
「はい作業について知りたい」
「はい作業主任者になるにはどうすべきなのか」
資材置き場で資材を積み上げたり、高所作業車に乗って窓清掃をしたりするのがはい作業です。日常の生活のなかでも見かけることがある光景ですが、実は労働災害につながりやすい危険な作業です。そのような作業において、現場の安全確保を目的として活躍するのがはい作業主任者です。
この記事では、はい作業の概要とはい作業主任者の仕事内容から年収、資格取得のための講習内容まで網羅的に解説します。
はい作業主任者に興味がある人や未経験から建築・土木業界への転職を検討している人は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
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目次
はい作業とは
はい作業とは、作業現場において袋や箱などの荷物や資材を規則正しく積み上げたり、積み上げた荷物を移動したりする作業のことです。積み上げることを「はいあげ作業」、積み上げた荷物の移動を「はい崩し作業」と呼びます。
そもそも「はい」とは、建築現場や製造品の倉庫において、積み重ねられた荷物の塊のことを指します。
はい作業は、以下の仕事で必要とされます。
- 建築・土木業における建築資材の積み上げ
- 林業における木材の積み上げ
- 農業における米や穀物などを入れた袋の積み上げ
- 製造業におけるダンボールの積み上げ
建築や土木以外では、倉庫業や運送業、農業などで馴染みの深い作業です。
資材やダンボールなどを無造作に積み上げてしまうと、荷崩れを起こす危険性があります。実際に荷崩れによる労災事故の報告は後を絶ちません。安全な作業場を保つためにも、適切な積み上げである「はい作業」が必要です。
はい作業の対象となる4つの機器
はい作業の対象となる機器には、以下の4つがあります。
- フォークリフト
- クレーン
- フォークローダー
- 高所作業車
それぞれ詳しく解説します。
フォークリフト
フォークリフトは、荷物の積み上げや積み下ろし、収納、荷物の運搬作業で広く使用されている産業車両です。
車体前方に2本のつめ(フォーク)が装備されており、そのつめを荷物の下部に差し込み持ち上げ移動させることが可能です。比較的小さな車両のため、小回りがきき、倉庫内の作業に重宝されています。
クレーン
クレーンは、フックで荷物を吊り上げて、飛行移動ができる機械です。
ビル建設で、クレーンを使って資材を吊り上げているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。人力で動かすのが困難な重量物でも、クレーンを使用することで難なく移動させられます。
クレーン車に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
フォークローダー
フォークローダーは木材の運搬に適した重機で、見た目はフォークリフトに似ていますがフォーク部分が長く角度を変えられるため、転がりやすい木材を運ぶのに適しています。
またアームを伸ばすことが可能なフォークローダーは、荷物の積み上げ・積み下ろしの際に上下だけではなく、前方への運搬も可能です。
高所作業車
高所作業車は、高い場所で作業をするための車で、作業員を載せるためのカゴが昇降するようになっており、高所でも安定した作業を可能とします。
主に電柱や電線の作業・ビルの窓清掃・屋根や外壁のメンテナンスなどで使用されます。
高所作業車については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
はい作業主任者とは

はい作業主任者とは、高さ2m以上の高所で作業を行う場合に必要となる資格を取得した人のことです。
危険性の高いはい作業において、作業員の安全を確保し、労働災害を未然に防止するための指導や対策などを行うのがはい作業主任者の役割です。
具体的には、以下のような作業を行います。
- 器具や工具の点検・整備
- 安全通路の確保
- 作業方法や作業順序の決定
- 作業の直接指揮
- 昇降設備および保護帽の使用状況の監視 など
はい作業主任者になるには、各地の教習所で受講できる「はい作業主任者技能講習」を修了する必要があります。満18歳以上で「はい」作業に3年以上従事した経験を有することが受講要件です。
はい作業主任者の年収相場
はい作業主任者の年収相場は、およそ400万〜600万円です。
国税庁が公表する「平均給与」によると、日本の給与所得者の平均給与が461万円ですので、平均か平均以上の年収を獲得できる可能性があります。
作業内容によって、はい作業主任者の配置が義務付けられており、専任の業務がある有資格者ということから、年収も上がりやすい傾向にあると考えられます。
はい作業主任者が活躍できる3つの現場
はい作業主任者が活躍できる現場には、以下の3つが挙げられます。
