CADオペレーターが「やめとけ」と言われる理由は、自由裁量が少なく細かな作業が多いからです。
しかし、人によっては上長からの指示で動いたり、細かい作業をコツコツ進めたりするのが好きな人もいるため、ネガティブな要素しかない職種というわけではありません。
この記事ではCADオペレーターが「やめとけ」と言われる理由、向いている人の特徴やCADオペレーターになる方法を紹介します。
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目次
CADオペレーターは「やめとけ」と言われる7つの理由
CADオペレーターの仕事に就くにあたって「やめとけ」という言われる理由は以下の7つです。
- スケジュールの自由度が低い
- 長時間のデスクワークによる体の不調が起きやすい
- 経験が浅いと年収が低くなる
- 慎重に作業するため精神的な負荷が高い
- 専門的知識をブラッシュアップし続ける必要がある
- 設計士と現場の板挟みで辛くなる
- 建築士と同程度の知識を求められる場合がある
スケジュールの自由度が低い
CADオペレーターは基本的に設計者の指示で図面を起こす技術職であり、自分で自由にスケジュールできる裁量がありません。設計者が設計図を完成させるタイミングは大体決まっていますが、遅れることもあります。
その場合CADオペレーターは完成を待って図面の制作を開始しなければならず、予定外の仕事が入ることもあるでしょう。
また納期ギリギリや時間外でCAD製図を依頼されるなど、思った通りの予定を組みづらい点がストレスになります。
長時間のデスクワークによる体の不調が起きやすい
CADオペレーターは基本的にCADソフトを使用したデスクワークです。長時間パソコンに向き合って作業をするため、腰痛や肩こり、頭痛や眼精疲労などの症状が現れることがあります。デスクワークに慣れていない方は特に、長時間座っているだけでも苦痛になるかもしれません。
経験が浅いと年収が低くなる
新人CADオペレーターの年収は300〜400万円程度であり、さほど高いとはいえません。経験を積んでベテランになれば400〜500万円の水準に上がりますが、駆け出しの頃は給料が安くやりがいを感じにくいでしょう。
CADオペレーターは設計士の設計図が完成するまで雑用を言いつけられる場合も多く、報酬と作業量や仕事内容に対して不満を感じる人もいます。
慎重に作業するため精神的な負荷が高い
CADオペレーターの仕事はミスが許されない仕事です。万が一ミスが生じると、設計図と一致しないうえに施工ができません。そのため、長時間集中して図面と向き合う必要があり、その間ミスができないというプレッシャーを避けられない状況におかれます。
CADオペレーターはもともと細かな性格で慎重な人には向いている仕事ですが、細かい作業が嫌いな人は特に苦痛を感じやすい仕事でしょう。
専門的知識をブラッシュアップし続ける必要がある
CADソフトは1つではなく、使い慣れたソフトもバージョンアップされるため、常に専門知識をブラッシュアップしなければなりません。
働く設計事務所が変わるたびに、勤務先のソフトの操作方法を覚える必要もあります。
常に勉強を続け、向上心を持って仕事をしなければならないため、ルーティン作業が好きな方は苦痛を感じるでしょう。
設計士と現場の板挟みで辛くなる
CADオペレーターは設計士からの指示を受け、製図して現場へ渡す仕事です。基本的に設計士の図面通りの製図をするのですが、現場担当者が図面を見て「こんな施工はできない」と返却してくるような場合もあります。
その際にCADオペレーターが仲介となり、設計士と現場をとりなさなければならず、人間関係におけるストレスを感じやすいです。
建築士と同程度の知識を求められる場合がある
CADオペレーターの仕事がきつい一つの要因として、建築士レベルの知識が求められる場合があることが挙げられます。これはCADオペレーターにとって、単に図面を描く技術だけでなく、その図面が実際の建築物にどのように反映されるかを深く理解していなければならないことを意味します。
具体的にCADオペレーターは、建築基準法や地域による規制、建材の特性、構造の安全性といった建築全般に関わる広範な知識を一定水準持つ必要があります。しかしこれらは通常、建築士が専門とする分野です。
設計の試験ではこれらの知識が詳細に問われるため、実務においては建築士に近いレベルの知識がCADオペレーターにも求められる場合があるのです。
設計のミスを減らし、より安全で効率的な建物を設計するために重要な点ではあるものの、高い知識レベルが求められることで学習と経験の負担が大きくなります。
結果として、CADオペレーターという職務の難易度を高める一因となっています。
CADオペレーターがキツい・辞めたいという人の口コミ
当サイトでは、様々な求職者の方々の口コミを収集しております。
CADオペレーターについての口コミを、以下よりいくつか紹介します。
