地盤アンカー工法(グランドアンカー工法)とは?活用の事例と注意点

「地盤アンカー工法とはどのような工法なのだろうか」

「地盤アンカー工法の事例があれば知りたい」

土木・建築業の仕事が気になっている人のなかには、このように地盤アンカー工法に関して詳しく知りたい人も多いのではないでしょうか。

地盤アンカー工法は、山の斜面において地すべり防止で行なったり、高層建築物の地震対策で設置したりします。どちらも安定性を向上させ、災害時の地すべりや揺れを防ぐために行う工事です。

そこで本記事では、地盤アンカー工法の概要や種類、用途、注意点などを詳しく解説します。

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地盤アンカー工法とは?種類と構造

地盤アンカー工法はグラウンドアンカー工法とも呼ばれ、地盤改良工事の一種です。基本的に「アンカー体」「引っ張り部」「アンカー頭部」という、3つで構成されています。

地盤アンカー工法には、以下の3つがあります。

  • 摩擦型アンカー
  • 支圧型アンカー
  • 複合型アンカー

それぞれ詳しく解説します。

地盤アンカー工法とは

地盤アンカー工法とは、山留め工事と呼ばれる地盤改良工事の一種です。山留めなので、斜面や掘削工事における壁面の安定性を確保する際に採用されるのが一般的です。

具体的な工事内容としては、アンカーボルトと呼ばれる土台に対して部材を固定するための部品を地盤に打ち込み、固定して地盤を安定させます。

地盤の安全性や耐震性に不安がある場合に、地盤アンカー工法を利用することで、強固な支持力を生み出すことが可能です。その結果、地すべりや崩壊といった危険性を低減させられます。

また、現場の地質に左右されにくく、斜面工事や地下掘削工事、海岸防護など幅広く活用できます。さらに、作業スペースが限られている現場や既存建物の近隣で工事する必要がある際にも有効な手段です。

地盤アンカー工法を行うには、事前の地質調査や構造計算を基にした正確な設計などが必要になるため、専門的な知識と経験が求められます。

地盤アンカー工法とつながりのある、地盤改良工事については以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

摩擦型アンカー

摩擦型アンカーとは、アンカー体とその周りの地盤に働く周辺摩擦によって引張る力を生み出し地盤に伝える方法のことです。

摩擦型アンカーでは、引張り応力と圧縮応力という2種類の応力(物体の内部に発生する力の大きさや方向を表すために用いる物理量のこと)が発生します。引張り応力が発生する際は引張りアンカーになり、圧縮応力が発生する際は圧縮型アンカーになります。

アンカー体は細長い形状をしています。

支圧型アンカー

支圧型アンカーとは、アンカー体の上部に働く抵抗の力を利用して支える工法のことです。受動土圧と呼ばれる、盛土や建築物の壁などから外力を受けて、壁に接している土を押し出す力を利用します。この土の抵抗によって、引張り力が地盤に伝達されることで支えられます。

軟弱地盤でも大きな耐力を得られるのが特徴です。

細長いアンカーを地中に埋めた後で、グラウト(地盤補強で使用される無収縮モルタルのこと)を注入し、アンカーを円柱状に膨張させるものもあります。

アンカー体は、横長の平べったい形になります。

複合型アンカー

複合型アンカーは摩擦型と支圧型の両方の特性を持っており、周辺摩擦によって起こる引張り力と支圧抵抗による引張り力が加わり、アンカー体を支えます。

アンカー体の形は、縦にも横にも広がった形状をしており、全体に力がかかるように作られています。

地盤アンカー工法の用途と事例

地盤アンカーがリスクへの備えであったり建築物の補強に使われたりするのは、前章で解説した通りですが、具体的な使われ方がわからない人もいるのではないでしょうか。

そこで本章では、地盤アンカー工法の用途と事例を詳しく解説します。

具体的には、以下3つの用途があります。

  • 山留め、のり面を安定させる
  • 建築物・塔状の縦長構造物の耐震
  • 港湾構造物・建築物などを補強

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

山留め、のり面を安定させる

地盤アンカー工法の用途の1つ目としては、山留めやのり面を安定させるために行うのが挙げられます。

山留めやのり面と言っても、以下のような対策で利用されます。

  • 切土のり面の安定化
  • 擁壁の安定化
  • 川や海などの水面につながる斜面の安定化
  • 大規模な地すべりの防止

高速道路を走行中に山の壁面に造られた擁壁に、アンカーが差し込まれたのを見たことがある人もいるのではないでしょうか?大雨や地震の際に、崩落や山崩れが起きないようにアンカーを設置して固定します。

アンカーを打ち込む際は、斜面と垂直になるように打ち込んで固定するのが一般的です。

切り出した斜面や造成工事で切土を行なった場合、そのまま放置すると土のなかに含まれる水分量が増えることで地すべりに繋がります。このような事故や崩落を防止するために、地盤アンカー工法が用いられるのです。

