
造園施工管理技士の資格取得を目指している方にとって、受験資格や必要な実務経験年数は重要な関心事です。公園や緑地、道路の緑化工事などの施工管理に従事するこの国家資格は、1級と2級に分かれており、それぞれで受験要件が異なります。さらに、令和6年度から受験資格が大きく改定されたため、情報が混在して分かりにくくなっているのが現状です。
特に実務経験については、学歴や保有資格によって必要な年数が変わってくるため、自分がどの要件に該当するのかを正確に把握することが重要です。また、令和10年度までは旧制度でも受験できるという経過措置があり、どちらの制度で受験すべきか迷っている方も多いでしょう。
本記事では、造園施工管理技士の受験資格について、新制度と旧制度の両方を分かりやすく解説します。必要な実務経験年数や免除条件、実務経験のごまかしに関する注意点まで、詳しくご紹介していきますので、受験を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
【一覧表付き】造園施工管理技士は実務経験が必要!
造園施工管理技士試験は、令和6年度から受験資格が大幅に改定されました。第一次検定については実務経験が不要となり、1級は満19歳以上、2級は満17歳以上であれば誰でも受験できるようになったのです。これにより、学生や若手社会人でも早期に資格取得のスタートを切れるようになりました。
一方で、第二次検定の受験には実務経験が必須です。新制度における受験資格を一覧表で確認してみましょう。
| 級 | 検定 | 受験資格 |
|---|---|---|
| 1級 | 第一次検定 | 満19歳以上(受験年度末時点) |
| 1級 | 第二次検定 | 以下のいずれかを満たす必要がある ・1級第一次検定合格後、実務経験5年以上 ・1級第一次検定合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上 ・1級第一次検定合格後、監理技術者補佐として実務経験1年以上 ・2級第二次検定合格後、実務経験5年以上(1級第一次検定合格者に限る) ・2級第二次検定合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上(1級第一次検定合格者に限る) |
| 2級 | 第一次検定 | 満17歳以上(受験年度末時点) |
| 2級 | 第二次検定 | 以下のいずれかを満たす必要がある ・2級第一次検定合格後、実務経験3年以上 ・1級第一次検定合格後、実務経験1年以上 |
特定実務経験とは、監理技術者や主任技術者の指導を受けながら行った実務経験を指し、より密度の濃い経験として評価されます。1級の第二次検定を受けるには、第一次検定合格後に一定の実務経験を積む必要があります。具体的には、通常の実務経験であれば5年以上、特定実務経験を含む場合は3年以上、監理技術者補佐としての経験があれば1年以上で受験資格を得られます。
2級第二次検定に合格した後、1級第一次検定に合格した場合は、2級合格後5年以上の実務経験、または2級合格後の特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験が必要です。2級の第二次検定についても、第一次検定合格後に実務経験が必要になります。
実務経験は造園工事に関する施工管理業務に限られ、工事ごとに会社の代表者や監理技術者などの証明が必要です。実務経験証明書には、工事名称、工事場所、工期、請負金額、担当業務の詳細などを記載し、証明者の押印を得なければなりません。
要注意!令和10年度までは旧制度でも受験できる
受験資格の改定に伴い、令和10年度までは経過措置として旧制度の受験資格でも受験が可能です。これは、新制度の施行によって不利益を被る受験者を救済するための措置であり、自分にとって有利な制度を選択できるメリットがあります。
旧制度では、第一次検定と第二次検定を同時に受験する場合に、学歴や保有資格に応じた実務経験年数が設定されていました。例えば、1級の同時受験では、大学の指定学科卒業者であれば卒業後3年以上、指定学科以外では4年6ヶ月以上の実務経験が必要でした。2級造園施工管理技術検定合格者であれば、合格後5年以上の実務経験で1級を受験できます。
新制度と旧制度のどちらで受験すべきかは、個人の状況によって異なります。すでに十分な実務経験を積んでおり、第一次検定と第二次検定を一度に合格したい方は、旧制度での同時受験が効率的です。一方、実務経験がまだ少ない若手の方は、新制度を利用して先に第一次検定だけ合格しておき、その後実務経験を積んでから第二次検定に挑戦する方法が有利でしょう。
ただし、令和11年度からは新制度のみが適用されるため、旧制度での受験を検討している方は、令和10年度までに受験する必要があります。自分のキャリアプランや実務経験の状況を考慮して、どちらの制度で受験するか慎重に判断しましょう。
1級造園施工管理技術検定の旧制度について
旧制度における1級造園施工管理技術検定の受験資格は、学歴や保有資格によって細かく区分されています。以下では、第一次検定と第二次検定を同時に受験する場合と、第二次検定のみを受験する場合に分けて詳しく解説します。
第一次検定および第二次検定を同時に受験する場合の受験資格
| 区分 | 学歴または資格 | 指定学科 | 指定学科以外 |
|---|---|---|---|
| (1) | 大学、専門学校(高度専門士) | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6ヶ月以上 |
| 短期大学、5年制高等専門学校 | 卒業後5年以上 | 卒業後7年6ヶ月以上 | |
| 高等学校、中等教育学校、専門学校(専門課程) | 卒業後10年以上 | 卒業後11年6ヶ月以上 | |
| その他(学歴は問わず) | 15年以上 | 15年以上 | |
| (2) | 2級造園施工管理技術検定合格者 | 合格後5年以上 | 合格後5年以上 |
| 2級合格後5年未満で高等学校等卒業者 | 卒業後9年以上 | 卒業後10年6ヶ月以上 | |
