「マンション管理士はやめとけ」と言われる理由とは？魅力や向いている人の特徴を徹底解説！

マンション運営のコンサルタントであるマンション管理士は、取得難易度が非常に高いものの「やめとけ」といわれることも多いです。マンション管理士に興味がある方は、なぜ「やめとけ」といわれるか知りたいでしょう。

この記事ではマンション管理士の仕事内容と「やめとけ」といわれる理由、仕事の魅力や就職・転職を成功させる方法を解説しています。

マンション管理士の仕事内容

マンション管理士とは国家資格の1つで、マンションの維持管理に関する相談を受け付けるコンサルタントです。

主に以下のような相談を受け付けています。

• マンション管理組合などからの相談
• マンションの修繕計画
• 管理規約・使用細則の精査・見直し
• 区分所有者同士で起きるトラブルの仲裁

マンション管理組合などからの相談

マンション管理組合の役員といっても、区分所有している一般オーナーのため、会計や組織運営についての知識が不足しています。

マンション管理士はそのような役員からの相談を受け付け、運営コスト削減の工夫や会計処理についてのアドバイスを実施します。

マンションの修繕計画

マンションの修繕工事の計画策定も、マンション管理士の業務です。

外壁塗装や防水工事など、積み立てプランを策定したり、工事会社を選んで依頼をするなど手続きを代行します。

管理規約・使用細則の精査・見直し

マンションにはそれぞれ管理規約や使用細則が定められています。

しかし、居住していくうちに細かな修正や見直しが必要な部分が現れるケースもあるでしょう。

そこでマンション管理士が管理規約や使用細則の精査を実施し、見直しに協力して新たなルールや改訂作業を実施します。

区分所有者同士で起きるトラブルの仲裁

騒音トラブルや共有スペースの使用方法、喫煙などマンションには様々な人が暮らすため、トラブルも発生します。

住民同士でトラブルが発生した際に、マンション管理士が仲裁に入り問題を解決します。

「マンション管理士はやめとけ」と言われる5つの理由

マンションの運営や管理、トラブル仲裁など幅広い業務を担当するマンション管理士の仕事は、一見やりがいがありそうです。

しかし、マンション管理士はやめとけという声もあります。

なぜマンション管理士の仕事はお勧めしないといわれるのか、その理由を説明します。

1. 資格を取得するための「マンション管理士試験」の難易度が高い
2. マンション管理士に対する企業の需要が少ない
3. 高収入を実現しづらい
4. マンション管理士としての独占業務がない
5. 実務経験が必須になるため就職・転職のハードルが高い

1. 資格を取得するための「マンション管理士試験」の難易度が高い

マンション管理士になるには、国家資格である「マンション管理士試験」に合格する必要があります。

マンション管理士試験は非常に合格難易度が高いです。

「令和５年度マンション管理士試験の結果について」によると、令和5年度のマンション管理士試験の合格率は10.1％でした。

10％を切る合格率になることも珍しくなく、資格取得自体のハードルが非常に高い点から「難しいからやめとけ」と言われています。

マンション管理士の資格を取得するには、最低でも1年間しっかり勉強し、試験対策が必要です。

2. マンション管理士に対する企業の需要が少ない

マンション管理士は資格難易度の割に、企業からの需要が低いといわれます。

平成30年6月1日 公益財団法人マンション管理センターによると、マンション管理士として企業へ就職した人は全体人口のわずか5％でした。

マンション管理士自体が2001年に新設された資格であり、歴史が浅いため資格への認知度が低いことも一因です。

そのため「資格をとっても役に立たない」といわれ、取得を止める声もあります。

ただし、マンション管理士の認知が向上すれば、専門知識を活かせる可能性は十分にあるでしょう。不動産業や管理会社への転職に有利に働く可能性もあるため、決して無駄な資格ではありません。

3. 高収入を実現しづらい

マンション管理士は年収が日本の平均値に収まっており、高年収を目指しづらいことから「やめとけ」といわれます。

平成30年6月1日 公益財団法人マンション管理センターのデータによると、マンション管理士の業務で400万円以上の収入を得ている人は全体の18.8％です。

中には1,000万円以上の収入を稼いでいる人もいますが、全体としてはほとんどの人が年収400万円以下という結果となっています。

そのためマンション管理士を本業にしても稼げないというイメージがあり、「やめとけ」といわれます。

4. マンション管理士としての独占業務がない

マンション管理士は国家資格ではありますが、独占業務がありません。

マンションの管理組合からの相談や規約の見直し、トラブルの仲裁は、資格がなくても可能だからです。

もちろん資格がなければ「マンション管理士」を名乗れませんが、業務内容的には資格がなくても知識があればできてしまいます。

そのため、マンション管理士はあわせて宅地建物取引士や司法書士、行政書士などの資格を取得して、幅広く業務を請け負う場合が多いです。

5. 実務経験が必須になるため就職・転職のハードルが高い

マンション管理士の資格だけあっても、実務経験がなければ就職や転職の役に立たないともいわれます。管理組合の運営サポートをするには、そもそもマンション管理の知識が必要です。

