管工事業とは?事業の種類から業界の動向、役に立つ資格まで徹底解説!

私たちの生活に欠かせないのが、給排水やガス、空調です。これらが配管を通して室内と室外を問題なく行き来できることで、安全な生活環境を保てています。

管工事業は、建物の建築で必要な各種配管を設置したり撤去したりする工事のことです。

国のプロジェクトや各県の再開発などで、建築の需要が高まっているなかで、管工事業の需要も高まっているのが実情です。

そこで本記事では、管工事業の概要から種類、関連する資格などを詳しく解説します。

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管工事業とは

管工事業とは、建物の建築で必要な配管を設置するための工事のことです。一般的な建物では、室内と室外をつなぐための管が必要になります。

例えば、トイレやお風呂、水道、ガス、換気口など。

これらはすべて、建物内から建物の外に向けて管でつながっており、私たちが普段からガスを使って料理をしたりお風呂に入れたりするのは、配管工事のおかげです。

配管は建物の基礎部分や床下を通って壁や屋根に回されるため、建築工事の途中で行われるのではなく、基礎工事中といった建物建築の開始前に行われます。

配管工事に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

管工事業の種類

管工事業の種類には、以下の7つがあります。

  • 給排水配管工事
  • ガス配管工事
  • 空調設備工事
  • 衛生設備工事
  • 冷凍冷蔵設備工事
  • 厨房設備工事
  • 浄化槽工事

それぞれ詳しく解説します。

給排水配管工事

給排水配管工事とは、建物内の給排水設備を整えるための工事のことです。

給排水配管工事は、大きく以下の3つに分けられます。

  • 給水管の引き込み工事
  • 下水道へのつなぎ込みと排水管の設備工事
  • 屋内の配管設置工事

建物内で問題なく給排水を行うには、これら3種類の工事が完了していることが条件です。一軒家に住んでいる人は、床下を確認した際にピンクとブルーの配管を見たことがあるのではないでしょうか。給水管は、主にポリエチレン管やポリブデン管が用いられており、水はブルーの配管でお湯はピンクの配管になっています。

一方で、排水管には、抵抗がなく流れやすく、腐食にも強い塩ビ管が使用されるのが一般的です。

ガス配管工事

ガス配管工事は、建物内でガスを使用できるようにする設備の準備と配管工事です。

ガス配管工事では、以下の作業が行われます。

  • ガス管の引き込みと設置
  • ガスメーターの取り付け
  • ガス栓の交換 など

オール電化でない限り、調理や給湯の際にはガスを使用します。私たちの生活に欠かせないガスですが、取り扱いを誤ったり、配管が正常に取り付けられていなかったりすると、火災や爆発などの事故につながる可能性があるのです。

そのため、ガス管の取り付け工事では、資格保有者が業務にあたることが義務付けられています。

また、ガスには都市ガスとプロパンガスの2種類があり、エリアによってはプロパンガスしか利用できない場所もあります。それぞれで取り扱い方法が異なるため、ガス配管工事を行う作業者は、都市ガスとプロパンガスのどちらの知識と技術も身につけておく必要があるのです。

空調設備工事

空調設備工事は、エアコンや排気口など、建物内の空調に関わる配管の設置と工事のことです。

この工事では、以下の作業が行われます。

  • 排気口と排気管の設置
  • 各種空調設備のメンテナンス
  • 経年劣化した空調設備の交換

空調は、建物内の空気の流れや湿度・温度を快適に保つためにも重要な設備です。空調設備が整っていないと、空気が循環せずに、湿気が溜まったり身体への悪影響が出たりします。

衛生設備工事

衛生設備工事は、トイレやお風呂、洗面台などの水を利用して衛生環境を整える設備を設置する工事です。

衛生設備工事では、先に各種衛生設備を設置した後に、配管のつなぎ込みを行います。

冷凍冷蔵設備工事

冷凍冷蔵設備工事とは、食料品の冷蔵・冷凍を行うための設備を維持するための配管を設置する工事のことです。

一般家庭よりも、スーパーやコンビニ、レストランなど、生鮮食品や冷凍食品を取り扱う店舗において、大型の冷蔵庫や冷凍庫の利用の際に工事を行います。

厨房設備工事

厨房設備工事とは、レストランやホテル、医療機関、学生寮などの厨房で利用する配管や設備を配置する工事のことです。

厨房設備工事をする場合は、ガスコンロや冷蔵庫、冷凍庫、換気扇などの厨房設備を整えた後に配管工事を行います。

浄化槽工事

浄化槽工事は、下水道の代わりに生活用水を浄化する設備を設置する工事のことです。

地域によっては下水道が通っていない場所があり、そのような場所でも問題なく生活をするために設置する必要があるのが浄化槽です。

浄化槽の設置は専門性が求められるため、国家資格である「浄化槽設備士」の資格を保有していなければ、作業を行えません。

管工事業界の概要

管工事業界を目指している人のなかには、年収や業界の将来性が気になっている人は多いでしょう。

そこで本章では、管工事業界の年収相場と動向について詳しく解説します。

管工事業界の年収相場

配管工事業界の代表的な職種である配管工の年収は、402万円です。

国税庁の発表する日本の給与所得者の平均年収は461万円ですので、国の平均年収よりは低いことになります。

ただし、配管工の年収のボリュームゾーンを確認すると、258万〜646万円と大きく差があります。勤務先や経験、スキルなどによって年収に開きが出ると考えられるでしょう。

