
消防設備士の仕事は、重要な防災業務を担う一方で、その過酷さから「やめとけ」と言われることがあります。消防設備士としてのキャリアの現実を理解することは、適切なキャリア選択を行うために非常に重要です。
本記事では、消防設備士の仕事が厳しいとされる8つの原因について詳しく解説します。これから消防設備士を目指す方、転職を検討している方はぜひ参考にしてください。
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目次
消防設備士はやめとけと言われる8つの原因
消防設備士は「やめとけ」「きつい」と言われることも多い職業です。その理由には過酷な労働環境や衛生面・身体的な問題など多岐にわたります。
- 労働環境が過酷で体力仕事や重労働が多いため
- 労働時間が長く休息を取りづらいため
- 汚れた環境での作業が多く衛生面で不安があるため
- 高所作業が多く転落や怪我のリスクがあるため
- 実務経験が重視され見習い期間中は低収入なため
- 資格取得には勉強と実務経験の両方が必要なため
- 業務による精神的なプレッシャーが大きいため
- 人とコミュニケーションを取ることが必須なため
資格を取れば安定すると考える人が多い一方で、実際には厳しい労働環境からハードルの高さを感じる方も多いことが、消防設備士の特徴です。以下から、消防設備士が「やめとけ」と言われる理由8つについて、詳しく解説します。
労働環境が過酷で体力仕事や重労働が多いため
消防設備士の仕事は想像以上に体力を使います。点検や設置作業では、重たい機材を持ち運んだり、狭い天井裏や床下に潜っての作業が必要になることも珍しくありません。
- 重い消火器や機材の運搬
- 天井裏や高所へのアクセス
- 長時間の中腰作業や不安定な姿勢での作業
- 夏場や冬場の過酷な気温の中での屋外作業
特に大規模な施設では、一日中歩き回りながら作業することもあり、体力が求められます。設備の運搬や設置作業では重い機材を扱うことも多く、未経験から始めれば体力仕事が大きなハードルとなりうるでしょう。
これにより、「体を壊した」「腰痛が悪化した」といった声も多く、慢性的な疲労感を訴える人も多いのが現実です。デスクワークや軽作業と比較すると、かなり肉体的に厳しい職種だと言えます。
労働時間が長く休息を取りづらいため
消防設備士は「休みが取りづらい仕事」としても知られており、業務は早朝や夜間、休日におよぶこともあります。特に繁忙期(春や秋)には、1日10時間以上の勤務や週6日勤務が続くこともあり、現場によっては夜勤や休日出勤が避けられない場合もあるでしょう。
- 商業施設や公共施設の点検は営業時間外に実施される
- 一度の現場で数時間~1日以上かかる作業も多い
- 移動時間や準備・後片付けに時間を取られる
- 人手不足により1人の担当作業量が増加
また、工事業務や設備メンテナンス業界では人手不足も慢性化しており、人手が足りなければ長時間労働が慢性化しています。設備の誤作動や火災報知器の不具合など、突発的なトラブルへの対応が必要な場合、休日や夜間に呼び出されることもあるでしょう。
そのため、消防設備士はワークライフバランスを重視する人には向かない業界だといえます。
汚れた環境での作業が多く衛生面で不安があるため
消防設備士の現場は、決して清潔とは言えない環境が多いです。古いビルの配管やダクト、埃だらけの天井裏、虫やカビの発生した空間での作業が求められる現場は少なくありません。
作業着や工具が汚れるのは当たり前で、衛生面に敏感な人にはストレスとなるでしょう。
- 天井裏(埃・クモの巣・ネズミのフンなど)
- 機械室や地下配管(カビや湿気)
- 古い建物のダクトや壁内の作業
- 消火設備の内部(粉や薬剤で手が荒れる)
建物の奥まった場所や普段人が入らない場所での作業も多く、汚れやにおいが気になる人には不向きです。マスクや手袋などで対策はできますが、きれいな職場での作業を重視する方には、不安の多い仕事だといえます。
高所作業が多く転落や怪我のリスクがあるため
消防設備士の仕事には、高所での作業がつきものです。天井の火災報知器やスプリンクラーの点検・設置をするために、脚立や足場に登る場面も多く、脚立や高所作業車を使って作業する場面は少なくありません。
