「電験三種の難易度ってどんなもの?」
「合格するにはどれくらい勉強したらいい?」
建築関係の資格の中でも、難易度の高い電験三種。
学歴や実務経験などの受験資格もないため、誰でも受験できます。
本記事では、電験三種の難易度や試験の概要、合格率をあげるための勉強法を詳しく紹介します。
電験三種に興味ある方は、ぜひ最後までお読みください。
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目次
電験三種(第三種電気主任技術者)とは
電験三種(第三種電気主任技術者)とは、建物の電気設備の保守・管理を行うための国家資格です。
電気設備の保守・管理は電気主任技術者の資格がないとできません。
電気主任技術者には、規模によって第一種から第三種までの3種類の資格があります。
電験三種では、5万ボルト未満の事業用電気工作物の保守・管理ができます。
電験三種の難易度は?合格率について
電験三種は、難易度が高い試験です。
令和5年度上期の試験では、受験者数28,168人に対して4,683人の合格者。合格率は16.6%と難易度が高い試験であることがわかります。
以下の表のように、他の国家資格と比較しても合格率が低いことがわかります。
資格名 | 合格率 |
電験三種 | 16.6% |
宅地建物取引士 | 17.2% |
エネルギー管理士 | 37.8% |
二級建築士 | 22.3% |
上記の表の合格率は、いずれも令和5年度分の試験結果です。
難関資格として知られる宅地建物取引士の合格率よりも、電験三種の合格率が下回っています。
電験三種には4つの試験科目があり、その全てで合格点をとる必要があります。
合格基準は毎年変動しますが、直近の数年では4科目全てで60点以上が必要でした。
電験三種の合格率が低い理由
電験三種は合格率10%代の高難易度の国家資格です。
電験三種の合格率が低い理由を紹介します。
- 専門知識が多い
- 計算問題が多い
- 実務知識も必要である
- 応用問題が多い
- 受験者が多い
専門知識が多い
電験三種の合格率が低い理由のひとつは、専門知識を多く必要とすることです。
試験科目には理論・電力・機械・法規と4科目あり、それぞれの科目に必要な知識も広範囲にわたります。
覚えなければならない内容も多く、それぞれが電気設備に関連した専門知識ばかりです。
電験三種の合格率が低い理由は、電気設備の専門知識が多く必要だからです。
計算問題が多い
電験三種は計算問題が多いのも、合格率が低い理由のひとつです。
電験三種は、参考書や問題集の暗記だけでは合格できません。
公式を覚えることはもちろんですが、計算問題の中でしっかりと公式を使えることが重要です。
数学や物理と同じで、公式を覚えただけでは解けないような応用問題も多くあります。
計算ミスで答えを間違うということもあるでしょう。
電験三種は、計算問題が多いため合格率が低くなっていると言えます。
実務知識も必要である
電験三種の試験問題を解くためには、実務的な知識も必要です。
実務の知識がなければ参考書に書かれている内容を理解するのに、多くの時間がとられます。
電力や機械の科目には、実物を見たり触れたりしたことがなければ内容を理解するのが難しいものもあります。
実務的な知識がないと内容を理解しづらいことが、電験三種の合格率が低くなっている要因となっています。
応用問題が多い
電験三種の試験内容は、応用問題が多いのも合格率が低い理由のひとつです。
建築関係の国家資格には、例年の出題傾向が似通っていて過去問題を3~5年も勉強すれば合格できるものもあります。
電験三種は応用問題が多いため、過去問題だけの対策では合格できません。
参考書に書かれた内容がそのまま出題されることも少なく、基礎をしっかりと理解して応用問題に対応できないと合格は難しいでしょう。
理論を理解したうえで機械や電力の計算問題を解くといった、科目を横断した理解力も求められます。
応用問題が多く出題されていることが電験三種の合格率を低くしている要因です。
受験者が多い
電験三種は、受験者の数が多いのも合格率が低くなっている理由のひとつです。
電験三種の試験は、学歴や実務経験といった受験に必要な資格要件がありません。
経験者・未経験者問わず誰でも受験することが可能です。
需要の高い資格なため、実務経験や専門知識が乏しい人も多く受験を希望しています。
電験三種は、求められる知識の範囲は広く、学習時間も多く必要です。
そのため、途中で挫折してしまう人や、しっかりと勉強できずに試験当日を迎える人も少なくありません。
受験者が多いことが、合格率が低くなっている要因のひとつです。
電験三種を取得するメリット
合格率が低く、難易度の高い資格である電験三種ですが、取得には以下のようにさまざまなメリットがあります。
