ゼネコンは大規模な建設プロジェクトを手がける企業として知られていますが、実際の初任給はどのくらいなのか、企業規模や学歴によってどれほど差があるのか、具体的な情報を知りたい方も多いですよね。
本記事では、ゼネコンの初任給について、企業規模別や学歴別の具体的な金額を詳しく解説します。
さらに、初任給を少しでも高めるためのポイントも紹介しますので、これからゼネコンへの就職や転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
ゼネコンの初任給はおおよそ23万円から26万円
ゼネコン全体の初任給を見ると、大卒の技術系職種でおおよそ23万円から26万円程度が相場となっています。この金額は基本給に各種手当を含めた総支給額であり、企業規模や職種、配属先によって前後します。
大手ゼネコンになると初任給が高めに設定されており、26万円以上になることも珍しくありません。一方、中小規模のゼネコンでは23万円前後からスタートすることが一般的です。ただし、初任給だけでなく、賞与や各種手当、昇給率なども含めて総合的に判断することが重要です。
また、学歴によっても初任給は異なります。大学院卒であれば大卒よりも1万円から3万円程度高く設定されることが多く、専門性の高い知識や研究経験が評価されます。高専卒や専門学校卒の場合は、大卒よりもやや低めの設定となるのが一般的です。
職種別に見ると、施工管理職や設計職といった技術系職種の方が、事務系職種よりも初任給が高い傾向にあります。建設現場での業務は責任が重く、専門知識も求められるため、技術職には高めの給与が設定されることが多いのです。ゼネコンの初任給は、製造業や他のサービス業と比較しても比較的高水準といえるでしょう。
大手・準大手・サブコンなど規模によっても異なる
ゼネコンの初任給は、企業の規模によって大きく変動します。ここでは、大手ゼネコン（スーパーゼネコン）、準大手ゼネコン、サブコン、中小ゼネコンそれぞれの初任給目安を詳しく見ていきましょう。
- 大手ゼネコン・スーパーゼネコンではおよそ26万円から28万円
- 準大手ゼネコンだとおよそ24万円から26万円
- サブコンなら23万円から25万円が目安
- 中小ゼネコンの場合は幅が広く21万円から25万円
大手ゼネコン・スーパーゼネコンではおよそ26万円から28万円
大手ゼネコンとは、鹿島建設や大成建設、清水建設、竹中工務店、大林組といったスーパーゼネコンと呼ばれる企業群を指します。これらの企業では、大卒技術系職種の初任給がおよそ26万円から28万円程度に設定されています。
大手ゼネコンは経営基盤が安定しており、大規模プロジェクトを数多く手がけているため、給与水準が業界内でも最高レベルです。初任給だけでなく、賞与も年間で基本給の5か月分から6か月分が支給されることが多く、年収ベースで見ると400万円以上になることも珍しくありません。
また、大学院卒の場合は初任給がさらに高く、28万円から30万円程度になることもあります。修士課程や博士課程で専門的な研究を行った経験が評価され、より高度な業務を担当することが期待されるためです。
さらに、大手ゼネコンでは各種手当が充実しています。住宅手当や家族手当、現場手当、資格手当などが加算されるため、実際の手取り額は基本給よりもかなり高くなります。福利厚生も整っており、長期的に安定した収入を得られる環境が整っているといえるでしょう。
準大手ゼネコンだとおよそ24万円から26万円
準大手ゼネコンには、前田建設工業や戸田建設、五洋建設、熊谷組、西松建設といった企業が含まれます。これらの企業の初任給は、大卒技術系職種でおよそ24万円から26万円程度が目安となっています。
準大手ゼネコンも全国規模で事業を展開しており、安定した経営基盤を持っています。大手ゼネコンと比較すると初任給はやや低めですが、それでも業界平均を上回る水準であり、十分に魅力的な待遇といえます。
賞与についても年間で基本給の4か月分から5か月分程度が支給されることが一般的で、年収にすると350万円から400万円程度になります。昇給率も安定しており、経験を積むことで着実に収入を増やしていけます。
準大手ゼネコンの特徴として、大手ほど激務ではなく、ワークライフバランスを保ちやすいという声も聞かれます。初任給だけでなく、働きやすさや将来性も含めて総合的に判断することが大切です。企業ごとに強みとする分野や社風が異なるため、自分に合った企業を選ぶことが重要でしょう。
サブコンなら23万円から25万円が目安
サブコンとは、電気工事や設備工事、内装工事など、専門分野に特化した建設会社を指します。きんでんや関電工、ダイダン、高砂熱学工業といった企業が代表的です。サブコンの初任給は、大卒技術系職種でおよそ23万円から25万円程度が相場となっています。
