
建設業界への就職や転職を検討している方にとって気になる資格のひとつである一級建築士。
一級建築士の資格を取得することでどのようなメリットがあるのか、具体的にわからないという方も意外と少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、一級建築士の仕事内容や資格試験の難易度、一級建築士の年収などについて徹底解説していきます。
これから一級建築士を目指そうと考えている方はぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
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目次
一級建築士とは?主な仕事内容
一級建築士は、国土交通大臣から認可を受けて仕事をする国家資格です。
住宅や学校、商業施設や病院などのようにあらゆる建造物の調査・企画から設計、工事の監理などが仕事です。
一級建築士の資格試験は、専門教育を受けたあと一定期間の実務経験を経て受験資格が得られます。年に1回受験できる試験で夏に学科試験がおこなわれ、合格すれば秋に設計製図試験を受験できます。
一級建築士の仕事内容は大きくふたつに分けることができます。
- 設計業務
- 工事監理業務
それぞれの仕事内容について詳しく解説していきます。
設計業務
一級建築士と二級建築士や木造建築士の大きな違いは、扱える建造物の規模の大きさです。
一級建築士は、扱う建造物の規模が大きいため、その設計業務の内容も高度で多岐に渡ります。
設計業務は「構造設計」「意匠設計」「設備設計」の3つに分けられ、それぞれに重要な役割があります。
【構造設計】
構造設計は、建造物の土台である基礎や柱などの大きさや、鉄筋の本数などの細かい骨組みを設計します。建物の構造を設計することは、利用者の安全安心のためにも欠かすことができない重要な役割を担っています。
台風や地震、大雨などの自然災害に耐えられる設計にする必要があります。
【意匠設計】
建物の外観や内装、構造、配管などとともに、クライアントの意向などを踏まえてデザイン性の高い建物の設計をおこなうのが意匠設計です。
デザイン性だけでなく、実用性も兼ね備えた設計をする必要があるため、周辺環境との調和や各種法律、敷地条件などを考慮する必要があります。
【設備設計】
利用する人が快適に過ごせるように、電気設備や空調設備、上下水道設備などの設計をおこないます。また、プラントなどの規模の大きな施設を担当する場合、工場配管設備設計や排煙脱硫装置設計などを担当します。
工事監理業務
設計をしたらそれで終わりではありません。設計した図面通りに工事がおこなわれているかを確認する「工事監理業務」も建築士の重要な業務です。建築基準法では、工事監理業務は建築士の独占業務とされています。
二級建築士や木造建築士であっても、工事監理業務をおこなうことはできますが、扱える工事の範囲が限定されてしまいます。一級建築士の場合は、担当できる工事の範囲に制限がありません。
一級建築施工管理士との違い
一級建築士と業務内容の一部が同じことから間違われることも多いのが一級建築施工管理士。どちらも国家資格ではありますが、業務の目的や内容に大きな違いがあります。
建築施工管理技士の業務内容は、建築工事現場での工事の指揮・監督をおこない、設計通りに工事がおこなわれているのかを管理することです。
建築施工管理士は、施工過程での施工計画や工程管理、品質や安全の管理がメインの業務である一方、建築士は設計監理の専門家として区分されています。
一級建築士になるには?試験の難易度

一級建築士になるには、一級建築士の国家試験に合格しなければなりません。これから一級建築士を目指す人にとって最も気になるのが、必要な勉強時間や試験の難易度ではないでしょうか。一級建築士の試験について以下の項目に分けて詳しく解説していきます。
- 一級建築士資格取得のメリット
- 受験資格と最低勉強時間
- 一級建築士の合格率と難易度
項目ごとに詳しく見ていきましょう。
一級建築士資格取得のメリット
一級建築士の資格を取得するメリットはたくさんあります。
- 社内での評価が上がる
- 施主やクライアントからの信頼度が上がる
- 転職や独立に有利
一級建築士の資格を取得すれば、社内での評価が上がり、そのぶん収入も増えるでしょう。一級建築士を持っているという安心感や信頼感を施主やクライアントに持ってもらえるので、仕事がやりやすくなるかもしれません。
さらに、将来的に転職や独立を考えているという方にとっては、資格が有利に働いてくれるでしょう。
二級建築士や木造建築士などでも、仕事をすることはできます。しかし、一級建築士でなければできない仕事や、社内での評価、施主やクライアントからの信頼を獲得できるなどの理由で、一級建築士の資格を取得することにはメリットが多いです。
受験資格と最低勉強時間
一級建築士の受験資格は以下の表の通りです。
建築士法第14条 | 建築に関する学歴又は資格等 |
第一号 | 大学、高等専門学校(旧制大学を含む)において、指定科目を修めて卒業した者 |
第二号 | 二級建築士 |
第三号 | 国土交通大臣が上記の者と同等以上の知識及び技能を有すると認める者 |
