建築積算士【見積もりとの違いは?】業務内容や年収も紹介!

建築関連の求人情報を見ると「積算」という職種がありますが、工事の見積もりを出す仕事だと思っている人が多いのではないでしょうか。

今回は建設積算と見積もりの違い、建築積算士の業務内容と年収や求人状況について解説します。

市場の景気や物価の変動など、業界の変化を肌で感じる建築積算士の魅力を感じ取っていただければ幸いです。

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建築積算士の役割

工事の見積もりを計算するためには、工事原価を算出する必要があります。これは公共工事も民間工事も同様です。

工事原価 = 直接工事費+間接工事費

建築積算士は、まず市場価格に照らし合わせた「機械の費用」、適正な「労務費」、正確な数量の「材料費」といった機・労・材からなる直接工事費を算出します。

次に、運搬費や足場などの間接工事費を算出します。この2つを足した金額が、工事原価と呼ばれます。

建築積算士が算出した工事原価に、さらに一般管理費(本社事務員の費用など)と利益を足すと、やっと最終的な見積もりが完成します。

工事原価(直接工事費+間接工事費) + 一般管理費 + 利益 = 最終的な見積もり

万が一、積算業務がおろそかな見積もり金額で工事を見切りスタートした場合は以下のようなトラブルの数々が予想されるでしょう。

  • 資材の数量が合わない
  • 人手が足りない、または余る
  • 他社の見積もりと不利な金額差が出る
  • 工期に間に合わない
  • 元請け・下請けとの信頼関係が崩れる
  • 公共工事に入札できない、または受注できない

正しい積算業務を行うためには、図面(計画・設計・仕様書・CADなど)の読み取りと作成能力、規約の知識、専門用語や工法を理解していることが求められます。

建築業界の「積算」とは?

積算とは、次々に計算する、または累計を出していくことです。

実は身近な計算方法で、電力計、圧力計、ガスや水の流量など、さまざまな測定機に積算が役立っています。

また、農作物の収穫にも積算温度計が用いられています。

例:トマトの積算温度1,100~1,200℃=毎日の温度×日数

建築業界の積算に求められるのは第一に「コスト管理」なので、日数、単価、人数、工程などを正確に洗い出し、赤字にならない金額を算出します。

建築積算士に求められる専門知識
生産プロセス工・工事発注スキーム・設計図書構成・工事費構成・積算業務内容・数量積算基準・標準内訳書式・主要な市場価格・データ分析と積算チェック・施工技術概要・LCC・VE概要・環境配慮概要

ここでは建築積算士の具体的な仕事内容と注意点をいくつか紹介します。

図面を読み取り、必要な材料と数量を正確に拾う

「拾い出し」と呼ばれる作業です。もし、図面や仕様書から読み取れなければ、発注者や設計担当者に直接問い合わせて数量を明確にします。

また、Aという資材にはBという副資材が必要かもれません。わからなければ実際に現場に出向いて確認します。

材料の単価を正確に確認する

「値入(ねいれ)」と呼ばれる作業です。単価が不明な場合はメーカーに問い合わせます。

なおかつ市場価格と照らし合わせ、仕入れ先と価格の交渉をします。営業的なコミュニケーションスキルが必要とされます。

※「値入」は利益を上乗せする意味でも使われますが、ここではあくまでも正確な単価の算出を指します。

歩掛を用いて労務費を算出する

建築現場の作業はそれぞれ難易度が違うため、「歩掛(ぶがかり)」という基準を用いて適正な労務費を算出します。

歩掛とは、作業の手間、材料、時間を数値化したものです。一般的には国土交通省が定める公共建築工事表示単価積算基準を元に計算します。

提出書類の作成

すべてのデータを洗い出したら、設計内訳書、単価比較表、明細書、仕訳票といった書類を作成します。これらの書類を元に最終的な見積もりが出されます。

具体的な業務内容

建築積算士の勤務開始時間は勤め先の出社時刻と考えてよいでしょう。

基本的にはデスクワークなので、早朝に現場へ直行するようなことはほぼありません。締め切り前以外は残業をせずに帰宅できるケースも多いです。

ただし、初心者は現場に出向いて状況を確認する頻度が高くなると予想されます。

大雑把な性格の人は、建築積算士の地道な積み上げ作業がきついと感じるかもしれません。ただ、現在では数多くの積算ソフトが市販されているため、業務の効率化は進んでいます。

※積算ソフトは単に「見積もりソフト」「拾い出しソフト」と呼ばれることもあります。

積算の基準はひとつではない!