CADオペレーターとして15年働いていますが、細かいディテールに注意を払う必要があるため、目の疲れや肩こりがひどいです。
また長時間同じ姿勢でいるのが日常で、体への負担が大きいです。
仕事自体は好きですが、健康を損なうことが心配で転職を決意しました。
43歳・男性
新人CADオペレーターです。毎日が締め切りとの戦いで、仕事のペース配分が難しく、常に時間に追われる感じがします。
上司からのプレッシャーもあり、精神的にかなりきついです。クリエイティブな部分は楽しいのですが、ストレスが多い職場です。
27歳・女性
今の職場では常に最新技術が求められるため、更新されるソフトウェアに追いつくのが大変です。
習得するたびに新しいバージョンが出て、学ぶことが終わらない感じ。プロジェクトごとに要求が異なり、専門性を高めるのが厳しいです。
35歳・男性
CADを使ったデザイン作業は細かく集中力を要するため、仕事の後はいつも疲れ果てています。
また、クライアントからの多くの修正要求に対応するのが精神的にも肉体的にも辛いです。
プロジェクトが長引くと、プライベートの時間も削られがちで、子供との時間も取りにくい状況が多々あります。
32歳・女性
専門学校卒業後にCADオペレーターとして働き始めてから、一日中パソコンに向かって作業する生活が続いています。
在宅も可能な点は魅力的でしたが、画面を見続けることで目が疲れ、時にはひどい頭痛もします。
もっと動き回る仕事が良かったかもしれません。デスクワークの厳しさを実感しています。
20歳・男性
SNS上にも多い「CADオペレーターはやめとけ」という口コミ
残念ながらCADオペを見下しアラ探しするような奴、責任をなすりつけようとする奴が結構いる。CAD部署ならまだいいけど、一人でCAD担当するような環境であればわりとメンタル強化しないとキツイと思う。 https://t.co/V3HIYIGT82
— きりんさん🙂シンママ🤟 (@ssssayt) April 11, 2023
A3のデータですが、A1にしても遜色ない図面を1枚描いた時。
— 向井🇯🇵 (@fkuuyama) November 29, 2022
こちらとしては、２.５万／１枚くらいで妥当とおもっていたんですが。
細かいゲラを作っていたから１万／１枚だと言われたんです。
わかりました。細かいゲラがあればそうしましょうかね、、、しかし、安すぎ。
はぁ、、虚無感。
昔の後輩から図面かけても設計出来ないとこの先キツイので、CADオペ辞めたいと相談受けた。
— ゆきうさ🦜 (@yukiusan) September 2, 2015
ビジョン無しで偏った特化をして歳を取ると自身の舵取りも年々大変なのね(´･ω･` )
CADオペあるあるかもしれんが激務でクリックしすぎて右手の指の関節痛がひどいき目もチクチクする🐸はよ辞めたい🐸
— 나 (@hyukoh1993) August 4, 2021
辞めたいと思ってる設計士とかCADオペっていっぱい居るやろうなぁ
— かゐと (@kaito_haijin) November 13, 2019
俺もその1人です
悪いことばかりではない！CADオペレーターのやりがい7選
CADオペレーターの職務が厳しいと言われる点に焦点を当てて説明してきましたが、この仕事には確かな魅力と満足感も伴います。
地図に残る仕事に関われる
CADオペレーターとしての仕事は、公共施設やランドマークなど、後世に残る建築物の設計に関与する機会があります。
これらのプロジェクトは多くの人々の生活や文化に影響を与えるため、自分の仕事が地図上に名を刻むことで、深い満足感とプライドを持つことができるでしょう。
完成したときに達成感を味わえる
製品や建築物が形となって現れる瞬間は、CADオペレーターからしたら大きな達成感をもたらすものです。
長時間にわたる緻密な作業と創造的努力が具現化されることで、完成した時の喜びは格別であるため、モチベーション維持にも役立つでしょう。
社会貢献につながる
CADオペレーターの業務は、安全で快適な建物や効率的な機械の設計に直接貢献します。
これにより、より良い社会インフラの構築を支援することができ、自分の技術が人々の生活の質を向上させる大きな力となることを実感できるはずです。
チームワークによる結束感を持って仕事に臨める
CADオペレーターは多くの場合、建築士やエンジニア、クライアントと密接に協力してプロジェクトを進めます。
このようなチームワークは困難を共に乗り越え、成功を共有することで、職場での結束感と相互の信頼を深める効果があります。
資格取得やスキルの向上につながる
CADオペレーターとして働くことで、専門的な資格を取得する機会が多くあります。
これらはキャリアアップだけでなく、自身のスキルセットを拡張し、業界内での競争力を高める手段となるでしょう。
AIやRPAシステムによる技術革新に伴い、常に学び続けることが可能な仕事です。
年齢を問わず活躍しやすい
