
企業における労働環境の管理や改善などを担う重要なポストである「衛生管理者」。
ある程度の規模になると設置が義務付けられるなど企業にとって欠かせない存在である衛生管理者ですが、衛生管理者についてリサーチしていると「辞めたい」というネガティブな情報を目にすることがあります。
実際、今現在「辞めたい…」と感じている衛生管理者や、衛生管理者を目指したいと思いつつもそれらのネガティブなキーワードが気になってなかなか資格を取得できずにいるという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、衛生管理者の概要に触れながら、衛生管理者が仕事を辞めたくなってしまう理由や仕事を辞めたくなってしまったときの対処法などについて解説していきます。
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目次
衛生管理者とは
衛生管理者とは、企業における衛生管理のスペシャリストにあたる資格です。
企業は従業員が安全かつ快適に業務をおこなえる環境を提供しなくてはいけませんが、環境を調査し、改善したり整備したりする役割を担っているのが衛生管理者です。
衛生管理者は労働安全衛生法によって定められた国家資格で、企業において「衛生管理業務従事者」として働くためにはこの資格の取得が必須となります。
ここからは、衛生管理者に関する以下の基本的な情報について解説していきます。
- 衛生管理者の設置義務
- 衛生管理者の仕事内容
- 衛生管理者の働き方
衛生管理者の設置義務
衛生管理者を設置するかしないかについては企業が判断していいわけではありません。
企業の規模がある程度になると衛生管理者の設置が義務付けられますし、規模によっては複数人設置する必要があります。
企業の規模と衛生管理者の設置人数に関する要件については以下のとおりです。
会社の規模 | 衛生管理者の人数 |
---|---|
50人以上~200人以下 | 1人 |
201人以上~500人以下 | 2人 |
501人以上~1,000人以下 | 3人 |
1,001人以上~2,000人以下 | 4人 |
2,001人以上~3,000人以下 | 5人 |
3001人以上 | 6人 |
衛生管理者の仕事内容
衛生管理者の業務は多岐にわたります。
主な仕事内容としてあげられるのが、以下の12つの業務です。
- 健康状態に問題がある従業員の発見と対応
- 従業員が働く環境の衛生状態の調査
- 従業員が働く上での条件や環境の衛生状態の改善
- 衛生保護具や救命用具のチェック・整備
- 従業員に対する衛生教育や健康相談など健康な状態を保つのに必要な措置
- 事業所全体の負傷や疫病による影響の統計作成
- 衛生日誌など衛生問題に関する記録
- 事業所の巡回チェック(週1回以上)
- 役職や雇用形態に限定しない労働環境の整備
- その事業の労働者が行う作業が他の事業の労働者が行う作業と同一の場所において行われる場合における衛生に関しての必要な措置
- その他衛生日誌の記載等職務上の記録の整備等
- 週1回以上の事業場の巡視
衛生管理者の働き方
衛生管理者が担う業務は決して少なくありませんが、衛生業務のみを専門的に行うことはほとんどありません。
基本的に通常の業務と兼任する形で衛生管理者としての対応を進めていくことになります。
50人以上~200人以下の企業だと、通常の業務をこなしながら衛生管理者の業務も1人でこなさなくてはならないため、激務になりやすい傾向があります。
衛生管理者が「仕事を辞めたい…」と感じる原因
衛生管理者の仕事は多岐にわたりますが、その中でも特に重要な役割としてあげられるのが現場での事故を防ぐための保全業務です。
現場で事故が発生してしまうと工事のスケジュールに影響が出ますし、事故の内容によっては大問題に発展しかねません。
そのため、万が一事故が起こってしまった場合、衛生管理者はその責任を追求される可能性があります。
衛生管理者が辞めたいと感じる原因はこの現場での責任追求にあり、「現場全体の責任を負いたくない」という思いから衛生管理者を辞めるケースがほとんどとなっています。
衛生管理者が仕事を辞めたいと感じる瞬間と理由
衛生管理者が「仕事をやめたい…」と感じる原因は一つしかないと紹介してきましたが、実際に現場で働く中でそう感じる瞬間はいくつかあります。
代表的な瞬間としてあげられるのが、以下の5つです。
- 職人がルールを守ってくれない
- 労災一歩手前のちょっとした事故があった
- 現場内に不透明な場所がいくつかある
- 改善を求めても会社側が対応してくれない
- 他の業務と兼任しなければならない
それぞれ詳しく解説していきます。
職人がルールを守ってくれない
現場で働く職人の中には、現場で重大な事故が発生してしまわないよう安全や衛生環境に関するルールをしっかりと定めていたり衛生教育を適切におこなっているにも関わらず、それらのルールを守ってくれなかったり学んだことを実践してくれなかったりする人もいます。
そういった職人が怪我をしたり事故を起こしたりするのは自業自得だと言えますが、実際に怪我をしたり事故を起こしたりした場合、責任を追求されるのは衛生管理者です。
「衛生環境の改善が適切に行われていなかった」などの理由から責任を負わされてしまう可能性もあります。
衛生管理者としてやるべきことをしっかりやっているにも関わらずそういった理不尽な扱いを受けると、辞めたいと感じてしまうようになります。
労災一歩手間のちょっとした事故があった
