短絡事故とは?原因や対策方法を事例をまじえながら紹介

「短絡事故ってどんな事故?」

「何が原因で短絡事故が起きる?」

「短絡事故を発生させないための対策が知りたい」

短絡事故とは、予定外の大電流が流れ人体や建物に被害を与えてしまう事故のことです。

本記事では、短絡事故の概要や事故が起こる原因、事故を起こさないための対策方法など事例をまじえて詳しく紹介していきます。

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短絡事故とは?

短絡事故は、電気の異なる2つの相が接触して予定外の大電流が流れてしまう事故のことを言います。

短絡事故は、別名「ショート」とも呼ばれます。

テレビやエアコンなどの電気機器は、機器内に電気抵抗を持っています。

コンセントにつながれた電気機器は、内部の電気抵抗によって決められた電流までしか流れないような造りになっています。

いっぽう、電気抵抗の小さい人体や金属などで電気の異なる相をつないでしまうと電気抵抗がないために大電流が流れてしまいます。

コンセントの二つの穴(異なる相)に同時に指を入れると感電してしまうのは、短絡によって人体に大電流が流れてしまうためです。

短絡が起きるとつながれた人体や金属に電気が流れるとともに、行き場を失った電流が火花を起こし、火災に発展する危険性もあります。

短絡事故と地絡事故の違い

短絡事故と似た事故に、地絡事故というものがあります。

地絡事故とは、電気の相が大地に接触して予定外の大電流が流れてしまう事故のことです。

短絡事故は、電気の異なる2つの相同士がつながることで電流が流れる事故です。

短絡事故で流れる電流は片方の相から、もう一方の相へ帰っていくように流れます。

いっぽう地絡事故は、一つの相から大地に電流が流れ出ていく事故です。

人体や金属のように電気抵抗が小さいものを伝って大電流が流れ出ることを「地絡」といい、ある程度の電気抵抗があるものを介して微量な電流が流れることを「漏電」といいます。

短絡事故の事例

短絡事故は、一歩間違えると重大な災害につながる危険性があります。

実際に起きた短絡事故の事例をいくつか紹介します。

事故概要原因再発防止策
年次点検のためVCBを引き出してキュービクル内の清掃作業を行っていた。
予定になかったキュービクル奥の清掃を行ったところ、清掃用具が充電部に接触して短絡事故を起こした。
被災者は電撃傷などにより数ヶ月の入院が必要になった。
作業者が指示外の作業を行ってしまった。・VCBの一次側も停電して作業を行う
・充電箇所の明示を実施する
キュービクルの停電作業が完了したのち、キュービクル内部を確認するために扉を開けたところバランスを崩し、充電部に接触して短絡事故を起こした。
被災者はすぐに病院に運ばれたが死亡が確認された。
作業者の体調不良が原因でバランスを崩したと考えられる。・接触防止策としてアクリル保護板を設置する
・作業者の体調確認を徹底する
200V回路の検相作業中に、検相器のクリップ同士を接触させてしまい短絡事故を起こしてしまった。
被災者は短絡時に生じた火花により両手及び顔面の一部にやけどを負った。
工事終了予定時間を超過していたため、検相を急ぐあまり、誤ってクリップを接触させてしまった。・非接触型検相器で検相を実施する
参考)経済産業省