労務費の算出には、国土交通省の公共建築工事標準単価積算基準を用いるケースが多いと前述しましたが、他にもさまざまな基準が存在します。

積算基準や市場価格の多くはインターネットでリサーチ、もしくはダウンロード購入できますが、毎年冊子も購入する企業がほとんどです。

冊子の例としては、一般財団法人経済調査会が発刊する「積算資料」、一般財団法人建設物価調査会が発刊する「建設物価」「建築コスト情報」などが挙げられます。

また、公共工事の積算基準はすべて国土交通省だけが担当しているわけではありません。土地改良工事は主に農業なので農水省、林業は林野庁、漁港業は水産庁、国立自然公園などは環境省が関わってきます。

また、都道府県が発注する場合は各自治体の積算基準を確認します。

資格の難易度と合格率

建築積算士はもともと1979年に誕生した民間資格でした。

1990年にいったん建設積算技術者という名称で建設省大臣認定の国家資格となりましたが、2001年には行政改革の一環として公益社団法人 日本建築積算協会が認定制度を引き継ぎ、再び現在の名称に戻りました。

建築積算士の資格は、「建築生産過程における工事費の算定並びにこれに付帯する業務に関し、高度な専門知識及び技術を有する専門家」と定義されています。なお、資格は3年ごとに更新が必要です(eラーニングの更新講習あり)。

一次試験の受験資格は学生、社会人問わず、受験年度の4月2日時点で満17歳以上であることです。受験手数料は27,500円(学生は13,750円)かかります。

二次試験の受検資格は同年度の一次試験合格者、または一次試験を免除されている人です。

一次試験を免除されている人
建築積算士補・建築コスト管理士・1級2級建築士・木造建築士・1級2級建築施工管理技士・積算学校卒業生・過去の一次試験合格者

二次試験の受験手数料は27,500円(建築積算士補・学生会員は13,750円)ですが、同年度の一次試験合格者は無料となります。

試験の問題はすべて公益社団法人 日本建築積算協会から出版されている「建築積算士ガイドブック」(税込み5,200円)を元に出題されます。

建築積算士の試験内容(2022年の試験案内より)

試験時間出題範囲問題数問題形式
一次試験3時間ガイドブック全章50問4択問題
二次試験1時間ガイドブック第1章から第4章、および第9章から第15章2問61文字以上200字以内で記述
4時間30分ガイドブック第5章から第8章、および巻末の基準と書式躯体(コンクリート・型枠・鉄筋)、鉄骨、仕上、内訳明細作成、工事費算出図面に基づき数量を計測・計算、内訳明細を作成

一次試験の4択問題は「最も適当なもの」と「最も不適当なもの」を選択するスタイルです。

二次試験の短文記述問題は過去問題の模範解答を読み込み、要点を絞って簡潔に記述する練習が必要です。図面を読み取る問題では、数値の記入時に数値の切り捨て・切り上げ、小数点の指示に注意してください。

建築積算士の資格取得を検討している方は、「建築積算士 過去問題と解説」のページから過去問題を確認できるので参考にしてはいかがでしょうか。なお、毎年合格平均点などは一切発表されません。

続いて2018年から2021年に実施された試験の受験者・合格者数と合格率を紹介します。

実施年度一次試験二次試験
受検者数合格者数合格率受検者数合格者数合格率
2018年度313人212人67.7%678人398人58.7%
2019年度313人177人56.5%644人446人69.3%
2020年度323人171人52.9%523人330人63.1%
2021年度361人244人67.6%759人491人64.7%

上記の合格率の数字だけを見るとほぼ60%前後の合格率ですから、建築積算士の難易度はそこまで高くないイメージですね。しかし、建築業界の初心者にとっては覚えることの多さに難儀するでしょう。

建築や工業関係の学校を出ていたり、建築現場でアルバイト経験があるなど、専門用語や図面の読み取りに慣れていればスムーズに学習できると思われます。

公益社団法人 日本建築積算協会では建設積算士二次試験の受験対策として学習用動画教材を販売しています。

一般価格は12,000円ですが、すでに建設積算士補に合格している方や学生は1,000円の特別価格となります。積算実技講習のサンプル動画はこちらです。

また、同協会は北海道・東北・関東・東海北陸・関西・中国四国・九州に支部があり、各地で講習会や研修会を行っています。講習会、研修会開催の支部へはこちらです。

建築積算士の年収と将来性

建築積算士の平均年収は389万円。
世代別にすると20代が335万円、30代が424万円、40代が445万円、50代以降は520万円です。

なお、上位資格の建設コスト管理士になればさらにベースアップが見込めるでしょう。

材料の拾い出しや歩掛の計算をしてくれる積算ソフトが市販されているにもかかわらず、どうして建築積算士の需要はなくならないのでしょうか? 

