プラント業界とは?仕事内容から今後の展望までわかりやすく解説!

「プラント業界の仕事内容は?」
「プラント業界はどんな会社?」
「大手プラントメーカーのランキングや各企業の年収は?」

プラント業界に少しでも興味がある方は、このような疑問を持っているのではないでしょうか。

「プラント」という言葉は、建設業などに携わっている人には理解できますが、それ以外の人にはあまり馴染みがないかもしれません。

「プラント」は、社会生活の基盤を支えるものであり、一国の経済の発展にもつながる重要な役割を果たすものです。

この記事ではプラント業界について、仕事内容から売上ランキング、年収など、参考になる情報をいろいろな角度からくわしく解説していきます。

プラント業界に就職や転職を考えている人にとっては必見の内容となっています。ぜひ最後まで読んでみてください。

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プラント業界とは?

はじめに、プラント業界の基本的な内容について確認していきましょう。プラントの意味や役割、種類などについて解説します。

プラントの意味

プラント(plant)は、工場のことを指しますが、植物を意味する単語でもあります。なぜ工場が植物と同じ意味の「プラント(plant)」と呼ばれるようになったのでしょうか。

それは、種を土に蒔いて植物を育てることが、敷地に工場を建てて原料を生産することと似ているからとされています。

工場には、ファクトリー(factory)という単語もあります。二つの意味の違いは次のとおりです。

プラント(plant)原料の加工をする工場・エネルギーを産出する工場
ファクトリー(factory)機械で大量に物を製造する工場

プラントは原料の加工やエネルギーを産出する工場を指し、発電所や、石油プラントなどの施設があります。一方、ファクトリーは、機械設備を使って大量に同じ製品を生産するような工場を指します。

プラントの役割

プラントの役割は、多種多様の設備を複数組み合わさせて、大きな性能を発揮することです。二つの具体例を挙げてみましょう。

生コン工場原料となるセメントと水を運ぶ設備セメントと水を混ぜる設備生コンを貯蔵する設備貯蔵庫からミキサー車に入れる配管設備 など
ごみ焼却場ごみを焼却炉に投入する設備ごみを燃やす設備熱を回収する廃熱設備ガスを無害化する設備 など

上記の生コン工場やごみ焼却場のように、プラントは複数の設備で構成されています。プラントは、それぞれの設備や機器が綿密な働きをしながら連携して大きな性能を発揮します。

プラントの種類

プラントは、上述の生コン工場やごみ焼却場に限らず、食品や水処理などさまざまな種類があります。大きく分けると「産業系プラント」「化学系プラント」「環境系プラント」の3種類です。

種類内容
産業系プラント日常生活に身近な製品を作るプラント
(例:食品、医薬品、プラスチック、金属、セメントなど)
化学系プラント原料を化学反応させて化学製品を作るプラント
(例:石油、天然ガス、合成樹脂、化学繊維など)
環境系プラント廃棄物処理や水処理など環境維持に必要なプラント
(例:食品廃棄物、汚水、下水、廃プラスチック処理など)

業界大手のプラントメーカー

プラント業界の代表的な会社と言えば、プラントの設計、調達、建設までを「専業」で行う会社のことを指し「プラントエンジニアリング会社」とも呼ばれます。

御三家と称されるのは以下の3社です。

  1. 日揮ホールディングス(株)
  2. 千代田化工建設(株)
  3. 東洋エンジニアリング(株)

一方、会社の中にプラントを作り上げる部門を抱えている「プラントメーカー」もプラント業界に含まれると言えます。

代表的な会社は以下の3社などがあります。

  1. 三菱重工業(株)
  2. 川崎重工業(株)
  3. (株)クボタ

プラント業界の仕事内容

プラント業界の事業は「EPC事業」と呼ばれます。EPC事業とは以下の頭文字から取った呼び方です。

  • 設計(Engineering)
  • 調達(Procurement)
  • 建設(Construction)

プラント業界の事業は「設計」「調達」「建設」の基本工程を一括して行いますが、さらにくわしく分類すると以下の流れで進んでいきます。

営業 ⇒ 基本設計 ⇒ 詳細設計 ⇒ 調達 ⇒ 施工管理 ⇒ 試運転 ⇒ メンテナンス

各工程において、専門知識や技術を持ったエンジニアが活躍しています。それぞれ順番に仕事内容を解説していきましょう。

営業

プラント業界の営業は、法人に対するBtoBが基本です。

どの業種の営業にも共通していますが、仕事を受けるためには、顧客と良好な関係を築くことが重要になります。顧客の細かな要望を汲み取り、迅速かつ丁寧に対応することが求められます。