短絡事故の3つの原因

短絡事故が起きる原因を3つ紹介します。

  1. 設備や部品の劣化
  2. 動物や虫の侵入
  3. 施工不良

それぞれ詳しく紹介します。

1. 設備や部品の劣化

短絡事故の原因のひとつは、設備や部品の劣化です。

電気設備に使われる機器や部品は、時間の経過とともに劣化します。

電気ケーブルは、電気の異なる相同士が接触しないよう絶縁体であるゴムで保護されています。

経年劣化により絶縁体のゴムが破損すると、異なる2相の電気が接触してしまう恐れがあります。

また、コンセントやブレーカーなどの設備機器にも絶縁措置が施されていますが、経年劣化により絶縁部が破損してしまうと短絡事故を起こしてしまう恐れがあります。

短絡事故は、設備や部品の劣化が原因のひとつです。

2. 動物や虫の侵入

短絡事故の原因の二つ目は、動物や虫の侵入です。

電気設備に使われているキュービクルや電気盤には、換気のための通気孔がもうけられています。

通気孔からネズミや蛇などの動物やムカデなどの虫が侵入し、充電部に接触することで短絡を起こしてしまいます。

建屋内でもネズミが電気ケーブルをかじり絶縁体を損傷させることで、短絡を起こしてしまいます。

短絡事故は、動物や虫の侵入によっても引き起こされてしまいます。

3. 施工不良

短絡事故の原因の三つめは、工事期間中の施工不良によって引き起こされます。

電気ケーブルは使用する機器の電気容量に応じて、適正なサイズを選定しなければなりません。

間違ったサイズの電気ケーブルを使うと許容量以上の電流が流れてしまい、ケーブルが熱をおび絶縁体のゴムを損傷してしまいます。

絶縁体が損傷すると2つの電気の相が接触してしまい、短絡事故につながります。

短絡事故は、工事期間中の施工者の施工不良によって引き起こされます。

短絡事故を予防する方法

短絡事故を予防する方法を紹介します。

  • メンテナンスを徹底する
  • 配線用遮断器を設置する
  • 絶縁して不要な電気が流れないようにする

それぞれ詳しく解説します。

メンテナンスを徹底する

短絡事故を防ぐために、電気設備の定期的なメンテナンスを徹底しましょう。

電気設備の機器や部品は、日々のメンテナンスで適切な状態を維持できます。

電気ケーブルの絶縁部分の破損や、コンセントやブレーカーなどの部品の損傷も日々のメンテナンスを行っていれば早期に発見することが可能です。

絶縁不良の電気ケーブルや部品を定期的に更新すれば、短絡事故が発生する確率を大きく下げることができます。

ひとたび短絡事故が起きてしまえば、人命に関わる事故や火災に発展する恐れもあります。

短絡事故を予防するため、電気設備の定期的なメンテナンスを徹底するようにしましょう。

配線用遮断器を設置する

短絡事故を予防するために、キュービクルや電気盤には適切な配線用遮断器を設置しましょう。

配線用遮断器とは、短絡事故や地絡事故が発生した際に瞬時に電気の流れを遮断する装置のことです。

一般的には「ブレーカー」と呼ばれるものです。

家庭でエアコンや電子レンジなどを一時的に使いすぎてしまうとブレーカーが飛ぶのは、予定以上の電流が流れたために配線用遮断器が電気の流れを遮断したためです。

電気ケーブルのサイズ選定と同様に、配線用遮断器にも使用する電気容量に応じて適切なサイズを選定することが求められます。

万が一の短絡事故を予防するため、適切な配線用遮断器を設置しましょう。

絶縁して不要な電気が流れないようにする

短絡事故を予防するために、絶縁して不要な電気が流れないようにしましょう。

短絡事故は、電気の異なる2つの相が接触することによって発生します。

2つの電気の相をしっかりと絶縁していれば、短絡事故は防げます。

電気ケーブル同士を接続する場合や、設備機器に電気ケーブルをつなぐときは2つの相が接触しないようにしっかりと絶縁処理を施しましょう。

キュービクルや電気盤など、充電部がむき出しになっている場所には、アクリルカバーなどの保護板を設けることで接触事故を未然に防ぐこともできます。

短絡事故を予防するためには、絶縁して不要な電気が流れないような措置を施すことが重要です。

キュービクルの中に動物や虫が侵入しないよう密閉性を高める

短絡事故を予防するために、キュービクルや電気盤に動物や虫が侵入しないように密閉性を高めるようにしましょう。

キュービクルは電気によって熱を帯びているため、冬場に冬眠場所を求めるヘビやねずみの寝床になってしまいます。

これらの小動物は電気ケーブルの取り込み口や換気用の通気孔からキュービクル内に進入します。

防鳥ネットなどで通気孔などを塞ぐことで、キュービクル内への小動物の侵入を防ぐことが可能です。

建屋内の電気盤についても換気孔にフィルターを設けたり、扉にパッキンを取り付け密閉性を高めることが可能です。

短絡事故を予防するために、動物や虫の侵入口を塞ぎ、密閉性を高めるようにしましょう。

作業中の感電短絡事あああ故を予防するには?

作業中の感電短絡事故の多くは、キュービクルや電気盤の充電部に作業者が触れてしまうことで起きています。

このような感電短絡事故を予防するためには、次のような対策が効果的です。

  • キュービクルや電気盤の1次側で電源を遮断する(機器内部を完全に停電する)
  • 電気機器内で充電部がある場合は絶縁シートなどで絶縁処理を行う
  • 充電部が作業者にわかるよう明示を行う
  • 作業前に対象箇所に電気が流れていないか検電器で確認する
  • 必要に応じて高圧用手袋、絶縁樹脂長靴などの専用の道具を使用する

作業中の感電短絡事故を予防するためには、事前に作業計画を立てることが大切です。

作業計画を立てたら、作業者全員に周知しましょう。

作業中に作業計画にない予定外の作業が発生した場合は、関係者で作業計画の見直しを行い短絡事故防止に努めましょう。

まとめ

短絡事故について紹介してきました。

短絡事故は、電気の異なる2つの相が接触することで大電流が流れてしまう事故のことです。

キュービクルなどの充電部に接触してしまうと、命を失う事故につながりかねません。

また、短絡によって発生した火花が原因で建物の火災につながる恐れもあります。

短絡事故を発生しないようにするためには、日々のメンテナンスの徹底や適切な配線遮断機の選定が欠かせません。

作業中においても、事前の作業計画をしっかりたて作業者全員で内容を周知することで短絡事故対策に努めましょう。

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