
舗装工事の現場で活躍する「舗装施工管理技術者」。
インフラ整備の現場では欠かせない存在であるため、建設業界への転職を考えている方や建設業界でのキャリアアップを考えている方の中には舗装施工管理技術者の資格が気になっているという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、舗装施工管理技術者の概要に触れながら、主な仕事内容や資格を取得するメリットなどについて解説していきます。
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目次
舗装施工管理技術者とは
舗装施工管理技術者は、道路などの舗装工事に関する専門的な資格の一つです。
舗装工事のクオリティを高めつつ、そのクオリティを維持しながら安定的に施工することと、舗装工事に携わる作業者の技術や能力を評価するために設けられた民間資格です。
主催しているのは「一般社団法人日本道路建設業協会」という非常に大きな団体で、この団体には舗装工事を手掛けている全国各地の169もの建設会社が加入しています。
また、舗装施工管理技術者の資格には1級と2級が設けられています。
舗装施工管理技術者資格試験の1級と2級の違い
舗装施工管理技術者の資格は1級と2級に分かれていると紹介してきましたが、1級と2級とでは以下のような違いがあります。
- 受験資格
- 試験の内容
- 難易度
- 合格率
- 受験料
試験の詳しい概要は後述しますが、その他の資格試験と同様に、2級よりも1級の方が難易度は高めです。
1級になると合格率が10%台になるので、まずは2級の合格を目指し、2級に合格した上で1級を受験するという受け方をする方が多くなっています。
舗装施工管理技術者の主な仕事内容
舗装施工管理技術者を目指す上で知っておきたいのが、具体的な仕事内容について。
舗装施工管理技術者が関わる業務は、主に以下の3つに分けられます。
- 施工
- 施工管理
- 指導
それぞれの業務について詳しく解説していきます。
施工
紹介したとおり、舗装施工管理技術者は舗装工事の技術水準や能力を評価するための資格です。
資格の保有者自身が高いレベルで舗装工事をこなせる技術力やノウハウを持ち合わせているため、作業員として現場で施工することも少なくありません。
舗装施工管理技術者にはその他の役割もあるのでずっと舗装作業に終始するわけではありませんが、施工が難しい場所の対応やスケジュールが押してしまっている現場では、舗装施工管理技術者も作業に加わり工事を進めていくことになります。
施工管理
舗装施工管理技術者は、舗装工事の現場で働く一般的な作業員よりも高い技術水準や能力を備えています。
そのため、舗装工事の現場では、単に作業員として工事に加わるだけでなく、施工管理者や現場監督として現場の管理を任されることも少なくありません。
作業員としての技術水準や能力が低いと適切に管理することができませんし、現場での作業を円滑に進めるためのノウハウを持ち合わせていないと現場をうまく回すことができないので、それらの能力を持ち合わせている舗装施工管理技術者がその役割を担うことになるわけです。
スケジュールに間に合うよう段取りを組みつつ、クオリティを保ちながら工事を進められるよう管理していきます。
指導
舗装施工管理技術者に求められる役割は、施工や管理だけではありません。
後進を育てるのも、舗装施工管理技術者が担わなくてはならない大切な役割の一つです。
作業員への指導を実施して現場全体の底上げを図るだけでなく、同じ舗装施工管理技術者を育てるための指導を行うことも少なくありません。
後進を指導して一人前の作業員に育てた場合やしっかりと指導して同じ舗装施工管理技術者に育て上げた場合、舗装工事をより円滑に進められるようになり、既存の舗装施工管理技術者の負担が大幅に軽減される可能性があります。
また、後進を育成して全体のレベルを高めることでより多くの案件を引き受けられるようになったり、クオリティの高い仕事をこなすことで会社としての評価が高まり、より多くの仕事が舞い込んでくるなどのメリットも期待できるようになることもあります。
舗装施工管理技術者の年収相場
求人情報サイトに掲載されている求人を見ると、舗装施工管理技術者の年収相場は500〜600万円程度であることがわかります。
国税庁が公表している国内の給与所得者全体の平均年収が458万円なので、全体の平均値よりも給与水準は高めです。
実際の年収は就職先によって異なるため一概に全体の平均よりも高いと言えるわけではありませんが、入社する企業によっては600万円以上の年収が見込める可能性もあるので、年収相場から見ても魅力的な職種だと言えるでしょう。
参考:
舗装施工管理技術者の資格を取得するメリット
実際に舗装施工管理技術者の資格を取得すると、以下のようなメリットが期待できるようになります。
- 土木工事会社や舗装専門会社に就職・転職しやすくなる
- 施工管理や指導を行える立場になることで高収入が見込めるようになる
- 将来的に独立して土木工事会社や舗装専門会社を設立したときにも役立つ
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
土木工事会社や舗装専門会社に就職・転職しやすくなる
舗装施工管理技術者の主な勤務先は土木工事会社や舗装専門会社ですが、舗装工事の専門家であることを示す舗装施工管理技術者の資格を保有していると、それらの会社に就職・転職しやすくなります。
建設業界では経験や技術、知識を求められることが珍しくありませんし、即戦力となる人材が求められる傾向もありますが、舗装施工管理技術者はどちらの条件も満たしている魅力的な人材なので、採用してもらえる可能性が高くなります。
施工管理や指導を行える立場になることで高収入が見込めるようになる
舗装施工管理技術者は、舗装工事の施工を行えるだけでなく、施工管理や後進の指導を行うこともできます。