サブコンは専門性が高く、電気設備や空調設備、衛生設備などの分野で高い技術力を持っています。ゼネコンから工事を請け負う立場ですが、専門技術を活かした仕事ができるため、やりがいを感じやすい職場といえます。
初任給は大手ゼネコンと比べるとやや低めですが、専門資格を取得することで資格手当が加算され、収入を増やすことができます。電気主任技術者や管工事施工管理技士といった資格を持っていれば、給与面でも優遇されることが多いです。
また、サブコンは特定の専門分野に強みを持つため、その分野のスペシャリストとして成長できる環境があります。キャリアパスも明確で、技術者として深い専門性を身につけたい人には適した職場といえるでしょう。
中小ゼネコンの場合は幅が広く21万円から25万円
中小ゼネコンは地域密着型の建設会社が多く、企業規模や事業内容によって初任給に大きな幅があります。大卒技術系職種でおおよそ21万円から25万円程度が目安となりますが、企業によってはこの範囲を下回ることも上回ることもあります。
中小ゼネコンの中には、特定の地域や分野で高い実績を持つ企業もあり、そうした企業では大手に匹敵する待遇を提供していることもあります。一方、経営規模が小さい企業では、初任給が20万円を下回るケースも存在します。
初任給だけでなく、昇給の見込みや賞与の支給実績、福利厚生の内容なども確認することが重要です。中小企業では賞与が業績連動型であることが多く、会社の業績によって支給額が変動する場合もあります。
ただし、中小ゼネコンには大手にはない魅力もあります。若手のうちから責任ある仕事を任されやすく、経営陣との距離が近いため、意見を反映してもらいやすい環境です。早く成長したい、裁量を持って働きたいという人には、中小ゼネコンが適している場合もあるでしょう。
【一覧表】企業規模や学歴・条件別の初任給目安を紹介
ゼネコンの初任給は、企業規模や学歴、職種によって異なります。
ここでは、具体的な初任給の目安を表形式でわかりやすく紹介します。
| 企業規模 | 大学院卒(修士) | 大卒(学部卒) | 高専卒 | 専門学校卒 | 特徴・傾向 |
|---|---|---|---|---|---|
| 大手ゼネコン・スーパーゼネコン | 28万円から30万円 | 26万円から28万円 | 23万円から25万円 | 21万円から23万円 | 業界最高水準の給与。賞与年5から6か月分。各種手当充実。福利厚生が整っている |
| 準大手ゼネコン | 26万円から28万円 | 24万円から26万円 | 21万円から23万円 | 20万円から22万円 | 全国展開で安定経営。賞与年4から5か月分。大手に次ぐ待遇水準 |
| サブコン | 25万円から27万円 | 23万円から25万円 | 21万円から23万円 | 20万円から22万円 | 専門分野に特化。資格取得で収入アップ。専門性を活かせる環境 |
| 中小ゼネコン | 23万円から26万円 | 21万円から25万円 | 19万円から22万円 | 18万円から21万円 | 企業による差が大きい。地域密着型。若手から活躍できる機会が多い |
職種別の初任給差
同じ企業内でも、職種によって初任給に差があることが一般的です。技術系職種の中でも、施工管理職は現場での責任が重いため、設計職や積算職よりも初任給が高めに設定されることがあります。
また、事務系職種は技術系職種と比べて1万円から2万円程度低い設定となることが多いです。
地域による初任給の違い
首都圏や大阪などの大都市圏では、生活費が高いことを考慮して初任給が高めに設定される傾向があります。
一方、地方では初任給がやや低めですが、生活費も抑えられるため実質的な生活水準は変わらないこともあります。
初任給以外の待遇
初任給だけでなく、住宅手当や家族手当、通勤手当、現場手当、資格手当などの各種手当の有無も重要です。これらの手当を含めると、実際の手取り額は基本給よりも数万円高くなることが一般的です。
また、寮や社宅の有無、退職金制度の内容なども、長期的な収入を考える上で重要な要素となります。
賞与の支給実績や昇給率、残業代の支給状況なども確認しておくことで、より正確な収入の見通しを立てることができるでしょう。
ゼネコンで初任給を高めるためのポイント
少しでも高い初任給でスタートしたいと考える方も多いでしょう。ここでは、ゼネコンで初任給を高めるための具体的なポイントを紹介します。
- 在学中や転職前に取得できる資格は取っておく
- 大学院に進学して専門性を高める
- 大手ゼネコンや待遇の良い企業を狙う
- 面接で自分の強みをしっかりアピールする
在学中や転職前に取得できる資格は取っておく
