【建退共の仕組み】退職金をもらえる・もらえないケースを徹底解説!

「現場によって労働条件や雇用形態が変わる」

「ケガをすると仕事ができない」

建設業は何かと不安定要素の多い業界です。今回は建設労働者の将来のために作られた「建退共(建設業退職金共済制度)」の仕組みを徹底解説します。

退職金をもらえないケースの対処法も紹介するので、今後の参考にしていただければ幸いです。

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建退共とは国が作った建設業向けの退職金制度

イメージイラスト:建退共の仕組み

「建退共(正式名称:建設業退職金共済制度)」は、国が作った建設業界のための退職金制度です。建設業界で働く人たちの福祉の増進と雇用の安定、建設業の振興と発展に役立てることを目的としています。

事業者が建退共と契約を結んで掛金を支払うことで、労働者は被共済者となります。

被共済者が退職金をもらえるのは、建設業界で働くのを辞めたときです。万が一、勤めていた会社が倒産しても建退共が間違いなく退職金を支払ってくれます。

この退職金の金額は、掛金を納付した就労日数に応じて計算されます。複数の会社に勤めた場合も通算されますが、被共済者でなかった日数は対象外です。つまり、建退共に加入していない会社に勤めた期間は除外されるということです。

建退共の加入は義務ではありません。しかし、厚生労働省と国土交通省が推進する制度として、令和4年3月の共済契約者(建設事業者)は174,570件、被共済者(労働者)は2,156,481人となっています。

建退共の加入対象は?

建退共の加入対象となる建設事業者は、国内・外国法人に関わらず、下請・元請・専業・兼業・建設業許可の有無は問われません。

加入後は、事務所および工事現場の出入り口に「建退共適用事業主」または「建退共適用工事現場」を示す黄色いシールの提示が必要です。

建設業界で働く労働者は、職種を問わず建退共の加入対象です。

大工・鳶・土木・配管といった技術職に限らず、事務職やガードマン、運転手なども含まれます。国籍、日給、月給の制限もありません。

ただし下記は対象外です。

  • 事業主と役員報酬を受けている労働者
  • 建設業に関わらない本社の事務員
  • 建設業に関わらない本社の営業職
  • 他の共済制度の加入者

なお、建退共はあくまでも建設事業者を経由して労働者が加入する制度なので、個人として加入することはできません。※一人親方については後述します。

建設事業者が行う建退共の加入手続き

■労働者が建退共手帳を持っていない場合

下記を記入します。

「①建設業退職金共済契約申込書」
「➁建設業退職金共済手帳申込書」

■労働者が以下にあてはまる場合

  1. すでに建退共手帳を所持している労働者を雇用したとき
  2. 下請の事業所の労働者へ共済証紙の現物交付するとき
  3. 退職金ポイントを掛金充当するとき

下記を記入します。

「①建設業退職金共済契約申込書」
「③手帳申込みをしない理由書」

①と➁もしくは③の申込書を記入したら、最寄りの建退共支部へ提出します。支部の一覧はこちらのページで確認できます。

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一人親方が行う建退共の加入手続き

建退共は建設事業者が従業員のために加入する制度なので、事業主であり労働者でもある一人親方は本来申込みの対象外ですが、任意組合になることで特別に加入が認められます。

加入方法は以下の通りです。

  1. 一人親方が集まり任意組合を結成するか、建退共に加入済みの任意組合に加入する。
  2. 任意組合が「事業主」として共済契約を結び、組合員である一人親方は「労働者」として建退共に加入する。

※任意組合を結成する場合は「任意組合認定申請書」「任意組合規約」「建設業退職金共済制度任意組合に関する業務方法書」を最寄りの建退共支部に申し込む。
詳細は建退共事業本部のこちらのページに説明があります。

