激務?暇すぎ?建築会社を支える「現場事務」の仕事について徹底解説!

「現場事務の仕事って、狭いプレハブに閉じこもってきつい仕事という印象がある」
「ほぼ男性しかいないから、女性一人で働くには抵抗がある」

現場事務のお仕事に興味がある女性のみなさんの中には、こんな不安を抱えている人もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし入ってみたら想像と違ったという声も多いのが現実です。

この記事では、現場事務の仕事内容・現場事務に向いている人・現場事務で役立つ資格などについて紹介しています。

現場事務のリアルを知れば、女性にとっても働きやすい職場であることや、メリットの多い仕事であることがわかりますよ。

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現場事務の仕事内容は多岐に渡る

建設現場事務での仕事内容は、パソコンを使った事務作業から雑用までさまざまです。

  • 納品書、伝票整理
  • 請求書などの会計処理
  • 電話番
  • 契約書整理
  • 資料作り
  • お弁当注文
  • 掃除
  • 慰労会での買い出しや簡単な調理

一定の期間を他のスタッフさんと過ごすことになるので、身の回りの整理整頓など、雑用も仕事のうちと考えておきましょう。

勤務場所

「どのような場所で働くか」という環境についても気になりますよね。

現場事務所はプレハブを設置することがほとんどです。

プレハブというと暑くて寒くて汚い場所を想像されるかもしれませんが、エアコンがついていて過ごしやすく、担当の清掃員がいてきれいに保ってくれることもあります。

なかには事務の女性が掃除を担当することもあるようですが、どちらにしても汚い空間であるというイメージとは違います。

というのも女性がいると男性スタッフは比較的きれいに保とうとしてくれるため、ひどい状態にはなりにくい傾向があるためです。

勤務場所で気になる設備をさらに2ヵ所ご紹介します。

トイレ

仮設トイレが1つしかない場合や、ワンルームの工事などでトイレが1つしかついていない場合、どうしても男女共用になるシーンがあります。

男性スタッフの全員が作業している間に利用するなどして、タイミングを工夫される人も多いようです。

更衣室

更衣室は男性と兼用の現場もあります。

しかし原則的に使用時間を分けているため、着替えの間は鍵をかけるなどしてプライベートな空間を守れるようになっています。

勤務時の服装

服装は自由なことも多く、比較的カジュアルな格好で出勤できます。

企業によりますが、制服を採用している場合は作業着を貸与されます。

制服の例:シャツ、スカート、ジャケット、パンプス

給料

週40時間勤務として計算すると、年収の相場は以下のような結果になります。

都道府県現場事務の年収相場一般事務の年収相場現場事務の収入差
東京468万円457万円+11万円
大阪342万円387万円-45万円
福岡333万円345万円-12万円
北海道345万円337万円+8万円
福島県330万円313万円+17万円
愛知県395万円377万円+18万円

このように並べてみると、現場事務の収入にも地域による差があることがわかります。

一般事務と比べると、現場事務の給料の方が高い地域が半数以上です。事務の仕事を探すなら、現場事務も視野に入れるべき理由の一つです。

現場事務として働くメリット・デメリット

女性が現場事務で働くにあたって、メリットとデメリットが存在しています。特殊な環境での仕事ですので、よく見極めてくださいね。

メリット

建設業の現場事務で女性が働く7つのメリットを紹介します。

1.普通の事務より給料が高め

前述したように、一般事務に比べると給料が高い傾向にあります。

初任給を見てみると、建築会社事務の月給平均は235,200円と、事務職の中では第3位の高水準です。

2.女同士の争いがない

同じ現場に女性がいても気さくな人が多く、さっぱりとした人間関係を築くことが期待できます。

3.紅一点だと何かと優しくしてもらえる

女性の苦労は男性にも伝わっているので、何事にも協力的で感謝の表現をもらえます。

下請けの会社の社長に差し入れをもらったり、男性スタッフもいい意味で甘やかしてくれることも多いようです。

女性が一人で辛い思いをしないよう、男性は女性を配慮し大切にしてくれるという点で、他にない働きやすさがあります。

4.得られるスキルが多い

「何でも屋」といわれるほど多岐に渡った業務を担当するため、パソコンや対人関係において得られるスキルは自然に多くなります。

その中でも特徴的なものを2つご紹介します。

建築における専門的な知識現場で設計士が扱うCADという図面修正の仕事を頼まれることも。
コミュニケーションスキルプロジェクトが新しくなる度に違う作業員さんと働いたり、大所帯で働いたりする機会が多いため、自然に身についていく。

