QC検定とは、社会人として働くあらゆる職種の人に必要な知識を問う資格試験です。
しかし、検定内容についてよく知らない人も多いでしょう。
本記事ではQC検定の概要から、級ごとの難易度・おすすめの勉強方法まで解説しています。
受験しようか悩んでいる人は、QC検定の必要性を判断してくださいね。
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目次
QC検定(品質管理検定)とは
QC(品質管理検定)とは、品質管理に関する知識を客観的に評価する資格です。2005年に生まれた試験で比較的新しい資格ではありますが、2021年時点で受験者総数は133万人を超え、合格者数は64万人に到達しています。
日本における品質管理は非常に厳密で、世界でも評価されています。その適切な管理を維持するためには、品質改善の水準を保つこと・労働者の意識を統一することが大前提です。
とはいえ、品質管理は「商品」を管理するだけでなく、顧客に届けるサービスの質向上にも役立ちます。「どうすればお客様が喜んでくれるのか」を考えるあらゆる企業に役に立ち、物流・倉庫・小売・サービス業など、業種を問わず必要とされる知識です。
品質管理はメーカーだけでなく、全企業活動に必要な業務であるとわかりますね。
QC検定は、こういった品質管理能力を数値化し、品質管理業務に携わるのが適正かどうかを判断する資格です。不足している知識を明らかにし、勉強し直せるという点からも、幅広く活用されています。
QC検定(品質管理検定)の主催団体
QC検定は主催団体と認定団体が異なります。
日本規格協会と日本科学技術連盟が主催し、資格を認定するのは日本品質管理学会です。
他にも協賛企業として16団体がついているほど、信頼性の高い資格です。
QC検定(品質管理検定)が注目される理由
近年では転職の増加にともない、社員が同じ企業に生涯勤めつづけるというケースが減ってきています。
結果として「社内で品質管理教育をするメリットがない・指導できる人がいない」状況に変化してしまい、入社前から品質管理の基礎知識を持っている「即戦力」の人材を雇用するほうが、会社に都合がよいような流れになっています。
こういった時代の動きを考慮して、就職活動中の高校生・ 大学生がQC検定を受けるケースが増加しました。
実際にコロナ禍以前は受験者の数が増加を続けており、2019年の第28回の時点で、受験者は120万人を突破。
QC検定は、今後も受験生の増加が見込まれる注目の検定です。
QC検定(品質管理検定)の資格は役に立たない?取得するメリットとは
QC検定の資格を取得すると期待できるメリットを3つ紹介します。
- 品質管理について学びながら資格の取得を目指せる
- 品質管理が必須になる製造業への就職・転職に有利
- QC検定が昇進条件になっていることが多く、昇進・昇給が期待できるようになる
それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
品質管理について学びながら資格の取得を目指せる
品質管理は企業にとって欠かせない知識ですが、学ぶ機会はあまりありません。
そのためQC検定の勉強をすると、あらゆる企業で必要な品質管理の意識・知識を学んで直接仕事に還元できるだけでなく、資格の取得を目指せるため、一石二鳥です。
QC検定で品質管理の基本的な知識を身につけておくと、業務スピード・作業効率のアップも期待できます。
品質管理が必須になる製造業への就職・転職に有利
品質管理はどの企業でも必ず必要な知識ですが、そのなかでも特に、製造業への就職や転職を考えている人にとっては、QC検定取得のメリットは大きいです。
製造業は優れた製品を提供するために、不良品を出さないことが重要視される仕事。
品質管理を徹底していなければ企業の信頼をも損ねる可能性があるため、品質管理の知識・技術は必要不可欠です。
QC検定を持っていれば、ものづくりにおいて非常に重要な品質管理への意識・ 知識があると証明できるため、即戦力として評価してもらえるでしょう。
QC検定が昇進条件になっていることが多く、昇進・昇給が期待できるようになる
なかにはQC検定の取得を必須にしている会社や、管理職への昇格条件にしているケースもあります。
そのため、最低でも3級、可能であれば2級以上を取得しておきましょう。
1級・2級の上位資格ほど専門性が高く難易度が高いため、昇進・昇給の可能性も高まります。
QC検定(品質管理検定)の5つの種類
QC検定には、
- 1級
- 準1級
- 2級
- 3級
- 4級
の階級があります。それぞれ詳しく解説します。
1級・準1級
1級・準1級は、組織内での問題に品質管理の側面から見る解決・改善策を把握しており、自ら主導できるレベルにあるかを評価する試験です。
試験内容は以下のとおりです。
試験分野 | 詳細 |
実践分野 | 品質の概念品質保証(新製品開発・プロセス保証)品質経営の要素(方針管理・機能別管理・日常管理・標準化・人材育成・診断・監査・品質マネジメントシステム)倫理・社会的責任品質管理周辺の実践活動 |
手法分野 | データの取り方とまとめ方新QC七つ道具統計的方法の基礎計量値データに基づく検定と推定管理図工程能力指数抜取検査実験計画法ノンパラメトリック法感性品質と官能評価手法相関分析単回帰分析重回帰分析多変量解析法信頼性工学ロバストパラメータ設計 |
以上の項目から出題され、マークシート・記述形式で120分間の試験が実施されます。
準1級は、1級のマークシートに合格すると付与されるため、別途の受験は不要です。
合格基準は以下のとおりです。
準1級 | 1級試験の内、手法分野と実践分野からなる一次試験(マークシート試験)の結果が以下を満たしていること。総合得点が概ね70%以上であること。手法分野と実践分野の得点がそれぞれ50%以上であること。 |