建退共の掛金納付

建退共の申込手続きが完了すると、「建設業退職金共済手帳(建退共手帳)」が発行されます。

掛金の納付は、建退共手帳に「建設業退職金共済証紙(建退共証紙)」を貼る方法と、電子申請(2020年10月より実施)で掛金を納付する方法があります。ただし、初回から50日分は国の補助を受けられます。

建退共手帳に建退共証紙を貼って納付する場合は、建設事業者があらかじめ金融機関で建退共証紙を購入しておき、労働者の建退共手帳に就労日数分の建退共証紙を貼り付けて消印を押します。

建退共証紙の色建設事業主の規模1日券10日券
赤色労働者が300人以下又は資本金が3億円以下の中小事業主320円3,200円
青色労働者が300人を超え、かつ、資本金が3億円を超える大手事業主320円3,200円
※建退共証紙の取扱金融機関はこちらのページで確認できます。

電子申請方式で掛金を納付する場合は、あらかじめ「電子申請方式申込書」を最寄りの建退共都道府県支部へ提出するか、オンラインで申請する必要があります。

※申請の手順はこちらの「電子申請方式スタートアップガイド」をご覧ください。

建設事業者はあらかじめペイジーもしくは口座振替で退職金ポイント(電子掛金)を購入して、労働者の就労日数に応じて充当します。また、建設キャリアアップシステム(CCUS)の就労履歴とデータ連携すれば、より効率的に納付が行えます。

建退共の退職金をもらえる場合の請求方法

建退共の退職金は、労働者または労働者の遺族の請求によって、建退共から本人もしくは遺族へ直接支払われます。雇い主である建設事業者が代わりに受け取り、本人もしくは遺族へ渡すことはできません。

また、退職金の支給を受ける権利は、譲渡・担保・差し押さえできません。

【退職金を請求できる条件】
退職金は、次の請求事由のいずれかに当てはまり、建退共証紙が12月以上貼られた時点で請求可能となります(※請求事由の発生が平成28年3月以前の場合は24ヶ月)。

請求事由退職金請求に必要な証明書
独立して仕事を始めた最後の建設事業者や事業主団体の証明
無職になった
建設関係以外の事業所に雇われた新しい事業者の証明(雇用証明書も可)
建設関係の事業所の社員や職員、事業主、役員になった現在の事業者の証明(商業登記簿謄本など)
ケガや病気で仕事ができなくなった最後の建設事業者や事業主団体の証明または医師の診断書
満55歳以上になった住民票
本人が死亡した本人と請求人の戸籍謄(抄)本原本と住民票

【退職金を請求する手順】
「退職金請求書」に必要事項を記入し、提出書類を添えて最寄りの建退共都道府県支部へ持参するか、郵便局から簡易書留で郵送します。

【提出書類の一覧】
「退職金請求書」ダウンロード、コピーしたものは無効です。必ず最寄りの建退共都道府県支部から取り寄せて記入してください。

  • 建退共手帳
  • 請求する人のマイナンバーが記載された住民票の原本
  • 請求する人の身分証明書のコピー
  • ※運転免許証・各種年金手帳・健康保険被保険者証・パスポートいずれか1点)
  • 請求する人の預貯金通帳かキャッシュカードのコピー
  • 「退職所得の受給に関する申告書」兼「退職所得申告書」
  • ※建退共の各種申請書等のページからD4をダウンロードしてください。
  • 「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」のコピーも必要
  • ※同年に他から退職手当などの支払を受けた人

【退職金の金額】
次の表は建退共の退職金早見表(月21日として)から抜粋したものです。
具体的に試算したい方はこちらのページで退職金試算ツールをご利用ください。

就労年数(月数)退職金額就労年数(月数)退職金額
1年(12月)24,192円10年(120月)893,559円
3年(36月)241,920円15年(180月)1,409,319円
5年(60月)414,087円20年(240月)1,933,479円

