二級建築士の資格取得は難しい?合格率と勉強のコツを紹介

建築士の国家資格のひとつである二級建築士。

キャリアアップを目指して、二級建築士の資格取得を検討している方もいるのではないでしょうか?

この記事では、二級建築士を取得すると何ができるようになるのか、試験の内容や難易度について詳しく解説していきます。

資格を取得して仕事の幅を広げたいと考えている方の参考になれば幸いです。

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二級建築士とは

二級建築士は各都道府県知事によって認可された国家資格です。

資格取得後は二級建築士の名称を用いて、建築に関するさまざまな業務を請け負えるようになります。

例えば、設計や工事監理、契約に関わる事務、工事現場の指導監督などの業務です。

二級建築士の担当できる物件には制限があり、主に戸建て住宅程度の小規模のものに限られます。

二級建築士になるとできること

二級建築士は戸建て住宅程度の規模であれば、建築構造を問わず設計できます。

具体的には、木造や鉄骨コンクリート造、鉄骨造、石造、レンガ造、コンクリートブロック造などの設計が可能です。

ただし、建築構造によって、設計できるスケールに制限が設けられています。

例えば、木造の場合は3階建てまでで、高さ13mまたは軒高9m以下のものに限られます。

延べ面積の制限は1,000㎡以内です。

その他の鉄筋コンクリート造や鉄骨造などはさらに制限が厳しく、高さが13mまたは軒高9m以下で、延べ面積は300㎡以下に限定されます。

一級建築士との違い

一級建築士と二級建築士の大きな違いは、設計できる建物の規模です。

二級建築士が担当できる範囲は小規模な建物に限定されますが、一級建築士に制限はありません。

学校などの公共施設や、ビルや都市開発などの大規模な建築を手掛けることができます。

その分、一級建築士になる難易度は高く、試験の合格率は例年10%程度です。

ちなみに、二級建築士の合格率は例年25%程度であり、半分以下の合格率であることが分かります。

二級建築士も決して簡単に取得できる資格ではありませんが、将来的に一級建築士を目指す場合は、まず二級の取得を検討することをおすすめします。

一級建築士二級建築士
設計できる建物ビルや都市開発等の大規模建築(制限なし)戸建て住宅程度の建物(制限あり)
試験の難易度合格率10%程度合格率25%程度
年収平均年収は~800万円平均年収は~500万円

二級建築士の合格率

二級建築士の試験は、学科試験と設計製図試験の二段階に分けられており、その両方に合格しなければなりません。

学科試験の例年の合格率は40%程度で、設計製図試験の合格率は50%程度です。

これまで学科試験の合格率の方がやや低い状態が続いています。

総合合格率は年ごとにばらつきはあるものの、概ね20~25%で推移しています。

平成30年~令和4年の過去5年間における、それぞれの試験の平均合格率は以下の通りです。

平均合格率(平成30年~令和4年)
学科試験41.16%
設計製図試験51.08%
総合24.54%

二級建築士の難易度が高い理由  

2級建築士の難易度が高い理由は、試験の難しさだけではありません。

受験資格や独自の合格基準がある、という点も2級建築士の取得が難しい理由です。

以下の3点について、それぞれ次の項目で詳しく解説します。

  • 二級建築士には受験資格があるから
  • 学科試験と設計製図試験の両方に合格しなければならないから
  • 合格基準が設定されているから

二級建築士には受験資格があるから

2級建築士には受験資格が設けられており、この条件を満たしていなければ受験できません。

建築に関する学歴や特定の資格、または実務経験が求められるため、受験資格を得るハードルは国家資格の中でも、やや高めといえるでしょう。

しかし、建築士法改正に伴い、令和2年から受験資格が緩和され、従来対象外とされていた人も受験できるようになりました。

現在の2級建築士の受験資格の条件は以下の通りです。

  • 大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、専修学校、職業訓練校等において、指定科目を修めて卒業した者
  • 建築設備士の資格保有者
  • その他都道府県知事が特に認める者(外国大学を卒業した者等)
  • 実務経験7年以上

