
電気設備や、空調・衛生設備の現場で普及している人気の3DCADソフト「Tfas」。
「Tfasってどんなことが出来るソフトなの?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、Tfasの特徴や機能、現場に導入するメリットなどについて詳しく紹介します。
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目次
Tfasとは
Tfas(ティーファス)はCADソフトの一種です。
CADソフトには2次元と3次元のものがあり、代表的なソフトには以下のようなものがあります。
CAD | ソフト名 |
---|---|
2次元CAD | ・AutoCAD LT ・Jw-CAD ・Root Pro CAD Freeなど |
3次元CAD | ・Tfas ・AutoCAD ・Vectorworksなど |
※一般的な3次元CADでは2次元の図面作成も可能です。
Tfasは3次元CADソフトに分類され、空調衛生設備や電気設備専用に開発されました。
3次元CADは、幅や長さといった平面情報だけでなく、高さの概念があるのが特徴です。
そのため、3次元CADでは、ソフト上の仮想空間に立体を構成でき、物体を視覚的に認識できるようになりました。
Tfasを使うことで、これまで実際に設置してみなければ分かりにくかった複雑な設計も、比較的簡単に行えるようになります。
Tfasの料金体系
Tfasの購入には、1ヶ月からの「月額レンタル」や、5年分の使用権をまとめて購入できる「5年使用権パッケージ」など、様々な料金体系が揃っています。
企業などで複数人が利用する場合には、契約トークン数に応じて複数のPCで使用できる「ネットワークライセンス」が便利です。
以下のように、使用期間や人数に合わせたプランが用意されているので、目的に応じて利用しやすいでしょう。
プラン名 | 契約期間 | 無償 バージョンアップ | 特徴 |
---|---|---|---|
WebCADD(時間課金) | 2ヶ月~ | 〇 | ・基本料0円 ・即日利用可能 ・使用分のみクレカ決済 |
月額レンタル | 1ヶ月~ | 〇 | ・1ヶ月ごとの更新 |
5年契約レンタル | 5年 | 一部〇 | ・5年間契約の月々定額プラン ・期間終了後の延長も可能 ・メンテナンス契約で無償バージョンアップに対応 |
5年使用権パッケージ | 5年 | 一部〇 | ・5年分の使用料を一括支払い ・メンテナンス契約で無償バージョンアップに対応 |
ネットワークライセンス | 5年 | × | ・契約トークン数に応じた複数PCで利用可能 ・「イントラ版」と「WEB版」の2タイプ |
Tfas(ティーファス)cadの価格の詳細は、㈱ダイテックの各事業所までお問合せください。
Tfasの基本仕様と動作環境
Tfasの基本仕様を一部抜粋して紹介します。
Tfasは「倍精度」のCADのため、位置や寸法などを表示・計算する際に、より精密な計算が可能です。
仕様 | 特徴 |
---|---|
データ精度 | 高い(倍精度) |
作図領域 | 最大4,000㎢ |
作図要素数 | 制限なし |
データ復元機能 | あり |
続いて、基本的な動作環境を紹介します。
必要環境 | ||
---|---|---|
32bit版 | 64bit版 | |
OS | Windows11 Windows10 Windows8 8.1 | |
CPU | Intel Corei5と同等品以上最大推奨 | |
メモリ容量 | 4.0GB以上推奨 | 8.0GB以上推奨 |
必要な空きディスク容量 | 3.0GB以上 | |
グラフィック | DirectX 11がスムーズに動作するグラフィックカード 又はオンボードチップ |
Tfasの使用には、4.0~8.0GB以上のメモリ容量があるWindows搭載パソコンが必要です。
なお、32bit版と64bit版では読み込みや出力できるデータ、一部コマンドなどが異なります。
Tfasの5つの特徴
Tfasには図面作成に役立つ、以下のような5つの特徴があります。
- 3Dを高速表示できる
- 大規模物件や大容量図面も余裕をもって展開できる
- 実務に即した技術計算機能が搭載されている
- BIMモデル全体をTfas図面として扱うことができる
- 互換性が高い
それぞれの特徴について、詳しく解説していきます。
3Dを高速表示できる
Tfasには最新のグラフィック技術が採用されています。
これにより、高速3D表示、高速視点移動、輪郭や文字などの高精度な3D表現が可能になりました。
具体的なメリットとしては、3Dビューの作成時間が大幅に短縮されたことで、業務の効率化につながります。
また、精度の高い作図が可能になったため、複雑な施工部分の確認や、部材や機器の干渉検査なども容易に行えます。
大規模物件や大容量図面も余裕をもって展開できる
Tfasは、CPUやGPUの利用メモリを最大限効率化して活用する仕様になっています。
消費メモリを削減できるため、安定して作業を進めることが可能です。
近年、建築分野での「BIM」の普及に伴って、建築・設備図面を3Dデータでやり取りする場面も多くなっています。
高度なメモリ管理が可能なTfasなら、大規模物件や大容量図面の編集も余裕をもって行えるでしょう。
実務に即した技術計算機能が搭載されている
Tfasは、設備設計業務に欠かせない「静圧計算」「揚程計算」機能を実装しています。
この計算機能を使用することで、ダクトや配管を自動でサイジングしたり、アイソメ図を作成して風量や流量を確認したりすることが可能です。
また、計算だけでなく、系統や区間ごとに「静圧計算」「揚程計算」を行った結果をエクセルに出力できます。
Tfasは手計算では難しい複雑な技術計算を素早く行えるため、正確で効率的な業務遂行の助けになるでしょう。
BIMモデル全体をTfas図面として扱うことができる