- 需要の高い国家資格である
- 技術者としての信頼が高まる
- 就職や転職に有利になる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
需要の高い国家資格である
電験三種の資格を持っていると、電気主任技術者として業務にあたることができます。
一般的な建物やビルなどの建設には、電気主任技術者の配置が法律で定められているため、安定した需要の見込める仕事です。
電験三種の資格を持っていることで、仕事に困る心配はほぼなくなるでしょう。
技術者としての信頼が高まる
合格率が低く難易度の高い電験三種の資格を取得しているということは、電気の専門知識を深く身につけていることの証明になります。そのため、会社からの信頼が高まることにもつながります。
信頼が高まることで、昇進や昇給の可能性も高まるでしょう。
就職や転職に有利になる
電気企業は、人手不足の問題を抱えていることが多く、資格を持っている人材を確保することに力を入れています。
需要が高く、技術者としての信頼も高い電験三種を持っていると、就職や転職の際にも有利になります。
電験三種の試験概要
電験三種の試験の概要を紹介します。
受験資格 | 特になし |
申込方法 | インターネット申込書面申込 |
受験方法 | 1)CBT方式 2)筆記方式 |
試験日程(上期) | 1)CBT方式令和6年7月4日(木)〜7月28日(日) 2)筆記方式令和6年8月18日(日) |
試験日程(下期) | 1)CBT方式令和7年2月6日(木)〜3月2日(日) 2)筆記方式令和7年3月23日(日) |
試験地 | 全国47都道府県 |
試験科目 | 1)理論 2)機械 3)電力 4)法規 |
受験料 | インターネット申込 7,700円 書面申込 8,100円 |
電験三種試験では、令和5年度よりCBT方式が採用されています。
CBT方式とは、コンピューターを使用して実施される試験方法のこと。試験期間内に受験者自ら全国に約200ヶ所ある会場を予約して、会場に設置してあるコンピューターで試験を受けます。
電験三種の試験内容
電験三種で出題される4つの試験科目について紹介します。
- 理論
- 電力
- 機械
- 法規
理論
理論は、電験三種の基礎となる科目です。
電力・機械・法規のほかの科目に関連する基礎的な知識が含まれています。
理論には、7つの出題分野があります。
- 静電気
- 電磁気
- 直流回路
- 交流回路・三相交流回路
- 電子工学・電子回路
- 電気計測・電子計測
理論は、電験三種で出題される4つの科目の中でも難易度の高い科目と言われています。
問題の8割が計算問題のため、応用力が求められる科目といえます。
電力
電力は、発電や変電に関する科目です。
電力には、3つの出題分野があります。
- 発電所・変電所の設計および運転
- 送電線路・配電線路の設計および運用
- 電気材料
4つの試験科目の中で、実務的な知識を必要とする科目です。
発電所や変電所の仕組みや送電線路の役割など、実務を通して最低限の知識を持っていると理解が進みやすいです。
問題は暗記問題が半分、計算問題が半分で構成されています。
電力は、出題傾向に似通ったものが多いため、過去問題をしっかり勉強すれば合格点をとることができるでしょう。
機械
機械は、電気設備に利用される機器類に関する科目です。
機械には、9つの出題分野があります。
- 電気機器
- パワーエレクトロニクス
- 電動機応用
- 照明
- 電熱
- 電気化学
- 電気加工
- 自動制御
- メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理
特に直流機、変圧器、誘導機、同期機は試験問題の大半を占める項目です。
しっかりと知識をつけて試験にのぞむ必要があります。
機械は理論同様にインプットに十分な時間を割き、基礎知識をしっかりと身につけることが合格のポイントとなります。
法規
法規は、電気設備に関する法規や施設管理に関する科目です。
法規には、3つの出題分野があります。
- 電気関係の法規
- 電気設備技術基準とその解釈
- 電気施設管理
法規と聞くと暗記問題が多いと思われがちですが、実際には計算問題が4割出題されます。
ほかの科目と違い複雑な計算は必要ないため、しっかり対策することで合格点が目指せます。
法規では電気設備の管理方法など、電気主任技術者に必要な実務的な知識が得られます。
電験三種の勉強方法
電験三種の勉強方法には、大きく独学で勉強する方法と通信講座を受ける方法の2種類があります。
それぞれの特徴について詳しく紹介します。
独学で勉強する
参考書や問題集を購入して自分で勉強を進めていく方法です。
独学の最も大きなメリットは、費用を抑えて試験勉強ができること。参考書などを購入しても数千円ほどで済みます。