建築に関する高等専門学校卒以上の学歴があれば受験できるほか、二級建築士の資格保有者でも受験が可能です。
一級建築士の試験に合格するためには、700〜1,500時間ほどの勉強時間が必要であると言われています。実務経験や卒業した学科などにより、必要な学習時間は変わりますが、初学者の場合、最低でも1,000時間の勉強時間を確保する必要があるでしょう。
一級建築士の合格率と難易度
一級建築士の合格率は毎年10%前後と、決して簡単な試験とは言えません。
下の表は直近5年間の受験者数と合格者数、合格率をまとめたものです。
平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | ||||||
受験者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格率 | |
合格者数 | 合格者数 | 合格者数 | 合格者数 | 合格者数 | ||||||
学科 | 25,878 | 18.3% | 25,132 | 22.8% | 30,409 | 20.7% | 31,696 | 15.2% | 30,007 | 21.0% |
4,742 | 5,729 | 6,295 | 4,832 | 6,289 | ||||||
製図 | 9,251 | 41.4% | 10,151 | 35.2% | 11,035 | 34.4% | 10,499 | 35.9% | 10,509 | 33.0% |
3,827 | 3,571 | 3,796 | 3,765 | 3,473 | ||||||
総合合格率 | 12.5% | 12.0% | 10.6% | 9.9% | 9.9% |
一級建築施工管理士の合格率が50%前後であることを考えると、一級建築士の試験の難易度がいかに高いかわかるのではないでしょうか。難しい試験だからこそ、長い時間をかけてしっかりと学習していく必要があります。
一級建築士の勤務先や年収
一級建築士の資格を持っていると、どのような勤務先で働けるのか、どのくらいの年収が想定されるのかも、気になるポイント。ここからは、一級建築士資格保有者がどのような勤務先に勤めることになるのかや、一級建築士として働く際のおおよその年収について詳しく紹介します。
主な勤務・転職先
一級建築士として働ける主な勤務・転職先は以下の通りです。
- ゼネコン
- デベロッパー
- 総合建築事務所
- 設計事務所
- 官公庁や一般企業の施工管理部
一級建築士の資格があれば、さまざまな業界で活躍できます。総合建築事務所やゼネコンなどのように、設計業務を総合的におこなっている企業に就職している人が多いです。
企業で社員として働く他に、独立して設計事務所を立ち上げるという方も少なくありません。
設計に関する知識を活かして、施工管理に携わるという方も。官公庁や一般企業、デベロッパーなどの施工管理部門では、設計に関する知識や技術が役に立ちます。そのため、一級建築士資格を持っている人材は重宝されます。
このように、一級建築士の資格を持っていると、さまざまな業界で活躍できるので、就職・転職先の幅が広いです。働き方や勤務先を選べることは、この資格の大きなメリットです。
給与・年収
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、一級建築士の平均月給は40万円前後、年収は600万円前後です。
一般企業で働く人の平均月給が30万円前後、年収が400万円前後なことを考えると、一級建築士は給与や年収は高くなることが多いようです。
また、一級建築士の給与は、年代やキャリアに比例して上がっていく傾向にあります。
建築技術者の年代別の給与を見てみましょう。
20代前半 | 約25万円 |
30代前半 | 約35万円 |
40代前半 | 約40万円 |
年代が上がればそれだけ給与も増えていることがわかります。勤続年数が長くなるほど、収入も増えていきます。
ただ、一級建築士としてどのような企業に就職するかによっても、給与や年収は変わってきます。
従業員数 | 平均給与 | 平均年収 |
10〜99人 | 約35万円 | 約530万円 |
100〜199人 | 約40万円 | 約600万円 |
1,000人〜 | 約45万円 | 約700万円 |
会社の規模が大きければ大きいほど、収入も高くなる傾向があるようです。
一級建築士の求人の探し方
一級建築士の求人は数多くありますが、探し方がわからないという方も少なくないでしょう。一級建築士の求人を探すなら、建設・建築業界に特化した転職サイトなどを利用して自分にぴったりの求人を見つけましょう。
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まとめ
一級建築士の資格試験の概要や、実際に働くときの勤務先、収入などについて詳しく解説しました。
一級建築士は、取得の難易度が高い資格です。毎年の合格率が10%前後と、狭き門です。
しかし、社内での評価やクライアントからの信頼を得られることや、転職・独立の際にも有利になることなど、取得することで得られるメリットはたくさんあります。
一級建築士に興味があるという方は、ぜひ資格の取得にチャレンジし、希望の業種や職種で働く夢を実現させてくださいね。