そのため、高所恐怖症の人にとっては致命的なデメリットです。
- 脚立やはしごでの作業中の転倒事故
- 高層ビルでの屋外作業による落下リスク
- 狭く不安定な天井裏での移動
- 感電・工具の落下事故
作業中の油断が事故につながることも多く、労災の対象になるような大きなケガの事例もあります。しっかりと安全対策がされている現場ばかりとは限らず、常に転落のリスクが伴うため、精神的なストレスが多いことも事実です。
悪天候の場合は高所作業でのリスクはさらに高まり、「命の危険を感じることもある」という声も一定数存在します。
実務経験が重視され見習い期間中は低収入なため
消防設備士の給料は、他の技術職と比較して低いと感じる方も多く存在する職種です。特に、消防設備士の資格を取っただけの見習い段階では、すぐに高収入が得られるわけではありません。
むしろ、最初の1~2年は仕事も覚えるのに精一杯で、収入はかなり低く抑えられがちです。求人情報によると、消防設備士の年収は260〜600万円ほどと幅があり、見習い期間中はそのなかでも低い分類で働くこととなるでしょう。
資格を持っていても、業務経験が浅ければ信頼されず、責任ある仕事は任せてもらえません。「資格を取っても収入につながらない」と感じてしまう人も多く、収入が上がるまでには地道に実務経験の積み重ねが必要な職種です。
資格取得には勉強と実務経験の両方が必要なため
消防設備士の資格は国家資格であり、取得には筆記試験と実技試験が課せられます。資格の種類も多く、各種を取得するには幅広い分野の勉強と実務経験が必要です。
区分によっては特定の業界で2年以上の実務経験が求められるものもあり、独学だけでは合格が難しい資格でもあります。そのため、資格を取得するには働きながら勉強時間を確保し、定期的に試験を受けなければいけません。
仕事と勉強を両立しつつ、資格取得後も更新や追加研修への参加が必要となることから、「割に合わない」「やめとけ」と言われることが多い職種です。
業務による精神的なプレッシャーが大きいため
消防設備士は「いざというときに人命を守る」設備を管理する仕事であり、業務には責任が伴います。消防せつびが正しく作動しなければ、火災時に大きな被害を招く恐れもあり、少しのミスが大きな事故につながるというプレッシャーも生じるでしょう。
そのため、業務ミスによる設備の誤作動や不具合は、責任の所在が厳しく問われる仕事でもあります。
- 法令に沿った厳格な管理が求められる
- 点検漏れや手順ミスが重大事故に直結
- 顧客や管理者とのトラブル対応
- 緊急出動時の対応力も求められる
「人命に関わる仕事」という自覚が常に求められ、常に緊張感を持って仕事に臨まなければいけません。クライアントや上司からの期待も高く、仕事の質に対する厳しい評価の目が向けられることも、プレッシャーが増える原因の1つです。
人とコミュニケーションを取ることが必須なため
消防設備士というと、機械や設備と向き合う仕事をイメージされがちですが、実際には多くの人と関わる必要があります。ビルの管理会社、施設の責任者、作業チームの同僚など、常にコミュニケーションを取りながら業務を進めなければいけません。
- 現場の責任者との作業スケジュール調整
- 点検内容の報告・説明(ときにはクレーム対応)
- チーム内の連携・指示受け
- 管理台帳や報告書作成も人向けに書く必要あり
コミュニケーションの必要性は、「人と話すことが苦手」「職人気質で黙々と作業したい」と考えている方にもストレスの原因となりえます。そのため、想定以上に接客対応や同僚との情報共有・会話の機会が多いことから「意外と営業っぽい仕事だった」と感じる人も多い職種です。
消防設備士は「やめとけ」「きつい」という人たちの声
消防設備士の仕事がきついと感じる理由はさまざまです。
ここでは、実際に働いている人たちの具体的な声を紹介します。これから消防設備士を目指す方や、転職を検討している方は、リアルな体験談を参考にしてください。
力仕事が多くて大変
消火器の運搬や避難ハッチの設置など、力仕事が多くて体力が消耗します。特に大規模なビルの点検では、一日中歩き回ることもあり、足腰にかなりの負担がかかります。以前、8階建てのビルで避難ハッチを運搬したときは、本当に大変でした。若い男性でも疲れる仕事なので、体力に自信がない人には厳しいかもしれません。