ここでは建築積算士の資格取得者を雇う側のメリットを解説します。

  • 建築積算士の有資格者は公共工事の受注に有利です。国土交通省の発注業務に参加するための「測量・建設コンサルタント等業務競争参加資格審査」(業種区分:建築関係 建設コンサルタント業務)、都市再生機構(UR都市機構)の発注業務において加点の対象となります。
  • 地方公共団体や外郭団体の発注業務でも優遇されます。
  • 公共建築の発注者が設計者を選定をするために作られた「PUBDIS(公共建築設計者情報システム)」という支援データベースの技術者として登録が可能です。
  • 一般社団法人日本損害保険協会の損害保険登録鑑定人制度において、建築積算士資格を保有していると専門鑑定人Aとして登録することが可能です。

こうしたメリットが評価され、公共工事に関わる企業は常に一定数の建築積算士を確保しています。

以下の表は、2021年と2022年4月の建築積算士の企業別在籍数です。

企業名2021年4月の人数2022年4月の人数
建設会社の部積水ハウス株式会社137180
株式会社フジタ116122
大成建設株式会社123121
戸田建設株式会社103102
清水建設株式会社101100
設計事務所の部株式会社NTTファシリティーズ145144
株式会社NJS2833
株式会社三菱地所設計2326
株式会社日建設計2326
株式会社久米設計2225
積算事務所の部株式会社緑119122
株式会社中野積算8286
株式会社TAKーQS6868
株式会社エステム建築事務所5967
株式会社協和建築積算事務所6666
その他の部大和リース株式会社5458
株式会社内山鑑定事務所4652
株式会社中央損保鑑定3441
株式会社三和鑑定事務所3136
広島工業大学2221

建築積算士の求人状況を紹介

最後に建築積算士の求人状況をご紹介します。

中途採用、正社員雇用を条件にした2022年9月の求人です。

建築積算士の求人例

地域業種条件月収・年収
福岡建築・土木未経験者可21万~
建築用金物経験者35万~
工務店未経験者可25万~
東京ハウスメーカー未経験者可25万~
設備・リノベーション経験者40万~
ビル内装工事未経験者可23万~
大阪建設会社未経験者可21.5万~
内装・設計経験者26万~
建築・土木・解体未経験者可30万~
名古屋鑑定事務所未経験者可20万~
建設会社経験者27.5万~
ハウスメーカー経験者25万~
参考:マイナビ転職 建築積算

もし、施工管理技士建築士の資格を持っている場合は、建築積算士の業務と関連があるため別途資格手当などが期待できます。

将来的に体力的な問題で現場から離れてたとしても、現場経験を知識として存分に生かせるでしょう。

無資格・未経験者の場合は、経理ソフトの操作経験よりCADや積算ソフトの操作経験が重視されます。

また、デスクワークといっても現場の知識が必要な業務ですから、もちろん現場の実務経験も評価の対象となります。

女性の建築積算士も増えています

企業によりますが、基本的に内勤でテレワークによる時短勤務も可能な建築積算士は、比較的女性の求人も多い職種といえます。

最初から建築積算士として就職する場合もありますが、建築会社の事務職からスキルアップしていくケースも多いようです。

ちなみに公益社団法人 日本建築積算協会には「積女ASSAL」という委員会があり、全国の建築積算士補・建築積算士・建築コスト管理士が定期的な勉強会などを開いています。※積女ASSALは男性の参加も可能です。

【建築積算士の求人例(女性のみ)】

地域業種条件月収
福岡各種コンサルタント経験者30万~
建築・土木経験問わず21万~
東京ハウスメーカー未経験者可25万~
建築リノベーション経験者25万~
大阪建築・土木未経験者可21万~
営繕・メンテナンス経験者25万~
名古屋工務店未経験者可23万~
土木設計経験者25万~
参考:マイナビ転職 女性のおしごと

同じ内勤業務の「建設業経理士」も女性から人気があります。

まとめ

建築積算士の業務自体は優れた積算ソフトで間に合うケースもありますが、有資格者がいれば公共入札において優遇されるため需要がなくなることは今後も考えにくいでしょう。

億単位の現場を担当した際の金額的なプレッシャーは計り知れませんが、やり遂げれば大きな達成感を得られる仕事です。

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