CADオペレーターは、物理的な力仕事ではなく知識と技術が主体の仕事であるため、幅広い年齢の人に適した職種です。
とくに建築図面については経験が重宝されるため、年を重ねるごとに貴重な人材として認識され、長く働くことが可能となります。
在宅ワークなどにも対応しやすく生涯働きやすい
CADソフトウェアはコンピュータ上で操作されるためオフィス以外の場所、例えば自宅でのリモートワークが可能です。
労働環境についての柔軟性により、異なる生活状況や年齢層の人々が職業生活を持続しやすく、生涯にわたって安定したキャリアを築くことができます。
外見不問やシフト制で休みがとりやすい職場であるケースも多々あるので、働きやすさを重視する人には最適でしょう。
ネイルもピアスも許されるからCADオペ最高
— knm (@nyanyanya_neko) June 3, 2016
現場は全稼働だけどCADオペはGW休んでいいって(*ﾟ▽ﾟ*)9連休じゃーーー(*ﾟ▽ﾟ*)最高
— kano (@onksit_nmti) April 21, 2017
CADオペレーターが楽しいという口コミ
CADオペレーターのやりがいについて解説しましたが、それを裏付ける口コミもいくつか寄せられています。
実際に当サイトの登録者から収集した、CADオペレーターについての口コミを紹介します。
CADオペレーターとして働き始めて3年が経ちますが、自分の設計が形になるのを見るたびに大きな達成感を感じます。
細かい作業もありますが、それを乗り越えたときの喜びは大きいです。
またストレス対策として定期的に休憩を取り、適度な運動などで健康も管理していますが、習慣的になっているのでそんなに大変でもありません。
28歳・女性
20年以上CADオペレーターとして働いていますが、この仕事の精密さとクリエイティブ感が大好きです！
技術が進化するごとに新しいことを学び、自分のスキルが向上していくのを感じられるのが嬉しいですね。
チームで協力して一つの製品を完成させる達成感は格別です。
45歳・男性
新卒でCADオペレーターになりました。
最初はガチガチのデスクワークに慣れるのが大変でしたが、徐々に辛さも無くなって非常に楽しく仕事ができています。
オンラインで上司や先輩が丁寧に教えてくれるので、日々成長している実感があります。
想像通り働きやすくクリエイティブな仕事だったので、とても満足です。
23歳・男性
CADオペレーターとして働くことで、多くの建物に携われるのが魅力的です。
設計したものが実現していく過程はいつも新鮮で、自分の力もちょっと入っていると思うと感慨深いです。
主人も私の仕事を支えてくれていて、ワークライフバランスも取れています。
38歳・女性
CADオペレーターとして約10年ほど、多くの挑戦と成長を経験しました。
元々建設業が好きで若いころは現場にも出ていましたが、こういった関わり方もアリだなと感じています。
34歳・男性
CADオペレーターに向いている人の特徴
CADオペレーターは専門知識が必要な技術職であり、向き不向きがはっきり分かれる仕事です。
どんな人がCADオペレーターに向いているか説明します。
- コツコツ集中して作業をするのが好き
- 期限の決まった仕事を正確にこなせる人
- 細かな作業が得意である
- 勉強して技術を磨く向上心がある
- コミュニケーション能力がある
コツコツ集中して作業をするのが好き
CADオペレーターはCADソフトを用いて設計図に忠実に製図する仕事です。集中力が求められる仕事なので、そもそも集中力がある人に向いています。また、コツコツと図面を作っていくような作業を好む方にも向いているでしょう。
反対に集中力がなく、細かい作業が苦手な方には向いていません。ざっくりとした仕組み作りが好きな方や、新しい作業をどんどんこなしたい方はCADオペレーター以外の職種を選ぶと良いでしょう。
期限の決まった仕事を正確にこなせる人
設計士が作った図面を納期までにCADソフトで製図する、スケジュール管理が上手な人がCADオペレーターに向いています。スケジュールに遅れると現場の施工担当者だけでなく、工期の遅れにより施主にも迷惑をかけるリスクがあるためです。
設計士の設計図が遅れる可能性もあるので、臨機応変に自分の予定を変えられるスキルも必要となります。
納期への意識を高く持ち、スケジュールを柔軟に変えながら仕事を性格にこなせる人がCADオペレーターに向いているでしょう。
細かな作業が得意である
CADオペレーターの仕事は、設計士が作った設計図を正確にトレースするところから始まります。
その後設計図をもとにして2D・3Dで図面を起こしていく細かな作業を連続してこなさなければなりません。
性格が几帳面で細かな作業が得意な人ほど、CADオペレーターの仕事に向いています。
勉強して技術を磨く向上心がある
向上心があり新しい技術を取り入れるのが好きな人は、CADオペレーターに向いています。CADソフトのバージョンアップや複数のソフト操作に対応し、精度の高い図面を作成するためです。