| 2級合格後5年未満でその他の者 | 14年以上 | 14年以上 | |
| (3) | 技能検定1級「造園」合格者 | 10年以上 | 10年以上 |
この表から分かるように、学歴が高いほど必要な実務経験年数は短くなります。大学の指定学科を卒業していれば3年以上の実務経験で受験可能ですが、学歴がない場合は15年以上の実務経験が必要になります。指定学科とは、造園や土木、建築、林業などの関連分野を指し、専攻によって有利になる制度です。
2級造園施工管理技術検定に合格している場合は、合格後5年以上の実務経験で1級を受験できます。ただし、合格後5年未満の場合は、最終学歴に応じた実務経験年数が求められるため注意が必要です。技能検定1級「造園」の合格者は、10年以上の実務経験で受験資格を得られます。
第二次検定のみ受験する場合
旧制度で第二次検定のみを受験できるのは、以下のいずれかに該当する場合です。
- 令和3年度以降の第一次検定・第二次検定を受験し、第一次検定のみ合格した者
- 第一次検定のみを受験して合格し、所定の実務経験年数を満たした者
- 技術士試験の合格者(建設部門・林業部門・農業部門・森林部門・総合技術監理部門)で、所定の実務経験を満たした者
技術士試験合格者は、高度な技術力を持つ専門家として認められ、一定の実務経験を満たせば第二次検定のみの受験が可能になります。これにより、効率的に造園施工管理技士の資格を取得できるメリットがあります。
2級造園施工管理技術検定の旧制度について

旧制度における2級造園施工管理技術検定の受験資格についても、詳しく見ていきましょう。2級は1級と比べて必要な実務経験年数が短く、比較的取得しやすい資格です。
第一次検定のみ受験する場合
旧制度においても、第一次検定のみであれば試験実施年度に満17歳以上であれば受験可能です。学歴や実務経験は一切不要で、高校生でも受験できるため、早期にキャリアをスタートさせたい若手にとって有利な制度といえます。
第一次検定および第二次検定を同時に受験する場合の受験資格
| 区分 | 学歴または資格 | 指定学科 | 指定学科以外 |
|---|---|---|---|
| (1) | 大学、専門学校(高度専門士) | 卒業後1年以上 | 卒業後1年6ヶ月以上 |
| 短期大学、5年制高等専門学校、専門学校(専門士) | 卒業後2年以上 | 卒業後3年以上 | |
| 高等学校、中等教育学校、専門学校(専門課程) | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6ヶ月以上 | |
| その他(学歴は問わず) | 8年以上 | 8年以上 | |
| (2) | 技能検定合格者 | 4年以上 | 4年以上 |
2級は1級と比べて大幅に実務経験年数が短縮されています。大学の指定学科卒業者であれば、わずか1年以上の実務経験で受験可能です。高等学校卒業者でも3年以上、学歴がなくても8年以上の実務経験があれば受験できるため、幅広い層にチャンスが開かれています。
技能検定合格者は、4年以上の実務経験で受験資格を得られます。職人としての技術を持っている方が、施工管理の資格を取得してキャリアアップを図る際に有利な制度です。
第二次検定のみ受験する場合
旧制度で第二次検定のみを受験できるのは、1級と同様に以下のいずれかに該当する場合です。
- 令和3年度以降の第一次検定・第二次検定を受験し、第一次検定のみ合格した者
- 第一次検定のみを受験して合格し、所定の実務経験年数を満たした者
- 技術士試験の合格者(建設部門・林業部門・農業部門・森林部門・総合技術監理部門)で、所定の実務経験を満たした者
第一次検定に合格している場合は、その後に実務経験を積むことで第二次検定のみの受験が可能になります。これにより、学習と実務を並行して進められるメリットがあり、効率的な資格取得が実現できます。
造園施工管理技士の実務経験のごまかしはバレる?
造園施工管理技士の受験に必要な実務経験年数を満たしていない場合、経歴を偽って受験しようと考える人がいるかもしれません。しかし、実務経験のごまかしは必ず発覚し、深刻な結果を招きます。絶対にやってはいけない行為です。
実務経験証明書には、工事名称、工事場所、工期、請負金額、担当業務の詳細などを記載し、さらに会社の代表者や監理技術者などの証明印が必要です。試験実施機関は提出された書類を厳格に審査し、不審な点があれば会社に直接確認を取ります。虚偽の申請が発覚すれば、受験資格が取り消されるだけでなく、数年間の受験禁止処分を受ける可能性があります。
さらに、合格後に虚偽が判明した場合は、資格が剥奪され、その資格を使って行った業務についても問題視されることになります。会社での立場も危うくなり、懲戒処分や解雇の対象となる可能性が高いです。業界内で評判が広まれば、今後のキャリアに致命的な影響を及ぼします。
虚偽の申請は、私文書偽造罪や詐欺罪に該当する可能性もあり、刑事罰の対象となることもあります。一時的な近道のつもりが、取り返しのつかない事態を招くのです。正当な方法で実務経験を積み、堂々と受験することが何より重要です。
まとめ
造園施工管理技士の資格取得には、1級・2級ともに実務経験が重要な要件となっています。令和6年度の制度改定により、第一次検定は実務経験なしで受験できるようになり、若手でも早期に挑戦できる環境が整いました。第二次検定には実務経験が必須であり、新制度では第一次検定合格後に経験を積むルートが一般的です。
令和10年度までは旧制度でも受験可能なため、自分の状況に応じて有利な制度を選択できます。旧制度では学歴や保有資格によって必要な実務経験年数が異なり、2級合格者や技能検定合格者には優遇措置があります。自分がどの要件に該当するか正確に把握し、計画的に受験準備を進めることが大切です。
実務経験のごまかしは絶対にやってはいけません。必ず発覚し、資格剥奪や刑事罰など深刻な結果を招きます。正当な方法で実務経験を積み、確実に資格取得を目指しましょう。造園施工管理技士は、緑豊かな環境づくりに貢献できるやりがいのある資格です。