ゼネコンでは、建設業に関連する資格を持っていることが初任給の上乗せにつながることがあります。特に二級建築士や二級土木施工管理技士、二級建築施工管理技士といった国家資格は、新卒でも取得可能な資格として評価されます。
これらの資格を持っていると、入社時から資格手当が支給されたり、基本給が高めに設定されたりすることがあります。月額5千円から1万円程度の資格手当がつけば、年間で6万円から12万円の収入差が生まれます。
また、在学中に資格取得に向けて努力した姿勢そのものが、面接で評価されることもあります。建設業界で働く意欲や計画性をアピールする材料となり、採用担当者に好印象を与えられます。
転職者の場合も同様で、すでに一級建築士や一級施工管理技士を持っていれば、即戦力として高い評価を受けることができます。実務経験年数が足りなくても、資格取得に向けて学習していることを伝えることで、意欲の高さを示すことができるでしょう。
大学院に進学して専門性を高める
大学院に進学して修士号や博士号を取得することで、初任給が学部卒よりも高く設定されることが一般的です。大手ゼネコンでは、修士卒の初任給が学部卒よりも2万円から3万円程度高くなることが多く、年収ベースでは30万円以上の差になります。
大学院では専門的な研究を行うため、特定分野における深い知識や研究能力が身につきます。ゼネコンでは技術開発部門や設計部門など、高度な専門性を必要とする部署で活躍することが期待され、それに見合った待遇が用意されるのです。
また、大学院での研究実績や論文発表の経験は、面接でのアピール材料となります。問題解決能力や論理的思考力を持っていることの証明となり、採用担当者からの評価が高まります。
ただし、大学院進学には時間とコストがかかるため、自分のキャリアプランと照らし合わせて判断することが重要です。すぐに現場で経験を積みたい場合は学部卒で就職し、実務経験を積みながら資格取得を目指すという選択肢もあります。
大手ゼネコンや待遇の良い企業を狙う
初任給を高めたいのであれば、大手ゼネコンを中心に就職活動を進めることが効果的です。大手ゼネコンは給与水準が高く、福利厚生も充実しているため、初年度から高い収入を得ることができます。
大手ゼネコンへの就職は競争率が高いため、早めに準備を始めることが重要です。インターンシップに参加して企業研究を深めたり、建設業界に関する知識を身につけたりすることで、選考を有利に進めることができます。
また、準大手ゼネコンやサブコンの中にも、特定の分野で高い実績を持ち、待遇が良い企業が存在します。企業規模だけでなく、事業内容や成長性、社風なども総合的に判断して、自分に合った企業を選ぶことが大切です。
企業研究の際には、初任給だけでなく昇給率や賞与の実績、残業時間、離職率なども確認しましょう。長期的に見て収入が伸びやすく、働きやすい環境かどうかを見極めることが、満足度の高いキャリアを築く鍵となります。
面接で自分の強みをしっかりアピールする
初任給は企業が定めた基準に基づいて決まりますが、面接での評価が高ければ、条件交渉の余地が生まれることもあります。特に転職者の場合、前職での実績や保有資格、専門知識を効果的にアピールすることで、より良い条件を引き出せる可能性があります。
面接では、自分がどのような価値を企業に提供できるかを具体的に伝えることが重要です。学生時代の研究内容や、前職でのプロジェクト経験、取得した資格の活用方法などを、わかりやすく説明する準備をしておきましょう。
また、建設業界への熱意や、入社後のキャリアビジョンを明確に伝えることも大切です。長期的に企業に貢献する意欲があることを示すことで、採用担当者からの評価が高まります。
新卒の場合でも、学生時代に取り組んだ活動やアルバイト経験を通じて培った能力をアピールすることで、他の候補者との差別化を図れます。建設業界に関連する経験や知識があれば、それを積極的に伝えることで、より良い条件での採用につながる可能性が高まるでしょう。
まとめ
ゼネコンの初任給は、大卒技術系職種でおおよそ23万円から26万円程度が相場であり、企業規模や学歴によって大きく異なります。大手ゼネコンでは26万円から28万円、準大手では24万円から26万円、サブコンでは23万円から25万円、中小ゼネコンでは21万円から25万円が目安です。
初任給を高めるためには、在学中や転職前に資格を取得する、大学院に進学して専門性を高める、大手ゼネコンや待遇の良い企業を狙う、面接で自分の強みをしっかりアピールするといったポイントが重要です。
初任給だけでなく、賞与や各種手当、昇給率、福利厚生なども含めて総合的に判断し、自分に合った企業を選ぶことが、長期的に満足度の高いキャリアを築く鍵となるでしょう。
