解体工事施工技士とは?試験の概要から合格するためのポイントまでわかりやすく解説!

建設ラッシュが続いているということもあって年々需要が高まってきている解体工事。

その解体工事に特化した資格として注目されているのが、「解体工事施工技士」です。

実際、解体工事業界に進んだり、解体工事業界でステップアップするために解体工事施工技士の資格取得を考えている方も多いのではないでしょうか?

この記事では、解体工事施工技士の概要に触れながら、資格を取得するメリットや資格試験の情報、資格を取得するためのコツなどについて解説していきます。

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解体工事施工技士とは

解体工事施工技士は、解体工事に関する技術や知識を証明するための国家資格です。

解体工事の現場ではさまざまな種類の廃材が大量に出るため、解体工事施工技士には、これらの廃材を適切な方法で処理するための知識なども求められます。

また、解体工事施工技士の資格が活きるのは解体の現場でだけではありません。

解体工事業者として請負金額が500万円未満の解体工事を請け負うには解体工事業の登録が必須になりますが、登録するには技術管理者を設けなくてはいけません。

その技術管理者として登録可能な資格が、解体工事施工技士です。

解体工事施工技士は解体業を営む上で欠かせない資格になるため、業界で重宝される資格でもあります。

また、請負金額が500万円以上になる解体工事には建設業の許可が必要になりますが、解体工事施工技士の資格を持っていると専任技術者としての登録が可能になります。

解体工事施工技士資格制度ができた背景

解体工事施工技士は、1993年に始まった比較的新しい資格制度です。

それまでは建設業の区分に解体業が設けられておらず、解体工事施工技士の資格もありませんでした。

ただ、以下のような理由によって建設業に解体業の区分を設けることが必要だと提唱され、資格制度の設立につながりました。

  • 解体工事が増加した
  • 解体の対象となる建物が大型化し、複雑化した
  • 解体工事に関連する災害が増加した
  • リサイクルに対する意識が変化した
  • 廃棄物や有害物を適切に処理する必要が出てきた
  • 解体工事業界の底上げや人材確保のため
  • 解体工事専門の業者の地位を確立するため

解体工事施工技士を取得するメリット

解体工事に関する仕事は解体工事施工技士の資格を取得していなくても従事できます。

そこで気になるのが、解体工事施工技士の資格を取得するメリットについて。

解体工事施工技士の資格を取得する主なメリットとしては、以下の2点があげられます。

  • 解体工事に特化した資格は解体工事施工技士だけ
  • キャリアアップや年収アップが期待できる

それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。

解体工事に特化した資格は解体工事施工技士だけ

建築設備士や建築施工管理技士、電気工事士など建築に関連する資格にはさまざまな資格がありますが、解体工事に特化した資格は解体工事施工技士しかありません。

また、解体工事施工技士は民間の資格ではなく国が定める国家資格なので、所有者の知識力や技術力の高さも折り紙つきです。

解体工事施工技士の資格を取得しておくことで解体工事業界で重宝する存在になることができるので、解体工事業界への就職や転職に有利に働くというメリットがあります。

キャリアアップや年収アップが期待できる

解体工事施工技士の資格は解体工事業界への就職や転職に有利に働くだけでなく、入社した会社での評価の対象にもなります。

解体工事業界において解体工事の作業員から次のキャリアに進むために必要な資格で、取得することでキャリアアップや年収アップにつながるようになるので、解体工事業界で活躍していきたいと考える方にとって非常に魅力的な資格だと言えます。

解体工事施工技士試験の概要

解体故事技師試験を受験するには以下の受験資格を満たしている必要があります。

最終学歴実務経験
指定の学科を卒業した場合指定の学科を卒業していない場合
大学
高度専門士
1年以上1年6ヶ月以上
短大
専門学校
5年制の高校
2年以上3年以上
高校
中等教育学校
1年制の専門学校
3年以上4年6ヶ月以上
その他8年以上

試験では選択式の問題と記述式の問題が出題され、58%以上の正答率で合格となるケースが多くなっています。

出題される問題の範囲や内容は以下のとおりです。

  • 土木工事や建築工事の基礎知識
  • 解体工事の計画や管理
  • 解体工事の工法
  • 振動や騒音、粉塵対策
  • 安全衛生管理

申し込む際は以下のものが必要になるので、忘れずに用意しておくようにしましょう。

  • 申込書
  • 実務証明書
  • 写真(縦4.5㎝ ✕ 横3.5cm)
  • 住民票
  • 卒業証書
  • 受験料(16,500〜19,250円)

合格した後は申請が必要

解体工事施工技士は、試験に合格したからといって自動的に登録されたり資格証が発行されたりするわけではありません。

登録や資格証の発行には申請が必要になります。

申請は、試験を受けた後で交付される結果通知書に同封されている登録申請書での手続きが必要になります。

また、登録には6,600円の登録料がかかるので注意しましょう。

申請を行うと、登録証と資格者証が発行されます。

解体工事施工技士試験の合格率と難易度

解体工事施工技士試験の直近5年の合格率は以下のとおりです。

実施年度受験者数合格者数合格率
2018年2,276人1,378人60.5%
2019年2,139人1,241人58%
2020年2,201人1,294人58.8%
2021年2,311人1,378人59.6%
2022年1,930人1,078人55.9%

