電気工事士とは?仕事内容や資格試験、年収についても徹底解説!

私たちの日常生活に欠かせない【電気】ですが、その電気の工事を行う電気工事士について、こんな疑問はありませんか。

「電気工事士って資格の名前?」
「電気って素人でも工事していいのかな?」
「電気工事士ってキツい仕事なのかな?」

この記事では、電気工事士はどんな資格なのか、実際の仕事の様子ややりがい、平均年収をご紹介します。また、電気工事施工管理技士や電気主任技術者等の資格についてもご説明します。

電気工事士を既に取得されている方も、これから取得を考えている方も、ぜひ読んでみてください。

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電気工事士とは?

住宅やビル、工場にショッピングモールなど、電気設備の安全を守るため、工事の内容により一定の資格を取得している人でなければ、電気工事を行ってはならないと法律により定められています。(※電気工事士法 第三条)

したがって、資格を保有していない一般の人がDIYで電気工事を行うことは、法令違反となります。

電気は生活に欠かせない身近なもので、簡単に工事できそうな印象をお持ちの方もいるかもしれませんが、安易な気持ちで工事してしまうと、感電災害から重大な怪我をする場合や、時に命を落としてしまうこともあります。

そういった危険を防ぐためにも、電気工事士となり、正しい知識を持って工事に臨むことが必要です。

電気工事士は電気工事についての専門的な知識と技能を有する者に与えられる国家資格です。

電気工事士のやりがいは?

電気工事士-やりがい

次は仕事のやりがいや、日常生活で活かせることなど、電気工事士の良い面を見ていきましょう。

照明が点灯したときに強い達成感を味わえる

この達成感は、電気工事士の一番のやりがいと言っても過言ではないように思います。

送電線から電源を引き込み、見えなくなる部分(地中や天井内)を地道に配線し、照明器具を付け、漏電する部分はないか何度も試験を重ね、やっと照明が点灯した時の達成感です。

明かりが灯るのは空間だけでなく、自分の心の中も同じです。何度経験しても、あたたかな達成感で心が満たされます。

必要なところに、必要な電源を設けることができる

冒頭で、電気工事士でなければ電気工事はできないとお伝えしました。部屋の模様替えをしているとき、テレビをここに移動したいけどコンセントもテレビ端子もないから諦めよう、という経験をしたことがある方はいらっしゃいませんか。そんな時、電気工事士であればほしいところにコンセントを増設することができます。一家に一人、電気工事士がいればとても喜ばれること間違いなしです。

お客様に対して成果がわかりやすい→喜ばれる

2009年頃からLED照明が普及し始めました。現在も尚、蛍光灯や水銀灯を使用している施設も多く、各メーカーの蛍光灯や水銀灯の生産終了に伴ったLED化の工事は引き続き行われています。

そんな照明器具の改修工事は、見えない部分での仕事の苦労が多い電気工事士の仕事の中でも、誰が見ても「明るくなった!」と、結果が明らかになる工事で、お客様から大変喜ばれる仕事のうちの一つです。

電気工事士になるには?必要な資格や条件

電気工事士になるためには?

電気工事士試験に合格し都道府県知事から免状の交付を受け、晴れて電気工事士となります。

電気工事士の資格には第一種と第二種の2種類があり、第一種は免状申請を行う際に学歴にかかわらず3年以上の実務経験が必要とされています。

第一種、第二種それぞれの取り扱える工事内容や受験資格、実務経験を詳しく見ていきましょう。

第一種電気工事士

第一種電気工事士免状取得者の携われる電気工作物の範囲

■電気工事士法において規制されている次の電気工事の作業に従事することができる

  1. 自家用電気工作物のうち最大電力500キロワット未満の需要設備の電気工事
  2. 般用電気工作物の電気工事

ただし、1の作業のうちネオン工事と非常用予備発電工事の作業に従事するには、特殊電気工事士各者という別の認定証が必要です。

■自家用電気工作物のうち最大電力500 キロワット未満の需要設備を有する事業場(工場、ビル等)などに従事している場合、事業主(当該電気工作物の設置者又は所有者)が産業保安監督部長に当該事業場の電気主任技術者として選任許可申請の手続きを行い、許可が得られれば、電気主任技術者(一般に、「許可主任技術者」といわれる。)となることができる