30代 男性
汚れた環境での作業がつらい
天井裏や床下での配線作業は、埃や汚れがひどいです。あるとき、天井裏で作業していたら、白骨化した鳥の死骸を見つけてゾッとしました。こういった汚れた環境での作業が多く、清潔さを保つのが難しいのがつらいです。汚れた場所での作業が苦手な人には向いていないと思います。
30代 女性
長時間労働が続いてしんどい
消防設備士の仕事は、早朝や夜間、休日にも点検や整備が必要です。現場によっては、休日出勤や深夜残業が避けられないこともあります。私の場合、2週間近く休みが取れないこともありました。長時間労働が続くと、プライベートの時間がなくなり、精神的にも疲弊します。ワークライフバランスを保つのが難しい職業です。
40代 男性
資格取得が大変で負担
消防設備士の資格は種類が多く、それぞれの資格を取得するためには多くの勉強と実務経験が必要です。仕事と勉強を両立させるのが大変で、資格取得までの道のりが長いと感じることが多いです。さらに、資格の更新や追加の研修も必要で、継続的な学習が求められるため、常にプレッシャーを感じています。
20代 男性
精神的なプレッシャーが大きい
消防設備士の仕事は、人命を守る重要な責任があります。設備が正しく作動しなければ、大きな被害を引き起こす可能性があるため、常に緊張感を持って仕事に臨む必要があります。このプレッシャーが長期間続くと、精神的に疲れてしまいます。また、クライアントや上司からの期待も高く、仕事の質に対する厳しい評価がプレッシャーを増加させます。
20代 女性
消防設備士のやりがいや魅力・将来性とは

消防設備士の仕事は「やめとけ」「きつい」と言われることもありますが、それはあくまでも1つの側面に過ぎません。現場作業の大変さや資格取得の難しさなどはありますが、それ以上にやりがいや将来性のある職業として注目されています。
- 需要が無くならない仕事であり将来性がある
- 人の安全を守る仕事であり社会貢献度が高い
- 資格の取得内容次第でキャリアアップを狙える
- 取得すれば資格手当が付く職場もある
- 年齢を重ねても続けられる仕事である
ここでは、消防設備士のやりがいや将来性について、5つのポイントでご覧ください。
需要が無くならない仕事であり将来性がある
消防設備士の仕事は、建築物に設置される消防設備の点検・整備・工事を行う専門職です。消防法により、すべての建築物には定期的な点検と報告が義務づけられており、このニーズは景気に左右されにくく、将来的にもなくなる心配がほとんどありません。
特に都市部では新築ビルやマンションの建設が絶えず進んでおり、老朽化した建物の改修や点検需要も増加しています。大規模な火災や事故が発生すると、点検・整備の依頼は増えるため、需要が安定しているだけでなく、今後増えていく可能性もあるでしょう。
そのため、消防設備士は長期的に見て安定した需要が期待できる職種です。
人の安全を守る仕事であり社会貢献度が高い
消防設備士の仕事は、火災から人名や財産を守るための重要な役割を担っており、破壊貢献度が非常に高い職業です。たとえば、火災報知器やスプリンクラーなどの設備が正常に作動するかどうかは、万が一の火災時に生死を分ける重要な要素となりえます。
自分の仕事が直接的に人々の安全を守ることにつながっていることを実感できる点は、大きなやりがいにつながるでしょう。消防設備士の仕事は日々の点検や整備を通じて、間接的に多くの人名や財産を守ることに貢献しています。
その仕事内容における社会的意義の大きさが、責任の重さである反面で、大きな誇りややりがい・達成感にもつながっていることも魅力の1つです。
資格の取得内容次第でキャリアアップを狙える
消防設備士は、取得する資格の種類を増やすことでキャリアアップも目指せます。消防設備士資格だけで見ても甲種・乙種に分類される複数の種類があり、それぞれ取り扱える業務範囲が異なる資格です。
取得資格を増やせれば、より広範囲の業務に携われるようになり、キャリアアップの実も広がるでしょう。特に甲種は消防設備点検などの実務だけでなく、設計や工事監督なども担当でき、管理職としての実も拓けます。
複数資格を持っている人材は企業から重宝されるため、転職時にも有利です。
| ステージ | 資格 | 可能な業務 | 想定年収 |
