躯体とは?構造体や仕上げとの違いから躯体工事までわかりやすく解説

「躯体ってなに?なんて読むの?」

「躯体工事ってどういった工事のこと?」

「躯体と仕上げの違いは?」

躯体とは、耐震性や耐久性を決定づける建物に欠かすことのできない重要な部材のことです。

本記事では、躯体の意味や仕上げとの違い、実際の躯体工事の内容までわかりやすく解説しています。

躯体ってなんだろうと疑問を持っている方は、ぜひ最後までお読み下さい。

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躯体とは?読み方や意味、構造体との違いを解説

躯体は「くたい」と読み、建物を形作る部材の集まりの総称です。

躯体は、基礎、柱、梁、壁、床、斜材などがあり建物を支える役割を持っています。

同じような表現に構造体がありますが、こちらは躯体のうち建物の構造上、重要な支えをしている部分のことです。

建築基準法では、主要構造部を「壁、柱、床、梁、屋根、階段」と定義しています。

躯体に含まれるもの

躯体には「基礎・柱・梁・壁・床・斜材」が含まれます。

それぞれの役割について詳しく紹介していきます。

基礎

基礎とは、建物を安定させるための土台部分のことを指します。

高層ビルや大規模物件では、杭基礎・深基礎と呼ばれる基礎が使用されます。

杭基礎・深基礎は地盤のしっかりした地層まで基礎を延長して、固い地盤で建物を支える基礎のことです。

いっぽう、一般住宅や小規模物件では、布基礎・ベタ基礎と呼ばれる基礎が使用されます。

布基礎とは逆T字型の形状をした基礎を、柱や壁の下部に配置する基礎のことです。

ベタ基礎は建物の地盤面全体に配置する基礎のことを言います。

柱は、建物の垂直方向に建てられる部材のことです。

梁や屋根、床の荷重を基礎に伝え、建物を支える役割を果たしています。

柱は建物の荷重を支えるだけでなく、地震の揺れや風の圧力に耐える役目も持っています。

柱は、躯体の中でも特に重要な部材のひとつです。

梁とは、屋根や床の荷重を支える横方向の部材のことをいいます。

梁の役割は、荷重を柱に伝えることです。

柱と柱の間にかかる梁を大梁、梁と梁の間にかかる梁を小梁、孫梁といいます。

柱と同様に地震の揺れや、風の圧力で建物が変形しないように耐える役目があります。

壁は、建物の外周部や内部の部屋と部屋を仕切る面のことをいいます。

外周部に配置された面を外壁、部屋を仕切る面を内壁と呼びます。

柱・梁で構成されるラーメン構造の場合、壁は屋根や床の荷重を支える必要はありません。

いっぽう、壁によって屋根や床の荷重を支える壁式構造では、壁が柱や梁のように建物を支える役割があります。

床とは、建物および室内の下部の面のことを言います。

床の役割は、居住者や家具などの建物内の荷重を梁や柱に伝えることです。

上階の床と異なり、1階の地盤面に接している床のことを土間と呼びます。

斜材

斜材とは、構造体の間で斜めに配置される部材のことです。

柱や梁の間に配置され、地震の揺れや風の圧力で躯体が変形するのを防ぐ役割があります。

耐力壁と呼ばれる荷重を支える壁を配置できない建物の場合に、斜材は使用されています。

構造体の種類によって、ブレースや筋交い・方杖などとも呼ばれます。

仕上げの違いとの違いと躯体と勘違いされやすいもの

建物には、躯体のほかに仕上げと呼ばれる部材があります。

躯体と仕上げは同じものとして混同されがちですが、示しているものは異なります。

床を例とすると、躯体の床の役割は鉄筋コンクリートや木造建築の大引き・根太など荷重を支えることです。

いっぽう、仕上げの床はフローリングや畳など居住者が直接手に触れる部分のことを指します。

床と同じように、壁にも耐力壁といった躯体の壁と、雑壁やスリット壁と呼ばれる仕上げの壁が存在します。

躯体構造の種類

躯体構造には、構成する部材の違いによって4つの種類があります。

  • 木造
  • 鉄骨造(S造)
  • 鉄筋コンクリート造(RC造)
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造

それぞれの躯体構造の違いについて紹介していきます。

木造

木造は、柱・梁・床・壁などの主要構造部を木材でつくる躯体構造です。

一般住宅や小規模な集合住宅に、多く使われる方法です。

日本では古来から使用されてきた工法で、一般住宅のほかに神社仏閣などの伝統建築にも利用されています。

柱と梁を組み合わせ、外壁などに耐力壁を使用して建物の荷重を支えています。

鉄骨造(S造)

鉄骨造とは、柱や梁に鋼製の部材(鉄骨)を用いて作られた躯体構造です。

S造とも呼ばれています。

鉄骨造には、柱と梁のみで支えるラーメン構造、斜材を用いるブレース構造、三角形を組み合わせるトラス構造があります。

また、使用する鉄骨の厚みによって重量鉄骨(厚さ6mmを超える)と軽量鉄骨(厚さ6mm以下)に分かれます。

高層ビルなどの大型物件には重量鉄骨が使用され、小規模な集合住宅や倉庫などの小型物件には軽量鉄骨が使われます。

高層ビルや大型物件の多くで、鉄骨造が採用されています。

鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋コンクリート造とは、柱や梁に鉄筋コンクリートを用いて作られた躯体構造です。