一度覚えた作業をアップデートしたくない人は、ソフトのアップデートなどにも対応できないので、CADオペレーターの仕事は続かないでしょう。
一方で向上心があり、常にスキルを磨き続ける方はCADオペレーターとしてのニーズも高まり、活躍できるはずです。
コミュニケーション能力がある
CADオペレーターは設計士と現場の仲介をする場面も多いため、コミュニケーション能力が求められます。また製図をチームで実施する場合もあるため、チーム員と協力して仕事ができるように常日頃から意思疎通できる環境の構築も必要です。
気持ちの良い挨拶ができ、双方の主張を聞いて伝えられる能力があれば、CADオペレーターとして人間関係に悩むこともなく働いていけるでしょう。
CADオペレーターになる方法
CADオペレーターになる方法は2つあります。実は未経験でもCADオペレーターになる方法はあるので、実務経験のない方もぜひ挑戦してみてください。
- 【未経験の場合】スクールなどに通いCADの知識をつける
- 転職サイトやエージェントの求人に応募する
【未経験の場合】スクールなどに通いCADの知識をつける
未経験からCADオペレーターになるにはまず、CADの知識が必要です。独学で勉強する方法もありますが、早く知識をつけるならスクールへ通う方法をおすすめします。CADオペレーター養成スクール、または職業訓練校でもCADソフトの操作を習得可能です。
設計製図の遠隔講義なども推進されているため、
CADソフトの操作方法を覚えたうえで、実務経験がなくても就労できるCADオペレーターの求人を探しましょう。
参考：Onshapeによる機械設計製図と3D-CADの遠隔講義課題の検討
転職サイトやエージェントの求人に応募する
CADオペレーターとしての経験のあるなしに関わらず、求人は建設業界に特化した転職サイトやエージェントを利用しましょう。建設業界に特化した転職サービスには、一般サイトには掲載されない求人情報も集まっています。
未経験OKの求人や、経験者向けのある程度のポジションにつける求人情報も見つかるので、ぜひ建設業に特化した転職サービスを利用してください。
CADオペレーターについてのよくある質問
CADオペレーターについてよくある質問を3つまとめました。
- CADオペレーターの仕事は将来AIやロボットに奪われてしまいますか？
- CADオペレーターが底辺の仕事といわれるのは何故ですか？
- CADオペレーターはおばさんでもなれますか？何歳までできますか？
CADオペレーターの仕事は将来AIやロボットに奪われてしまいますか？
近年のAIやロボット技術の発展には、目を見張るものがありますね。
そのためCADオペレーターの仕事がAIやロボットに取って代わられる可能性はあり得なくないものの、完全な置き換えは即座には起こり得ないでしょう。
技術進化により、特に繰り返し作業や基本的な設計タスクは自動化が進む可能性が高いです。
しかし、複雑な意思決定やクリエイティブなデザインプロセス、ユーザーの特定のニーズに対応するためのカスタマイズ作業など、人間特有の洞察を必要とする業務はAIの補助を受けつつも、引き続き人間の専門技術が求められるでしょう。
CADオペレーターは新技術を取り入れつつスキルを進化させることで、AIやロボットと協働し、より付加価値の高い業務に集中することが可能になるはずです。
CADオペレーターが底辺の仕事といわれるのは何故ですか？
設計士の指示のもと働くため、CADオペレーター自身が「人の裁量で働く底辺の仕事」と自虐で発言することがあります。
また他の技術職の方が、意地悪で底辺の仕事と呼ぶことがありますが、CADオペレーターは底辺の仕事ではありません。
実際にCADオペレーターの職があることで、現場監督や設計士の業務が効率化されており、結果として建設業全体の労働環境向上に大きく寄与しています。
悪く評価する人は一定数存在しますが、CADオペレーターは間違いなく建設業の発展を担う重要な仕事です。
CADオペレーターはおばさんでもなれますか？何歳までできますか？
CADオペレーターはソフト操作の知識やスキルがあれば、年齢や性別に関係なく目指せる仕事です。
50代からCADオペレーターになる方もいるので、長時間のデスクワークに耐えられる気力と体力があるならぜひ挑戦してみましょう。
まとめ
CADオペレーターは設計士が制作した設計図を、CADソフトを使って製図する役割です。設計補助のイメージがありますが、施工には欠かせない重要な役割を担っています。CADオペレーターが「やめとけ」と言われる理由は、細かな作業や長時間のデスクワークなど、向き不向きが分かれる仕事であるためです。
人によってはCADオペレーターが天職になる場合もあるので、「やめとけ」という前評判だけで判断しないようにしましょう。CADオペレーターになりたい方は、まずはソフトの知識を身につけて転職先を業界特化の転職サービスで探してください。
CADオペレーターになり、施工現場を支える技術職として活躍しましょう。