いち作業員ではなく、舗装工事の現場における管理職のような立場にあたるわけですが、管理職の立場になると役職手当がついたり、現場における貢献度が考慮されて年収アップにつながる可能性があります。
企業の方針にもよりますが、舗装施工管理技術者の資格に対して資格手当がつくことも珍しくありません。
また、舗装施工管理技術者の年収相場は500〜600万円ほどだと紹介してきましたが、この金額はあくまでも相場です。
700〜900万円ほどで出されている求人もあるので、高待遇で迎えてくれる企業に舗装施工管理技術者して就職・転職することで、より高収入が見込めるようになります。
将来的に独立して土木工事会社や舗装専門会社を設立したときにも役立つ
舗装施工管理技術者の資格を取得した場合、将来的に独立して土木工事会社や舗装専門会社をおこすという選択肢も見えてくるようになりますが、舗装施工管理技術者の資格は独立して会社を設立したときにも役に立つ魅力的な資格です。
会社を起こした場合、国や自治体が発注する舗装工事の案件に入札して仕事を取らなくては
いけませんが、その際、仕事を発注してもらうための要件として舗装施工管理技術者の在籍が必須になるケースは少なくありません。
舗装施工管理技術者の資格を取得しておくとそういった要件も満たせるようになる分、案件を獲得しやすくなるので、将来的にこの分野で独立したいと考えているのであれば資格を取得しておくべきだと言えるでしょう。
舗装施工管理技術者資格試験の概要

舗装施工管理技術者資格試験は誰でも受験できるわけではありません。
受験するには、以下の受験資格を満たしている必要があります。
最終学歴 | 1級 | 2級 | ||
指定学科 | 指定学科以外 | 指定学科 | 指定学科以外 | |
大学 | 3年以上 | 4年6ヶ月以上 | 1年以上 | 1年6ヶ月以上 |
短大 | 5年以上 | 6年6ヶ月以上 | 2年以上 | 3年以上 |
高校 | 8年以上 | 11年6ヶ月以上 | 3年以上 | 4年6ヶ月以上 |
上記以外 | 15年以上 | 8年以上 |
また、以下の資格を保有している場合、実務経験が問われることはありません。
- 技術士の建設部門の二次試験に合格者したもの
- 1級土木施工管理技術検定に合格したもの
- 1級建設機械施工管理技術検定に合格したもの
- 2級舗装施工管理技術者試験に合格したもの
- 2級土木施工管理技術検定に合格したもの
- 2級建設機械施工管理技術検定に合格したもの
試験は一般試験と応用試験に分かれていて、それぞれ以下のような内容の問題が出題されます。
一般試験 | ・法令 ・土木技術 ・設計 ・材料 ・施工計画の作成 など |
応用試験 | ・舗装の設計 ・施工 ・材料 ・補修 ・経験に基づく問題 など |
受験する際にかかる受験料については以下のとおりとなっています。
一般+応用 | 応用のみ | |
---|---|---|
1級 | 15,000円 | 7,500円 |
2級 | 8,000円 | 4,000円 |
舗装施工管理技術者資格試験の受講から資格取得までの流れ
舗装施工管理技術者資格試験の受講から資格取得までの大まかな流れは以下のとおりです。
- 申込書の作成
- 申し込み
- 受験票の受け取り
- 試験
- 合格発表
- 合格通知の受け取り
- 資格者証の受け取り
試験を受ける際は所定の申込書の作成が必要になるので、日本道路建設業協会のホームページにアクセスし、専用のシステム上で申込書の作成と申し込みをおこないます。
申し込みが完了したら受験票が送られてくるので、その受験票を持って試験にのぞみましょう。
試験は全国10都市で開催されます。
試験の結果は日本道路建設業協会のホームページで公表されるので、忘れずに結果をチェックしましょう。
また、試験に合格すると、合格通知と登録の案内が送られてくるので、登録を済ませ、資格者証を交付してもらいます。
以上が、舗装施工管理技術者資格試験の受講から資格取得までの一連の流れになります。
舗装施工管理技術者資格試験の合格率と難易度
舗装施工管理技術者資格試験の過去5年の合格率は以下のとおりとなっています。
1級 | 2級 | |||||
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
2018年 | 3,489人 | 706人 | 20.2% | 1,507人 | 535人 | 35.5% |
2019年 | 3,509人 | 650人 | 18.5% | 1,562人 | 504人 | 32.3% |
2020年 | 2,291人 | 461人 | 20.1% | 1,028人 | 493人 | 48.0% |
2021年 | 3,145人 | 641人 | 20.4% | 1,669人 | 764人 | 45.8% |
2022年 | 3,086人 | 392人 | 12.7% | 1,615人 | 615人 | 38.1% |
試験の合格率は、1級と2級で大きく異なります。
2級の過去5年間の合格率は約40%と比較的高い傾向にありますが、1級は約18%と低めです。
そのため、舗装施工管理技術者資格試験の難易度は1級と2級でかなりの差があり、2級であればそこまで難易度は高くないものの、1級になると難関資格なみの難易度になってしまうため、しっかりと対策を進める必要があります。
まとめ
道路の舗装工事の現場において、工事の質を管理し、クオリティを高める存在である舗装施工管理技術者。
ピンポイントな資格で活躍の場も限定的に感じられますが、インフラ整備などをメインに行っている建設関連の会社にとっては欠かせない存在ですし、舗装工事に対する需要がなくなることはないので、安定している魅力的な仕事でもあります。
資格を取得するための試験の合格率は2級に限ってみれば比較的高めで、難関資格というわけではなく、しっかりと対策することで合格できる可能性は十分にあります。
舗装工事を行っている建設会社への転職を考えている方にとってはもちろん、キャリアアップにも活きてくる資格なので、ぜひ前向きに取得を検討してみてはいかがでしょうか?