建設現場では、さまざまな職人が集まるので、施工管理技士による監督や指揮が必要となります。とはいえ、ひとえに施工管理技士といっても、さまざまであり、あまりイメージが付かないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は、管工事施工管理技士について解説します。実際にどのような仕事をしているのかに加え、どのようなスキルが必要なのか、そして試験内容などについても詳しく見ていきましょう。
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目次
管工事施工管理技士はどんな仕事?
建設工事現場には電気、板金、土木、管工、造園、塗装といった多種多様な専門業者が出入りします。
そのうち流体の管工事業者をまとめ上げるのが管工事施工管理技士の仕事です。
※流体とは湯水や空気、ガス、蒸気などを指し、電気やケーブルは含まれません。
管工事施工管理技士は、給排水・浄化槽・空調ダクト・冷暖房・冷凍冷蔵・ガス管・厨房設備といった各分野の配管に関わる職人さんたちを統括し、施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理、コスト管理に努めます。
規模が大きくなればそれだけ現場の連携が必要となりますが、完成すれば大きな一体感と達成感が得られるでしょう。
必要なスキル
多くの人と関わる管工事施工管理技士には、コミュニケーションスキルが必須です。
いくつか具体例を挙げてみましょう。
各分野のまとめ役
職人さんにはまとめ役がいます。
例えば排水設備には下水道排水設備工事責任技術者、給水設備には給水装置工事主任技術者などです。
役所関係
行政手続きのため直接最寄りの役所窓口へ出向くことがあります。
近隣住民
建設工事現場の近隣住民への挨拶も管工事施工管理技士の仕事です。
斫り(はつり)工
斫り工はコンクリートの分野ですが、配管を通すために壁の破壊を依頼することが多々あります。
1級管工事施工管理技士の資格をとるメリットとは?
さらなるスキルアップを目指して、1級管工事施工管理技士の資格の取得を目指そうか検討している方もいるでしょう。しかし、1級管工事施工管理技士の資格を取得することで、どのようなメリットがあるのか、いまいちわからない方も多いのではないでしょうか。
1級管工事施工管理技士の資格を取得することで、キャリアアップにつながるのはもちろん、転職する際にもアピールポイントになることから、有利に転職活動を進められるでしょう。そのほか、1級管工事施工管理技士を取得すれば、特定建設業の専任技術者や、一般建設業における主任技術者になれるといったメリットもあります。
1級管工事施工管理技士の試験内容
1級管工事施工管理技士に資格を取得することで、転職活動を有利に進められたり、同じ会社内においてキャリアアップを目指せたりできるでしょう。ただ、試験に合格しなければ、資格を取得することはできません。
ここでは、1級管工事施工管理技士の受験資格や、試験の内容について詳しく見ていきましょう。
受験資格
1級管工事施工管理技士の受験資格は、最終学歴によって異なります。高校卒業者の場合は実務経験が11年6か月以上必要なのに対し、大学卒業者であれば4年6か月以上の実務経験で済みます。
なお、土木工学や都市工学、電気工学や建築学などの指定学科を卒業している場合は、必要な実務経験の年数が短縮されて、高校卒業者は10年以上、大学卒業者は3年以上となります。
詳しい受験資格については、こちらを参考にしてください。
第一次試験(学科)
ここでは、1級管工事施工管理技士の第一次試験(学科)の詳しい内容を見ていきましょう。
1級管工事施工管理技士の第一次試験は、以下の範囲から出題されます。
- 原論
- 電子工学
- 建築学
- 空調・衛生
- 設備
- 設計図書
- 施工管理法
- 法規
以上の範囲から出題され、試験に合格するには、60%以上の得点が必要となります。第一次試験では、幅広い範囲から出題されますが、得意分野を見つけて、効率的に学習していくことがポイントとなります。
1級管工事施工管理技士の第一次試験の解答方式は四肢択一式となっています。出題数は全部で73問あり、その中から60問を選んで解答していきます。
配点はすべて1点で、60点満点中60%以上の正答率で合格となります。基本的には、過去問を使って対策することがポイントとなるでしょう。というのも、1級管工事施工管理技士の試験は、出題範囲が広く、参考書を使ってすべてを網羅するとなると、莫大な時間がかかってしまいます。
そのため、実際に過去問を解いていき、問題に慣れながら学習していくことがおすすめです。また、設問の中には、選択問題もあるので、得点を得やすそうな範囲を絞り、重点的に勉強しましょう。
第二次試験(実地)
第一次試験に合格したら、次は第二次試験を受験しなければなりません。第二次試験は、マークシート方式ではなく、すべての設問が記述形式となります。
第二次試験の出題範囲は、以下の通りです。
- 施工要領図
- 空気調和設備に関する問題
- 給排水衛生設備に関する問題
- 工程管理
- 法規
- 施工経験記述
1問目については、出題パターンが決まっているので、過去問を使ってしっかりと試験対策していれば、問題なく解けるでしょう。ただし、2問目以降については、実務経験に基づいた試験になることから、過去問だけでは対策が不十分であり、内容をしっかりと把握しておかなければなりません。
なお、第二次試験では、「経験記述」というものがあり、管工事に関する実務経験に加え、施工知識があるかどうかをチェックされます。経験記述では、主に以下の4つのテーマから2つのテーマが出題されます。
- 工程管理
- 安全管理
- 総合的な試運転調整、完成に伴う自主検査のいずれか1つ
- 材料、機材の現場受け入れ検査
1級管工事施工管理技士の合格率と難易度
