多種多様なビルのメンテナンスをおこなうのがビル管理の仕事。ビル内で働く方や利用する方が安心して過ごすために欠かすことのできない大切な仕事です。
今回はビルには欠かせないビル管理の仕事に役立つ資格について詳しく解説します。
これからビルメンテナンスの仕事に就きたいと考えている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
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目次
ビル管理(ビルメンテナンス)の資格の種類一覧
ビル管理の資格には、合わせて取得することで有利になるとされている以下のようなセットがあります。
- ビルメン4点セット
- ビルメン5点セット
- ビルメン3種の神器
これらのセットに該当するそれぞれの資格についての概要を以下の表にまとめました。
資格 | 業務内容 | 合格率 | 該当するセット |
第二種電気工事士 | 電気工事をおこなう | 約75% | ビルメン4点セットビルメン5点セット |
第三種冷凍機械責任者 | 冷凍機器の設備管理 | 約35% | ビルメン4点セットビルメン5点セット |
危険物取扱者乙種4類 | 危険物の点検や取り扱い | 約30% | ビルメン4点セットビルメン5点セット |
二級ボイラー技士 | ボイラーの管理・点検・修繕 | 約50% | ビルメン4点セットビルメン5点セット |
消防設備士 | 消防設備の点検・整備 | 約30% | ビルメン5点セット |
第三種電気主任技術者 | 電気設備の保守・整備 | 約10% | ビルメン3種の神器 |
建築物環境衛生監理技術者(ビル管理士) | 特定建築物の環境衛生上の維持管理 | 約15% | ビルメン3種の神器 |
エネルギー管理士 | エネルギー使用方法の改善・管理 | 約30% | ビルメン3種の神器 |
これらのビル管理の仕事に有利な8つの資格について、詳しく解説していきます。
1.第二種電気工事士
電気工事をおこなう際に必要な資格が電気工事士。電気工事士には、第一種と第二種があり、担当できる工事が違います。
第二種電気工事士は、600ボルト以下で受電する一般住宅や店舗などの電気工事を担当できます。建物内のコンセントの設置や照明工事、エアコンの設置、配線などの工事が主な仕事です。その他にも、現場代理人として電気工事の現場監督のような立場での仕事などもできます。
第二種電気工事士は、経済産業省が定める国家資格。受験資格は不問なので、誰でも挑戦できます。
最近3年間分の試験の合格率を以下の表にまとめました。
実施年度 | 筆記試験受験者 | 技能試験受験者 | 筆記試験合格率 | 技能試験合格率 |
令和元年 | 122,266人 | 100,379人 | 66% | 65% |
令和2年度 | 104,883人 | 72,997人 | 62% | 72% |
令和3年度 | 156,553人 | 116,276人 | 59% | 72% |
筆記試験も技能試験も60〜70%の合格率となっており、さほど難しい試験ではないでしょう。
2.第三種冷凍機械責任者
冷凍機器の設備管理をおこなうために必要な第三種冷凍機械責任者は、空調を扱う設備管理の仕事にも求められる資格。高圧ガス製造保安責任者のひとつに含まれる資格です。
第三種冷凍機械責任者の資格を取得することで、1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設で統括的な業務をおこなえるようになります。
冷凍機器だけでなく、空調機器についての知識も証明する資格なので、ビルメンテナンスの業務においても有利です。
電気工事士と同じく国家資格でありながら受験資格が設けられていないので、誰でも受験できます。
過去3年間分の試験の合格率を表にまとめました。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和元年度 | 7,908人 | 2,565人 | 32% |
令和2年度 | 7,541人 | 1,383人 | 18% |
令和3年度 | 9,858人 | 3,996人 | 41% |
参考:高圧ガス保安協会
実施年度によって変動しますが、20〜40%ほどの合格率となっています。
3.危険物取扱者乙種4類
通称「乙4」とも呼ばれる危険物取扱者乙種4類。ガソリンやアルコール類、重油、軽油、灯油などの引火性のある液体を扱う資格です。危険物取扱者の中でも比較的身近な石油類を扱うことがメインなので、危険物取扱者の入門編のような位置付けの資格です。