ただし、この場合の手続きは事業主が電気事業法に基づき手続きを行うもので、第一種電気工事士免状取得者本人が行うものではありません。

第一種電気工事士試験合格者(免状未取得者)

■産業保安監督部長から「認定電気工事従事者認定証」の交付を受ければ、簡易電気工事(自家用電気工作物のうち、最大電力500キロワット未満の需要設備であって、電圧600ボルト以下で使用する電気工作物(電線路を除く。)の電気工事をいう。)の作業に従事することができる。

■上記免状取得者のbと同様に許可主任技術者となることができる。

第一種電気工事士の受験資格と実務経験

第一種電気工事士試験受験希望者に対し、受験制限はありません。学歴や年齢、実務経験は問われません。

受験申込から免状取得までの流れ

受験申し込みは例年6月~7月です。

  • 新規受験希望者は筆記試験から
  • 以下の対象者は技能試験から(申請方法をよく確認してください)

├昨年度の第一種電気工事士試験の筆記試験合格者
└第一種・第二種又は第三種電気主任技術者免状の取得者

旧電気事業主任技術者資格検定規則による電気事業主任技術者の有資格者

筆記試験 例年10月

合格

技能試験 例年12月

合格

実務経験

技能試験に合格し、かつ電気工事に関し、3年以上の実務経験を有する者。合格前の実務経験が認められるものがあります。

都道府県知事へ第一種電気工事士免状交付申請

免状申請

晴れて第一種電気工事士へ

第二種電気工事士

第二種電気工事士免状取得者の携われる電気工作物の範囲

■ 一般住宅や小規模な店舗、事業所などのように、電力会社から低圧(600ボルト以下)で受電する場所の配線や電気使用設備等の一般用電気工作物の電気工事の作業に従事することができる。

■免状取得後、3年以上の電気工事の実務経験を積むか又は所定の講習(認定電気工事従事者認定講習)を受け、産業保安監督部長から「認定電気工事従事者認定証」の交付を受ければ、上記第一種電気工事士試験合格者(免状未取得者)のaの作業に従事することができる。

最大電力100キロワット未満の工場、ビル等に勤務している場合、上記の第一種電気工事士免状取得者と同様に「許可主任技術者」となることができます。

第二種電気工事士の受験資格と実務経験

第二種電気工事士試験受験希望者に対し、受験制限はありません。学歴や年齢、実務経験は問われません。

受験申込から免状取得までの流れ

第二種電気工事士試験は上期と下期の年2回実施されています。

受験申し込みは例年上期:3~4月、下期:8~9月です。

  • 新規受験希望者は筆記試験から
  • 以下の対象者は技能試験から(申請方法をよく確認してください)
  1. 昨年度の第二種電気工事士試験の筆記試験合格者
  2. 学校教育法による高等学校若しくは旧中等学校令による実業学校又はこれらと同等 以上の学校において、電気工事士法で定める電気工学の課程を修めて卒業した方
  3. 第一種・第二種又は第三種電気主任技術者免状の取得者
  4. 旧電気事業主任技術者資格検定規則による電気事業主任技術者の有資格者
  5. 改正前の鉱山保安法第 18 条の規定による試験のうち、電気保安に関する事項を分掌 する係員の試験に合格した方
  6. 旧自家用電気工作物施設規則第 24 条第1項(ヘ)及び(ト)の規定により電気技術に関し相当の知識経験を有すると認定された方

筆記試験 例年 上期:5月 下期:10月

合格

技能試験 例年 上期:7月 下期:12月

合格

都道府県知事へ第二種電気工事士免状交付申請

免状申請

晴れて第二種電気工事士へ

電気工事士は稼げる?平均年収は?

電気工事士は稼げる?平均年収は?

電気工事士の平均年収は、第一種、第二種でどのくらい差が出るのでしょうか。相場を見ていきましょう。

まずは電気産業に従事する年齢別平均年収です。

賃金
(千円)
年  齢(歳)年 収(千円)
  ~19180.3
20~24213.6
25~29262.9
30~34333.4
35~39391.1
40~44434.1
45~49468.8
50~54536.5
55~59531.4
60~64290.6
65~69235.2
70~263.7

