
「即戦力をアピールするには?」
「志望動機の書き方のポイントは?」
「業種別の志望動機の書き方を知りたい」
施工管理で転職を目指している、未経験で施工管理に挑戦している方の中には、このような不安をもつ方も多いのではないでしょうか。
建設業界は、慢性的な人手不足と高齢化が続いているため、施工管理の売り手市場となっています。ですから転職者の方も、未経験の方であっても建設業で働きたいという熱意さえあれば優遇されることに変わりはありません。
この記事では、志望動機の具体的な書き方やアピールポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
施工管理の志望動機の基本的な書き方
施工管理の志望動機を書くときに重要なのは、まず業界を研究し、仕事内容はどのようなものかを理解しておくことです。
たとえば建設業界は重層下請構造であること、社会全体が成熟し施設・設備が飽和状態にあるため、新規の築造よりも既存物の維持・修繕のウエイトが高まっていることなどです。
このような業界研究は、仕事内容を理解しているから即戦力として働いてくれる、仕事を早く覚えたいという熱意を感じるなどの好印象を与えることができます。
ただ経験者と未経験者では、志望動機での攻めるポイントが違ってきますので、その違いについて解説します。
志望動機の構成方法
志望動機の構成を練るときに忘れてならないのは、志望動機と同時に自身の強みをアピールすることです。これは経験者、未経験者ともに重要なポイントです。
施工管理では施工計画書作成にはじまり、現場の品質・工程・安全などについて常にチェックし現場に指示をしなければなりません。
同時に発注者や工事関係者と工事の進捗を共有するための書類や図面の作成、工事完成時に提出する書類の準備などのデスクワークも重要です。
このような施工管理の仕事をこなすために必要な資格や免許をもっている、培ってきたスキルや経験を活かせる などのアピールをしましょう。
構成方法は、まず志望動機を簡潔に書き、次にその理由や根拠を体験など交えて伝えます。そして最後にまた志望動機を書いて締めくくるのが一般的です。
また志望動機の一般的な文字数は、200〜300文字程度とされています。
施工管理経験者が書くべき内容
施工管理経験者が志望動機を書くときは、実際に経験してきた工事の施工内容や規模、苦労した点などを具体的に書いてアピールしましょう。そうすることで、あなたが志望する会社の即戦力になることをイメージしてもらえます。
実務経験を書くときに重要なポイントをまとめました。
- 施工管理で発生した課題をどのように解決したか
- さまざまな経験を積んで何を学ぶことができたか
- 現場の先輩や職人さんとどのように接してきたか
- どのような経緯で志望する会社を選んだのか
- 入社後、どんな業務でどのように活躍したいか
このようなポイントについて書くことで、採用担当者は入社後のあなたの活躍をイメージしやすくなります。
施工管理未経験者が書くべき内容
施工管理未経験者の方が志望動機を書くとき、これまで取り組んできたことで施工管理に役立つスキルと、未経験で施工管理に挑戦したい理由の2点が必要ですので説明します。
施工管理に役立つスキルを説明することと言っても難しいことではありません。たとえば以下のようなスキルです。
- 体力や忍耐力に自信がある
- 不測の事態が起きたときの対応力
- コミュニケーション能力が鍛えられている
- 計画性やマネジメント能力がある
以上のような、一般的な職業なら「どこでも使えるスキル」で構いません。
未経験で施工管理に挑戦したい理由についてもあまり難しく考える必要はなく、「将来性がある」「技術を身につけたい」「一生の仕事にできる」などで良いのです。
施工管理の志望動機の書き方参考例

志望動機をいざ書こうとするとき、書き出しや実際に体験したことの折り込み方が分からず手が止まってしまうという方も多いのではないでしょうか。
そういうときは実際の書き方例を読んでみることが重要です。どんな書き出しで始まっているか、どのような構成かなどのヒントを得ることができます。
ここからは土木と建築の施工管理を例に志望動機のOK例を2つ、また電気と建築でNG例を2つ挙げていますので参考にしてください。
OK例①:土木の施工管理
土木工事は道路やトンネル、鉄道などインフラに関わる仕事であり、社会に貢献できるため誇りとやりがいを感じられる仕事です。また災害が起こったときは復旧工事で中心的な役割を果たす重要な仕事でもあります。
御社は、トンネル工事において優れた技術力と実績があるため志望することを決めました。
自分は、施工管理の資格はありますが実務経験はありません。しかし学生時代に長くスポーツに励み、体力と根性、チームプレイには自信があります。御社に入社後は、まず先輩方の仕事を支えながら仕事のやり方を覚え、少しでも早く施工管理として会社を支えられる存在になりたいと考えています。
<OKなポイント>
土木工事の仕事内容や志望する土木会社について研究していることがわかる文章です。
土木業界、特にトンネル工事は工期が長く体力勝負の面が多々あるため、その部分のアピールも上手くできています。
また採用担当官が入社後の活躍を期待できるような文章も盛り込んであるため、OKな志望動機と言えるでしょう。
OK例②:建築の施工管理
建築工事は、仕事の結果がカタチとして残り、地図にも記載されるやりがいのある仕事です。私は建築の専門学校で学び、卒業後、設計事務所に就職しました。
しかし実際に建築の現場で施工管理として働くことを決め御社を志望することにしました。
