ヤング係数(ヤング率)とは?求め方や建築材料ごとのめやすを解説

建築や建設業界に携わる方の中で、「ヤング係数」や「ヤング率」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。とはいえ、言葉自体は聞いたことがあるものの、具体的にどのような意味なのか、そしてどういったシーンで使用するのか、いまいちわからない方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は、ヤング係数とはどういったものなのかに加え、ヤング係数の求め方を解説します。さらに、記事の後半では、代表的に建築材料ごとのヤング係数の目安を紹介します。

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ヤング係数(ヤング率)とは

建築業界では、工事で使用する資材を選ぶ際に、「ヤング係数」を参考にすることが一般的です。ただ、そもそもヤング係数とはどういうものなのかわからない方もいるでしょう。

ヤング係数とは、物体の硬さを表す指標のひとつです。ヤング係数が大きいほど、物体が硬くなり、変形しにくいということになります。逆に、ヤング係数が小さければ、物体が柔らかいということになるので、変形しやすい物体と判断できます。

ヤング係数は、建築や建設業界で使用する言葉であり、とくに構造設計においては、重要な指標なのです。また、ヤング係数は、「弾性率」「ヤング率」「縦弾性係数」とも呼ばれることがあり、企業や業界によって、使用する言葉が変わるケースも珍しくありません。

ヤング係数の単位

ヤング係数では、主に以下の3つの単位が使用されます。

  • N/m㎡
  • MPa
  • GPa

いずれもヤング係数の単位ではあるものの、建築業界では、「N/m㎡」が使用される傾向にあります。

物体は、外からの力を受けることで、その力に釣り合うように「応力」という内からの力が働きます。その応力を「N/m㎡」などで表しているのです。応力が発生することで、物体は変形し、そのときの物体の変形量を「ひずみ」と呼びます。ひずみは、応力に比例しており、応力とひずみの比率を表しているのがヤング係数なのです。

大きさによるヤング係数のちがい

ヤング係数は、応力やひずみなどと密接な関係がありますが、数値の大きさによって特徴が変わります。というのも、ヤング係数の数値が大きければ大きいほど、物体が硬く、変形しにくいのです。

たとえば、金属やセラミックなどの建築資材は、ヤング係数が高く、変形量が少ないとされています。もちろん、あくまでも変形しにくいだけなので、限界以上の負荷をかけると変形したり、破損したりしてしまいます。

したがって、建築業界においては、資材が変形することで危険性が高まるような場所に使用することはありません。

一方、ヤング係数が小さい場合は、資材が柔らかく変形しやすいです。たとえば、ゴム製資材や樹脂、木材などは、ヤング係数が小さい資材といえるでしょう。

ゴム製資材などのヤング係数が小さい資材は、変形しやすいものの、負荷をかけてもたわんだり、形が変わったりすることから、破損しにくいといった性質があります。そのため、建築業界では、柔軟性が求められる場所や、破損することで危険性が伴う場所で使われることが多いでしょう。

以上のように、ヤング係数の数値の大小によって、物体の硬さが異なります。建設、建築業界では、物体の強度や硬さなどを加味したうえで、資材を選んでいくのが一般的です。

したがって、ヤング係数によって、使用を検討している資材の硬度を確認し、本当に使用しても問題ないのか、使用することでどのようなリスクがあるのかなどを、しっかりと検討する必要があります。

ヤング係数の求め方

ヤング係数は建築資材を選ぶときに重要な役割を果たします。とはいえ、計算方法を知っておかなければ、適切にヤング係数を求めることはできません。

ここでは、ヤング係数の正しい求め方を詳しく見ていきましょう。

応力とひずみの比例

先述の通り、応力とは、物体に対して外から力が加わったときに発生する内力のことをいいます。そして、ひずみとは、外から物体に力が加わるときに発生するものであり、ひずみそのものは無次元数であることから、単位はありません。

なお、ひずみは以下の式で求めることが可能です。

ε(ひずみ)=ΔL(変形量)/L(元の長さ)

応力とひずみは常に比例関係となっています。

フックの法則によって求められる

建築業界では、資材選びの際にヤング係数が非常に重要な指標のひとつとなります。ヤング係数は、「フックの法則」と呼ばれる公式で求めることが可能です。

σ(応力)=E(ヤング係数)× ε(ひずみ)

フックの法則では、弾性状態において、応力とひずみは常に比例関係にあります。しかし、フックの法則が成立するには、あくまでも弾性状態であることが条件となっています。つまり、鉄や鋼といった一度変形してしまうと、元の形状に戻らない資材の場合は、成立しないのです。

