建設業での日雇い派遣は禁止!細かなルールとアルバイトとの違いを解説

建設業は日雇い派遣禁止業務のひとつです。ただし、建設業の全ての業務が派遣禁止業務に当たるのかというとそういう訳ではありません。

今回は、建設業で日雇い派遣が禁止されている理由や派遣が禁止されている業務の内容、ルール、建設業でも派遣が可能な例外ケースなどについて詳しく解説していきます。

日雇いや派遣が可能な業務と禁止されている業務はつい曖昧になってしまいがち。

労働者も雇用者も、今一度ルールを確認しておくことで、法規に則った適切な業務ができるでしょう。

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建設業への労働者派遣が原則禁止される理由

建設現場への労働者の派遣は、労働者派遣法という法律によって原則禁止されています

東京労働局需給調整事業部が公表している「建設現場で必要な労働者派遣法の基礎知識」によると、建設現場での業務(作業)は派遣禁止として以下のように示されています。

  • 土木、建設の現場で行われる作業に直接従事する業務に労働者派遣を行うこと及び受け入れることは禁止されています。
  • 業務の具体的な詳細は、労働者派遣法に「土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務」と示されています。

引用:東京労働局需給調整事業部|「建設現場で必要な労働者派遣法の基礎知識」

建設業への労働者派遣が禁止される理由について詳しく解説していきます。

雇用が安定していないから

受注生産が基本となる建設業。発注者が業務を発注して初めて労働力が必要になるため、労働力の需要は不安定です。

このような理由から、業務の少ない時期に労働力が必要なくなり、「派遣切り」などで失業してしまう労働者が多く発生してしまうことにもなりかねません。

そのような不安定な雇用で失業者を増やさないために、建設業では労働者派遣が禁止されているのです。

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派遣社員の雇用関係があいまいになるから

建設工事現場では元請け企業の労働者以外にも、下請けや孫請けなど複数の企業で雇用されている労働者が一緒に働いています。

そのような労働環境に派遣労働者が加わることで、指揮系統があいまいになり、労働災害の可能性が高まると言われています。

万が一、労働災害が発生してしまった際の責任の所在もあいまいになってしまう可能性も高いため、派遣で働く労働者自身が不利益を被ってしまう可能性も否定できません。

派遣が禁止されている14の業務

建設工事現場において禁止されている業務は14種類。それぞれの具体的な業務内容について以下の表にまとめました。

禁止されている業務該当する業務内容
建築現場での資材の運搬・組み立て建築現場で木材や鉄骨などの資材を運搬することや、足場の組み立てをすることなど
工事現場での掘削・埋立・組み立て・資材の運搬建築だけでなく、河川や道路・橋の建設などの土木工事での掘削や埋立、組み立て、資材の運搬をすること
建築や土木工事現場の準備作業工事に必要な機材や工具を準備すること・養生をすることなど
建築や土木工事でのコンクリートの合成や建材の加工工事現場でコンクリートを合成することや建材の加工を施すことなど
建築や土木工事現場の中での資材や機材の配送工事の現場内で資材や機材の運搬を運搬・配送することあくまで現場内で禁止されているため、工場や倉庫から現場までの配送に関しては問題ない
電飾版や看板などの外壁への設置・撤去外壁に電飾や看板を設置・撤去すること安全管理のための注意喚起の看板を設置する行為も禁止されている
建具類等の天井や壁・床への固定・撤去建具等を固定・撤去すること建具の建て付けを直したり修繕したりといった行為も禁止されている
天井や壁・床の塗装や補修天井や壁・床の塗装作業や補修作業をすること
建築や土木工事現場への車両出入りの管理・誘導や入り口の開閉工事現場に出入りする車両の誘導や管理をすること
建築や土木工事現場における配電・配管工事や機器の設置工事現場での配電・配管工事・機器の設置をすること電気設備に関しては資格が必要な場合もあるため注意が必要
建築や土木工事現場の整理・清掃(内装仕上げ)工事現場の整理・清掃をすること品質管理のために写真を撮る場合でも、派遣労働者は掃除をすることはできない
プレハブ住宅など仮設住宅の組み立てプレハブ住宅や災害時の仮設住宅の組み立てをすること
大型仮設テントや大型仮設舞台の設置大型仮設テントや大型仮設舞台の設置をすること簡易テントやパーテーションの設置・舞台装置、大道具の搬入などは禁止業務には含まれない
家屋や建造物の解体家屋や建造物の「破壊若しくは解体の作業」をすること解体したものの運搬や清掃も禁止業務に含まれる