御社は、長い歴史を誇る地元に根差した建築会社であり、御社が建築した建物を利用した経験が多くあります。どれも長い年月を経ているのに快適で立派な建物です。
自分も御社で、利用した人に喜んでもらえるよう建築物をつくる工事の施工管理として働きたいと考えました。現在、2級建築施工管理技士の資格を取得していますが、御社で実務経験を積みながら1級を目指したいと考えています。
<OKなポイント>
業界を理解していることが分り、建築についての学識があることもアピールできています。
この会社を志望する理由についても説得力がありますね。
また2級から1級を目指すというやる気も感じられ、採用担当官に入社後の活躍を期待させるOKな志望動機です。
NG例①:電気の施工管理
電気は社会基盤を支えるインフラであり、電気の施工管理はなくなることがない仕事です。同時に高給を得やすい仕事であるため、将来も安定した生活ができます。
御社を志望する理由は、給与や福利厚生について同業他社より優遇されている点です。待遇が良ければよいほど、将来設計を立てやすく、頑張ろうという意欲が湧いてきます。
今、自分は、1級電気施工管理技士を目指しているので、御社の資格支援制度も魅力に感じました。また御社は会社の規模が大きく、さまざまな部署があるため自分の性格に合った仕事を選びやすいと思っています。
<NGなポイント>
給与や福利厚生、将来の安定性などについて触れるのは避けるべきです。
会社の規模が大きく待遇が優遇されているのは、そこで働いて会社を支えてきた方たちの努力の積み重ねの結果に他なりません。
自分が頑張って、この会社を支えるんだという熱意が重要です。ただ依存するような志望動機はNGです。
NG例②:建築の施工管理
私はモノをつくる仕事をしたいと思い、資格を取得して技術を身につけたいと考え御社を志望しました。御社のような大きな会社で働くことが夢でした。
学生時代、さまざまなアルバイトをして社会経験を積んできました。建設現場で資材を運び体力をつけ、居酒屋ではコミュニケーション能力を上げ、派遣では事務処理も経験済みです。
建築は建築物というモノをつくることで社会に貢献します。自分も施工管理を一から勉強して、人が安心して暮らせるような建築物をつくるお手伝いができるように頑張ります。
<NGなポイント>
冒頭の志望動機ですが、「モノをつくる」「資格を取得」「大きな会社」だけでは、施工管理として建築会社を志望した理由にはなりません。
もっと具体的に刺さる志望理由が必要です。
また、入社後の活躍が見えるような文章がないため、採用担当官は雇用しても会社にとって戦力になるとは考えないでしょう。
よって、NGな志望動機だといえます。
施工管理の志望動機を作成する際にアピールできるポイント
施工管理の志望動機を作成するときは、施工管理に必要な能力を理解し、自分にはその能力が備わっていることをアピールすることが重要です。
建設現場では、不測の事態が発生することも多く、発注者との協議や近隣からのクレーム処理もあります。
また建設現場は、工事完成という一つの目標に向けて多くの作業者が働く場所です。
その建設現場を動かす中心となる施工管理に必要な能力のうち以下の3つについて解説します。スケジュール管理能力、トラブル対応能力、チームマネジメント・コミュニケーション能力の3つです。
スケジュール管理能力
一定規模以上の建設現場では、請負会社が多くの専門工事会社を束ねて工事を進めていきます。専門工事の優先順位や工程に与える影響などからスケジュールを考えなければなりません。
また施工箇所や駐車場、資材置き場などはスペースが限られていることが多いため、各専門会社との調整も必要になります。スケジュールを考え、実際に遂行する能力は工程管理に役立つスキルの一つです。
トラブル対応力
悪天候が続いて工事進捗率が遅れている、重要度の高い資材が納期になっても納入されないなど建設工事にはトラブルが良く起きます。
そういうとき特に進捗率が遅れている工種は施工チームを増やす、同等以上の品質の資材を探し調達するなど、適切に対応できる能力は現場管理に役立つスキルの一つとされます。
また工事現場周辺の住民から騒音や埃などでクレームがきたり、事前調査では分からなかったことで設計変更があったり、イレギュラーな事が起こっても冷静に最善の対処法を考える対応力も必要です。
チームマネジメント・コミュニケーション能力
施工管理は、多くの専門会社の職長や作業者を指導・監督する立場です。
その施工管理で常に念頭に置かなければならないのは、作業者全員が工事の完成という共通の目標を持ったチームだということです。ですからチームマネジメント力は現場管理に役立つ重要なスキルの一つと言えます。
まず同じ現場で働く職長や作業者をよく観察し、話しをよく聞き、どんな相手かを理解することです。そして 話すときは、相手の共感を得るような物言いをしなければなりません。
それから、どのような調整をすれば各作業者が動きやすくなり、工事全体がスムースにまわるようになるかを検討しましょう。
まとめ
ここまで施工管理の志望動機の書き方について解説してきました。
志望動機の構成方法、経験者と未経験者での書き方の違い、施工管理の例文ではOKな例とNGな例も紹介しました。また志望動機の作成で重要な自己アピールについても触れました。
ただ自分の考えや思いを文章にするというのは難しいものです。志望動機の書き方に不安があれば信頼できるエージェントに相談しましょう。
また志望動機のベースになる業界研究についても、エージェントは頼りになるアドバイザーになってくれるはずです。