フックの法則によってヤング係数を求められるのですが、ある一定の条件でしか適用されないことに注意しておきましょう。

ヤング係数比とは

先述の通り、ヤング係数は、物体の硬さを表すひとつの指標であり、建築業界では資材選びの際に重要な要素となります。ただ、似たような言葉で、「ヤング係数比」というものがあり、ヤング係数と混同されることも少なくありません。

そもそも、ヤング係数比とは、鉄筋のヤング係数とコンクリートのヤング係数の比率を表しているものであることから、ヤング係数とはまったく性質が異なるものなのです。しかし、名称が似ていることから、しばしば混同されることがあります。

ヤング係数比は、あくまでも鉄筋のヤング係数とコンクリートのヤング係数の比率ということに留意しておきましょう。なお、ヤング係数比を用いることで、鉄筋とコンクリートの応力を求めることが可能です。

材料ごとのヤング係数のめやす一覧

ヤング係数は、資材や材料によって異なります。もちろん、資材ごとに計算することは可能ですが、ある程度の目安を知っておくことで、資材選びをスムーズにおこなえるでしょう。

ここでは、代表的な資材のヤング係数の目安を紹介します。

金属類(鉄筋・銅材・アルミなど)

鉄筋や銅、アルミなどの金属類のヤング係数は一定値であり、強度の変化にも影響されないのが特徴です。たとえば、アルミのヤング係数は、70,000N/m㎡であり、銅材のヤング係数は約205,000N/m㎡となっています。

同じ金属類であっても、資材によってヤング係数が異なるので、頻繁に使用する資材については、どれくらいのヤング係数なのかを覚えておくといいでしょう。

なお、金属類の主なヤング係数の一覧は以下の通りです。

  • アルミ:206,000N/m㎡
  • 亜鉛:108,400N/m㎡
  • 真鍮:100,600N/m㎡
  • ステンレス:193,000N/m㎡
  • 鋳鉄:100,000~180,000N/m㎡
  • 鉛:16,100N/m㎡
  • チタン:115,700N/m㎡

金属類は、材質によってヤング係数が異なります。たとえば、アルミの場合は206,000N/m㎡であるのに対し、亜鉛は108,400N/m㎡となっており、数値が約半分となっています。このように、ひとえに金属類といっても、材質によって数値が異なることから、使用を検討している資材ごとにヤング係数を確認することが大切です。

木材

木材のヤング係数は、種類によって異なるものの、7,000N/m㎡~12,000N/m㎡が目安となります。どのような種類の木材かによって変わることに加え、気温や湿度によっても異なります。

そのため、ヤング係数を単純に計算するだけではなく、天候などからしっかりと見極めることが大切です。

なお、主な木材のヤング係数の目安は以下の通りです。

  • すぎ(繊維方向):7,350N/m㎡
  • すぎ(繊維直交方向):590N/m㎡
  • まつ(繊維方向):7,350N/m㎡
  • まつ(繊維直交方向)590N/m㎡

木材の場合、木の種類だけでなく、繊維の方向によって、ヤング係数が変わります。とくに、繊維直交方向のヤング係数は小さくなっており、物体がしなやかなことがわかります。

また、木材は、空気や水分を含む性質があることから、天気や湿度によって、同じ木材でもヤング係数に違いがでるケースも少なくありません。

そのため、木材を使用するときは、ヤング係数を参考にしたうえで、天候や湿度、温度などの使用環境についても確認しておくことをおすすめします。

コンクリート

コンクリートのヤング係数は、ほかの資材と計算式が異なり、以下の方法で求めることが可能です。

Ec(ヤング係数)= 3.35×10^4×(γ/24)^2×(Fc/60)^(1/3)

一般的なコンクリートのヤング係数は、22600N/m㎡となっており、木材よりもはるかにヤング係数が高いことがわかるでしょう。また、コンクリートの場合、強度が大きくなるほど、ヤング係数も大きくなります。

昨今は、コンクリートに関するさまざまな研究がおこなわれており、強度の高いコンクリートが開発されています。そのため、コンクリートの種類によって、ヤング係数が異なり、硬度に違いが出ることも少なくありません。

まとめ

建築業界では、しばしば「ヤング係数」という言葉を見たり、聞いたりすることがあるでしょう。ヤング係数は、資材選びの際に重要な指標のひとつであることから、しっかりとヤング係数の意味や計算方法を知っておかなければなりません。

また、ヤング係数は資材ごとに数値が異なることから、よく使用する資材については、どれくらいのヤング係数かを覚えておくといいでしょう。同じ木材や金属類であっても、どの素材を使用するかによって、ヤング係数が異なります。

そのため、使用を検討するたびに、それぞれの数値を確認することをおすすめします。

今回は、ヤング係数の意味や計算方法に加え、代表的な建築資材のヤング係数の目安を紹介しました。ぜひ参考にしてください。

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