5.ものづくりにかかわる仕事ができる

ものづくりに関わる仕事をするうえで、現場作業員として働くには体力的に難しい人もいらっしゃるでしょう。

しかし現場事務なら女も就業しやすい職場です。縁の下の力持ちとしてスタッフを裏から支えるお仕事で、非常にやりがいがありますよ。

6.プロジェクト完了の達成感を味わえる

現場事務の面白さとして紹介されるのは、プロジェクトが完成した時の達成感です。実際に工事する人間ではなくとも、目の前でものが出来上がっていく様子は圧巻。

一つのプロジェクトが終了したら、また「新しい環境で」「新たな目標に向かって」「新たな仲間と」取り組んでいきます。プロジェクト完了を目指して新鮮な気持ちで仕事に取り組めるのも楽しさの理由です。

7.CADオペレーター希望の人はスキルアップできる

CADオペレータを目指している人は、就職活動の際に実務経験が求められることもしばしばあります。

そのため未経験からスキルアップしたい人は、現場事務からチャレンジするのも有効です。建築・土木工事の現場での経験は必ず活かせますよ。

デメリット

建設業の現場事務で女性が働く6つのデメリットを紹介します。

1.少なからず男尊女卑がある

残念ながら「女性は◯◯をするべき」という考え方を持つ人はいます。

「来客対応のお茶出しは女性がするのは当たり前」、「男性のサポートをするのは女性の勤め」と考えているスタッフもいるかもしれません。

すべてを真に受けてネガティブにならないよう、メンタルコントロールをする心がけが大切です。

2.女性の体調不良に理解が浅い

しょうがないこととはいえ、男性には女性の体の変化は伝わりにくいものです。

例えば生理痛がひどくても理解されなかったり、冷暖房の温度が極端で調整してほしくても聞き入れてもらえなかったり…。伝えなくてはわかってもらえないので、はっきり説明しましょう。

3.話し相手や相談相手がいない

女性の同僚や上司がいないため、相談相手になってくれる人が少ないと感じるかもしれません。

しかし男性の作業員の皆さんも、気を遣って話し相手になってくれます。オープンに話をすることで良好な人間関係を築くきっかけをつくることはできそうです。

4.セクハラされる可能性がある

わざと不快な思いをさせようと発言しているわけではなくとも、セクハラは少なからず発生しています。受け流して対応している人も多いようですが、毅然とした態度で対応することをおすすめします。

言われなければ気づかない人がほとんどですので、自分自身が働きやすい職場にするために指摘することは非常に重要です。

5.業務量が多く定時で帰れない場合と、暇すぎて時間を持て余す場合がある

どこの仕事でも同じことですが、仕事が多い時期にはきついと感じられる人も少なからずいます。しかし現場事務で多いお悩みは、時期によっては仕事が暇すぎることです。

出勤して数時間で全ての仕事を終えてしまい、「残りの数時間をどう過ごすか」、「周りの作業員さんは忙しそうなのに自分だけ暇すぎる」と苦痛に感じることもあります。

不安になる気持ちを割り切って「自分の仕事は終えた」と考えて就業できる人にとってはいいかもしれませんね。

6.禁煙・分煙されていない現場もある

作業員のなかには喫煙する人もいますが、分煙されていない現場もあります。

たばこが苦手な人は、勤務地の設備などを確認したうえで就業しないと厳しい環境になるかもしれません。

現場事務に向いているのはこんな人

現場事務が特殊な環境での仕事であることはおわかりいただけたかと思います。

就業するなら、以下の4つの特徴を持っている人におすすめします。

マルチタスクをこなせる人

さまざまな仕事を同時に進めていくので、1つのことにじっくり取り組みたい「職人タイプ」の人には向いていないかもしれません。

社員も派遣も分け隔てなく働いているため、決められたことを淡々とこなすより、業務の組み立てをして、自分なりに工夫することが求められます。

職場の様子や雰囲気を見て動ける人

現場では大勢の人が仕事をしているので、細かな配慮ができ、機転が利く人はとても重宝されます。

一人の世界に没頭してしまうと仕事が円滑に回らないことも考えられるので、周りの雰囲気を見て仕事を進めることが重要です。

面倒なことや雑用を嫌な顔をせずにこなせる人

チームで仕事をすることがメインですので、嫌な態度があからさまに顔にでてしまう人にはおすすめできません。

過度な指示でない限り雑用なども事務員の仕事のうち、という会社は多いので的確にこなしていきましょう。

明るくポジティブな人

事務職は女性に人気の職種ではありますが、職場の環境が過酷なことも多いため、おしゃれな職場でOLをしたい人には向きません。

現場のスタッフと一緒になって明るくポジティブに、チームワークを重視して仕事することが好きな人におすすめです。

現場事務で持っているスキルを活かせる

現場事務にはいろいろな仕事の要素が詰まっています。すでに持っているスキルが、現場事務では即戦力になるかもしれません。

具体的にどんな業務に役立てられるのか、ご自身に当てはまるものはあるか、参考にしてみてください。

あなたの経験現場事務の実際の業務
経理請求書の処理・小口現金の取り扱い
経理書類作成・案内・掲示物作成
秘書来客応対・所長サポート
案内・接客業・受付業レセプションの準備・対応
テレマーケティング・接客業電話問い合わせ対応
総務・庶務備品管理。会議準備
OA事務請求書の処理・小口現金の取り扱い