現場でのルールをしっかりと定めていて衛生教育も行っているにも関わらずそれらを守らない職人がいる現場は、いつ重大な事故が発生してもおかしくない現場です。
そのようなことが続き、労災一歩手前のちょっとした事故が発生することも少なくありませんが、実際にそういった事故が起こると衛生管理者としてのプレッシャーをより強く感じるようになります。
また、実際に事故が発生している現場を目の当たりにしているため、「もっと大きな事故が起こったらどうしよう…」といった不安や恐怖を感じるようになり、辞めたいと思ってしまうようになります。
現場内に不透明な場所がいくつかある
現場や職場など作業環境における衛生上の調査を実施して状況を把握し、改善するのが衛生管理者に求められる主な役割の一つです。
ただ、現場監督が複数人いるような大きな現場になると、現場監督同士の連携がうまくとれておらず、現場内に不透明な場所が発生してしまうことがあります。
現場内に不透明な場所があると適切に管理することができませんし、衛生環境を整えたり、改善策を考えることができなくなるため、衛生管理者としての役割を果たすことができません。
そういった状況が発生したり続いたりすると、衛生管理者を続けられないと感じるようになり、辞めたいと思ってしまうようになります。
改善を求めても会社側が対応してくれない
衛生管理者の業務の一つに衛生状況の改善というものがありますが、衛生状況の改善には、衛生管理者自身が対応できるものと会社に対応してもらわなくてはならないものがあります。
例えば、環境を改善するために必要なものがあり、それを購入しないと対応できないような改善については会社側のサポートが必要になります。
そのようなケースでは、衛生管理者は会社に申し入れを行って要請しながら対応を進めていくことになりますが、会社側がいつまで経っても対応してくれないケースもあり、その状態が続くと嫌気がさして辞めたくなってしまうわけです。
他の業務と兼任しなければならない
解説してきたとおり、衛生管理者が衛生管理業務だけを専門的に行うことはほとんどありません。
業務範囲はそれぞれの企業によって異なりますが、基本的には他の業務との兼任となるケースがほとんどです。
ただ、衛生管理者が対応しなくてはならない業務は多岐にわたりますし、何かあった場合、責任を追求される可能性があるため対応をおろそかにすることもできません。
兼任で進めている状態が続くと、だんだん手が回らなくなってしまい、大変さや忙しさに嫌気がさして辞めたくなってしまいます。
衛生管理者の仕事を辞めたいと感じたときの対処法

実際に衛生管理者の仕事を辞めたいと感じた場合にとれる対処方法は一つではありません。
衛生管理者が仕事を辞めたいと思ったときにとれる具体的な対処法としては、以下の3つがあげられます。
- 選任を降りる
- 衛生管理者が複数人いる企業に転職する
- 衛生管理者として働かなくてもいい職場に転職する
それぞれの対処法について詳しく解説していきます。
選任を降りる
衛生管理者が仕事を辞めたくなるのは、現場で発生する事故の責任を負わされる可能性があるからだと紹介してきました。
また、他の業務との兼任で激務になってしまう点も問題だと言えます。
もし衛生管理者として責任を負いたくないと感じていたり他の業務との兼任で手が回らず続けていけないと感じる場合は、選任を降りることで対処できます。
権限を持っている上司や担当者に相談し、衛生管理者としての仕事を続けていけない理由を正直に話し、選任を解いてもらったり、他の人を衛生管理者に任命してもらうなどして対処してもらいましょう。
この対処法の場合、勤めている職場を辞めずに済むという大きなメリットがあります。
衛生管理者が複数人いる企業に転職する
衛生管理者としての責任を一人で負うことが耐えきれない場合や誰にも相談できる環境がないことで不安やストレスを感じているのであれば、従業員の数が多く、衛生管理者が複数人設置されている企業に転職するのも一つの手です。
衛生管理者の数は従業員の数によって決まるため、規模の大きな企業では衛生管理者が複数人設置されています。
そういった環境であれば、他の衛生管理者にいろいろと相談できますし、お互いをサポートし合いながら活動できるので、プレッシャーや不安も安らぎますし、負担も軽減され、働きやすくなります。
退職を検討されている方へ
辞めたい理由から転職の軸を整理!
衛生管理者として働かなくてもいい職場に転職する
衛生管理者を辞めたくなったときの対処法として衛生管理者の立場を降りるという対処法を紹介してきましたが、衛生管理者になることを条件に採用してもらった場合など選任を降りられないケースもあります。
そのようなケースの場合、相談することで条件を緩和してもらって選任を降りられるケースもありますが、了承してもらえない可能性もあります。
その場合は、衛生管理者として働かなくてもいい職場への転職で対処可能です。
給与や福利厚生などの待遇面を考慮しつつ、衛生管理者としての役割を担わなくて済む会社を探し、転職しましょう。
まとめ
衛生管理者はやりがいのある仕事ですが、責任重大でプレッシャーのかかるポストでもあります。
また、他の業務との兼任が基本となるため、激務になりやすい立場でもあります。
そのため、辞めたいと感じる人も少なくありません。
辞めずに済むよう環境を改善してもらえるのが一番ではありますが、対応してもらえないケースもあるので、そういった場合は紹介した3つの対処法のいずれかを実践してみるようにしてください。