「第一種電気工事士の試験ってどんな試験?」
「合格率を高めるための対策は?」
第一種電気工事士とは、規模の大きな建物の電気設備工事を行うために必要な国家資格のことです。
学歴や実務経験などの受験資格もないため、誰でも受験できます。
建物の電気設備工事を行うためには、電気工事士の資格が必ず必要になるため今後も需要が見込まれる人気の国家資格です。
本記事では、第一種電気工事試験の概要と合格率を高めるための試験対策方法などをわかりやすく解説します。
第一種電気工事士に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
・公開 / 非公開求人多数掲載!
・転職後に収入380%の実績アリ!
・アドバイザーによるサポートも充実!
トントンでは様々な方に向けた求人を多数掲載!
初めての就職やキャリアアップのために適した企業に、
全て無料で応募可能です!
サイト掲載不可の
限定求人をご紹介!
転職サポートに30秒で無料登録!
お持ちのアカウントで登録
※個人情報保護方針をご確認の上、お進みください。
目次
第一種電気工事士とは
第一種電気工事士とは、規模の大きな建物の電気設備の工事を行うために必要な国家資格のことです。
建物の電気設備工事は、電気工事士法によって電気工事士の資格を持っている人でなければ作業に従事することができないと定められています。
電気設備に不備があると建物や入居者に多大な被害が及ぶだけでなく、火災などの重大な災害につながることもあります。
電気工事士の国家資格はこのようなトラブルを未然に防ぐために設けられました。
第一種電気工事士になるとできること
第一種電気工事士になると、一般用電気工作物および500kW未満の自家用電気工作物の工事に従事することができます。
一般用電気工作物とは、電力会社から低圧(600V以下)で受電した建物の電気設備工事を指します。
自家用電気工作物とは、電力会社から高圧(600Vを超える)で受電した建物の変電設備や電気設備のことを言います。
第一種電気工事士になると、小規模な施設や一般住宅に加えて、規模の大きなビルや工場などの電気設備工事に携わることができるようになります。
電気工事士の資格は2種類
電気工事士には、扱える作業の違いによって2種類の資格が存在します。
- 第二種電気工事士:600V以下で受電する一般電気工作物に従事できる
- 第一種電気工事士:第二種電気工事士の工事範囲に加え、500kW未満の自家用電気工作物に従事できる
第二種電気工事士は、一般住宅や小規模な建物の電気設備工事のみが行える国家資格です。
いっぽう、第一種電気工事士は、第二種電気工事士の作業範囲に加え、ビルや工場など規模の大きな建物の電気設備を行えます。
第一種電気工事士の資格をとると、第二種の電気工事士の工事範囲を含めた幅広い電気設備工事に携わることができるようになります。
第一種電気工事士試験の難易度は?合格率について
第一種電気工事士試験の過去4年間の合格率をまとめました。
1)学科試験の合格率
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格者数 |
---|---|---|---|
令和4年度 | 37,247 | 21,686 | 58.2% |
令和3年度 | 40,244 | 21,542 | 53.5% |
令和2年度 | 30,520 | 15,876 | 52.0% |
令和元年度 | 37,610 | 20,350 | 54.1% |
2)技能試験の合格率
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和4年度 | 26,578 | 16,672 | 62.7% |
令和3年度 | 25,751 | 17,260 | 67.0% |
令和2年度 | 21,162 | 13,558 | 64.0% |
令和元年度 | 23,816 | 15,410 | 64.7% |
過去4年間の学科試験の合格率の平均は54.5%です。
いっぽう、技能試験の合格率は平均64.6%です。
試験内容や合格率を考慮すると、第一種電気工事士試験難易度は中級レベルの試験と言えます。
技能試験よりも学科試験の方が、合格率が低く難易度が高いことがわかります。
第一種電気工事士の試験科目
第一種電気工事士の試験は、学科試験と技能試験の2科目があります。
第一種電気工事士試験のほうが、第二種電気工事士試験より試験範囲は広くなります。
それぞれの試験科目について紹介していきます。
学科試験
学科試験はマークシートに解答を書く筆記方式と、パソコンで解答するCBT方式が選択できます。
試験内容を以下にまとめました。
解答方式 | 筆記方式 CBT方式 |
試験内容 | (1)電気に関する基礎理論 (2)配電理論及び配線設計 (3)電気応用 (4)電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料及び工具並びに受電設備 (5)電気工事の施工方法 (6)自家用電気工作物の検査方法 (7)配線図 (8)発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性 (9)一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令 |
出題数 | 全50問 一般問題:40問前後 配線問題:10問前後 |
試験時間 | 140分 |
技能試験
技能試験では、配線図をもとに与えられた材料で電気工作物を制作していきます。
試験内容を以下にまとめました。
試験方法 | 作業工事により、配線図で与えられた問題を支給される材料で、一定時間内に完成させる。 |
試験内容 | (1)電線の接続 (2)配線工事 (3)電気機器・蓄電池及び配線器具の設置 (4)電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法 (5)コード及びキャブタイヤケーブルの取付け (6)接地工事 (7)電流・電圧・電力及び電気抵抗の測定 (8)自家用電気工作物の検査 (9)自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理 |