平均合格率は約58%と、かなり高めです。

そのため、特別難易度の高い難関資格というわけではありません。

ただ、試験を受けるのに最低でも1年、最長だと8年の実務経験が必要になる点を考えると簡単に取得できる資格というわけでもないので、まとまった勉強時間を確保してしっかりと対策する必要があると言えるでしょう。

解体工事施工技士に合格するには

解体工事施工技士に合格するには

紹介してきたとおり、解体工事施工技士は難易度が高い難関資格というわけではありません。

ただ、それでも解体工事に関する幅広い知識が求められることには変わりありませんし、対策せずに合格できるほど甘い資格というわけでもありません。

そこで押さえておきたいのが、以下の3点です。

  • 解体業を行っている会社で働きながら必要な実務経験を積む
  • 解体工事施工技術講習を受ける
  • 合格に必要な勉強時間の目安は50〜100時間

それぞれ詳しく解説していきます。

解体業を行っている会社で働きながら必要な実務経験を積む

解体工事施工技士の試験を受けるには規定の実務経験が必要になります。

必要な実務経験の長さは学歴によって異なりますが、最短でも1年、最長で8年の実務経験が必要になるため、実務経験のない人の場合、まずは解体業を行っている会社で働きながら必要な実務経験を積まなくてはいけません。

解体工事施工技士の試験を受けるための実務経験は、解体工事に関連するものである必要があります。

例えば、同じ建設現場での作業に従事する職業であっても、電気工事業のような異なるタイプの職種での実務経験は解体工事施工技士になるための実務経験にはカウントされないので注意してください。

また、実務経験を積むにしてもしっかりと学べる環境であるかどうかが重要になってくるので、従業員の教育に力を入れている会社など、教育体制の整っている会社に就職・転職するようにしましょう。

解体工事施工技術講習を受ける

解体工事施工技士の試験に合格するにはしっかりと勉強時間を確保する必要がありますが、どうやって勉強を進めていけばいいかがわからず悩んでしまう人も少なくありません。

そこでおすすめなのが、「解体工事施工技術講習」です。

解体工事施工技術講習は、解体工事施工技士の試験を行っている全解工連が実施している技術講習で、解体工事に従事する上で必須になる技術を学べる講習です。

全解工連が制作した専用のテキストを用いながら、2日間かけて解体工事施工技士になるために必要な知識や技術を学んでいきます。

解体工事施工技士の試験を行っている全解工連が実施している講習で、なおかつ専用のテキストを使って学べることを考えると、必要な知識や技術を最も効率的に学べる方法だと言えるので、試験対策をどう進めていけばいいか悩んでいるのであれば講習を受けるというのも一つの手です。

講習を受講するための資格は特に設けられておらず、解体工事に関する知識や技術を身につけたい方であれば誰でも受講できるようになっています。

ただ、受講するには以下の受講料がかかります。

  • インターネットでの申し込み(クレジット決済の場合):27,500円
  • インターネットでの申し込み(コンビニ決済の場合):28,000円
  • 郵送での申し込み:30,250円

この受講料にはテキスト代も含まれています。

インターネットでの申し込みは全解工連のホームページから行えるようになっていますし、郵送での申し込みに必要な申込書も全解工連のホームページからダウンロードできるようになっているので、興味のある方は確認してみてください。

合格に必要な勉強時間の目安は50〜100時間

解体工事施工技士の試験は難易度が高いというわけではありませんが、それでも合格するには50〜100時間程度は資格取得に向けて勉強しなくてはいけません。

個人差があるので一概に言い切ることはできませんが、50〜100時間を一つの目安として試験日までの勉強のスケジュールを組み、試験対策に取り組むようにしましょう。

解体工事施工技士の試験ではリサイクル法など法律に関する問題も出るので、そのあたりの勉強は必須で行っておくようにしてください。

また、具体的な勉強方法としては、解体工事施工技術講習で配布されるテキストや資料で必要な知識を学び、過去問を繰り返し解くという方法が最も効率的な勉強方法になります。

まとめ

解体工事施工技士は、これから解体工事業界に進みたいと考えている方や、解体工事業界でもっと活躍できるようになりたいと考えている方にとってうってつけの資格です。

解体工事に関する資格が解体工事施工技士のみということを考えると、より魅力的な資格だと言えるでしょう。

資格取得の難易度は決して高くありませんが、50〜100時間程度の勉強時間は必要になってきますし、実務経験も必要です。

これから解体工事業界に進み、解体工事施工技士の資格を取得しようと考えている方は、まずは解体業を行っている会社で働きながら必要な実務経験を積むところから始めるようにしましょう。

また、解体工事施工技術講習を受けるのもおすすめなので、ぜひ受けてから試験にのぞむようにしてください。

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