1級管工事施工管理技士は国家資格であるため、建築・建設業界でも難易度の高い試験といえるでしょう。また、2級管工事施工管理技士よりも、試験内容が難しいことから、しっかりと対策することが大切です。
ここでは、1級管工事施工管理技士の過去の受験者数や合格率を詳しく見ていきましょう。
合格率
1級管工事施工管理技士の第一次試験の過去の受験者数、合格者数、合格率は以下の通りです。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
平成30年 | 16,473人 | 5,471人 | 33.2% |
令和元年 | 16,838人 | 8,769人 | 52.1% |
令和2年 | 13,531人 | 4,738人 | 35.0% |
令和3年 | 15,827人 | 3,792人 | 24.0% |
令和4年 | 16,839人 | 7,231人 | 42.9% |
合格率は開催年度によって異なるものの、24~52.1%となっています。目安としては、全体の3割程度の合格率しかなく、比較的ハードルの高い試験であることがわかります。
なお、第二次試験の過去の合格者のデータは以下の通りです。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
平成30年 | 7,608人 | 4,011人 | 52.7% |
令和元年 | 10,431人 | 5,492人 | 52.7% |
令和2年 | 8,211人 | 5,018人 | 61.1% |
令和3年 | 4,540人 | 3,330人 | 73.3% |
令和4年 | 6,618人 | 3,769人 | 57.0% |
1級管工事施工管理技士の第二次試験は、第一次試験と比べると、合格率が高くなります。第二次試験の1問目は、出題パターンが決まっているので、比較的対策しやすいのが特徴といえるでしょう。
難易度
1級管工事施工管理技士は国家資格であることから、難易度が高く、第一次試験の合格率は約3割となっています。建設業界においては、比較的ハードルの高い試験ではあるものの、しっかりと対策をすれば、十分合格を狙えるでしょう。
しっかりと学習時間を確保し、過去問を使って何度も繰り返して問題を解いていくことで、出題傾向を知ることができ、効率的に勉強を進められます。また、1級管工事施工管理技士では、出題パターンが決まっている設問があることから、過去問で学習することで、独学での1発合格も可能といえるでしょう。
1級管工事施工管理技士の勉強方法
国家試験である1級管工事施工管理技士は、難易度の高い試験ではあるものの、しっかりと対策していれば十分に合格を目指すことが可能です。とはいえ、実際、どのように対策すればいいかわからない方もいるでしょう。
ここでは、1級管工事施工管理技士の具体的な勉強方法について詳しく紹介します。
テキストや過去問を積極的に活用する
1級管工事施工管理技士の試験は、令和3年に見直されて新制度になっています。新制度では、旧制度における学科試験が第一次試験、実地試験が第二次試験として再編されています。
そのため、新制度になったからといって、出題範囲や方法が大きく変更されたわけではないことから、旧制度の過去問も使って、しっかりと対策することが大切です。また、施工要領図などの一部の設問では、出題パターンが決まっており、過去問を解いていれば、大きなハードルにはならないでしょう。
1級管工事施工管理技士は、基本的にテキストや過去問を積極的にやり込むことで、独学でも一発合格を目指せるでしょう。
アプリや動画などを用いてスキマ時間に勉強する
参考書や過去問をする時間を十分に確保できないという方は、アプリや動画などを併用することをおすすめします。通勤時間や昼休みなど、スキマ時間を有効活用することで、効率的に試験対策することができ、合格を目指せるでしょう。
というのも、1級管工事施工管理技士の試験は、いかに学習時間を確保できるかがポイントとなるのです。仮に、参考書や過去問を使って勉強する時間が十分に確保できなかったとしても、スキマ時間にアプリなどで勉強することで、しっかりと対策することが可能です。
基本的には、毎日少しの時間でもいいので、1級管工事施工管理技士の実際の試験に触れたり、出題範囲に関する動画を見たりするのがいいでしょう。
参考サイト:「管工事施工管理技士」の難易度や勉強方法など資格取得についてご紹介!
転職市場で管工事施工管理技士の将来性は?
比較的ハードルが高い1級管工事施工管理技士ですが、資格を取得すると、転職活動を有利に進められるでしょう。ハウスメーカーやゼネコンはもちろん、リフォーム会社や工務店など、さまざまな企業の求人に応募することが可能です。
また、1級管工事施工管理技士の資格を保有していることで、資格手当がもらえたり、給与がアップしたりするケースも珍しくありません。なお、管工事施工管理技士の求人データを見てみると、管工事施工管理技士の平均年収が以下の通りだとわかります。
地域 | 工事案件 | 年収 |
北海道 | 医療福祉施設、大学、学校施設 | 400~650万円 |
東京 | 文化施設、オフィスビル、プラント | 500~780万円 |
福岡 | オフィス、商業施設、公共施設、工場 | 450~650万円 |
名古屋 | 分譲マンション修繕工事 | 400~450万円 |
大阪 | オフィスビル、マンション、商業設備 | 450~800万円 |
まとめ
建築・建設現場では、さまざまな作業者が集まることから、施工管理技士による監督が必要不可欠です。今回は、「1級管工事施工管理技士」をテーマに、実際の業務内容に加え、試験内容や合格率、対策のポイントについて解説しました。
国家資格である1級管工事施工管理技士は、比較的ハードルの高い試験ではあるものの、しっかりと勉強時間を確保して対策することで、独学でも一発合格を目指すことが可能です。
参考書や過去問を使って、効率的に学習し、合格を目指しましょう。