のり面工事について詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。

建築物・塔状の縦長構造物の耐震

地盤アンカー工法の用途の2つ目としては、建築物・塔状の縦長構造物の耐震を向上させる目的が挙げられます。

建築物や塔状とは、具体的に以下のものがあります。

  • 高層ビル
  • 電波塔
  • レーダー塔
  • 風力発電塔 など

これらの高層建築物は、強風や地震発生時に影響を受けやすいため、建物の耐震性と安定性を高めるために地盤アンカーを用いて補強します。アンカー工事を行う際は、用地を有効活用するために建築物の真下に向けてアンカーを伸ばし固定します。

港湾構造物・海洋建築物などを補強

地盤アンカー工法の用途の3つ目としては、港湾構造物や海洋建築物などの補強をする際に行うのが挙げられます。

港湾構造物や海洋建築物には、以下のものが該当します。

  • 岸壁
  • 防波堤
  • 防潮堤 など

具体的に挙げられる工事は以下の通りです。

  • ブロック岸壁の耐震化
  • ケーソン岸壁の耐震化
  • 防波堤の機能強化
  • 防潮堤の機能強化
  • 矢板岸壁の安定 など

工事内容によって、壁面に対して平行に打ち込む場合や斜めに打ち込む場合に分かれます。防波堤や防潮堤の補強工事では、アンカーをクロスさせて、両側から伝えられる力に対して補強工事をするケースもあります。

地盤アンカー工法の注意点

地盤アンカー工法は、建築・土木業に携わるうえで欠かせない重要な工法です。

建築物・擁壁の安定化や斜面・のり面に用いることで崩落や地すべりを防止するという効果がありますが、注意点も存在します。

地盤アンカー工法の注意点は、以下の4つです。

  • 移動方法と平行に打設
  • 地すべり土塊の圧縮部(末端部)に設置
  • すべり面より奥の安定した地盤に設定
  • 鋼材部分の防錆

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

移動方向と平行に打設

地盤アンカー工法の注意点の1つ目は、移動方向と平行に打設することです。

アンカーを打ち込む際は、土がすべる方向に合わせて並行に打設するのが好ましいです。

地すべりの方向が定かでない場合や大きな誤差が生まれると予想される場合は、地盤アンカー工法自体が不向きといえます。そのような場合には、抑止杭等を検討しましょう。

地すべり土塊の圧縮部(末端部)に設置

地盤アンカー工法の注意点の2つ目は、地すべり土塊の圧縮部分に設置するということです。

地すべり土塊とは、斜面の地すべりによって下方へ移動した土の塊のことをいいます。地すべりによって発生した土の塊は、当然末端部分に重量がかかり圧縮される形になります。圧縮されている部分は、安定性が高いため、アンカーを設置する際は、末端の圧縮部分に行わなければなりません。

また、アンカーを設置する際には、山側斜面における受動破壊についても、十分に検討し対策しておく必要があります。

すべり面より奥の安定した地盤に設定

地盤アンカー工法の注意点の3つ目は、すべり面よりも奥の安定した地盤に設置することです。

地盤状況によっては、斜面の表面がすべり面になっており、不安定な場合があります。すべり面の上やすべり面内にアンカーを固定すると、地すべりが発生した際にアンカーごと崩落してしまう危険性があります。

そのため、アンカーを設置する際は必ず地盤調査を行い、すべり面の位置確認とすべり面奥の安定した地盤に設置するようにしましょう。

地盤状況の確認では、グラウトと地盤の周面摩擦抵抗力を評価する必要があります。周面摩擦抵抗力を計算で求める際は、アンカー引き抜き試験を行うようにしましょう。

鋼材部分の防錆

地盤アンカー工法の注意点の4つ目は、鋼材部分の錆防止のことです。

地盤によっては、温泉地や強酸性地盤などアンカーの鋼材部分を腐食してしまう場合があります。腐食によって錆びてしまうと、アンカーの耐久性が下がってしまい地すべりや建物の傾きといった事故につながる可能性があります。

アンカーの鋼材部分は二重防錆が原則ですが、地質に適した材料の選定に注意しましょう。

まとめ

本記事では、地盤アンカー工法の概要や用途、注意点を詳しく解説しました。

地盤アンカー工法とは、山留め工事と呼ばれる地盤改良工事の一種です。山留めなので、斜面や掘削工事における壁面の安定性を確保する際に採用されるのが一般的です。

地盤アンカー工法には、以下の3種類があります。

  • 摩擦型アンカー
  • 支圧型アンカー
  • 複合型アンカー

地盤の状況や建築物の種類などによって、でも使用すアンカーの種類が異なります。
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