職業訓練校でのCAD講座は、短期間で設計スキルを習得できる人気のコースとして知られています。受講料が無料もしくは低額で済み、手当も支給されることから、未経験者のキャリアチェンジ先として注目を集めています。
しかし一方で、職業訓練校でのCAD習得に否定的な意見も少なくありません。本記事では、職業訓練校でCADを学ぶことの意味や実際の効果について、メリット・デメリットの両面から詳しく解説していきます。
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目次
職業訓練でCADを学ぶのが意味ないといわれる4つの理由
職業訓練校でのCAD習得に対して、業界からは否定的な声も上がっています。その背景には以下の4つの要因があり、これらが「意味がない」という評価につながっています。
- 基礎操作しか学べない
- 実務で使える応用力が身につかない
- 就職後のミスマッチが多い
- 受講生の質にばらつきがある
基礎的なCAD操作しか習得できない
職業訓練校のCADコースは通常3〜6ヶ月程度のカリキュラムで構成されています。この限られた期間では、基本的な操作方法や簡単な図面作成までしか学ぶことができません。
実務で必要となる高度な機能や、業界特有の作図ルールについては十分な学習時間を確保できません。特に建築設計では、法規やプランニングの知識も必要となりますが、これらを学ぶ時間的余裕はありません。
また、CADソフトの種類も限られており、一般的な2次元CADが中心となります。3次元CADや専門的なソフトについては、ほとんど触れることができないのが現状です。このため、就職後に改めて学び直しが必要になるケースが多くなっています。
実務で必要な応用力が身につかない
職業訓練校では、カリキュラムが基礎的な内容に限定されているため、実務で必要となる応用力を養うことが困難です。実際の設計現場では、複雑な図面の作成や急な修正対応など、臨機応変な対応が求められます。
しかし、訓練校での課題は基本的なものが中心で、実践的な練習を積む機会が少ないのが実情です。また、複数の担当者と連携して図面を作成するような実務的な経験も得られません。
さらに、設計事務所や建設会社で使用される独自の作図基準や、業界特有の慣習なども学ぶことができず、就職後のギャップが大きくなりがちです。
就職後のミスマッチが深刻な問題に
職業訓練校のCADコースを修了しても、実務経験の不足により就職後のミスマッチが多く発生しています。訓練校で学ぶ内容と実際の業務には大きな隔たりがあり、入社後の戸惑いや困難を訴える声が少なくありません。
特に、建築や機械設計の現場では、CADスキルだけでなく、専門的な知識や経験も求められます。しかし、訓練校ではこれらを十分に学ぶことができないため、業務についていけない状況が発生しやすくなっています。
また、短期間での習得を前提としているため、企業が求めるレベルまでスキルを高めることが難しく、早期離職につながるケースも見られます。
受講生の意欲や理解度に大きな差
職業訓練校では、受講生の背景や目的意識が様々であり、学習意欲や理解度に大きな差が生じています。本気でCADのスキルを身につけたい人もいれば、単に手当目的で受講している人もおり、クラス全体の学習効率が低下する原因となっています。
講師も受講生全員に対応しなければならないため、進度が遅くなりがちです。また、基礎的な内容に時間を取られ、より高度な学習に時間を割くことができないという問題も発生しています。
さらに、グループ演習などでも、受講生間のレベル差が障害となり、効果的な学習が難しくなるケースが見られます。
職業訓練でCADを学ぶデメリット
職業訓練校でCADを学ぶ際には、いくつかの注意すべき点があります。以下の4つのデメリットを理解した上で、受講を検討することが重要です。
- 就職時の給与が低くなりやすい
- 即戦力としては見なされない
- スキルの習得に限界がある
- 受講期間中の収入が限られる
未経験者扱いで低い初任給に
職業訓練校でCADを学んでも、企業からは実務経験のない未経験者として扱われることが一般的です。そのため、初任給は業界の最低レベルに設定されることが多く、生活設計に影響を及ぼす可能性があります。
専門学校や大学で建築や機械を専攻した新卒者と比べても、給与面で不利な立場に置かれることが少なくありません。また、昇給やキャリアアップの面でも、スタートラインが低くなりがちです。
訓練校での学習期間は実務経験としてカウントされないため、経験年数もゼロからのスタートとなります。このため、収入面での回復に時間がかかることを覚悟する必要があります。
即戦力として期待されにくい現実
企業は職業訓練校の修了生に対して、すぐに実務を任せられる即戦力としての期待を持っていません。基本的なCAD操作はできても、実践的なスキルや業界知識が不足しているため、入社後の教育に時間と手間がかかると考えられています。
そのため、採用時には補助的な業務からのスタートとなることが多く、本格的なCADオペレーターとして認められるまでに相当の時間を要します。また、設計部門への配属を希望しても、図面のチェックや修正など、単純作業から始めることになりがちです。
このような状況は、スキルアップへのモチベーション低下につながる可能性もあります。
専門的なスキル習得に限界がある
職業訓練校のカリキュラムは汎用的な内容に留まるため、特定の業界や職種で必要とされる専門的なスキルを習得することは困難です。建築設計であれば構造計算の知識、機械設計であれば製図規格の理解など、実務に必要な専門知識を学ぶ機会は極めて限られています。
また、最新のCADソフトや業界で主流となっているソフトを使用できないケースも多く、就職後に改めて学び直す必要が生じます。訓練校の設備や予算の制約により、実践的な環境で学習することができないのが現状です。
受講期間中の収入が生活を圧迫
職業訓練を受講する期間は、雇用保険の給付や職業訓練手当が主な収入源となります。しかし、これらの給付金額は決して高くなく、生活費を賄うには厳しい金額となっています。
特に、家族を扶養している場合や住宅ローンを抱えている場合は、収入面での不安が大きくなります。また、訓練期間中はアルバイトなどの副業も制限されるため、収入を補填する手段も限られています。
さらに、教材費や通学費用なども自己負担となるため、財政的な負担が重くのしかかることも考慮しなければなりません。
職業訓練でCADを学ぶのはおすすめ!