建退共の退職金をもらえない場合の対処法

建退共の退職金がもらえない場合、以下のようなケースが考えられます。
それぞれの対処法を参考にしてください。

建退共手帳を紛失した再発行が可能です。
建退共手帳を返却してもらえない被共済者は返却を要求する権利があります。
加入後1年未満建設業1年未満は支給されません。
トラブルによる処分や懲戒解雇で減額された会社は原則的に支払う義務があります。
懲戒解雇で減額する場合は厚生労働大臣の認定が必要です。
中退共(中小企業退職金共済)に加入していた退職金の請求先は加入している共済になります。また、建退共へ掛金を引き継ぐことも可能です。
清退共(清酒製造業退職金共済)・林退共(林業退職金共済)に加入していた
建退共に未加入だった建退共以外の退職金制度に加入していないか確認してください。

■退職金請求についての問合せ先
独立行政法人 建設業退職金共済事業本部
03-6731-2846
月曜~金曜 9時~12時 13時~17時15分(祝日は除く)

建退共と中退共の違いは?

建退共と比較されることの多い中退共(中小企業退職金共済制度)は、建退共と同じ「勤労者退職金共済機構」が運営する退職金制度です。

どちらも退職金制度であることに違いはありませんが、加入対象者が違います。

「建退共」は、日雇業者やその工事単発で従事する労働者など、建設現場の人向けの退職金制度であるのに対して「中退共」は、中小企業で期間の定めなく雇用されている常時従業者の向けの退職金制度になります。

「勤労者退職金共済機構」の成り立ちを、下記の表にまとめました。

最初に中退共があり、建設業に特化した建退共が組織され今の機構になったことがわかりますね。

年度組織名できごと・内容
昭和34年中退共(中小企業退職金共済事業団)中小企業退職金共済法が制定・建設業・清酒製造業・林業を特定業種に指定
昭和39年建退共(建設業退職金共済組合)特定業種のうち、建設業で組織された
昭和56年建設業・清酒製造業・林業退職金共済組合特定業種のうち、清酒製造業と林業も統合された
平成10年勤労者退職金共済機構中退共も統合された

現場によって、日給、月給、勤務時間など変化する建設業労働者にとっては、雇用形態が変わる度に届け出を出さなければならない中退共より、建退共の方が適しています。

労働者は片方にしか加入できませんが、事業者は両方に加入できます。

建退共のメリットとデメリット

建退共のメリット

■加入している労働者

・建設業界内であれば、転職しても掛金は通算される
・運営機関が利回りと計算方法を公開しているため、金額に透明性がある
・請求先が勤め先でないため、退職金の照会や請求がしやすい
・勤め先が倒産しても建退共が退職金を払ってくれる
・提携サービスで各種割引制度がある

例:ホテル・リゾート、レンタカー、アミューズメント、旅行会社

■加入している建設事業者

・公共工事の入札に有利(経営事項審査で21点が加点される)
・社員募集時に有利(退職金制度をアピールできる)
・掛金は全額経費もしくは損金扱いとなる
・新規加入の労働者は16,000円(50日分)の掛金が国から補助される

建退共のデメリット

建退共の掛金の支払いは建設事業者なので、加入者にとってのデメリットは特にありません。公共工事を手がける建設事業者にとっても、入札時に建退共の加入を指導されるため必須の手続きといえます。

デメリットになり得るのは、公共工事と民間工事の両方を手がけているケースです。この場合、民間工事の際も掛金を支払わなければなりません。

まとめ

建退共は不安定な労働環境で働く職人のために作られた退職金制度です。

民間企業と比較すると請求手続きや計算方法がシンプルでわかりやすいため、加入の機会を逃さず、積極的に被共済者になることをおすすめします。

参考サイト①:建退共 建設業退職金共済制度の手引き|独立行政法人勤労者退職金共済機構 建設業退職金共済事業本部

参考サイト②:建設業退職金共済制度(建退共制度)|厚生労働省

参考サイト③:制度について|建設業退職金共済事業本部

参考サイト④:建設業退職金共済制度(建退共)の概要|国土交通省

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