参照:厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況

上記の表からは、見習い期間を経て「職長※」のポジションにつけるくらいの知識や経験を積むと年収が上がっていくことがわかります。

※安衛法上の職長とは、現場において作業員を直接指示監督する者を言います。建設現場では、人や物、資機材が絶えず動いており、それに伴う危険有害要因も変化しているため、作業全体の状況を監視・監督する者を選任しこれらを管理させる必要がある。一定の業種(建設業他計7業種)にあっては、安衛法第60条により所定の安全衛生に関する教育(いわゆる「職長教育(12時間」)が義務付けられている。簡単に言うと職長とは、その職種のリーダーで、現場監督や他の職長との連絡・調整役のことです。

次に、第一種・第二種電気工事士それぞれの平均年収を見てみましょう。

第一種電気工事士550万円
第二種電気工事士450万円

この差は、携われる工事の規模の違いが大きな要因とされています。

第二種電気工事士では小規模な建物のみに従事可能となりますが、第一種電気工事士も取得すれば大型現場(高額案件)での作業が可能となります。

電気工事士が活躍の場を広げるためには資格取得が必須

電気工事士-資格取得が必須

電気工事士の他に、電気系資格として「電気工事施工管理技士」や「電気主任技術者」があります。

またスキルアップとして「建築設備士」の資格を取得すると、更に電気設備のスペシャリストとして活躍の場も広がっていきます。それぞれの資格の電気工事士との違いや特徴について解説します。

電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士は、電気工事士と同様に国家資格のひとつですが、その名の通り「施工を管理する人」「現場監督」に必要となり、多くの電気工事士さんがスキルアップ、ステップアップとして目指している資格です。

電気工事施工管理技士は1級と2級に分かれており、それぞれに受験資格も設けられています。

例えば1級より難易度の低い2級電気工事施工管理技士の試験には、受験資格として電気工事士が認められています。

第一種電気工事士免状の交付を受けた者実務経験年数は問わない
第二種電気工事士免状の交付を受けた者1年以上の実務経験を有する者
(交付後ではなく、通算の実務経験年数)

まずは第二種電気工事士からスタートして、第一種電気工事士、2級電気工事施工管理技士へとステップアップすることで、より高い年収を得ることができます。

電気主任技術者

電気主任技術者は電気設備の保安監督という仕事に従事します。電気設備を設置する工事を行うのが電気工事士、設置されたあとの保安監督をするのが電気主任技術者です。

電気主任技術者には、第一種から第三種まで3種類があり、扱える電圧がそれぞれ異なります。

電気主任技術者試験は難易度の高い試験ですが、社会的評価が高い資格で、大きな事業所(企業)に直接雇われることもあるため、更に高い年収を目指す方におすすめです。

建築設備士

建築設備士は、電気設備に限らず建築設備全般に関する知識及び技能を有し、建築士に対して、高度化・複雑化した建築設備の設計・工事監理に関する適切なアドバイスを行える資格者です。

電気工事士が工事を行うプロフェッショナルとするならば、建築設備士は建築設備の設計をするプロフェッショナルです。

機械設備についてや建築の理解も必要なため、難易度の高い資格ですが、現場を知っている電気工事士が電気設備設計もできるということは唯一無二の強みとなります。

受験資格として1級電気工事施工管理技士の取得+実務経験2年以上が認められていますので、さらなるステップアップにおすすめの資格です。

電気工事士への転職について

電気工事士は今後も安定した求人が見込まれるのか、現在の求人状況はどうかを確認していきましょう。

経済産業省によると、第一種電気工事士は高齢の電気工事士の退職により2020年頃から数万人規模の人材不足が生じる可能性があり、第二種電気工事士は入職者数の減少が推測され2045年には2000人程度の人材不足が生じるとされています。

以上のことより、今後電気工事士の需要は益々高まっていくことがわかります。

現在の東京での求人状況は良好です。東京都では正社員としての募集で月給30万円~50万円、年収480万円~、といった募集が多くあります。

大阪府でも正社員の募集で月給30万円~40万円で、賞与6.5ヶ月分といった高い給与での求人があります。

電気工事士についてよくある質問5つ

最後に、電気工事士についてよくある質問と答えを紹介します。

電気工事士に就職・転職する際の参考にしてください。

電気工事士が「やめた方がいい」と言われる理由は?