これまでデメリットを中心に説明してきましたが、職業訓練でCADを学ぶことには大きな価値があります。未経験からでも無料で基礎スキルを習得できる機会は貴重です。
特に、これまでCADに触れる機会のなかった人にとって、体系的に基礎を学べる環境は魅力的です。また、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境も、モチベーション維持の面で重要な要素となります。
訓練校での学習を足がかりに、独学や実務経験を重ねることで、着実にスキルアップを図ることができます。就職後の成長次第で、給与面でのハンデも徐々に解消されていくでしょう。
ただし、訓練校での学習はあくまでもスタート地点です。修了後も継続的な学習努力が必要であることを理解した上で、受講を決めることが重要です。
職業訓練でCADを学ぶメリット
職業訓練校でCADを学ぶことには、実は多くのメリットがあります。以下の4つのポイントを中心に、そのメリットを詳しく見ていきましょう。
- 無料で基礎が学べる
- 手厚い就職支援がある
- 仲間との交流で視野が広がる
- 資格取得にも対応
費用負担なく基礎スキルが習得できる
職業訓練校のCADコースは、受講料が無料もしくは極めて安価という大きな特徴があります。一般的なCADスクールでは数十万円の費用が必要ですが、職業訓練校なら基本的な学習環境が無料で提供されます。
さらに、雇用保険の給付や職業訓練手当も受けられるため、学習に専念できる環境が整っています。教材も基本的には無料で提供され、ソフトのライセンス料も不要です。実践的な環境で基礎スキルを習得できる貴重な機会といえます。
また、専門の講師による体系的な指導を受けられることも大きな利点です。独学では気づきにくい基本的な注意点や、効率的な学習方法を学ぶことができます。
充実した就職支援体制が整備
職業訓練校には専任のキャリアカウンセラーが常駐しており、就職活動を強力にサポートしてくれます。履歴書や職務経歴書の作成指導から、面接対策まで、きめ細かな支援を受けることができます。
また、訓練校と企業との連携により、求人情報を優先的に得られることも大きな利点です。特に、訓練校の卒業生の採用実績がある企業とのつながりは、就職活動を有利に進める重要な要素となります。
ハローワークとの連携も充実しており、訓練期間中から計画的な就職活動を進めることができます。就職後のフォローアップ体制も整っているため、安心して転職に臨むことができます。
同じ目標を持つ仲間との出会い
職業訓練校では、キャリアチェンジを目指す同世代の仲間と出会うことができます。それぞれの経験や知識を共有し合うことで、学習効果を高めることができます。また、就職活動においても情報交換や励まし合いができる環境は大きな強みとなります。
グループ学習やプロジェクト型の課題を通じて、実務で必要なコミュニケーション能力も自然と身についていきます。異なる業界からの転職組も多いため、様々な視点や考え方に触れることができ、視野を広げる良い機会となります。
この人的ネットワークは、就職後のキャリア形成においても貴重な財産となります。
各種資格取得への足がかり
職業訓練校のCADコースでは、基本的な資格取得をサポートする体制が整っています。CAD利用技術者試験の対策はもちろん、関連する建築や機械の資格についても、基礎知識を学ぶことができます。
試験対策用の補講や模擬試験なども実施されており、効率的に資格取得を目指すことができます。また、資格取得による就職活動での優位性も期待できます。
さらに、資格取得を通じて学習の成果を実感できることは、モチベーション維持にも効果的です。
まとめ
職業訓練校でのCAD学習には、確かにいくつかの制約や限界があります。しかし、無料で基礎スキルを習得できる貴重な機会として、その価値は十分にあると言えます。
特に、未経験からのキャリアチェンジを考えている人にとって、体系的な学習環境と手厚い就職支援は大きな魅力となります。デメリットを理解した上で、訓練校での学習を将来のキャリアへの投資として捉えることが重要です。
継続的な学習意欲を持ち、訓練校での経験を足がかりとして着実にスキルアップを図っていけば、CAD業界での活躍も十分に期待できるでしょう。