ビル管理以外にもガソリンスタンドや石油関連会社、化学区メーカーへの就職にも有利な資格。就職先の幅が広がるというメリットがあります。
危険物取扱者乙種4類も、受験資格は特に設けられてはいないため、誰でも挑戦できます。
過去の試験の合格率は以下の表の通りです。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和4年度 | 72,441人 | 22,236人 | 31% |
令和5年度 | 74,667人 | 24,024人 | 32% |
30%前後の合格率です。合格率が低いのは、それだけ受験者数が多いことが理由のひとつであると考えられます。
しっかりと準備して試験に臨めば、数字ほど難易度は高くないでしょう。
4.二級ボイラー技士
ボイラー技士とは、ボイラーの管理や点検・修繕等をおこなえる国家資格です。
二級ボイラー技士の資格を取得することで、一般的な給湯設備やボイラーなどを扱うことができるようになります。
ビルなどに設置されている給湯器やボイラーの管理がおこなえるので、ビル管理の仕事をするうえで持っておいた方がいい資格のひとつです。
二級ボイラー技士は、ボイラー技士資格の中でも入門編の資格で、さらに上の一級や特級を取得するためにも必要です。
過去の試験の合格率を見てみましょう。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和元年度 | 25,192人 | 12,803人 | 51% |
令和2年度 | 16,098人 | 9,400人 | 58% |
令和3年度 | 24,260人 | 12,953人 | 53% |
令和4年度 | 23,978人 | 12,227人 | 51% |
参考:日本建設情報センター
いずれの年も50%以上の高い合格率です。国家資格の中では比較的取得しやすい資格と言えるでしょう。
5.消防設備士
消防設備士には、乙種と甲種の2つの種類があります。どちらも消防設備を取り扱う国家資格ですが、それぞれ可能な業務範囲が違います。
乙種 | 甲種 |
点検・整備 | 点検・整備・工事 |
甲種は、乙種で可能な業務に加えて、消防設備に関わる工事にも携わることができます。
乙種・甲種の中でもさらに細かく分類がされています。
消防設備士の具体的な仕事内容は、火災報知器や消火器、スプリンクラーなどの建物の中に設置されている消防に関わる設備を点検、整備することです。
消防設備士の資格は、乙種であれば受験資格は特に無く、誰でも挑戦できますが、乙種の場合には一定の条件があります。
消防設備士乙種4類の試験の合格率について表にまとめました。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和4年度 | 1,761人 | 638人 | 36% |
令和5年度 | 1,776人 | 628人 | 35% |
35%ほどの合格率です。事前対策を十分にしておくことで合格の可能性を高められるでしょう。
6.第三種電気主任技術者
電気主任技術者はビルなどに配置されている電気設備の保守や点検をおこなうための資格です。一種から三種まであり、業務可能な範囲が以下の表のようにそれぞれ異なります。
第一種 | 全ての事業用電気工作物の工事・維持・運用の保安の監督 |
第二種 | 電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物の工事・維持・運用の保安の監督 |
第三種 | 電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物の工事・維持・運用の保安の監督 |
第三種電気主任技術者は、電気主任技術者資格の入門編のような資格です。中小規模の建設現場、商業施設などで保安監督の仕事ができるようになります。
入門編と言われる第三種電気主任技術者ですが、難易度が高い試験であると言われていて、合格すると、電気に関するスペシャリストとして認識され、重宝される資格でもあります。
第三種電気主任技術者の過去の試験の合格率を見ていきましょう。
実施年度 | 受験者数 | 合格率 |
令和元年度 | 41,543人 | 9% |
令和2年度 | 39,010人 | 10% |
令和3年度 | 37,765人 | 12% |
いずれの年も10%前後と、他の資格と比べても合格率が低いことがわかります。受験資格が無く、誰でも受験できる試験ですが、合格するにはしっかりとした対策をしておく必要があります。
7.建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)