| 初級 | 乙種第4類 | 点検・整備 | 300万〜 |
| 中級 | 甲種第1類など | 工事監督 | 400万〜 |
| 上級 | 複数甲種保有 | 管理職・独立 | 500万〜 |
さらに、防火管理者や建設施工管理技士など関連性の高い資格を取得すれば、専門性を高めることも可能です。年収アップや自分が携わりたい業界に挑戦するチャンスも増やせるため、成長を実感しながら自分の望むキャリアを歩めるでしょう。
取得すれば資格手当が付く職場もある
消防設備士の資格は、実務に必要なだけでなく資格手当が支給される職場も多数あります。企業によって異なりますが、消防設備士資格の場合は月額3,000〜5,000円を目安に支給されることが多く、資格を持っているだけで給与に上乗せされるのは大きなメリットです。
加えて、複数資格を保有している場合、それぞれに手当がつく企業もあります。資格を条件に昇給や役職昇格が行われる場合もあり、モチベーションアップにもつながる資格です。
年齢を重ねても続けられる仕事である
消防設備士の仕事は、他の体力勝負の職業と比較しても長く続けられる点も魅力です。確かに職務経験が浅いうちは現場作業が中心ですが、経験を積むことで管理職や監督業務、教育担当などにキャリアを移行できます。
また、独立して個人事業主として働く道もあり、年齢や雇用形態を問わず稼げる仕事です。キャリアデザインの幅広さから実際に、50代・60代でも現役で活躍している消防設備士は少なくありません。
そのため、消防設備士は年齢によって働けなくなるリスクが低く、人生設計が立てやすい職業です。
消防設備士が向いている人と向いていない人
消防設備士は人によって向き・不向きが分かれる職業です。
専門性と体力が必要な職種である一方で、やりがいや安定した雇用を見込める仕事でもあるため、自分に向いている仕事であるか見極めましょう。
ここでは、消防設備士が向いている人と向いていない人について、それぞれ解説します。
消防設備士が向いている人
- 体力仕事に問題がない人/好きな人
- 資格取得のための勉強が好きな人
- 将来性を見込める職業に就きたい人
- 年齢を重ねても続けられる仕事を選びたい人
- 人とコミュニケーションを取ることが苦ではない人
消防設備士の仕事は、点検業務や工事作業など、屋外や高所での作業が日常的にあります。そのため、体力や力仕事が必要であり、デスクで黙々と作業するよりも屋外で作業する方が好きな方におすすめです。
また、資格を活かして働くためには、勉強を継続する努力も欠かせません。加えて、チームや顧客との連携も多いため、最低限のコミュニケーション力も求められます。
体力仕事や人と関わる仕事が好きな方であれば、消防設備士としてやりがいを感じやすいといえます。
消防設備士が向いていない人
- 体を動かすことが苦手な人
- 1人で黙々と作業することが好きな人
- 高所作業が苦手な人
- 仕事と並行でコツコツ勉強することが苦手な人
- 休暇の取りやすさを重視して仕事を選びたい人
消防設備士は、空調のない屋根裏や地下・高所などでの作業も多く、肉体的負担が少なくありません。そのため、デスクワークや座り仕事を好む人には向いていない可能性があります。
また、資格取得のためには日常的な勉強や現場での実務経験も必要になるため、学習意欲が低いと続けるのが難しいでしょう。さらに、繁忙期は休みが取りにくく、スケジュールが不規則になることもあるため、ワークライフバランスを重視する人にはストレスになりやすい職種です。
まとめ
消防設備士は過酷な労働環境や高所作業などから「やめとけ」と言われることもありますが、それはすべての職場に当てはまるわけではありません。ワークライフバランスが整った職場や、教育体制がしっかりしている企業では、未経験者でも安心して働くことができます。
加えて、消防設備士の仕事には安定した需要や高い社会貢献度、キャリアアップの可能性など多くの魅力を兼ね備えている職種です。
消防設備士として長く働きたいと考えている方は、給与や待遇だけでなく、職場の体制や人間関係・仕事の進め方なども含めて慎重に職場選びから検討しましょう。これから消防設備士を目指す方は、「やめとけ」と言われている原因や対処法も確認のうえ、キャリアプランを検討してみてください。



