を得ることも可能です。特に大規模なプロジェクトや特殊な技術を要する案件に携わる技士は、高い報酬を得ることが期待できます。
コンクリート技士の資格を取得するメリット
コンクリート技士の資格を取得することには、以下のように多くのメリットがあります。
- 生コンクリート業やコンクリートの試験場など活躍の場が広がる
- 資格手当の付与や評価の向上による年収アップが見込める
- コンクリート診断士の受験資格が得られる
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
生コンクリート業やコンクリートの試験場など活躍の場が広がる
コンクリート技士の資格を持つことで、生コンクリート業やコンクリートの試験場など、より専門的な分野での活躍が可能になります。
これらの分野では、コンクリートの品質を左右する重要な役割を担い、より専門的な知識と技術が求められます。
コンクリート技士の資格を持つことで、これらの分野での就職や昇進のチャンスが増えるだけでなく、専門性を活かしたキャリアを築くことができます。
資格手当の付与や評価の向上による年収アップが見込める
多くの企業では、資格を持つ従業員に対して資格手当を支給しています。
また、専門的な知識と技術を持つことで、評価が高まり年収アップにつながることもあります。
コンクリート技士の資格を持つことは、専門性が認められ、より良い条件での雇用につながるでしょう。
コンクリート診断士の受験資格が得られる
コンクリート技士の資格を取得することで、さらに上位の資格であるコンクリート診断士の受験資格を得ることができます。
コンクリート診断士は、建築物の安全性や耐久性を診断する高度な専門知識を要する資格であり、この資格を持つことで、さらに専門性の高い分野での活躍が期待できます。
コンクリート技士試験の概要
コンクリート技士の資格を取得するには、試験に合格しなければなりません。
コンクリート技士試験の受験資格
コンクリート技士試験を受験するためには、資格、実務経験、学歴のいずれかで受験資格を満たしている必要があります。受験を検討している場合は、事前に受験資格について確認しておきましょう。
【資格】
以下の資格の中でいずれかひとつを持っている場合、受験資格を得ることができます。
- コンクリート診断士
- 一級建築士
- 技術士(建設部門)
- 技術士(農業部門・農業土木)
- 土木技術者
- RCCM
- コンクリート構造診断士
【実務経験】
コンクリートに関わる業務での実務経験が3年以上ある場合、受験資格を得られます。実務経験として認められる業務は、コンクリートの技術関係業務である以下のような業務である必要があります。
- コンクリートの設計
- コンクリートの品質管理・施工管理
- コンクリートの試験・研究
【学歴・実務経験】
大学や短期大学、高等専門学校、高等学校などでコンクリート技術に関する科目を履修し、卒業した場合、必要な実務経験が2年に短縮されます。
コンクリート工学や建築材料学、セメント化学などを学んでいた経験があれば、通常よりも短い実務経験で受験資格を得ることができます。
試験の内容
コンクリート技士試験は年に1回、全国9都市で開催されます。受験費用は10,000円ほどです。
内容としては以下のような問題がよく出題されます。
- コンクリートの配合設計について
- コンクリートの試験について
- コンクリートの製造や品質管理について
- コンクリートの施工について
- 関係法令に関する問題
試験内容や問題形式は頻繁に変更になるため、受験前に最新の情報をリサーチしておきましょう。
コンクリート技士試験の難易度
この試験は、専門的な知識と実務経験が求められるため、合格率は比較的低めで例年30%前後です。
直近3年間分の受験人数や合格率などを以下の表にまとめました。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和4年度 | 8,672人 | 2,764人 | 31.9% |
令和3年度 | 9,037人 | 2,762人 | 30.6% |
令和2年度 | 8,149人 | 2,501人 | 30.7% |
参考:公益財団法人日本コンクリート工学会|コンクリート技士・主任技士 試験結果の概況
合格率は決して高いとは言えない試験ではありますが、しっかりとした事前準備と勉強をして対策をすれば、合格の可能性は十分にあるでしょう。
試験の合格には、実務経験に基づく応用力と、幅広い知識を習得することが重要なポイントです。
試験合格後は登録が必要
コンクリート技士試験に合格した場合、正式にコンクリート技士として認定されるためには、所定の登録手続きをおこなう必要があります。
この登録を行うことで、正式にコンクリート技士としての活動が可能になります。登録手続きには、必要な書類の提出や登録料の支払いなどが含まれます。
試験に合格したら、忘れずに登録手続きをしましょう。
まとめ
コンクリート技士は、建設業界において必要不可欠な専門家です。コンクリート技士がいなければ、コンクリートが必要とされる工事をおこなうことはできないのです。
コンクリート技士資格の取得には経験や努力が必要ですが、取得することのメリットは大きく、自分自身の建設業界でのキャリアアップに大いに貢献します。
コンクリート技士としての知識と技術を身につけ、建設業界での活躍を目指してみてはいかがでしょうか。
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