さらに、自分のペースで学習を進められるというメリットもあります。決められたカリキュラムにそって勉強を進めることが苦手な人にとって、独学には大きなメリットがあると言えるでしょう。
ただ、試験範囲が広く、難易度が高い電験三種の試験勉強を独学ですることにはいくつかのデメリットも。
わからないところが出てきても質問できる人がいなかったり、スケジュール管理が苦手な人にとっては勉強のプランが立てにくかったりといったことが考えられます。
わからないところを質問できないと、理解するのが難しくモチベーションの低下にもつながるでしょう。
通信講座を受ける
もうひとつの方法が通信講座を受講することです。
学習の順番やスケジュールの立て方など、試験内容以外に合格のために必要なポイントを教えてくれるのが魅力です。
決められたカリキュラムにそって勉強を進めていくことで、合格へと導いてくれるでしょう。
参考書や問題集だけでなく、理解を深めるための副教材などが充実しているのもメリットのひとつ。参考書を読んだだけでは理解できない部分も、講師に質問することができ、解決に導いてくれます。
独学と比べて費用がかかってしまうのがデメリットですが、難易度の高い電験三種に最短で合格するためには効果的な勉強方法であると言えるでしょう。
電験三種合格までに必要な勉強時間
電験三種の合格までには1,000時間の勉強時間が必要だと言われています。
1日3時間の勉強でも、9か月~1年近くを要します。
受験を検討している人は、試験日から逆算して計画的な学習スケジュールを立てるようにしましょう。
1,000時間勉強すれば必ず合格できるというわけではありませんが、学習スケジュールを立てる際の一つの目安として考えてみてください。
電験三種合格のためのポイント
電験三種合格のためのポイントを紹介します。
- 勉強のスケジュールを立てる
- 各科目で応用力を身につける
- 計算力を身につける
- 科目合格制度を利用する
- 回答のケアレスミスに気をつける
勉強のスケジュールを立てる
電験三種に合格するための勉強を始める前に、合格するために必要な勉強時間とどの程度の時間が確保できるかを洗い出します。
そのうえで、いつまでに合格するのかを明確にし、スケジュールを立てましょう。
電験三種の試験に合格するためには、約1,000時間の勉強が必要とされています。仮に1日2時間の時間が確保できたとしても、500日もかかる計算です。
合格には、かなりの勉強時間が必要なため、1日にどのくらい勉強に当てられるのか、いつまでに試験に合格するのかを明確にしてスケジュールを立てることから始めましょう。
各科目で応用力を身につける
電験三種に合格するためには、各科目で応用力を身につけることが大切です。
電験三種は、参考書やテキストの丸暗記では合格できません。
基礎知識をしっかり身につけ、計算問題などの応用力を身につけなければなりません。
演習問題をこなして、応用力を身につけましょう。
計算力を身につける
電験三種には、計算問題が多く出題されます。
計算力を身につけなければ、電験三種に合格することはできません。
計算力は実践の中でつちかわれます。
問題集や過去問題で計算問題を多く解き、計算力を身につけましょう。
科目合格制度を利用する
電験三種には、科目合格制度があります。
科目合格制度とは、60点以上を取得した科目が最大5回(2年半)免除される制度のことです。
試験日まで時間がない場合は、特定の科目だけを集中的に学習して科目合格を目指しましょう。
1回の試験で1科目ずつ合格していければ、4回目にはすべての科目を合格し電験三種を取得できます。
一度にすべての科目を勉強しようとせず、科目合格制度を利用して効率的に学習を進めましょう。
回答のケアレスミスに気を付ける
電験三種の試験は、1問あたりの配点が大きいのが特徴。そのため、ひとつのケアレスミスが合否を分けることも少なくありません。
せっかく時間をかけて試験対策の勉強をしたのに、ケアレスミスによって不合格になってしまうような事態は避けたいもの。
試験でのケアレスミスは、回答を見直すことによって防げることも多いです。試験中は最後まで気を抜かずしっかりと見直しをするようにしましょう。
まとめ
電験三種(第三種電気主任技術者)とは、建物の電気設備の保守・管理を行うための国家資格です。
建物の電気設備の保守・管理は電気主任技術者の資格を持っていないと業務を行えないため、今後も需要の高い資格といえます。
難易度が高く、試験に合格するためには十分な学習時間が必要です。
試験日までの学習スケジュールをしっかり立て、コツコツと勉強を続けましょう。
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