職長ってどんな役職?仕事での役割と職長になる方法をわかりやすく解説

職長とは、建設現場の安全衛生を徹底するために設置されるリーダー職です。

職長教育と呼ばれる講習を受けることで、職務経験や資格がなくても職長になれます。またすべての建設現場に設置が必要なことから、需要が高いのはメリットです。

この記事では職長の業務内容や、職長になる方法について、わかりやすく解説します。

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職長とは

建設業における職長(しょくちょう)とは、各建設工事現場に1人、必ず設置される現場の監督者です。工事作業の指揮、監督のほか、安全管理を担当します。

ここでは、次の3つの観点から、職長についての理解を深めていきます。

  1. 職長の役割
  2. 職長の職務
  3. 職長に必要な資格

職長の役割

職長が担当する役割は、以下の7つに分類できます。

  1. 工事作業の指揮、監督
  2. 安全管理
  3. 品質管理
  4. 経費管理
  5. コミュニケーション
  6. 発注
  7. トラブルシューティング

職長は現場の監督者として、作業員に直接指示を出します。また現場の責任者として上司や関係者と連絡をとりながら意向を作業員に伝え、工事作業に反映させるのも、職長の役割です。

職長の職務

現場の規模を問わず職長が必ずおこなう業務について、具体的に確認しておきましょう。職長の主な職務は以下の通りです。

  1. 作業指揮監督
    • 建設プロジェクトの進行状況を把握し、作業スケジュールを管理
    • 作業員に対して指示を出し、効率的な作業の実施を指
    • 建設作業の工程を調整し、計画通りに進行させる
  2. 安全管理
    • 作業員に対して、現場での事故を予防するための指導
    • 作業員に対する安全教育の実施
    • 安全規定や法令を遵守しているか、現場を調査、監督
  3. 品質管理
    • 建築プロジェクトの品質基準を満たすように作業を監督
    • 施工図面や設計に基づいて作業を指導し、品質を確保
    • 品質検査やテストの実施を監督して、不良箇所の改善を作業員に指示
  4. 経費管理
    • 予算内で作業が進むよう、材料や人件費などの経費を管理
    • 予算オーバーする際は、経費の適切な配分の検討やコスト削減策の考案
  5. コミュニケーション
    • 作業員や上司とコミュニケーションをとり、現場の人間関係を整備
    • 上司に対して問題や課題を報告
    • 作業員の意見や提案の聴取
  6. 資材調達と管理:必要な資材や道具の発注
  7. 技術指導と育成:作業員の技術向上に向けたトレーニングや指導を行う。
  8. トラブルシューティング:現場でトラブルが発生した際の対応

実際の業務内容は、工事現場の規模や工事内容といった条件によって異なるケースがあります。ただし基本的な業務内容は、現場を問わず同一です。

職長に必要な資格

職長になるための唯一の条件は、職長教育とよばれる講習を受けることです。

これは労働安全衛生法で定められた義務です。職長教育を受けずに職長の職務に就くと、指導勧告を受けることがあります。

ただし職長教育を受講するにあたって、特定の資格を取得する必要はありません。また経験年数や学歴を問わず、職長になることは可能です。

職長になるための教育

職長になるために必要な職長教育の概要は、以下の通りです。

職長講習の日数・時間2日間・合計12時間
職長教育の費用15,000円〜20,000円程度
(開催する機関や講習内容によって異なる)
受講方法下記のいずれかを選択
・指定の会場
・出張講習
・e-Learning
参照1:中央労働災害防止協会
参照2:一般社団法人安全衛生マネジメント協会

職長教育の目的

職長教育は、建設現場での作業が安全に遂行されるよう、適切に作業員を指導や管理ができる監督者を育成するために実施されます。

建設現場の安全衛生を徹底するためには、現場に関する総合的な知識が必要です。具体的には、次のような知識が求められます。

  • 労働災害の原因や対応方法に関する知識
  • 作業者の安全を確保する方法
  • 作業者への指導、監督の方法

職長は、建設現場におけるリーダーとしての責務を担います。現場において職長として職務を全うできるよう、安全衛生に関する知識を包括的に習得することが、職長教育も目的です。

職長教育で学ぶ内容

職長教育の合計12時間にわたる講習での内容は、以下の通りです。

履修内容講習時間
作業方法の決定及び労働者の配置2時間​​
労働者に対する指導又は監督の方法2.5時間
危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講じる措置等4時間
異常時における措置1.5時間
労働災害の防止活動2時間
講習時間合計12時間
参照:一般財団法人中小建設業特別教育協会