※受験資格の詳細は(公財)建築技術教育普及センターのサイトで確認可能

学科試験と設計製図試験の両方に合格しなければならないから 

2級建築士試験は、学科試験と設計製図試験の二段階に分かれており、両方の試験に合格する必要があります。

学科試験通過者だけが設計製図試験に進めるため、まずは建築に関する幅広い知識を身に付けて学科試験の突破を目指しましょう。

一方、設計製図試験では課題に沿って建築物の計画、作図を行います。

こちらは知識だけでなく、実務的な能力も必要です。

そのため、実務経験をもたない未経験者にとっては、製図試験対策が大きな鍵になるといえるでしょう。

合格基準が設定されているから

2級建築士試験には、2種類の合格基準が設けられており、それぞれの基準点をクリアする必要があります。

まず、一つ目が学科試験の科目ごとの合格基準です。

学科試験は全部で4科目あり、各科目で5割以上の得点が求められます。

二つ目は学科試験全体、つまり総得点の合格基準です。

4科目の総得点が6割以上あることが必要です。

そのため、総得点が6割以上あっても、いずれかの科目が基準に届かなければ不合格になります。

合格基準点は試験の難易度によって毎年調整されますが、どの分野でも過半数以上は点をとれるように、苦手科目を潰しておきましょう。

二級建築士の学科試験内容・勉強のコツ

学科試験に出題されるのは、以下の4科目です。

  • 建築計画
  • 建築法規
  • 建築構造
  • 建築施工

幅広く専門的な知識が求められるため、効率よく学習を進めていく必要があります。

試験の出題範囲、勉強の進め方やコツについて、それぞれ詳しくみていきましょう。

建築計画

建築計画の科目は出題範囲が広く、知識を覚える学習がメインになります。

出題範囲は主に、「建築史」「建築計画」「建築設備」「環境工学」等です。

【建築史】

過去の建築事例に関する知識が求められます。

覚える範囲が広いので、まずは過去問中心の対策がおすすめです。

【建築計画】

寸法や計画手法について問われます。

こちらは建築分野に馴染みのある人なら比較的取り掛かりやすい内容です。

【建築設備】

空調や給排水衛生設備等に関する問題です。

建築に必要な設備の方式や特徴を答えられるようにしておきましょう。

【環境工学】

光や熱、空気等に関して出題されます。

計算問題が出題されることもあるため、過去問などで解法を押さえておきましょう。

建築法規

建築法規の科目は、建築基準法と建築に関係する法律について出題されます。

法規の試験は、法令集から答えを探し出して回答する形式です。

試験会場に法令集を持ち込めるため、暗記する必要はありません。

そのため、建築法規の試験対策に力を入れて、高得点を狙う受験者も多くいます。

法令と聞くと難しそうに感じますが、学習範囲はそれほど広くなく、同様の問題が出題されることも多いため、過去問での対策が有効です。

決められた時間の中でしっかり得点を稼げるように、繰り返し法令集を引いて慣れておきましょう。

建築構造

建築構造の科目は、学科試験の中でも難易度が高く、差がつきやすい分野です。

合格基準を満たせるように、しっかり対策しておく必要があります。

出題範囲は、「一般構造・材料」や「構造力学」についてです。

【一般構造・材料】

木造・鉄骨造などの構造方式や架構方式、地盤、材料に関しての知識が問われます。

【構造力学】

一方、構造力学は計算問題です。

この科目で出題される全25問の内、計算問題は6問ほどあるため、なるべく取りこぼさないようにしたいところです。

全ての構造計算を完璧にするのは難しいですが、過去問を繰り返し解いてパターンを把握し、解ける問題を増やしていきましょう。

建築施工

建築施工分野は、「施工計画・現場管理」「地業」「建築工事」「改修工事」に関する知識が求められます。

実務経験がないと、問われている内容や専門用語の意味が分からず、難しく感じるかもしれません。

まずは、過去問に頻出する各用語の意味を調べて、理解することから始めるとよいでしょう。

最初は時間がかかるかもしれませんが、知識を定着させることで学習効率が上がります。

記憶力に自信がある場合は、ひたすら暗記するのも有効です。

二級建築士の製図試験内容

製図試験は、指定された設計条件に合わせて図面を描く技能試験です。

課題の内容は、二級建築士の試験日の約3ヶ月前に公表され、事前に知ることができます。

課題は毎年異なり、過去には以下のようなテーマで出題されました。

  • 保育所(木造)
  • 歯科診療所併用住宅(鉄筋コンクリート造)
  • シェアハウスを併設した高齢者夫婦の住まい(木造2階建て)
  • 家族のライフステージの変化に対応できる三世代住宅(木造2階建て)

前提条件に示された敷地や構造などの設計条件、製図に記載する要件を満たした図面を作成する必要があります。

二級建築士の勉強方法

2級建築士の勉強方法には、独学や通信教育を受講する方法などがあります。

それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分に合った学習方法を見つけることが大切です。

独学

2級建築士は、独学でも取得できる資格です。

ただし、これまで学習してきた分野や、実務経験の有無が試験の難易度を大きく左右するため、人によって向き不向きが分かれます。

暗記や計算問題が中心の学科試験は、問題集や過去問を解いて自分のペースで進めていけるので、独学も可能です。

未経験者であっても繰り返し学習することで、合格ラインに達することができるでしょう。

しかし、設計製図試験は作図力や設計条件に関する知識等の総合的な力が求められるため、学科試験よりも独学での習得難易度は高めです。

通信教育

効率的で体系的な学習を求める場合は、通信教育の利用もおすすめです。

学習レベルに合わせて受講できるため、自分に足りない分野の知識を補強できます。

他にも、個別の質問に対応してくれるサポートがある、映像で視覚的に学習できるといったメリットがあります。

受講料はかかりますが、短期間での合格を目指す方や、建築分野の知識に自信がない方は利用を検討してみてはいかがでしょうか。

二級建築士合格までに必要な勉強時間

一般的に2級建築士合格までにかかる勉強時間は、700時間程度とされています。

建築知識がある人の場合はこれよりも短くなりますし、建築知識が少ない人の場合は倍程度の時間が必要になる可能性があります。

まとめ

2級建築士の合格率は約25%と、国家資格の中でもやや難易度の高い資格です。

専門的な知識が求められる試験内容や、一定の条件が設けられた受験資格から、ハードルの高い資格と認識している方も多いのではないでしょうか。

しかし、効率的に学習を進めていけば確実に資格取得を目指せる資格です。

取得するメリットも大きく、2級建築士は戸建て住宅程度の規模の設計・監理ができるようになります。

現職でのキャリアアップだけでなく、就職や転職にも有利になるため、ぜひ受験を検討してみてはいかがでしょうか。

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