インターネットで「電気工事士」と検索すると

  • 「やめた方がいい」
  • 「仕事がキツい」
  • 「危ない」

など、ネガティブな検索ワードを目にしますが一体なぜでしょうか。まずは皆さんがネガティブに考える原因から考えていきましょう。

肉体労働だから

皆さんは工事現場に対してどのようなイメージをお持ちですか?昔はよく建設業は3K(キツい、危険、汚い)と言われました。未だにそのイメージが根強く残っているのかもしれません。

しかし現在は新3K(給与・休暇・希望)の実現を国交省が掲げています。電気工事士に限らず、建設業は肉体労働です。

それでも従来のような、朝から晩まで休みなく体を動かし続けるような働き方はしないよう、法整備も現場体制も変わってきています。

繁忙期が激務だから

電気工事士の繁忙期は年に2度ほどあります。

まずは夏の少し前〜夏場のエアコン設置に伴う電源工事の増加です。量販店で販売される住宅向けエアコンの電源工事も増えますし、学校の夏季休暇に合わせたエアコンの改修工事が増える等、とにかく仕事が多い時期です。

次は年末〜年度末にかけての大型工事の増加です。多くの自治体や企業は3月末を年度末と設定しているため、新年度の使用開始を目標に各種工事を行っています。

すると照明器具の取り付けや、コンセントの取り付けなど、最後の仕上げの工事としての電気工事の量がこの時期に集中してきます。

この年に2度の繁忙期の忙しさにキツいと感じてしまう人も多いのかもしれません。

電気工事士は女性も活躍できる?

近年は電気工事士として活躍する女性も増えてきています。

電気系学科で学ぶ高校生を対象に開催された「第21回関東甲信越地区電気工事コンテスト」では、女子学生が2位に入賞するなど、性別問わず活躍できる場であることが改めて証明されました。

電気工事士の仕事は大きく分けて2つあります。太いケーブルを扱う幹線工事や、建柱作業や埋設配管といった土工事のような力仕事と、分電盤の結線作業や器具付けなどの繊細且つ丁寧さが求められる仕事です。

特に分電盤の結線作業は電気使用時の安全にも直結する部分ですので、これらの技術を極めることで女性であっても引っ張りだこな電気工事士になれること間違いなしです。

もちろん得意・不得意は皆に一様にあり、性別に拘わらず自分の得意な技術や工程を身につけることで、活躍の幅は広がっていきます。

第一種電気工事士と第二種電気工事士の違いは?

電気工事士には主に第一種と第二種の2つの種類があります。

それぞれの資格の持つ作業範囲や待遇が異なります。

とくに第二種電気工事士は「一般住宅」や「小規模な店舗」の工事・取扱の範囲が許可されています

AIやロボットの台頭による電気工事士の将来性は?

人工知能(AI)やロボット技術の進化により、多くの産業や仕事が自動化の影響を受ける中、電気工事士の将来性にも変動が予想されます。

一部の単純作業や計算、設計等はAIにより自動化される可能性があるため、電気工事士が従来行っていた業務の一部が変わることが考えられるでしょう。

しかし、電気工事には高度な技能や専門知識、そして実際の現場での判断が必要とされるため、完全な自動化は難しいとも言えます。

特に、現場の状況に応じた柔軟な対応や人間とのコミュニケーション能力はAIやロボットには再現困難であり、電気工事士の役割が無くなることはないです。

結論としては、AIやロボットの進化は電気工事士の業務の一部を変えるかもしれませんが、専門的な技能や知識を持つ電気工事士の重要性は今後も変わらないと考えられます。

資格が無いと作業は一切できない?

「軽微な工事」として知られる一部の工事は、電気工事士の資格がなくても担当することが可能です。

これらの工事は一般用電気工作物や自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)を設置、または変更する工事に関連しています。

また電気工事の実際の現場では、資格を持つことと実際の作業能力は別物であり、資格がなくても実務を学べることが強調されています。

このため、資格を持っていても、すぐに高度な配線作業などができるわけではなく、現場での経験や実務が非常に重要です。

まとめ

本記事では電気工事士のやりがいや、平均年収、スキルアップなど様々なことを解説しました。

電気は私たちの生活に欠かせない重要なインフラです。電気工事士は年収アップも期待でき、転職にも有利な資格であることをご理解頂けたかと思います。

電気工事士は独学での資格取得も十分可能ですし、資格学校や通信教育を利用することもできます。

まずは第二種電気工事士にチャレンジし、第一種電気工事士を目指して、手に職をつけ電気工事のプロフェッショナルになってみませんか。

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