建築物環境衛生監理技術者は「ビル管理士」とも呼ばれていて、ビル管理業務で働くにはぴったりの資格です。特定建築物の環境衛生を維持管理することが主な役割です。
一定の条件を満たした特定建築物では、建築物の維持管理が適正におこなわれるように監督する必要があり、建築物環境衛生監理技術者(ビル管理士)の選任が義務付けられています。特定建築物の維持管理に必ず必要な資格なため、取得しておくと就職や転職の際にも有利です。
建築物環境衛生監理技術者(ビル管理士)の合格率を以下の表にまとめました。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和2年度 | 9,924人 | 1.933人 | 20% |
令和3年度 | 9,651人 | 1,707人 | 17% |
令和4年度 | 9,413人 | 1.681人 | 18% |
合格率20%前後と、こちらも難易度の高い試験です。年に1回の試験なので、受験の際はしっかりとした事前対策をして臨みましょう。
8.エネルギー管理士
工場やビルなどでのエネルギー使用方法の管理や改善をするのがエネルギー管理士の主な業務内容。地球上の限りある資源を効率的に無駄なく使用するために定められた国家資格です。
工場やビル内で電力や熱エネルギーを必要以上に使用している箇所がないかを点検し、必要に応じて削減対策を提案します。
エネルギー管理士の資格取得には、2つの方法があります。資格試験を受験する方法と研修を受ける方法です。
資格試験については、受験資格は設けられていないので、誰でも挑戦できます。研修を受ける場合には、エネルギー使用合理化に関する実務経験3年以上が必要です。
エネルギー管理士の資格を取得するための試験の合格率を見ていきましょう。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和元年度 | 9,830人 | 3,207人 | 33% |
令和2年度 | 7,707人 | 2,828人 | 37% |
令和3年度 | 7,684人 | 2,454人 | 32% |
令和4年度 | 7,766人 | 2,636人 | 34% |
35%程度の合格率で推移しています。事前にしっかりと学習して対策しておけば、合格の可能性の高い試験であると言えるでしょう。
ビル管理(ビルメンテナンス)の仕事は無資格でもできる?
ビル管理(ビルメンテナンス)の仕事は無資格でも応募できる求人が多く、資格がなくても就職できます。実際に当サイトのような求人サイトでも、半数以上が無資格で応募できるものであることも。
ビル管理(ビルメンテナンス)の仕事に就いて、働きながら資格取得の勉強をする方も少なくないので、無資格だからと諦めることなく挑戦してみてもいいでしょう。
ビル管理(ビルメンテナンス)の資格を取得するメリット
前述の通り、ビル管理(ビルメンテナンス)の仕事は無資格でもできます。
しかし一方で、資格があることによってできる仕事や任せてもらえる仕事の幅が広がるのも事実です。仕事の幅が広がることで、昇進や昇給に繋がることもあるでしょう。
資格を取得することで資格手当などがもらえることも多く、各種資格を取得することのメリットは大きいと言えます。
無資格の未経験の人が優先的に取得するべき資格は?
ビル管理(ビルメンテナンス)に無資格で就職や転職をした場合に取得すべき資格の優先順位は以下の通りです。
- 第二種電気工事士
- 第三種冷凍機械責任者
- 危険物取扱者乙種4類・二級ボイラー技士
最優先で取得すべき資格は、第二種電気工事士です。年に2回の受験ができる電気工事士試験。ビルメン4点セットのなかで唯一実技試験がある試験でもあります。限られた時間内に配線ができるようになるために、しっかりとした準備が必要な第二種電気工事士資格を真っ先に取得しておくのがいいでしょう。
次に優先すべきなのは第三種冷凍機械責任者。ほとんど全ての施設で使われている空調に関する資格なので、需要が高いことが優先順位が高い理由として挙げられます。
危険物取扱者乙種4類・二級ボイラー技士については、受験できる機会が多く、必要のない現場も多くあることから、比較的優先順位が低いです。
まとめ
ビル管理(ビルメンテナンス)に必要な資格について詳しく解説しました。
ビル管理(ビルメンテナンス)で働くのは無資格でもできますが、転職や昇給、昇進にも有利な各種資格を取得することをおすすめします。
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