工事現場におけるほとんど全ての業務が禁止されていることがわかるのではないでしょうか。

現場の清掃や整理などはついつい手を出してしまったり、うっかり頼んでしまったりといったことが起こりやすい業務です。ほんの少しだからといって、壁の塗装作業に手を出してしまったり解体工事後の掃除を手伝ったりといったこともおこなってはいけません。

禁止業務についてきちんと理解しておかなければ、思わぬ形で派遣禁止業務をしてしまったりさせてしまったりといったことになりかねないので注意しましょう。

もし万が一、禁止業務を実施してしまった場合、罰則が課せられる可能性もあります。

禁止業務を実施した場合の罰則

建設工事現場では、派遣労働者にはおこなえない業務があることはお分かりいただけたのではないでしょうか。

では、もしも禁止業務をおこなってしまった場合にはどのような罰則があるのでしょうか。

労働者派遣法第6章45条では、禁止業務を実施した場合「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する」と記載されています。

その他にも、建設業の許可の取り消しや業務停止命令・業務改善命令などの行政処分が課せられる可能性もあるので、注意が必要です。

出典:労働者派遣事業の適切な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

建設業で禁止されているそのほかのルール

建設業では日雇い派遣が禁止されていますが、そのほかにも守らなければならないルールがあります。どのルールも労働者を守るために大切なルールです。必ず守るようにしましょう。

派遣労働者の二重派遣

二重派遣とは、派遣先からさらに別の企業へ労働力として派遣することで、職業安定法第44条と労働基準法第6条で禁止されています。

二重派遣が禁止される理由としては、以下のようなものがあります。

  • 仲介が入るので、派遣労働者にとっては不利益が生じる
  • 元々の派遣元で契約した労働条件や待遇とは異なる条件になる可能性がある
  • 労働災害等が発生した場合の責任の所在があいまいになる

二重派遣をしてしまうと、派遣労働者にとって不利益になる可能性が高いため、労働者を保護するという観点から禁止されています。

元従業員の派遣

派遣先は従業員が退職した日から起算して1年を経過する日までの間、当該従業員を派遣労働者として受け入れることはできません労働者派遣法第40条の9で定められている決まりで、派遣労働者にとって雇用条件が引き下げられることを防ぐための法律です。

労働者側から希望した場合や就業場所が異なる場合においても、同じ企業で派遣労働者として働くことはできません。

【例外】建設業でも派遣が可能なケース

原則、建設業では派遣労働が禁止されていますが、いくつかの例外もあります。以下のようなケースでは、派遣労働が可能とされています。

  • 60歳以上の人
  • 雇用保険の適用を受けない学生
  • 生業収入が年間500万円以上あり副業として従事する人
  • 世帯収入が年間500万円以上ある主たる生計者以外の人

このような方は、建設業での日雇い派遣労働が認められています。

また、事務機器の操作やソフトウェアの開発、通訳などの業務の場合には、一部の業務で派遣労働者の就業が認められています。

建設業における派遣社員とアルバイトの違い

派遣社員とアルバイトは混同しがちですが、建設業における両者には明確な違いがあります。

派遣社員とアルバイトの違いについて以下の表にまとめました。

派遣社員アルバイト
就ける職種施工管理・設計・営業現場での軽作業
給与形態月払い月払い・日払い
給与時給1,500〜2,000円日給8,000〜10,000円

両者の違いについてさらに詳しく見ていきましょう。

仕事内容の違い

建設業で派遣社員として就ける業種は、施工管理・設計・営業などの現場作業に関わらないものに限られています。

アルバイトとして建設業で働く場合、基本的には工事現場での軽作業が主な業務です。建築資材の運搬や荷下ろし、片付け作業や清掃作業などの簡単な作業をメインにおこなうことになります。

給料の違い

派遣社員とアルバイトでは、可能な業務範囲が変わってくるため、給料にも大きな違いがあります。派遣社員は月払いの給与形態が多く、アルバイトは月払いのことも日払いのこともあります。

施工管理などの専門知識が必要な派遣社員の場合、時給は1,500〜2,000円ほどと、他の事務系の派遣社員と比べると高額な時給が設定されています。

アルバイトの場合、日給8,000〜10,000円ほどが相場です。建設現場でのアルバイトは、肉体労働が基本なため、他のアルバイトよりも給料は高めに設定されています。

基本的に難しい仕事内容ではないので、体力に自信がある方にとっては適したアルバイト先と言えるでしょう。

まとめ

建設業での日雇い労働の禁止について解説しました。

建設業では、労働者の保護などの理由から、基本的に工事現場での派遣労働は禁止されています。

整理・清掃などについても禁止されているなど、細かいルールが定められているので、ついうっかり禁止業務を実施してしまう可能性があります。

建設業で派遣労働を雇う企業側はもちろん、労働者側もルールをきちんと把握し、適切な業務をおこなうようにしましょう。

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