また、配管工のなかでも、管工事施工管理技士は、400万〜600万円が平均年収です。管工事施工管理技士には、1級と2級があり、保有資格によって差があります。配管工に比べると、有資格者ということで、平均年収は高めになっています。

管工事業界の動向

管工事業界は、当面安定した需要が見込まれると考えられています。

2023年12月に、国土交通省が「設備工事業に係る受注高調査結果」の調査内容を発表しています。

設備工事業に関する受注総額は、3,286億円で前年同月と比べると22.9%増加しています。

また、発注者別受注高を確認すると、民間が3,101億円で同月比37.3%増加。一方、官公庁では184億円で前年同月比55.4%減少という結果になっています。

工事種類別の管工事の受注高をみると、1,726億円で前年同月比57.5%増加しています。

この結果から、設備工事や配管工事の需要は高まってきていることがわかるでしょう。大阪万博や首都圏エリアの再開発、首都圏以外の主要都市の再開発など、建築や建て替えの需要は今後も続くことが予測されます。

そのため、管工事業界の需要も、当面は安定していると考えられます。

管工事業に関連する3つの資格

管工事業に関連する資格として、以下の3つを紹介します。

  • 配管技能士
  • 管工事施工管理技士
  • 給水装置工事主任技術者

それぞれ詳しく解説します。

1. 配管技能士

配管技能士とは、給排水配管やガス配管などの配管工事の技能を証明する者に与えられる国家資格のことです。

配管技能士は、試験の程度によって、特級・1級・2級・3級の4種類に分類されます。それぞれで受験資格として実務経験年数が決められているため、3級から順に検定を受ける必要があります。

配管技能士の資格を取得することで、以下のような仕事をすることが可能です。

  • エアコン工事
  • 配管の新設・修繕工事
  • 水まわり設備機器の設置

資格取得には、各都道府県の職業能力開発協会が実施する試験に合格する必要があります。

各都道府県の職業能力開発協会の所在地は、こちらをご確認ください。

2. 管工事施工管理技士

管工事施工管理技士とは、流体と呼ばれる給水や空気、ガスなど(電気やケーブルは含まれない)の管工事業者を管理・監督する役目のことです。各分野の配管に関わる職人を統括し、施工計画の作成や工程管理、品質管理などの管理が主な仕事になります。

管工事施工管理技士は1級と2級に分類されており、1級に合格すると監理技術者補佐の業務ができるようになるなど、建築会社からの需要も高い資格です。

受験資格として、年齢や実務経験の年数が関係するため、受験を考える際は事前にしっかり確認しておきましょう。

受験要項や受験資格に関しては、「全国建設研修センター」で確認できます。

また、管工事施工管理技士に関するより詳しい内容は、以下の記事を参考にしてください。

3. 給水装置工事主任技術者

給水装置工事主任技術者とは、給水装置の設置や撤去を行える国家資格を保有している者のことです。

給水装置は、給水管から各住居や居室に清潔な水を届けるための装置を指します。給水設備や装置の設置や修理、撤去は、給水装置工事主任技術監督の元でなければ実施できません。

また、業者が給水工事を行うには、水道法に基づいた「指定給水装置工事事業者」の指定を受ける必要があり、指定には給水装置工事主任技術者の選任が義務付けられています。

給水工事は、建物建築において欠かせない工事であり、非常に需要の高い資格と言えるでしょう。

給水装置工事主任技術者の試験概要に関しては、「公益社団法人 給水工事技術振興財団」をご確認ください。

まとめ

本記事では、管工事業について、概要から種類、年収相場、関連する資格などを詳しく解説しました。

管工事業は、建物建築で必要な配管を設置するための工事のことで、トイレやお風呂、水道、ガス、換気口などを室内と室外で配管を通してつなぎます。

一口に配管工事といっても、以下のように7種類に分類されます。

  • 給排水配管工事
  • ガス配管工事
  • 空調設備工事
  • 衛生設備工事
  • 冷凍冷蔵設備工事
  • 厨房設備工事
  • 浄化槽工事

私たちの生活に欠かせない工事であり、今後も需要が高まると考えられる工事です。

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