試験時間 | 60分 |
第一種電気工事士の試験概要
第一種電気工事士の試験概要を紹介します。
受験資格 | 特になし |
申込期間 | 6月上旬~7月上旬 |
受験料 | 郵送申込:11,300円 インターネット申込:10,900円 |
試験頻度 | 年1回 学科試験 (筆記方式10月上旬、CBT方式8月下旬~9月下旬) 技能試験 (12月上旬) |
試験地 | 47都道府県 |
出題形式 | 学科試験:マークシート四肢択一 (筆記方式、CBT方式) 技能試験:配線図をもとに制作 |
合格点 | 学科試験:60点以上 技能試験:欠陥がないこと |
試験時間 | 学科試験:140分 技能試験:60分 |
合格者数(受験者数) | 学科試験:21,686人(43,059人) 技能試験:16,672人(28,263人) |
試験実施機関 | 一般財団法人電気技術者試験センター |
第一種電気工事士合格までに必要な勉強時間
第一種電気工事士合格までに必要な勉強時間は、筆記試験で50~100時間とされています。
毎日1時間の勉強時間を取れる人でも、試験日の2~4か月前から準備をしておかなければなりません。
筆記試験に合格したら、2か月後に実技試験が行われます。
技能試験では、事前に一般財団法人電気技術試験センターより13の課題候補が公表されます。
公表された課題候補を事前に対策するために、50時間の勉強時間が必要とされています。
第一種電気工事士の試験対策
第一種電気工事士の学科試験と技能試験は試験対策が異なります。
それぞれの試験に必要な対策方法を紹介します。
学科試験
学科試験は、計算問題・識別問題・配線問題が出題されます。
計算問題では、公式を覚えることが重要です。
オームの法則や合成抵抗などを習得し、演習問題で応用力を高めていきましょう。
識別問題・配線問題は、暗記が中心です。
5年間の過去問題を反復演習して知識を定着させていきましょう。
試験直前では解ける問題は飛ばして、苦手な問題を中心に演習を重ねることで合格点に近づくことができます。
技能試験
技能試験は、事前に13の候補問題が一般財団法事電気技術社試験センターから公表されます。
必要な工具を用意して、実際に電気工作物を制作しましょう。
技能試験の合格ラインは、欠陥なく制作できることです。
公表された候補問題は事前にすべて練習しておきましょう。
試験当日は、緊張から思うように作業できない可能性もあります。
13の候補課題を2~3回繰り返し、時間内に確実に制作できるようにしておくことが大切です。
申請により筆記試験が免除されるケース
第一種電気工事士には、申請により筆記試験が免除されるケースがあります。
免除されるケースを以下にまとめました。
学科試験免除の対象となる方 | 免除申請時に必要な証明書類 |
---|---|
前回(前年度)の第一種電気工事士学科試験に合格した者 | 特に証明書類は必要ありません。 |
第一種、第二種又は第三種電気主任技術者免状の交付を受けている者 | 「電気主任技術者免状」の複写 |
旧電気事業主任技術者資格検定規則による電気事業主任技術者の資格を有する者 | (1)左記検定規則に基づく検定試験の合格者にあっては「合格証明書」、または「合格証書」の複写 (2)左記検定規則による認定学校(旧制の大学、工業専門学校、工業学校等)の 卒業者にあっては「卒業証明書」、または「卒業証書」の複写 |
(注)
1.第一種電気工事士試験は学校卒業による学科試験の免除はありません。
2.学科試験免除を証明する書類は、申込みと同時に試験センター本部事務局宛に別途送付して下さい。
3.学科試験免除対象者の方も申込書受付期間は、学科試験から受験する方と同期間です。
第一種電気工事士試験の特徴
第一種電気工事士試験の特徴を紹介します。
- 第二種電気工事士の知識が生かせ
- 3年以上の実務経験を積むと免状が交付される
- 学科試は筆記方式とCBT方式から選べる
第二種電気工事士の知識が生かせる
第一種電気工事士試験では、第二種電気工事士の知識を生かすことができます。
いきなり第一種電気工事士の試験に合格するのが難しいと感じる方は、まずは第二種電気工事士の資格取得を目指してみましょう。
第二種電気工事士の資格を取得できれば、その知識を第一種電気工事士の資格取得に生かすことが可能です。
3年以上の実務経験を積むと免状が交付される
第一種電気工事士は、資格取得後3年以上の実務経験を積まなければ免状が交付されません。
電気工事士法によって定められた第一種電気工事士の資格を有する作業に従事するためには、資格の取得だけでなく免状の交付が必要です。
第一種電気工事士の試験に合格すればすぐに工事に従事できるわけでなく、必要な実務経験を積んで初めて工事に従事できるようになります。
第一種電気工事士の免状を交付されるためには、資格取得後3年以上の実務経験が必要になるので注意しましょう。
学科試験は筆記方式とCBT方式から選べる
第一種電気工事士では、2023年度から学科試験にCBT方式が導入されました。
CBT方式とは、コンピューターを使った試験方式のことです。
CBT方式を選択した受験者は、試験日と試験会場を事前に選択します。
試験当日には試験会場に設置されたコンピューターを使って、試験問題に回答していきます。
まとめ
第一種電気工事士とは、ビルや工場など規模の大きな建物の電気設備工事を行うために必要な国家資格です。
学歴や経験年数などの受験資格もなく、今後も需要が期待されることから人気の資格となっています。
第一種電気工事士試験には学科試験と技能試験の2つの試験科目があり、試験の数ヶ月前からしっかりと対策をしておかなければなりません。
計画的な学習スケジュールをたて、試験当日にのぞみましょう。
建設業界の転職求人サイト「トントン」では、第一種電気工事士が活躍できる会社の求人を多数掲載しています。
興味がある人は、一度のぞいてみてください。