基本設計

基本設計では、プラントに必要な条件を満たせる設備を考える大枠の設計を行います。

プラントの稼働を効率的に行うことや、作業員の移動をスムーズに行うことなどの配置計画を考えます。設計の最初の段階であるため、全体像を把握する視点が重要になります。

詳細設計

詳細設計に移ると、基本設計をもとに具体的で詳細な仕様や緻密な設計を行います。

「建設設計」「配管設計」「電気設備設計」などの詳細を、各分野のエンジニアたちが詰めていきます。各分野が相互に連携しながら進めていくことが、良いプラントの建設には必要不可欠です。

調達

設計内容を元に機器や資材を調達します。

メーカーに見積もりを依頼し、価格交渉や仕様の確認などを行います。特注品を発注したり海外との取引も発生するため、品質や納期の管理も重要になります。

施工管理

プラントの建設工事が始まれば、施工管理を行います。

施工管理とは、工事のスケジュールを管理する工程管理、作業員が事故なく働けるための安全管理など、建設工事全体を把握してコントロールしていくことです。

試運転

建設工事が終わればプラントの試運転を行います。

設計通りに設備が作動するか、プラント全体の性能が発揮できているかを確認します。試運転を行うことで、安全面にも問題がないかをチェックします。

メンテナンス

プラントが完成して終わりではありません。

プラントが稼働してからも日常的にメンテナンスを行い、劣化箇所をチェックしていきます。一定の期間を経過すれば、大規模修繕工事を継続して行います。

プラント業界の特徴

プラント業界は、以下のような特徴がありますので紹介していきます。

  • 海外比率が高い
  • 仕事の規模が大きい
  • 世界情勢に影響を受ける
  • 勤務体系が厳しい

海外比率が高い

プラント業界の市場は、日本国内ではある程度成熟しています。高度成長期に作られたプラントを建て替える動きもありますが決して大きくはないため、必然的に海外に目が向きます。

海外、特に新興国では、今後エネルギー需要が増えるなど潜在的な需要が非常に大きいです。海外で仕事をしたいという方にとっては、プラント業界はおすすめの業界と言えるでしょう。

仕事の規模が大きい

プラントの建設規模は数億円~数百億円にのぼり、ひとつのプロジェクトに関わると数年単位になることが普通です。

多くの人がプラント建設に携わり責任も大きくなりますが、さまざまな苦労を乗り越えてやり遂げた時には、達成感や充実感であふれるでしょう。仕事の規模が大きいからこそ味わえる醍醐味と言えます。

世界情勢に影響を受ける

新型コロナウイルス感染症の拡大によって、世界経済は大きな打撃を受けました。さらにウクライナ情勢による影響もあり、大型案件の先送りや、資材および輸送費の高騰などが収益に影響を与えています。

一方、原油価格の上昇により、LNGプラントの増産などの需要回復も起きています。このように世界情勢に大きく影響を受けるのがプラント業界の特徴です。

勤務体系が厳しい

プラント業界の仕事は、建設現場が転々とするため転勤や出張が多いです。案件にもよりますが、数ヶ月間にわたってホテルから通勤することもあります。

プラント業界で働く場合は、このような厳しい勤務体系で働かなければいけないことも家族に理解してもらわなくてはなりません。その代わりに手当などは充実するので、収入は多くなります。

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プラント業界大手企業の売上高ランキング(トップ5)

ここからは、プラント業界を代表する大手企業の売上高ランキングを紹介します。

※データは「各社有価証券報告書(2022年3月時点)」を参照しています。

順位会社名売上高(連結)
1日揮ホールディングス(株)4284億100万円
2千代田化工建設(株)3111億1500万円
3栗田工業(株)2882億700万円
4東洋エンジニアリング(株)2029億8600万円
5メタウォーター(株)1355億5700万円

各社の概要をみていきましょう。

1.日揮ホールディングス(株)

創業1928年
従業員数(連結)7275人
売上高(連結)
(地域別売上高)
4284億100万円
├【日本】1374億2600万円
├【東南アジア】331億5400万円
├【中東】502億3000万円
├【アフリカ】601億1100万円
├【北米】1383億9400万円
└【その他地域】90億8300万円
平均年齢(単体)44.0歳
平均勤続年数(単体)16.5年
平均年収(単体)854万円
特徴業界最大手、海外売上が7割を占める。
LNG、原油、再生可能エネルギーなど幅広い分野を総合的に手がける。
参照:https://www.jgc.com/jp/ir/ir-library/shihanki-houkokusyo.html

2.千代田化工建設(株)