鉄筋コンクリート造は、RC造とも呼ばれています。

鉄筋コンクリート造には、柱と梁で建物を支えるラーメン構造と、壁や床で建物を支える壁式構造があります。

柱の間隔を広くとる必要のない高層マンションなどに多く使われています。

経済性の観点から大空間や超高層ビルでは、鉄筋コンクリート造よりも鉄骨造を採用することが多いです。

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

鉄骨鉄筋コンクリート造とは、柱・梁に鉄骨を用い、その周りを鉄筋コンクリートで覆う躯体構造です。

鉄骨鉄筋コンクリート造は、SRC造とも呼ばれています。

鉄骨造と鉄筋コンクリート造のメリットを合わせ持った性質があります。

耐震性・耐久性が高く高層ビルに採用されています。

しかし、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べて、部材が多く、工事も煩雑となるためコストが高くなるのが欠点です。

躯体工事とは

躯体工事とは、建物を支える部材を構築する工事のことを言います。

躯体工事は、大きく基礎工事本体工事に分類することができます。

基礎工事

基礎工事とは、建物の荷重を地盤に伝え、建物を支える部材を構築するための工事です。

地盤が弱い土地では、地層深くに杭や鉄筋コンクリートを打ち込んだり、地盤改良などを行って土台を固めます。

建物の規模や性質にあわせて杭基礎、布基礎、ベタ基礎などから適切なものを選択し、基礎工事を行います。

基礎工事には耐震補強の役目があるため、建物の耐震性・耐久性が向上します。

基礎工事をしっかり行うことで、地震や災害に強い建物にすることが可能です。

本体工事

本体工事とは、柱・梁・床・壁・斜材などの部材を構築するための工事です。

基礎工事が完了したら、本体工事へ移行します。

柱を立て、梁・斜材を架け、床・壁を構築していきます。

建物の規模によっては、建築基準法に基づき中間検査と呼ばれる構造体の検査が必要です。

中間検査を行うことで、躯体工事の品質が確保されます。

躯体工事の種類

躯体工事には、以下の5種類があります。

  • 鉄筋工事
  • 型枠工事
  • コンクリート打設工事
  • 鉄骨工事
  • 木造工事木造

それぞれの工事の内容を紹介していきます。

鉄筋工事

鉄筋工事とは、鉄筋コンクリートの内部に配置される棒状の鋼材を加工して、組み立てる工事のことです。

鉄筋コンクリートの柱や梁の内部には、主筋・あばら筋・帯筋といった鉄筋が配置されています。

鉄筋のサイズや形状・配置は、建物の構造や規模によって異なります。

構造図を基に、鉄筋の加工・組立を行うのが鉄筋工事です。

鉄筋工事には鉄筋を加工する鉄筋加工組立工事と、鉄筋同士を接合する鉄筋継手工事・鉄筋圧接工事があります。

型枠工事

型枠工事とは、鉄筋コンクリート造でコンクリートを流し込む際の型を形成する工事のことです。

固まる前の液体状のコンクリートを生コンクリートと呼びます。

生コンクリートを柱や梁、床などの形に整えるため、木材で型を作るのが型枠工事です。

作った型枠にゆがみや変形があると、固まった後のコンクリートにも同様のゆがみや変形が生じます。

型枠工事には、躯体の形状を決める重要な役目があるため熟練した技術が必要です。

コンクリート打設工事

コンクリート打設工事とは、生コンクリートを成型した型枠に流し込む工事のことです。

型枠に流し込まれた生コンクリートは、バイブレーターと呼ばれる機械で攪拌して型枠の隅々まで流し込まれます。

生コンクリートは空気を含んでいるため、コンクリート打設後に表面に気泡が発生します。

発生した気泡のあとが残らないよう、コンクリート打設後に行う作業が押さえです。

金ごてや機械ごてを利用してコンクリートを押さえ、気泡をなくして表面をならしていきます。

床や壁の仕上げによっては、押さえではなく目荒しや刷毛仕上げなどを行うこともあります。

鉄骨工事

鉄骨工事とは、柱や梁などを鋼製の部材(鉄骨)で構築する工事です。

鉄骨工事はあらかじめ工場で加工された部材を現場に運び、現場では組立作業のみを行います。

大型のクレーンを使い鉄骨を揚重し、柱・梁を組み立てるのが鉄骨工事です。

超高層ビルの工事では、タワークレーンを用いて高層階へ鉄骨を運びます。

鉄骨工事では、鉄骨鳶と呼ばれる専門の職人が鉄骨上で作業を行います。

木造工事

木造工事とは、柱・梁・床・壁などの構造体を木材で構築する工事のことを言います。

一般住宅や小規模の集合住宅で多く用いられます。

型枠工事や木造工事を行う作業員をともに大工と呼びますが、型枠工事を行う大工を型枠大工、木造工事を行う大工を一般的な大工と呼びます。

まとめ

躯体についてご紹介してきました。

躯体とは、建物を構造的に支える部材のことです。

基礎、柱、梁、壁、床、斜材などに分類され、それぞれの部材によって役割や特徴が異なります。

躯体工事は、建物の耐震性や耐久性を確保するための重要な工事のひとつです。

建築業界に転職を希望している方は、躯体工事の知識をつけておくことをおすすめします。

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