管理会社で働いていた方、不動産業界で働いていないとマンション管理や運営のノウハウが身につきません。仮に未経験で資格を取得しても、実務で活かせる知識があるとは判断されないことが多いです。

マンション管理士の魅力

マンション管理士は意味がない、やめとけといわれることもありますが、魅力のある仕事です。

どのような点でマンション管理士は魅力的なのか、2つの理由を説明します。

1. 今後需要が拡大していく可能性が高い
2. 参入障壁が高くライバルが増えづらい

今後需要が拡大していく可能性が高い

「分譲マンションストック戸数 ｜内閣府」によると、2021年末時点でマンションストック戸数は約685.9万戸となり、中でも築40年以上の高経年マンションは115.6万戸となっています。

老朽化したマンションには改築工事や改修工事、または建て替えが必要です。

しかし、管理組合だけでマンションの大規模な改修工事や計画を立てるのは困難であり、専門家の力が必要となります。今老朽化したマンションに住んでいる住民からの依頼が増えることが予想され、今後マンション管理士の需要は高まることが予想されます。

参入障壁が高くライバルが増えづらい

マンション管理士の資格難易度の高さも、有利に働きます。10％以下の合格率の資格であり、資格を所有している人が少数なため容易にマンション管理士の領域へ参入するライバルが増えにくいためです。

マンション管理士の仕事は資格がなくてもできるものの、専門的な知識がなければ成り立ちません。今後資格の認知が増えればマンション管理組合も「マンション管理士にコンサルを頼もう」と考えるようになり、依頼も増えるはずです。

依頼が増えたとしても資格難易度が高いためマンション管理士の供給は増えにくく、多くの仕事を獲得できるでしょう。

マンション管理士に向いている人・向いていない人

難易度の高いマンション管理士の資格取得にあたって、自分がそもそもマンション管理士に向いているか適性を理解しておきましょう。

マンション管理士に向いているのは、具体的に以下の特徴に当てはまる人です。

マンション管理士はいわばマンション運営のコンサルですから、視野を広く持ち運営方法についても、適宜柔軟な考えや発想ができなければなりません。

また、専門分野の知識を組合の役員など知識がない人へわかりやすく伝える説明スキル、トラブルを解決に導くスキルも必要です。

さらにマンション管理士はさまざまな領域の業務を担当する性質上、マルチタスクが得意な人に向いています。

複数のマンションの運営管理や計画策定を同時に進めることも多いため、一度に多くの業務をこなすスキルが高い人は適性があります。

反対に以上の適性がない人は、マンション管理士に向いていないため、せっかく資格をとっても活かせない可能性があるでしょう。

マンション管理士への就職・転職を成功させるためのポイント

企業からニーズがまだまだ少ないと言われるマンション管理士ですが、以下のコツを掴めば就職や転職を成功させられます。

まずマンション管理士という職業について理解し、ニーズがどんな企業にあるか理解しましょう。

マンション管理士事務所や不動産会社、管理会社が主な就職先です。

これらの会社で自らが働いて仕事を楽しめるか、知識やスキルをどう活かして利益に貢献できるか考えましょう。

また、マンション管理士は「やめとけ」といわれる理由についても理解し、耐えられるか考えておいてください。

せっかく資格を取って就職しても嫌になってやめてしまっては、もったいないからです。

優良な就職先や転職先を探すには、転職エージェントの力を借りるのも良いでしょう。マンション管理士のニーズが高い企業の中から、働きやすく待遇も良い求人を紹介してもらえます。

まとめ

マンション管理士が「やめとけ」といわれる理由は、資格難易度やニーズの低さ、難易度の割に高収入を目指しづらいことです。

しかし、逆に考えれば難易度の高い資格であるが故にライバルが少なく、需要が高騰した際にはかなり稼げる可能性もあります。

就職や転職のコツはまず職業や自分の適性を理解すること、そして優良求人が集まるエージェントを利用することです。情報収集の面でエージェントの利用はかなり有利になり、また転職サポートもしてもらえるので、マンション管理士の方やこれから目指す方はぜひ利用しましょう。