職長を目指すなら!あわせて受けたい教育科目

職長教育を受ければ、職長として現場の監督業務に就くことが可能です。ただ担当する現場によっては、安全衛生に加えて習得しておくと有益な知識がいくつかあります。

ここでは、以下の2つについて解説します。

  1. 作業主任者
  2. 作業指揮者

作業主任者

作業主任者は、業務にあたったことを原因とする病気やケガ(労災)が起きないように、指導監督する現場のリーダー職です。

労働安全衛生法第14条によって定められた31の職場で、作業主任者の設置が求められています。

作業主任者の担当する職務は、次のとおりです。

  • 作業の直接指揮
  • 使用する機械等の点検
  • 機械等に異常を認めたときの必要な措置
  • 安全装置等の使用状況の監視等

作業主任者になるためには、都道府県の労働局長等が実施する技能講習を修了する必要があります。

作業指揮者

作業指揮者は、現場のリーダーとして設置される役職です。危険を伴う作業が発生した際に作業手順や作業方法を決定し、作業員に指示します。

作業指揮者は、国土交通省が定める、23の危険性が高い職場において、設置する必要がある役職です。

例えばフォークリフトを使用する現場において、修理やアタッチメントの装着、取り外し作業が発生した際は、まず作業指揮者が具体的な手順を計画します。この計画に基づいて作業員は業務に着手し、作業指揮者は作業が安全に進行していることを監督する流れです。

作業指揮者になるために、特別な資格は必要ありません。また講習が実施されていますが受講せず、独学で知識を習得して作業指揮者になることが可能です。

職長と安全衛生責任者の違い

職長と混同されやすい役職に、安全衛生責任者があります。

職長と安全衛生責任者を兼任するケースは、珍しくありません。また厚生労働省は、職長教育とともに安全衛生責任者講習を受講することを推奨しています。

ただし厳密には、職長と安全衛生責任者は異なります。ここでは次の3つの観点から、職長と安全衛生責任者の違いを解説します。

  1. 安全衛生責任者の役割
  2. 安全衛生責任者の職務
  3. 安全衛生責任者に必要な資格

安全衛生責任者の役割

安全衛生責任者は、建設業または造船業の現場に設置される役職です。

建設現場の所有者に代わって、現場の安全に関する業務をおこないます。

なお安全衛生責任者は、建設現場の所有者から工事の委託を受けた事業者(下請け)の従業員の中から選任されるのが一般的です。

安全衛生責任者の職務

職長を含めた責任者と連携をとり、調整役として活躍するのが、安全衛生責任者です。

例えば安全衛生に関して、現場の所有者の意向を職長をはじめとする各責任者と共有し、具体的にどのように実施するのか落とし込むのが、安全衛生責任の職務です。これを受けて職長は、現場作業員に指示を出します。

また現場から職長が提案や意見を受けた場合に、職長は安全衛生責任に相談します。必要があれば現場の所有者に報告し、対応指示を受けて、職長にフィードバックするのも安全衛生責任の職務です。

安全衛生責任者に必要な資格

職長と同様に、安全衛生責任者教育を受ければ誰でも、安全衛生責任者になれます。特別な資格は不要です。また年齢や学歴、実績といった要件もありません。

ただし安全衛生責任者の選任や職務義務に違反した場合、労働安全衛生法120条に基づいて、50万円以下の罰金に処せられます。安全衛生責任者を設置する際は必ず、安全衛生責任者教育を受講してください。

職長と安全衛生責任者の教育の違い

安全衛生責任者教育は、14時間にわたっておこなわれます。

職長教育の内容と基本的な部分が同一です。ただし職長教育に加えて安全衛生責任者特有の業務を遂行するために必要な、2つの科目が加算されます。

ここでは次の3つの観点から、安全衛生責任者教育の理解を深めていきます。

教育科目

安全衛生責任者教育では、合計14時間の講習を受講します。職長教育に加えて学ぶ2科目は、以下の通りです。

履修内容講習時間
安全衛生責任者の職務等1時間​​
統括安全衛生管理の進め方1時間
講習時間合計2時間
参照:一般財団法人中小建設業特別教育協会

なお2023年8月現在は「職長・安全衛生責任者教育講習」として、職長教育と同時に安全衛生責任者教育を受けられるような講習内容になっているのが、一般的です。

受講対象者

安全衛生責任者教育の受講対象者となるのは、工事現場の下請け事業者内で、安全衛生責任者となる人材です。

なお安全衛生責任者は、複数の下請け先事業者や労働者が業務に当たる現場において、必ず設置しなければなりません。規模が大きく複数の下請け業者が介在する建設現場には、下請け業者の数だけ安全衛生責任者が在籍します。

職務

安全衛生責任者は、建設現場全体の安全衛生における調整役です。

安全衛生責任者教育でも、安全衛生責任者としての職務内容のほかに、複数存在する安全衛生責任者や職長、統括安全衛生責任者と連携しながら、業務を進める方法について学びます。

なお統括安全衛生責任者とは、安全衛生責任者を取りまとめる、現場における安全衛生管理の総合的な管理監督者です。

まとめ

職長は、建設作業現場における安全衛生を実施するためのリーダーです。安全衛生責任者と連携しながら、現場作業員に直接指示を出して安全衛生に関する計画を実行する執行管理者であるといえます。

建設現場は数多く存在し、それらすべての現場に職長を設置しなければなりません。職長は需要が高い役職です。また資格要件がなく、講習を受けるだけで職長になれる、ハードルの低さも魅力でしょう。

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