もし一つでも当てはまるものがあれば、現場事務の世界でも働きやすい可能性がありますよ。

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現場事務として働く際に役立つ資格

現場事務として仕事をするうえで持っておくと就職に有利になる、もしくは働きやすい資格を6種類ご紹介します。

建設業経理士(建設業経理事務士)

建設業経理士とは、建設業界において必要な財務や経理の専門知識を身につけた証となる資格です。

適切な財務処理をする上で非常に重要な知識を身につけることが可能です。

日商簿記

日商簿記は商工会議所が運営する検定試験の一種で、年間60万人が受験する社会的にも高い信頼と評価を得ている資格です。

簿記とは「企業の大小、業態を問わずに経営行動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技法」のことを指します。

この資格を学ぶことで会計知識や財務諸表を読む力、経営管理や分析力を養えます。

宅地建物取引士

年間約20万人が受験する、日本最大規模の国家資格です。

この資格を持っていれば不動産の取引・契約の場面で有資格者として活躍でき、建築業界の転職・就職活動で有利になりやすい傾向があります。

建築会社においては、自社で建築した物件を販売する際にこの資格が必要なため、資格を持っている人は重宝されますよ。

宅地建物取引士の資格を取ると、不動産の売買や賃貸物件のあっせんをする際に、契約の根幹に関わる下記のような重要事項の説明ができるようになります。

  1. 登記
  2. 不動産の広さ
  3. 飲用水、ガス、電気の供給施設
  4. キャンセルの際の取り決め

CADオペレーター

CADオペレーターとは、CADと呼ばれるツールを操作し、建築・土木・機械などの設計図を作成する仕事です。

設計士やデザイナーと打ち合わせ、パソコン上で引いた図面が施工の現場に渡ります。

現場事務において資格は必ずしも必要ではありませんが、下記のような資格を取得していると就職・転職時に採用率が上がる可能性があります。

CAD利用技術者試験

CAD利用技術者試験は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会によって実施される、CADに関する資格の中では高い認知度がある試験です。

建築CAD検定試験

建築CAD検定試験は日本初の建築CADの資格試験です。CAD教育を実施する専門学校、職業訓練校、スクールなど、700以上の教育機関で採用されています。

CAD実務キャリア認定制度

TCADsと呼ばれる制度で、CAD操作の技術と図面の理解力を990点満点のスコアで評価します。

機械部門と建築部門にわかれており、学科試験と実技試験で構成されています。

秘書検定

秘書検定とは、ビジネス系検定の一種で、オフィスマナーの基礎に強くなります。

どのように対応すれば「感じのいい人」という印象を与えられるか、効率の良い仕事の仕方はどのようなものか、などを学びます。

級によっては人柄の表現力だけでなく、先を読んでサポートする能力など、社会で働く人なら誰でも備えておいて損はない、基本的な常識があることを示す資格です。

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)

社員教育の一環として導入されていることも多いMOSは、エクセルやワードなど、マイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明できる資格です。

何かとパソコンでの作業が多い事務職なので、持っておいて損はありません。

業務や作業効率がアップし、実用的なスキルを身につけられます。

現場事務の求人募集は少なめ

正社員の募集はあるものの、特に多いのは派遣での有期雇用です。

応募が多いのは都市部ですが、工事現場や建設現場での仕事のため、都市部以外でも求人はあります。

自宅からの通勤経路を確認してみると案外通いやすい地域での仕事に出会えるかもしれません。交通費の支給があるかや最寄駅から送迎バスがあるかも確認してみてください。

現場事務の求人は、

  • 大林組
  • 鹿島建設
  • 清水建設
  • 大成建設

などの大手ゼネコンで募集されることが多いようです。

大手なので派遣切りの心配が少なく、安心して働けると好評です。

建築業界の求人を探すならトントン

建築関係専門の求人サイト「トントン」では、建設業界に特化した人材紹介を行っています。

建築業界未経験でもサポートを受けながら仕事を探せるため、現場事務も含め、建築業界で転職や就業をお考えならトントンがおすすめです。

まとめ

建設業の現場事務では下記が身につきます。

  • コミュニケーションスキル
  • 建築事務に特化した経理の知識
  • 建設業界特有のスキル
  • 簿記に関する知識
  • エクセル、ワード、パワーポイントの使用スキル

和気あいあいとした環境で、チームの一員になって働く楽しさを感じてみたい人はぜひ現場事務の世界へ飛び込んでみてくださいね。

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