1級 | 当該回の準1級合格基準を満たしていること。論述方式で行われる二次試験の得点が概ね70%以上であること。 |
2級
2級では、一般的な職場で発生する品質管理の問題を、QC七つ道具・新QC七つ道具を活用し、自らが中心となって解決・改善を図れるレベルであるかを評価します。
試験内容は以下のとおりです。
試験分野 | 詳細 |
実践分野 | QC的ものの見方・考え方品質の概念管理の方法品質保証(新製品開発・プロセス保証)品質経営の要素(方針管理・機能別管理・日常管理・標準化・小集団活動・人材育成・診断・監査・品質マネジメントシステム)倫理・社会的責任品質管理周辺の実践活動 |
手法分野 | データの取り方・まとめ方新QC七つ道具統計的方法の基礎計量値データに基づく検定と推定管理図抜取検査実験計画法相関分析単回帰分析信頼性工学 |
以上の項目から出題され、マークシート形式で90分間の試験が実施されます。
合格基準は、各分野の得点が概ね50%以上、かつ、総合得点が概ね70%以上です。
3級
3級の試験では、QC七つ道具の作り方・使い方を理解しており、サポートを受ければ職場で発生する問題を解決できるレベルにあるかを評価します。
試験内容は以下のとおりです。
試験分野 | 詳細 |
実践分野 | QC的ものの見方・考え方品質の概念管理の方法品質保証(新製品開発・プロセス保証)品質経営の要素(方針管理・日常管理・標準化・小集団活動・人材育成・品質マネジメントシステム) |
手法分野 | データの取り方・まとめ方QC七つ道具新QC七つ道具統計的方法の基礎管理図工程能力指数相関分析 |
以上の項目から出題され、マークシート形式で90分間の試験が実施されます。
合格基準は、各分野の得点が概ね50%以上、かつ、総合得点が概ね70%以上です。
4級
QC検定4級は品質管理の基礎を問う内容です。
最低限身につけておくべき品質管理の常識を身につけるための試験で、試験内容は以下のとおりです。
試験分野 | 詳細 |
実践分野 | 品質管理管理改善改善検査標準・標準化 |
手法分野 | データなどを駆使した「事実に基づく判断」QC7つ道具を用いた「データの活用と見方」 |
企業活動の基本分野 | 製品とサービス5W1H |
以上の10項目から出題され、マークシート形式で90分間の試験が実施されます。
合格基準は、総合得点が概ね70%以上です。
QC検定(品質管理検定)の難易度
QC検定の各級における合格率を表にまとめました。
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
1級 | 5% | 8.1% | 10.5% | 10.3% |
2級 | 24.8% | 27.6% | 46.7% | 25.2% |
3級 | 50.4% | 53.7% | 53.4% | 54.3% |
4級 | 84.2% | 84.6% | 85.1% | 85.9% |
2級までは比較的合格率が高く、難易度はそこまで高くありません。
ただし、1級の合格率は極端に低くなります。受験を考えている人は、難易度の高さを理解し十分な勉強時間を確保しましょう。
QC検定(品質管理検定)の勉強方法
QC検定の勉強は、独学もしくは通信講座を活用する方法があります。
それぞれ詳しく解説します。
参考書や過去問などの問題集で学ぶ
QC検定は関連書籍が多く出版されているため、独学でも勉強を進められます。
単元ごとに学習すれば勉強漏れも起こらないので安心です。
【おすすめの勉強法】
- すべての単元に目を通し、全体の内容を把握する
- わからない部分があれば、全体を読んでから戻って学習する
- テキストの学習を終えたら過去問を解く
- 繰り返し過去問を解いて、出題傾向を把握する
通信講座を利用するよりも費用を抑えて学習できるメリットがありますが、集中力が切れてしまう・モチベーションが下がるなどの危険性もあるため、注意しましょう。
セミナーや通信講座を活用する
独学が苦手、続きそうにない人は、セミナーや通信講座の受講を検討してください。
- 検定を主催する「日本規格協会」
- 東京都知事の認可を受けた職業訓練法人「日本技能教育開発センター」
- 検定試験や講習会などを実施する、元文部科学省管轄の「全日本情報学習振興協会」
以上のような団体で、QC検定に特化したセミナーや通信講座が提供されています。
独学に比べると費用が高額ですが、参考書や過去問を探し買い求める必要がなく、授業を受けられるためモチベーションを維持しやすいメリットがあります。
QC検定(品質管理検定)に合格するためのポイント
QC検定は1〜4級までの階級があるため、まずは4級、次に3級という風に、難易度が易しいものから順に受けましょう。
いきなり上位資格にチャレンジして不合格になると、やる気の低下につながってしまうため、初めて受ける人は4・3級あたりからの受験を考えてくださいね。
まとめ
QC検定は会社で働くすべての社会人に必要な資格ともいえます。
QC検定の勉強をとおして、品質管理の知識だけでなく、あらゆる職種・業種で役に立つ幅広い知識を得られるため、受験するメリットが非常に大きい資格です。
以下のような仕事に従事する人は、ぜひ受験を検討してください。
製造業・検査・物流業・サービス業・小売業・設計・アフターサービス・企画開発・マーケティング・総務・経理・人事
品質管理の経験がない場合でも、3〜4級の難易度が易しい級からチャレンジすると合格できる可能性は十分にあります。
社会人として最低限持っておきたい知識が身に付く資格試験ですので、受験を迷っている人もぜひチャレンジしてください。