創業1948年
従業員数(連結)4018人
売上高(連結)(地域別売上高)3111億1500万円
├【日本】1176億7700万円
├【北中南米】541億500万円
├【アジア・オセアニア】541億6100万円
├【中近東・アフリカ】823億2100万円
└【その他海外】1億5000万円
平均年齢(単体)41.5歳
平均勤続年数(単体)14.2年
平均年収(単体)926万円
特徴LNGの製造プラントにおいて圧倒的なシェアを誇る。
水素に関する技術開発に強みを持つ。
参照:https://www.chiyodacorp.com/jp/ir/library/securities/

3.栗田工業(株)

創業1949年
従業員数(連結)7661人
売上高(連結)(地域別売上高)2882億700万円
├【日本】1593億6500万円
├【アジア】580億3200万円
├【北南米】463億5100万円
└【EMEA】244億5700万円
※EMEAは欧州、中東、アフリカ地域を指します。
平均年齢(単体)43.0歳
平均勤続年数(単体)17.7年
平均年収(単体)909万円
特徴総合水処理会社の国内最大手。
水処理プラントのほか、水処理薬品事業も手がける。
参照:https://ir.kurita.co.jp/reports/securities-report/

4.東洋エンジニアリング(株)

創業1961年
従業員数(連結)4037人
売上高(連結)(地域別売上高)2029億8600万円
├【日本】880億8600万円
├【インド】409億800万円
└【その他】739億9100万円)
平均年齢(単体)43.4歳
平均勤続年数(単体)16.9年
平均年収(単体)824万円
特徴尿素やアンモニアなどの化学肥料関連プラントに強み。
財政基盤の健全化を課題としている。
参照:https://www.toyo-eng.com/jp/ja/investors/ir/securities/

5.メタウォーター(株)

創業2007年
従業員数(連結)2747人
売上高(連結)(地域別売上高)1355億5700万円
├【日本】1179億7700万円
├【米国】126億4600万円
└【その他】49億3300万円
平均年齢(単体)43.3歳
平均勤続年数(単体)17.4年
平均年収(単体)793万円
特徴日本ガイシと富士電機の環境子会社が合併して設立。
上下水道分野において国内最大手。
参照:https://www.metawater.co.jp/ir/library/library03.html

プラント業界の平均年収ランキング(トップ5)

プラント業界の平均年収ランキングは以下のとおりです。

※データは「各社有価証券報告書(2022年3月時点)」を参照しています。

順位会社名平均年収(単体)
1千代田化工建設(株)926万円
2栗田工業(株)909万円
3(株)タクマ856万円
4日揮ホールディングス(株)854万円
5東洋エンジニアリング(株)824万円

売上高ランキング(トップ5)に入っていない会社に「(株)タクマ」があります。

参照:「(株)タクマ|有価証券報告書

プラント業界の将来性は?

ここまでプラント業界について紹介してきましたが、将来性が気になるという方も多いのではないでしょうか。

ここからはプラント業界の今後の動向について、次の4つの視点から解説していきましょう。

  1. グローバルな競争
  2. エネルギー分野での需要
  3. 国内は既存プラントの改修
  4. ITやAIの技術

グローバルな競争

国内のプラント業界は成熟期にあり、今後の大きな需要は期待できません。一方、東南アジアや中東などは、プラント建設に高い需要があります。

そのためプラント業界で働く人の活躍の場は、国内から海外へ広がっています。

プラント業界が生き残っていくには、グローバルな競争に勝ち抜いていかなくてはなりません。

エネルギー分野での需要

海外では、エネルギー分野で需要が高まっています。特に、太陽光発電や液化天然ガス、水処理プラントなどの需要は当面は続いていくと予想されるでしょう。

世界的な脱炭素化の動きに伴い、環境に配慮した新たなエネルギー領域への取組みは、プラント業界の成長力を大きく左右すると言えます。

国内は既存プラントの改修

国内のプラント市場は成熟期にあるため停滞しています。高度成長期に建設された国内プラントの多くが老朽化してきている現状です。

そのため、今後の国内市場としては、老朽化した既存プラントの改修やメンテナンスといった需要が見込まれます。

ITやAIの技術

近年は、あらゆる業種でITやAIなどのデジタル技術を進める動きが活発になっています。プラント業界においても、設備の保守・管理などに、デジタル技術の活用が広がっています。

これからは、ITに強いプラントエンジニアが重宝される時代となっていくでしょう。

まとめ

この記事ではプラント業界について紹介してきました。最後にこの記事をまとめておきます。

  • プラントとは、多種多様の設備が複数組み合わさって大きな性能を発揮する工場
  • プラント業界の仕事は、海外の比率が高く仕事の規模が大きい
  • エネルギー分野で需要は当面続くと予想される
  • ITやAIに強い人材の確保が求められる

プラント業界に興味を持った方は、ぜひ就職や転職の選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

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