Tfasはフロア情報をTfasのシートに自動割り付けする仕様になっています。
つまり、他社システムで出力した3Dデータ(IFCファイル)を読み込むと、ファイル内のフロア情報を自動でTfasのシートに割り付けできるわけです。
これにより、BIMモデル全体をTfas図面として扱うことができるようになります。
また、新規モデル作成時には、建物一棟分の階情報を一括して設定できるだけでなく、複数シートの表示状態を「パターン」としてまとめて切り替えられる便利な機能も備わっています。
互換性が高い
Tfasは互換性が高く、他のCADソフトとシームレスなデータの受け渡しが可能です。
建築設備分野でよく利用される「Autodesk」や「Revit」などのCADソフトとも相互に連携しているため、使用ソフトが異なる会社ともスムーズなやり取りができるでしょう。
他にも、最新のDWG/DXFデータや、Jw_cad等で出力した建築データ、SXFデータにも対応しており、高い精度で読み込むことができます。
Tfasに備わっている機能

Tfasには、以下のような様々な機能が備わっています。
- 基本機能
- 3D機能
- 電気設備機能
- 空調・衛生設備機能
- 数量拾い機能
- オプション機能
それぞれの機能について、詳しくみていきましょう。
基本機能
Tfasは直感的な操作性を追求した3次元CADソフトです。
他にも、シートやレイヤなど、図面作成に必要な多彩な機能が備わっています。
Tfasの主な基本機能は以下のとおりです。
機能 | 特徴 |
---|---|
文字編集 | ・図面全体の文字を一括変更可能 ・図面内の文字列を取得して記入・編集できる |
シート | ・建築図と設備図のシートを分けて作成可能 ・複数枚のシートを「パターン」として登録でき表示切替が簡単 |
レイヤ | ・プルダウンメニューでレイヤの切替やパターン登録が可能 ・AutoCADとの互換性あり |
設備用建築 | ・他社ソフトで作成された2D図形の建築図を3D表示可能な建築部材に変更可能 ・梁サイズやレベルを変更すると梁傍記も更新される |
3D機能
Tfasでは、2D画面で作図・編集した内容をリアルタイムに3D化できます。
互いの表示画面の表示位置や、拡大率は連動するため、より直感的な操作が可能です。
また、標準搭載以外の建築部材を3Dモデルとして登録することもできます。
5図面登録や、面や立体形状を組み合わせることで、オリジナルの建築部材を作成できるため、様々な場面に対応可能です。
電気設備機能
Tfasには電気設備の建築部材が標準搭載されています。
各部材は、イメージ表示やリスト表示などで一覧でき、直感的に配置していくことが可能です。
また、配置後の器具の編集や、作図チェック機能などの便利な機能も備わっています。
ソフトが自動的にサイズ変更や配線箇所の修正、壁付器具のチェックを行ってくれるため、うっかりミスや見落としによるミスを軽減できます。
空調・衛生設備機能
複雑な空調設備の作図では、コマンドを切り替えることなく作業できるルーティング機能が便利です。
配管の接続パターンやサイズ変更時には、自動的に最適な部材を表示してくれるため、選定作業を効率化できます。
また、図面上の勾配を付加した作図も可能です。
他にも、配管やダクトのアイソメ図の作成や、「静圧計算」「揚程計算」機能など、空調・衛生設備設計に欠かせない機能も揃っています。
数量拾い機能
Tfasでは、図面上のダンパを拾い、それにあわせた「ダンパ製作指示書」の作成が可能です。
発注データの作成は、ソフトが自動計算してくれるため、面倒な手作業は必要ありません。
また、図面内の電気・空調設備を一括で拾える機能も搭載しています。
指定した範囲や、階ごと、部屋ごとなど細かい指定も可能です。
部材の長さや費目別ごとなど、多彩な属性設定ができるため、業務の効率化が図れます。
オプション機能
Tfasには、標準搭載された機能以外にも、作図作業を最適化する以下のような有料オプションも用意されています。
オプション | 特徴 |
---|---|
配管・ダクト最適化支援 | ・機器との接続を保持したまま、移動や回転が可能 ・ソフト側が導いた最適なルートで配管・ダクトのつなぎ直しが可能 ・管材総質量や環境性能評価(CO2排出量)を算出できる |
配管加工システム | ・継手間の直管を自動で管割り可能 ・ピース№、ユニット№を付加し、加工単位を設定できる ・付加した各№から「単品加工図」「配管ユニット図」を作成可能 |
現場にTfasを導入するメリット
現場にTfasを導入するメリットは大きく3つあります。
【業務の効率化】
まず、一つ目が業務の効率化につながることです。
Tfasには設備設計に欠かせない、空調設備や電気設備などの建築部材があらかじめ登録されています。
建築部材を入れる際に、一般的なCADソフトでは別画面からコピーしてもってくる必要がありますが、設備設計に特化したTfasならそうした手間は必要ありません。
【人員の削減】
次に、Tfasを活用することで、業務工程を簡略化できるため、人員の削減につながります。
例えば、TfasのデータをBIMデータと連携すれば、現場の状況を一元管理する施工管理システムに瞬時に反映できます。
システム上で作業が完了できるため、従来必要だった検査員や記録員、計算員などの人員を削減できるわけです。
【コストの削減】
人員を手配する必要がなくなるため、コストの削減にもつながります。
原材料や燃料費の高騰などもあり、建築業界全体でコストの管理は大きな問題になっています。
Tfasを取り入れることで、コストの見直しや効率化を図る助けになるでしょう。
まとめ
Tfasは直観的な操作が可能な3次元CADソフトです。
設備設計の製図作業をサポートする多彩な機能が搭載されており、ベテランから初心者まで、多くの人が使いやすいようにデザインされています。
Tfasは設備設計の現場で使用されることも多いため、機能や特徴を知って使いこなせるようにしておきましょう。