- 建設業
- 倉庫業
- 運送業
これらの仕事は、常時荷物の積み上げ・積み下ろしを行う仕事であり、本記事でも紹介している機器・重機を扱う仕事でもあります。
2m以上の高所での作業も増えることから、はい作業主任者の配置を必要とするケースも多く、安心安全な職場作りのためにも有資格者が活躍できる現場といえます。
はい作業主任者の主な業務内容
はい作業主任者の主な業務内容には、以下の5つがあります。
- 現場の安全性の確保
- 作業方法や順序の決定
- 作業の着手の指示
- 保護帽の使用の監視
- 器具や工具の点検
それぞれ詳しく解説します。
現場の安全性の確保
業務内容の1つ目は、現場の安全性の確保です。
はい作業主任者の業務において、最も重要な内容といっても間違いないでしょう。はい上げやはい崩し作業中は、労働災害が発生しやすいため、はい作業主任者が安全確保を行う必要があります。
安全確保対策としては、資材や荷物の積み上げ・積み下ろしや高所作業時に不要な人が近ずかないための監視があります。また、床の段差やデコボコの解消や照明の明るさ、整理整頓なども業務の一環です。
各作業場の現状を把握して、安全対策として適切な対策・指導を求められます。
作業方法や順序の決定
業務内容の2つ目は、作業方法や順序の決定です。
危険性の高くなるはい作業では、いきなり作業に取り掛かるのではなく、作業方法や順序を擦り合わせ・決定し、的確に指示する必要があります。例えば、手作業で進めるのか機械作業にするのか、機械作業の場合どの作業員が操作を行うのかなど、細かく決めていきます。
起こりうる事態を想定しながら、最善の方法と順序を決定する必要があります。
作業の着手の指示
業務内容の3つ目は、作業の着手の指示です。
作業方法や手順が決定しても、突然作業をはじめてしまうと、現場や各作業員の準備ができていないかもしれません。安全対策が不十分であれば、事故につながる可能性があります。
そのため、作業前に作業場の安全対策を施し安全確認を確実に行ったあとで、はい作業開始の指示を出します。特に起こりやすいのが、積み荷であるはいの崩落なので、崩れる危険性がないか不安定な場所・積み方にならないかをしっかり確認することが重要です。
保護帽の使用の監視
業務内容の4つ目は、保護帽の使用の監視です。
床下から1.5m以上の高さの作業では、保護帽の使用が義務付けられており、はい作業主任者は監視する必要があります。また、荷物を高所に上げるための、はい上げ作業中や昇降機を扱う人の保護帽の着用も確認する必要があります。
湾岸作業においては、飛来物や落下物による事故を未然に防ぐため、保護帽の着装を確認するのも業務の一つです。
器具や工具の点検
業務内容の5つ目は、器具や工具の点検です。
特にクレーン作業で使用される器具の点検と不良品の発見・撤去が重要な作業です。例えば、クレーンでは重い資材を吊り上げるのに、消耗品であるワイヤーを使用します。使用回数を重ねることで、ワイヤーが擦れて消耗するため、使用限界を超えたワイヤーを使い続けることで大事故につながります。そのため、ワイヤーロープのより線の切断を確認した場合は、使用を中止するように促す必要があるのです。
また、吊り上げる際に鎖を使用する場合は、製造時よりも5%以上伸びた鎖は使用しないように監視しなければなりません。
はい作業主任者技能講習の基本情報
はい作業主任者技能講習の基本概要について、以下の表にまとめたので参考にしてみてください。(※公益社団法人東京労働基準協会連合会を参考)
受講資格 | 満18歳以上で「はい付け」または「はいくずし」の作業に3年以上従事した経験を有する者 |
カリキュラム | 【学科講習(2日間)】1.はいに関する知識(3時間)2.人力によるはい付け又ははい崩しの作業に関する知識(5時間)3.機械等によるはい付け又ははい崩しに必要な機械荷役に関する知識(3時間)4.関係法令(1時間)5.修了試験(1時間) |
修了証 | 修了試験に合格することで、原則として当日修了証を交付 |
講習日程 | 各講習所で定められた日程を確認 |
講習会の日程は、あらかじめ決められているので余裕を持って確認・受付予約することをおすすめします。
まとめ
本記事では、はい作業という仕事の概要とはい作業主任者の年収や業務内容、講習の概要について詳しく解説しました。
資材や段ボールを積み上げたり移動させたりする作業は、労働災害につながりやすく実際に多くの事故が報告されています。積み上げ・積み下ろしの現場や高所作業の現場で安心安全に作業を進めるためにも、はい作業主任者は欠かせない存在です。
客観的な視点で物事を見れたり、あらゆる事態を想定して作業計画を立てたりするのが得意な人は、はい作業主任者に向いていると言えるでしょう。
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